ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)
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ひとりっ子の感想・レビュー(239)
テレビ討論会のテーマは『機械は思考できるか?』ロバート・ストーニイは言う「その子の世界から自然数を完全に消し去るには、きわめて異常な環境と、虐待に等しいレベルの剥奪が必要になるでしょうが、それだけのことをすれば子どもから 魂 を 奪えるのでしょうか?」
読了までえらく長くかかってしまった‥ ルミナス以外は、正直リーダビリティが低かったなあ。けど、gemとかsingletonとかエキストラとかのコンセプトが他の作品とラップしてるのは面白かった。これは作品群を統合して同一の世界を構築する、というのではなくて、ガジェットのアイデアの説明を端折るために構築済のコンセプトを流用してるだけなんだろう、と思う。あと解説において、イーガンは「テクノロジーが“人間”のイメージを変える」ことを描いいている、という主旨を述べているが、(コメントに続く)
ハードSFってこういうのを言うのか。読んで初めてわかった。「ルミナス」や「オラクル」はわけわからなかった部分が多い。それに数学上の新発見を守るため?血に毒を仕込むとか・・・本当に謎。これはハードだ。「行動原理」「真心」に出てくるインプラントの話はすごく面白い。「ひとりっ子」は、アイデアはともかく生まれなかった子供の代わりにあの方法は違うだろうとしか思わなかった。
若干今ひとつ。というのも自分が イーガン = 「絶望的な世界において、どのような選択を個々人がなしたか、を描くのが面白い作家」だと考えてるからだと思う。ルミナス・ひとりっ子あたりは「そこより先か、もっとその葛藤を描くべきでは」感が強くて祈りの海/しあわせの理由あたりより落ちる。ていうか特に「ひとりっ子」はなんかもっと料理の仕方無かったのか。家出に至る過程と、家に戻ってからのその後が一番面白いところだと思うんだけど全スポイルするのは何故だ。次の作品のためか…
「さて私は『何』でしょう?」を問いつめ、未来の技術で確かめる人々。あるものは自由を、あるふたりは不毛を手に入れ、学者夫婦は、まさしく『科学の子』の予想外の行動に戸惑う。難解な数学的要素がちりばめられているが、その向こうには、人間らしい物語がある。歯を食い縛ってでも読んでみよう!
この人が70億人の人類で一番SFのことを考えているのか、いやアイデンティティー、「自分とはなにか?」を徹底と執拗に偏執的に考えないとこういう作品郡は生まれないんだろうな。2000~2010の翻訳SFをひとりでけん引しているグレッグ・イーガン。2011年の「プランク・ダイヴ」はさすがに難解だったけど数年後に読み直したら理解できそう。とにかくイーガンは先を行き過ぎて常人が追いつけるレベルではない。でもやっぱりイーガンは面白い、知的な快感を刺激してくれる。最高だ。
あられもない理論の面白さや描かれるイメージの美しさ。そして、かくも脆く揺らぎながらもそこに在ろうとする感情、自己同一性へのいとおしさが込み上げてくる。
イーガン短篇集3つ目。特に良かったのは「真心」「ふたりの距離」。「真心」では自分の価値観を変えれる手段が出てきた初期段階の使い方として面白かった。毎度だけど登場人物の葛藤が真に迫ってていい。「ふたりの距離」は個々人間の認識の違いの一つの追求結果として新鮮だった。異星人とセックスする小川一水短篇にも通じるとこがある(逆かw)。物語としてのオチもよかった。あと「ひとりっ子」。『宇宙消失』の多世界解釈verとしても、またイーガンが追求してる不死性の実現パターンの一つとしても楽しめた。
ハードすぎて理解できない部分が多々あった。量子コンピュータとチューリングマシンあたりは今後調べる。多世界解釈に懊悩するリアリティはよくわからん。
表題のひとりっこは多世界パートは個人的にいらなかった(僕が多世界ものが嫌いというのもあって)。人間と変わらない知性を持ったAIが誕生した黎明期の話ってだけで十分面白かった。
再読。「決断をした僕としなかった僕、どちらもあり得た」を覆す表題作を筆頭に、イーガンおなじみのモッドや宝石などのガジェットを下敷きにして、人間の自由意志や決断についての発展的な解釈を推し進めたネタが多い。「ルミナス」だけその中で異色か。アイデンティティは技術によって浸食されるのか変質するのか拡張されるのか、それとも進化するのか。
人格改変とアイデンティティーに関する短編が多い。自分とは何か、他者とは何かを現代テクノロジーの延長として高いレベルで小説にする力量は相変わらず。量子力学と脳科学がメインテーマだけど一番面白いのは数学SF「ルミナス」奇想のオンパレードだ。他の短編集よりは密度が落ちるけどやっぱり最高のSF作品集だろう。量子力学に関する最低限のイメージがないとややキツイ
面白いものと、さっぱり意味不明なものが混在。ルミナスとひとりっこが面白かったかな?あとは設定の説明が多すぎる気がした。肝心のストーリーより設定優先?
「オラクル」にC・S・ルイスをモデルにした登場人物が出てくるところが興味深かった。おおそれでトールキン。「決断者」のアイパッチがガジェットとして面白そうだったけど、それそのものは大事じゃないのかな、残念。
脳や意識を扱った「真心」「決断者」などの作品が、科学者たちの思索をなぞっただけに終わってるのがつらい。10年以上前に書かれたという点はあるにせよ、これならデネットやラマチャンドラン読んだほうが面白いよ。その点バカアイディアが炸裂する「ルミナス」、量子力学をとりいれた歴史改変SF「オラクル」はよかった。表題作は微妙。多宇宙の分岐に苦悩する男が主人公だが、それに共感できる読者は少ないだろう。
「オラクル」、「ひとりっ子」以外は実はSF初心者も読める作品で、逆にその二つに限っては量子コンピュータの知識を事前に仕入れないとイミフだと思う。「ゾンビのお通り!」ってギャグ(351P)は面白いんだけど、わかる人が少なすぎるよ!『宇宙をプログラムする宇宙』を読んでいて幸い。この二つは物語的にかなりダイナミックなので(「ルミナス」も大がかり)長編でも読みたい。奥泉光の解説は文学用語でコテコテ装飾されていて、いまいち氏がどう感じられているかわかりかねるが、個人的にはイーガンの小説の世界観には羨望を感じます。
「行動原理」「真心」「ルミナス」「決断者」「ふたりの距離」「オラクル」「ひとりっ子」収録。数学的な話がほとんど理解できなくて困った。ほとんどSFを読まない人間には少々敷居が高すぎる気がする。「真心」が好きなのだが、理解できたから好きなだけなのかもしれない。他の短編集から読んだ方がよかったのかもしれない。
存在の根底を揺るがしてみせる作品が多い。印象に残ったのは「真心」「オラクル」。/もう少し量子論の知識をつけてから読むとさらに面白いかもしれない。他の短編集も読みたい。
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感想・レビュー:71件














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