世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)
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世界の中心で愛を叫んだけものの感想・レビュー(344)
たぶん多くの人がエヴァの影響で題名ぐらいはしているだろう小説。スピード感と読ませる力がすごい。どの短編も凶暴で暴力的な印象を受けた。
中々にえぐい話が多い短編集。だけど面白い。よくわからない話も何個かあったけど、表題作の『世界の中心で愛を叫んだけもの』も一読しただけではピンと来なかった。後半にある作品のほうがわかりやすくて面白いかな。『殺戮すべき多くの世界』、『少年と犬』あたりが良かった。
作者まえがきに、「未来の無限の可能性を信じる人びとが、異なる未来を異なる手法で表現しようとするものに自由な発言の場を与えないはずはない。」とある 15 の短編からなる作品集。合わせ鏡に写り込んだ暴力を覗いてみると、愛というものの存在を強く意識せざるを得ない状況に。「世界の中心で愛を叫んだけもの」1969 年 ヒューゴー賞短編小説部門受賞作品。「少年と犬」1969 年 ネビュラ賞中長篇小説部門受賞作品。某アニメや某国産小説には惨憺たるものを感じる。観たり読んだりしてないけど。
某アニメの影響で手に取ったSF短編集。所謂「普通の生活」への反発に端を発する暴力の連発。「中二病の原型?」のコメントが当たっているような気がする。70年代のSFは元気。戦闘シーンに往年の「野良猫ロック」シリーズを思い出したりした。
引用されまくるのも納得のアシッドなわけのわからなさに、ひねくりまわした結末、何よりも全編を貫く、オナニーの最中母親に部屋に入ってこられた中三みたいな怒り。年代を考えるとオリジンの土壌となったと考えるべきか、こりゃ是非他のも読まねば。
SFと暴力とをミックスさせた攻撃的短編集だが、言いたいことはシンプルだ。どれもこれも何の意味がないということ。嘘っぱちだということ。愛ってワケわかんねえということ。ついつい世界観の作り込み方に入れ込んで重苦しく読みがちだが、軽く楽しめばいいと読了してやっと気がつく。これはエンターテインメント小説だ。
短編集。「鈍いナイフで」「満員御礼」「殺戮すべき多くの世界」などなどどれも独創的で鮮やかにその世界が見事に提示される。全体を通して見れば暴力や戦争について扱ったものばかりであり、圧巻である表題作に示されているような暴力や狂気の受容、というか新しい向き合い方がテーマなのだろう。その暴力はつねに愚かで無慈悲で語ることがないものであるはずなのに作品中では一種独特の地位を占めていることが何とも言い難い固有の印象を私に与えるのである。あとやっぱりタイトルがかっこいい。
宇宙外の生命体(?)とかまじ……大好きです。少年と犬はいいね、恋愛至上主義が浸透しきってる皆さんに読んで頂きたい。愛は世界を救わないが、少なくとも犬は君を救うのさ! でも、アニオタとしては「殺戮すべき多くの世界」の方が好みだし、「世界の中心で愛を叫んだけもの」の方が作品として良いと思うな。
ひょっとして、中2病の原型? ってくらい思春期真っ盛りな苛々感に満ちた本書。ただ、エリスンさんはそんじょそこいらの中2病ではなく巷では伝説化されるほどのウルトラヴァイオレンス中2病だったようで、取材と称して、リアル不良団に潜入したというのだからすごい。『少年と犬』が突出しているのは間違いなく、途中オチは読めたものの、最後の一文がイカレ過ぎていて最高。表題作も破天荒なプロットながら見事に物語を終結させる豪腕に唸らされた。ストーリーの時間と空間を操る術を持つエリスンさんは間違いなく最強の中2病作家である。
セカイ系とかにも通じるところがある短篇集。よくわからない状況があって、それがだんだん解明されていって、最後にひとひねりあって終わるという話のパターンは共通だがそれでも飽きない驚きがある。翻訳からでも分かる単語レベルでの言葉遣いの悪さは良くも悪くも。
傑出の短編は「少年と犬」。世紀末のボーイミーツガールと見せかけてボーイミーツガールの世紀末。子供には絶対読ませたくないグロテスクな結末。少年は少女を愛していたけど犬と過ごす粗野な生活を変える気は全くなかった。少年はそれを犬への愛と美化したけど、裏にあるのは自己愛だと思う。犬の心当たりが自分にもある。
世界の設定を説明する要素としての物語という構造が殆どの作品に見られた。つまり話の終わりに初めてその世界が概観できるような作品が多い。だから物語は極めてジャンル的なんじゃないかと。アメコミ風なある種の陳腐さが設定の奇妙さと対比されて、異常な日々の極めて良い日常が演出される
読むづらい。これを翻訳するのは難しかったろうにとおもった。どの作品もバイオレンスな内容で、気持ちの良い作品はない。マニアックなファンが多そうだなぁと思ったが、個人的には好みではない。
