地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)
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地球の長い午後の感想・レビュー(224)
地球の半分を植物が支配するようになった遙かな未来。生物学的ヒエラルキーの最下層に追いやられた人間達が、必死で生き抜こうとする姿を描いた、壮大なスケールのSF小説。とにかく弱肉強食そのものとも言えるほどに世界観がシビアで、幼い子供が容赦なく葉っぱに捕食されたりするし、大人だって植物(?)に脳を乗っ取られたりする。そしてその植物たちの多種多様さと言ったら。オールディスの創造力の深さを改めて思い知らされる。ストーリーはやや場当たり的だが、それを補って余りある世界観が読む人を飽きさせないだろう。
持てる想像力を駆使して読んだけど、ほとんどは想像し切れなかったなあ。今まで読んだこともないような進化の仕方をする動植物たち、それらが自らの生命の維持のみのため生きる世界。その中で生きるなんとも弱い人間たち。・・・一度読んだくらいでは、到底飲み込めない。見慣れない動植物の名前や行動・習性・・・それらをよくここまで日本語訳したものだ。訳者に敬意を払いたい。また、椎名誠さんの「アドバード」「水域」や貴志祐介さんの「新世界より」がこの作品に影響を受けていることがよくわかった。CGでよいから、ぜひ映像を見たい。
あらゆるニッチに適応した植物、というアイデアは新鮮だった。 これを読むと、ドゥーガル・ディクソン著「アフターマン」「フューチャー・イズ・ワイルド」を読みたくなるな。
文明の崩壊した世界とそれに伴う退化というSFで広く扱われている題材について正面から真摯に向き合い一つの模範的な形を作り出した作品という感じのSFだった。
最近の僕の趣味:「今風の表紙に騙されてSFを買って読み終わった時にいつかかれた小説かを知って驚く」。まだまだSFしろーとだからできる芸当ですね。「ぬぬーっ」とした読感だったから結構古いだろうとは思ってたが62年とは。いやはや毎度SF作家の洞察力・想像力には驚かされる。中身は「植物が進化した世界」
地球に植物が跳梁跋扈したらという設定に作者の圧倒的な想像力を垣間見ることが出来るが、如何せんそれを表現している文章の形容が複雑怪奇、かつ訳が古いこともあり、情景を中々想像しにくい(それはプラスにも考えられ得ることは断っておかねばなるまいが)。強烈で壮大な世界なのだろうけれども、個々の要素に具体的にのめり込めなかった。ただこれほど「SFはやっぱり絵だねぇ」という言葉がしっくりくる作品はない。また話の展開や主題は至ってシンプルであるためそこに新鮮さは見出せなかったが、古典SFであると考えれば妥当だろう。
複雑な世界描写につっかえながらも読み終えた。太古の文明やそれが残した知識と、現在を生きる個人の経験の対立。世界が終わりに近づく中、危険に溢れた未知の世界で生きる主人公の最後の言葉は考えさせられた。
原文がどうなっているのかわからないけど、ポンポンの喋り方が鬱陶しいのと、キャラクターの動きが絵的にどうなっているのか見えない。おすすめではあるけど、SFではないような。
進化を続けるほど逆に分類があいまいになるという理論はなかなか面白いと思ったが、ハードな考察・説明を期待していたのでそこが少し残念。ただし異文化の描写は抜群。舞台は地球であるが、異世界物をハイファンタジーと呼ぶように、この作品をハイSFと称してもよいと言えるほど世界観やガジェットが機能していると思う。固有名詞の訳もよい。
夜の世界の絶望感と、どうしようもない孤独感が一番胸に迫るものがあった。絶望的な世界で子を育てようとするヤトマーに正直感動したよ。あれがあったから、ラストの彼らの行動に非常な共感を憶えるのだな。
タイトルがいいなぁ。「温室」より断然いい。長い午後という言葉が想起させる暑く気だるいイメージが作品の雰囲気に最高に合う。よくある文明崩壊後もの(?)かと思いきや、作者の想像力はスケールが違った。圧倒的なイメージでお腹いっぱい。一番、共感しやすいキャラクターがアミガサダケというのが笑える。
アミガサダケさんかっこいいよ。わりと理論よりキャラよりプロットを押し出す作品。そしてそれ以上にイメージを重視している。SFを読んでいるというよりも、神話時代の物語を読んでいるような気にもなってくる。あとサンドイッチ姉さんクソワロタ
