スティル・ライフ (中公文庫)
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スティル・ライフの感想・レビュー(549)
今更ながら初池澤夏樹。理系脳って、物事をシンプルに伝えることができてうらやましい。とつくづく思わされた。文壇の人が同じ物語を書いたらこの分量では済まないだろうな。印象に残ったのは「ヤー・チャイカ」父と娘とロシア人の話。まったく違う3つの個性が短い文章の中で違和感なくすみ分けられて交じり合っている。仕事と恐竜と宇宙が渾然一体。不思議な感覚になる。
『スティル・ライフ』読了後、なんだか自分がふわふわした不定形の物体になったような気がした。池澤夏樹、もっと早くに読めば良かった! とても綺麗な文体で綴られる、印象的な出来事。会話の中に知的好奇心をくすぐるような描写が多くあって、すぐに物語の中にのめり込んだ。もっとも、のめり込むというよりも『ヤー・チャイカ』でいう《局所的な霧》の中に迷い込んでしまった、という方が近いかもしれないけれど。
ずっとずっと読みたいとおもっていた池澤夏樹さん、の初読み。スティル・ライフ/物語中盤になるくらいまで、これはどこか異国の、例えばギリシャなんかの小さな街で繰り広げられている物語なのだなと思っていた(おそらくぼうっと読んでいたら色々と見過ごしただけだが)「東京」という文字が目に飛び込んできて目が覚めた。東京かよ!東京といわれてもなおどこか違う世界な気がする。一つの小宇宙をイメージする。懐かしさを憶える。初めて村上春樹やよしもとばななを読んだときの肌のざわめきが蘇った。あとなぜか森博嗣をおもう。理系脳だからか
ちょっとわたしにはあわなかったかなぁという感じです。説明文っぽいとこが難しかったからか、宇宙や微粒子の話がピンとこなかったからか。また違う気分のときにもう一度読んでみようかなと思います。
スティル・ライフを読んで、話全体を別の世界から覗いている風に感じた。一つ一つの言葉や、会話にも、その視点か書かれているように見えて、そこに作者の職人気質みたいなものをふと感じて、すごいと思った。話のテーマがぶれない。ダイナミックなジェットコースターを乗ると言うより、美しい絵をじっと読み解いている気分。また読み直したい。
スティル・ライフ 世界の成り立ちを天文や気象といったものに感じながらも、人類が創造したシステムとしての経済活動に取り組む佐々井とぼくが過ごした短いひとときの物語。遠くの自然にあこがれ、そして逝ってしまった星野道夫が佐々井に重なる。二つの世界の調和に悩んだらまた読みたい。 ヤー・チャイカ 親の引力圏を離れて自分の世界を築きつつある娘・カンナ。戸惑う父親・文彦。テレシコワへ書いた手紙を回想するシーンが印象的。 ”カンナもあるいは探査機かもしれない。カンナはもう別の世界を飛行している。・・・もう父親にではなく
ふっと見えない糸から解き放たれていく読書体験。2作とも「変化」がキーワードになっていそうだ。人はルーティーンワークに快感を覚える性質を持ちつつも、「変化」というものを常に気にかけている。計らずとも転機はやってくる。新たな体験を刺激としてではなく全体の一部として、自ら変体をくりかえし、すべてがいったいに溶け込む印象の『ヤー・チャイカ』の感覚が心地よかった。
ヤー・チャイカに挿入された恐龍(なぜこの当て字なのだろう)の話が妙に心に残る。表題作はまさに冬にぴったりなような気がした。疲れたときにふらっと読み返したい。
[A]読むたびに文章全体の透明感にやられる。科学的でいてどこか宗教的(というか表面的にはスピリチュアル)な表題作もいいけれど、「ヤー・チャイカ」もなかなかいい。穏やかな物語の中に登場人物三人の信念、性格が見え隠れする。政治的な問題をあつかっていながら、おしゃれ。
距離、奥行き、世界の呼吸。もがいて知るのではなく、たたずみ、耳をすますように。詩的な空間と淀みない時間への幸福な旅を。
「大事なのは、山脈や、人や、染色工場やセミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。たとえば、星を見るとかして。」「彼はネズミたちのための道徳から解放された幻のライオンとして、王座に登るように、絞首台の階段を登るだろう。」このあたりが特に好き。ずっとこの空気を揺蕩っていたいと思った。
不思議な読後感に誘われた。「スティル・ライフ」>>強烈な印象はなく、冷たさでもなく、じんわりとした静けさ、それはチェレンコフ光の青白さそのもの、宇宙と自然。文中に散りばめられた天文学的な会話、雪という気象現象、神社の境内でのハトの動作からの連想描写に酔いしれた。読了後冒頭に戻ると、初めは読み過ごした冒頭の2ページの意味深の哲学的な表現に、著者の思いが集約されていることに気づかされた。「ヤー・チャイカ」>>”恐龍を飼う少女”の挿話が、読み手の脳に空白を与える。知ろうとするまた読みたくなる不思議だ。
Gotoran@灯れ松明の火
読友紹介本「春を恨んだりはしない」を読む前に、著者の志向を知るために上記書を読んだ。少なからず、技術(科学)分野に身を置く者にとっては、池澤夏樹氏は好みだ。他著書も読んでみたくなった。
ナイス!