表題作以外だと『サンタ・クロース対スパイダー』『鋭いナイフで』『殺戮すべき多くの世界』の3編がお気に入り。特に『サンタ・クロース~』は映像化するにはうってつけだなあと思った。歩く武器庫と化した主人公が次から次へと敵の陰謀を潰しまわるというアクションたっぷりな内容といい、やたらと歯切れの良いテンポの良さといい、楽しませてくれる。度々出てくる、「S.P.I.D.E.R.」の略称にまつわる言葉遊びのくだりにもクスリとさせられるし、一転してなんともいえない結末を迎えるあたりも含めて軽妙な一編。
エヴァ信者(笑)なので読みました。全編に渡ってイライラした感じがする。ウルトラ・ヴァイオレンスと裏表紙にはありますね、なんじゃそりゃ。これくらいのわけのわからない話はいいですね、主人公が生に対して強い執着を持っているのも好き。頑張る方向は間違ってるかもしれませんが。あ、短編集なんで各々、主人公は異なります。
再読。12月はクリスマス作品強化月間!「サンタ・クロース対スパイダー」を読む。夢見る1960年代のSF作品には陳腐化してしまったものが多いが、エリスンのは凄い。人間の本質を突いているからだろう。鬼才!天才!なんだろうな。短編の構成、設定、文体が素晴らしい。個人的には「殺戮すべき多くの世界」や「錆びたナイフで」のカタルシス具合が好きだ。タイトル作品は某アニメ等にデスコピーされているのが悲惨だが、フツーのセンスの作家だったら「時間交叉」とかだろうなぁ。タイトル名人でもあるわけよ。
全体の最終的な最適化のために犠牲になる今この瞬間の個別(あるいは今この瞬間の悪行が、最終的最適化に資する)、みたいな構図が多い。そういう意味では例の26話もそう的外れでもないのかもしれない。『少年と犬』はエロかった。
途中で断念。フィクションを前面化させ過ぎというか物語ろうとし過ぎといえば良いのか。本当らしさという意味でないリアリティが感じられない。ウェルメイドな物語が多かったとは思うけど魅力があるとは思えない。執筆時が68年前後なのでベトナム戦争の影響か戦争もの(それ以外も何かしら諍いや攻防あり)が多く読んだ限りでは短編集の中の登場人物達は方法や程度の差はあっても平和について考えることになる。面白さや魅力は世相とか社会といったものをネタとしている(基底にあるというか)ところがバーセルミに似ている気がした。
ひとりの人間の主観的な認識力が、世界全体に対して働きかける。ひとりの平和への望みが戦争を止め、ひとりの肩に人類の命運がかかっている。彼の内面が全世界規模に拡大され、彼は世界に共感し、愛情を見出す。……傲慢? だけど、とても慈しみ深いのだ、「世界」というものが。
突然、無性にSFの世界へと漬かりたくなる。『世界の中心で愛を叫んだけもの』は、以前からずっと、読まねば読まねばと思ってきた作品。著名小説は裏切らない。本編は、タイトル負けすることなく、面白さ以上のものを、しっかりと与えてくれた。わたしたちは、人間であって獣だ。愛と暴力にもみくちゃにされてこそ、真実、生きていられる。本作は短編集で、本書のタイトルは、一遍の小説につけられたものだけれど、短編のどれもが「世界の中心で愛を叫んだけもの」の物語だった。
エヴァンゲリヲンの最終話、同名タイトルの元ネタ。翻訳家のオジサンから1年くらい前に譲り受けた本です。面白いが読みづらく難解。やっとこさ読了。
高度に幼稚で適度に浅薄な、実験的SF短編集。説明僅少のまま進む構成が印象的。暴力とドラッグのモチーフを繰り替えしながら、共感を突き放す世界観。著者の哲学を感じつつも、子供の夢の中を揺蕩うような気分に☆★
1969年。愛と悪意をひたすらにテーマに掲げ続ける短編集。表題作を代表とした観念的な作品が非常に好み。まえがきを読んだ時点で明らかなように、作者のナルシシズムがこれでもかと注ぎ込まれている。良い。
☆6 奥深さのあるSF短編集だった。でも一度読んだだけではなかなか理解しづらいものもあり、予想外に難しい読書だった。説明不足で不親切な文章、まさにSFの悪いところが出ているきらいはあるが、もちろん物語として楽しめる要素も十分にある。『星ぼしへの脱出』や『聞いていますか?』なんかはシンプルに面白い。表題作は何度か読まないとわからないけど、やっぱり名作だと思う。
エリスンの短編をまとまって読んだのは初めて。40年以上前の作品とはいえ、目新しさは感じられない(要するに、既読感ありあり)。特に前半の作品は読むに耐えないのが多い。ラストの数篇は、まあマシだったが。428ページ
滲み出る狂気と愛と暴力の短編集。表題作と「眠れ、安らかに」にが個人的に良かった。特に表題作は短いながら難解でそれでいて色々な想像の余地があってすごいとしか言いようがない。
世界の中心で愛を叫んだけものの
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