遥かなる未来、膨張する太陽、巨大な一本のベンガルボダイジュに覆い尽くされる地球、何種族にも変容した人類、得体の知れない生物たち・・・。濃密で、これぞSFという世界。強烈なイメージが頭に貼り付いて離れません。夢だとわかっているのに目覚めることができない悪夢に似た恐怖があります。初めて読んだのになぜか懐かしさも感じました。
とにかく世界観重視の壮大なSF。というよりファンタジー。訳のせいか形容がとにかく複雑なせいか常に情景の想像を膨らませて読まないと分かりにくくかなり疲れるが、その分入り込んでくる強烈な視覚性には圧倒される。テーマや筋はベタかなって感じもするけど、作家の想像力を垣間見るためのSFという点で見れば一つの到達点だと思う。あと表紙は実にいい。
退化なのか進化なのか。環境に適応しているという点では、進化なんだよね?植物が世界を支配している可能性は大きいと思うのだけれども、ゴキブリも残っている可能性が大きいのでは・・・、と、思ってしまうのだわ。
思いっきり期待していただけに読後感は非常に微妙。σ(^_^;)『やがて地球は片面を永遠に昼、片面を永遠に夜にしたまま停止した』強すぎる太陽光は動物を衰退させ昼の世界を植物の王国へと変えていった。出だしの緑の魔境とも言える異世界描写は実に秀逸。このまま最後まで異形植物中心で行ってほしかった。鳥人、ポンポン、トンガリ等人型異形生物が登場してからはありきたりのファンタジーとなってしまい残念。ところで椎名誠のSF三部作「アドバード」「水域」「武装島田倉庫」は本作へのオマージュとのこと。取り敢えず読んでみる予定。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 07/29
1962年。Hothouseはイギリスでのタイトルで、アメリカでThe long afternoon of earthと改題したんだそうな。今想像するところの"草属性""岩属性"の"モンスター"が跋扈する世の中での人類のサバイバル。知性の衰退した人類の行動が作品を通じて終末感を醸し出す。
美しい山河の写真がいっぱい載ったエコ広告を見た後にこれを読むと、自然の営みってきれいなのと同時になかなかグロテスクなものだったと、我にかえります。でも面白い…。寄生虫とか、カマキリの卵とかを、気持ち悪いのに魅入ってしまうあの感覚に似ています。
グロテスクな描写が生理的に受け付けず、世界を闊歩する未知の植物の名称が覚え切れず、想像力も追いつかず。自分の力不足を感じつつも、さいごまで読みきった。実はサバイバルをかけたロードムービーで、男と女の話で、シンプルな物語構造になっている。これが共感ポイントなのだろう。世界の崩壊が間近にせまるなか、それでも主人公の選択がよい。
自転運動をやめてしまった地球で、最も力をつけたのは植物であり、人間はその陰でかろうじて生きている。設定は面白い。ただ読むだけで自然と情景が浮かぶ描写ではなく、積極的に想像力を働かせなければついていけないタイプの小説なので、そういうのが好きでない人は疲れを覚えるかも。
勢力を伸ばす植物と人間との対決から、主要人物とその他の種族との邂逅が中心となっていく。植物に覆われた終末的な地球の世界、というだけで想像を膨らませて入り込むのが楽しかった。ただ、その後の予言される地球の行く末に関してはややありがちかも。
SFの想像力の限界に挑んだと言うが、チャレンジ過ぎて置いていかれてしまった感がする。しかし、ぐーっと広げてキューっと戻していく終わりの発想が面白かった。とりあえず、表紙がカッコイイのは間違いない。
ハヤカワSFとして出ているけどSFよりもむしろファンタジーの比重が色濃いサイエンスファンタジー(SF)。こう思うとちょっと無謀な設定も納得できちゃいます^^。『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』を想起させる自然など視覚的にも壮大でイマジネーション豊かな作品でした。
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感想・レビュー:61件














































