寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)
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寡黙な死骸 みだらな弔いの感想・レビュー(360)
それぞれの話が緩やかにリンクしてて、しかも全体的に黒い。どの話が良かったか、という感想は出てこない、全て合わせて一つの物語という感じ。
作中に共通する「不思議な街」を細密に描いた一枚の絵の世界に閉じ込められてしまったような感覚でした。グロテスクで人もモノもなにもかもが少しずつ狂っている。読み進めるほどに腹の底が重苦しくなっていくのにやめられない。11の死がなんらかの形で綺麗につながっていき、読み終えてもこの連鎖から永遠に抜けられないのではないかと恐怖しながらページを捲っていました。表紙をふくめてとても繊細で綺麗な作品だと思います。どっぷりと浸かってしまい、ひとつひとつのシーンに想像意欲を刺激されて読後は頭がじんとしました。
小川作品を読むと、死がとても身近なものに感じられ、自分がフゥっと死の世界に取りこまれるよぅな気がしてくるから不思議♪時には殺人さえも描かれるのに読んでて全く不快ではなく、むしろそのどこか甘美な血の匂いに誘われるよぅに、次々に物語の扉を開けてしまぅ自分がいるのだ。各話が少しずつリンクする連作短篇集って好き~(*^-^*)!!雪で立ち往生する列車の中で子供たちがブラームスの『眠りの精』を歌うシーンに癒され、女性が夫に腐ったケーキを投げつけるシーンに唖然とし、『毒草』のラストで全てが1つに繋がった~♣3.5点
ひさしぶりの小川洋子。おぞましい。でも暗くてじめじめとした不快なおぞましさではない。かわいていて、ひんやりとした、静かなこわさ。小川さんらしい。読書メーターのレビューをよんで借りたのだけど、すきだな、こういうの。読切短編なのだけど、ひとつの街が舞台になっているので、すこしずつつながっている、ぜんぶが。ある登場人物が書いた小説などもまじっていて、おもしろい。
小川さんの本を読んでいる間、いつも訪れるのは奇妙な静けさ。まさに小川さんの小説を読むために訪れるような静けさ。ひとつひとつの文字が、その場その場にきちんと選ばれていて、けして他の言葉ではいけないような気がしてくるから不思議。「キーウイ」でなければ、「ベンガル虎」でなければいけないという感覚。すでにあった物語を丁寧に再現しているかのような錯覚を覚える。
一つ一つが超短編、および全ての話がリンクしているので、本来ならば読み易いはずなのですが、ジャンル的に自分が得意では無い系だったので、一気読みはできませんでした。ちょっとエログロなんですかね〜…(;´〜`)でも、小川洋子さんは今回お初なので、また違う作品にチャレンジしてみようと思います。
一つ一つの孤立した話が微妙に繋がる『死』と『弔い』の11の短編集。ある話に出てくる彼女は別の話では老女になっていたり、ある彼女はあの話に出てくる人の奥さんだったり。時間も場所も違う。それでも不思議に繋がっていく。そしてそれぞれが『死』に関わり様々な形で弔う。ダークなストーリーなのにどんよりもしないし、負のイメージもなく、むしろ上品とさえ感じる。そんな不思議な世界に入り込んでしまった。
間接的に話が繋がっている短編。題名が説明してくれてる。みだらな弔いだと思う。『トマトと満月』より“言葉の底にひんやりとしたさざ波が立っているような物語だった”作者が自分の作品に自己評価というか感想の言葉があり、こんな作品はじめてだと思いました。
作品の中で作品が書かれていて、おもしろい発想。
薬指~に続きタイトル&ジャケ買い。弔いの話だけに、出てくるのはやっぱり消失感。うまく言えないけど、綺麗な妖しさに魅せられて、もやがかかったほの暗い場所に静かに深く落ちていく独特の感覚。あぁ、これが小川洋子の世界なんだ、と。特に最後の『毒草』の章が良かった。一気読みでした。次は『人質の朗読会』が気になってます。。
タイトルに惹かれて衝動買いしました。死にまつわる11の物語。それぞれのお話は独立しているものの、不思議な繋がり方をしているので、短編集を読む…というより、ひとつの閉じた世界を彷徨っているような奇妙な感覚がしました。グロテスクな内容のわりに生々しさをあまり感じないのは、静かにそっと語られるおとぎ話のようだからでしょうか?小川洋子さんの作品は初読みですが、この世界観はクセになりそうです。ぜひ他の作品も読んでみたいと思いました。
