猫 (中公文庫)
猫を読んだ人はこんな本も読んでいます
猫を追加
猫の感想・レビュー(98)
大正十五年当時、柳田國男さんは、人と猫との間柄は自然に離れて行くと予想していますが、それから八十年以上経つ現在、人は益々猫の虜のようだというのがこの本を読んだ感想です。
有馬頼義、猪熊弦一郎、井伏鱒二、大佛次郎、尾高京子、坂西志保、瀧井孝作。壺井栄、寺田寅彦、柳田國男による猫の随筆、短編集。昭和29年に発行された本の文庫化。本文は旧仮名遣い。寺田寅彦の文章が良かった。最初は猫を飼う事を肯んじなかったが、飼ったところ段々と猫に愛情が湧いていく描写、猫の行動を注意深く描いている描写が、実際に猫を飼っている人なら「そうそう!」と思わず膝を打ってしまう文。残念だったのは、作品社から発行されている『日本の名随筆(3)猫』とかなり収録作品が重なっていたところ。
数世代まえの著名な作家・随筆家のほか評論家・翻訳家のそれぞれの猫目線が読めたと思う。文章で表すのだから読み手のわたしたちはそこから描かれている「猫たち」を彷彿するのであるが、坂西氏を除きほとんどの著者が猫と対等な間柄を取っていると感じる。猫からすれば当たり前であろうが、このスタンスがあるからこそ「猫たち」が文章の中で活きていると感じる。作家の上手さ、猫の生きて死んでゆく様を書いた有馬氏の一文は悲喜が溢れよかった。また、井伏氏の蛇と猫との攻防の一文は惹かれる。やはり寺田寅彦は清澄さと快に浸れる。
読みながら猫の動きや、鳴き声や喉をならす音が聞こえてきそうで、どの猫も可愛かった。漱石マエストロを目指し始めた私には寺田寅彦の話が読めて嬉しく思った。
56年前の昭和30年に発行された『猫』という本を少しアレンジして作り直され、新たにおまけもつけてある短篇集。読んでふやけてしまうような猫の可愛らしさが書かれているというよりは、猫の本質・本性を描いているものが多いので、そういうのを期待して読むと面食らってしまうかも。猫という自由奔放な生き物を飼う猫好きな飼い主達のおおらかさや、猫に振り回される様子が読んでいて心地いいです。著者それぞれの猫観とでもいうのかな、猫との距離感も人それぞれでそういうのを感じ取るのも楽しかったです。
猫エッセイのオムニバス。有馬頼義とか瀧井孝作とか寺田寅彦とか、大戦前後が日本文学の最盛期だと思っている人間にはたまらないセレクトでした。もともと底本があって、それを再現したもののようですね。変態性欲研究者を名乗るプロデューサー(?)にもかかわらず、予想に反してたいへん可愛らしい一冊でもありました。
『犬』よりも各作家の文章が繊細(あるいは神経質)な印象をうけました。それが、猫派と犬派の違いなのかどうかは分かりませんが…何れにしても、猫を飼いたくなりました。(…アレルギーあるけど)
猫派なので結構楽しく読めた。普段は読まない作家さんの作品もこういったカタチだと手にとりやすい。デザインとThinkの物語がカワイイ!!
柳田国男の考察が非常に面白い。改めてその分析力、表現力に心踊る。所で、ノラ、ドラ、ときて「うかれ猫」。このうかれ猫という表現がいたく気に入ってしまった。何だか陽気な酔っ払いみたくもあり、その名称だけで愛しくて堪らない。話は変わって、最近クラフトエヴィングの本がやたらと文庫になっている。10数年前、単行本をせっせと買い集めたものだ。懐かしい。祖父江さんの装丁がドキドキワクワクいっぱいの高揚感なら、こちらは「静」。心の隙間にスルッと入り込んでくる感じだ。人生、どちらも必須。
半世紀前に編まれた本が装いも新たに!読了後、いえいえ読み始めるや否や、周囲の猫に対しても、子どもの頃にわが家にいた猫に対しても、見方が一変です。「半世紀前」であることが、むしろとても新鮮な、そんな一冊でした。
読みにくいと敬遠しがちな古い文章でも、こんな愛すべきレトロさとかわいらしさ溢れる文庫になると、思わず手に取りたくなってしまう。猫は、「飼う」というより「いる」って感じがする〜
◎結構毛だらけ猫・・次から次へ猫だらけ。誰がどんな話書いたか分からなくなってくるけど癒されます。昔の飼い猫ってほったらかし。遊んで恋して子供生んで。日本家屋にコタツに猫・・憧れるなぁ~。もうすぐ『犬』も出るそう。そちらも楽しみ。
猫はいいなあ…個人的には飼うよりも時々ふらっと立ち寄ってくれるとうれしいと思う 寺田寅彦の、どんどん猫にはまっていく様子が楽しかった 谷崎潤一郎の、犬が4+2匹、猫が6匹ってそれは多すぎませんか
猫好き作家の短編集。帯の谷崎潤一郎の言葉「美しくてしなやかで、お上品で、さうかと思ふと悪魔のやうに残忍である。飼へばきつと面白いにちがひありません」が如実に猫の本質を表している気がします。
仕事の休憩中にうっかりタリーズで開いて猪熊弦一郎に泣かされる私は馬鹿なんだと思う。「猫の世界にも戦争があった。人間が苦しみあへぎ、生きぬいた様に、この小さな動物もやはり、その空気の中から、ちょう然と遊離は許されなかった。」寺田寅彦に弟子入り志願しそうな勢いで共感し、柳田の伝承紹介にひやりとし、クラフト・エヴィング商會からの「おまけ」でほっとしたとこで逍遥はいったん終わり、目出度く猫になった私は丸くなって眠った。
坂西志保『猫に仕えるの記』が楽しかった。ポツダムという猫は、オリーブが大好物で、湘南電車に魅力を感じている。同じ猫でも一匹ごとに性格がまるで違っていて、そこに人っぽさを感じ、とっても親近感を覚えた。
猫の
%
感想・レビュー:41件














ナイス!


