短編集だが、全てのお話が僅かな繋がりを見せる。とても面白かった。これは今後も読み返すと思う。お話し一つ一つは単独で完結しているが、ほんの些細な出来事が次の物語に干渉している。つい自分の事と置き換えて考えてしまうが、自分のした事が知らぬ誰かの人生に干渉していたらと考えると奇妙な気持ちになる。古本を買うことも、実は前の持ち主の色々を引き継いでいるわけだしね。小川作品の短編集のなかでは独特な構成だが、とても良く考えられた作品だと思う。あまりアクは強くないし、小川洋子さんを初めて読む方にお勧めかも。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 10/03
物語が絡み合って小川洋子特有の世界観が見事に築かれている。静謐なる狂気がじわじわと心に迫ってくるのが恐ろしくもあり、強く惹きつけられる。
空想の世界に存在する街で起こる弔いの物語。「心臓の仮縫い」という話は面白かった。心臓が外に飛び出してる女性、それを収める鞄を作る職人。よくこういうことを思いつくなあ。怖い話なんだけど、雲や霧がかかったような世界観で、不思議とグロテスクさがない。
タイトル通り、死にかかわる短編集。哀しさや温かさよりも寂しさが際立っていた。どこか現実味のない話のためか、描写がグロいのに絵本を読んでるような感覚だった。
弔いの短編集、どこかリンクしていたり入れ子構造だったりしている。淡々とした狂気と言うか上質な狂気というか。総合病院の待合室で読むといいような題材があちこち。
小川洋子さん特有の美しいグロテスクさに満ち溢れた連作短編集。相変わらずこの妖しい雰囲気がすきです。普通に考えたらどの話も登場人物も歪んでいて異常でしかないはずのになぜか惹きつけられる不思議。
それぞれの作品がちょっとずつ登場人物によってリンクしているとともにメタ構造になっている。 それによって「物語」であることが強調されて不思議な空間に。世界というものは誰かが紡いだ物語をなぞってまた作り直し語りかける永遠の再構成なのかもしれないと思わせる部分も。現実と隣合わせで存在する静かな狂気とエゴの怖さがある。
短編集だが、ひとつの短編に登場した脇役や場所・エピソードが、次の短編ではメインのお話になるという形の連作集。お話はすべてなかなか奇妙でグロテスクだったりするが、童話のようにどこか淡々と語られていく。その感じがいい。キウイフルーツ(作品に象徴的に登場する)をサクサク切って並べられていく感じ。 深緑の毛の生えた薄い皮の下から輪切りになって現れる薄緑色のきれいな果肉。 どこかエロチック。
タイトルも章題も、すごく素敵。話や登場人物には狂気と、ともすれば気持ち悪くなるような腐敗した思いが感じ取れるのに、文体が美しいので苦にはならない。乾いたエロティックさを感じる。
物言わぬ死者に対峙した時人はうろたえる。己の往く末でもあることを知っているからこそ冷やかにうろたえる。一見シュールでもあるこの小説はうろたえている人間へのオマージュにさえ見える。小川さんの著書に見かけることのできる、乾いたエロティックさが醍醐味。
フランス映画を観ているかのような、短編が織り成す円形。どこまでも生々しく、グロテスクな物語なのに、なぜか冷ややかな印象。小川さんの本を読むたびに、見てはいけない物を見てしまった高揚感とほんの少しの罪悪感を感じるのです。
再読/この本を読んでいると、狂っている世界がほんとうのことで、わたしたちのいる日常が逆に狂っているように思えてくる。でも、あるときにふっ、と日常に引き戻されて、何故か酷く安心する。/暖かい狂気。好き。凄く好きだ。
途中まで1日1編と決めてたんだけど。あれ、もしかして微妙に繋がってる?と気付いてからほぼ一気読み。やっぱり最初と最後も繋がってた。多分普通ではない弔う話と葬る話というか。どんなモチーフでどんな話であっても、小川さんは綺麗に書き上げてしまうんだなと思ったり。1番印象に残ったのは『ベンガル虎の臨終』だけど『心臓の仮縫い』もなかなか。『洋菓子屋の午後』や『果汁』も素敵な気が。読む人を選ぶかもしれないけど。たとえば自分が死んだ後でも誕生日にケーキを買ってくれる存在があったら嬉しいかもしれないとか。のんびり家にて。
寡黙な死骸 みだらな弔いの
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感想・レビュー:92件



















