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11/23 13:55
読友紹介本「春を恨んだりはしない」を読む前に、著者の志向を知るために上記書を読んだ。少なからず、技術(科学)分野に身を置く者にとっては、池澤夏樹氏は好みだ。他著書も読んでみたくなった。
ナイス!
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11/23 13:55
タイトルの意味が「静止画」であるということ今更になって知った。どういう意味をもった作品なのか・・・他の読者の方々と語り合いたい作品。
借り物。気になっていたけど難しくて理解できないと思って中々手を出さなかった。芥川賞受賞作と見てさらに腰が引けた(今まで相性が悪い)。読んでみればスラスラ面白い。ただ、やはり理解はできてない、雰囲気読み。村上春樹に近い感覚、くどくないけど。「スティル・ライフ」と「ヤー・チャイカ」収録。「スティル・ライフ」の方が好み。世界が広くて発想や視点がぶっ飛んでいて新鮮、でもシンプル。自分がこんがらがってしまった時に読むとリセットできそう。「ヤー・チャイカ」も宇宙の探査機の下りは面白いけど、恐龍の話が分からない…。
こういうものを読んで面白いと思えるようになりたい。つまらなくはないのだが。スティル・ライフは素直に綺麗な表現を楽しめばいいが、ヤー・チャイカは難しい。
「ヤー・チャイカ」を併録。アンゲロプロスの全作品の日本語字幕を担当している作家とのことで興味が湧き。哲学的な対話から始まる登場人物たちはやがて極端に現実的な問題の対応に迫られる。とても繊細な文章は嫌いではないのだが、なぜか僕の肌には合わなかった。
池澤夏樹の小説はBLだと思って読んでます。だってガールフレンドに振られてもとくにがっかりもしないし、デートしてても退屈な若者が、正体不明の男を大好きになってあまつさえ一つ屋根の下で暮らすことまでして、男が去ってからは幻想の彼と脳内会話するとかそれもう完全にホモじゃないですか。
さすが芥川受賞作品といったクオリティーの高さです。起承転結がしっかりしているという印象。ただチェレコンコフ光や雪の話などは唐突さを否めません。個人的にはヤー・チェイカのほうが好きです。須賀敦子の解説は必読。
★★☆ クラシック音楽を聴いてるような文章で、心地よくて眠くなりました。無口なバーテンのいるバーが素敵。佐々井とぼくの話を静かに聴きながら、美味しいお酒に酔いしれたい。ヤー・チャイカ(わたしはカモメ)。ヤー・オリョール(わたしはワシ)。
雪とともに登っていく情景ははっとさせられた。話は正直、体裁というかあってないようなものかな。ヤー・チェンカは、恐龍と暮らす女の子の部分がいまいち失敗しているような。寓意が伝わりそうで、後一歩伝わってこなかった。
個人的に池澤夏樹作品は初読み。自分の内世界と外の世界との関わりかたを描いている。「たとえば、星を見るとかして」という言葉が非常に印象的。心に直接語りかけてくるような文章も素敵。現実にも起こりうるような内容に対し、全体に漂う空気は非現実で幻想的だ。自分の直観を大事にしたい作品。
スティル・ライフは勿論のこと、ヤー・チャイカがとても大好き。何度も読み返します。言葉が染みてくる。文章する言葉としない言葉の選び方が素敵。
始めて読む池澤さんの 本です表現が きれいな文章だと 感じました外に立つ世界と 自分の中にある世界に 折り合いをつけて 生きていくことの大切さを語ってる偶然にして 出会った人が 自分の人生に係わり 忘れることが 出来なくなることって あると思うし そんな人に出会えたら うれしいと思った
再読。「スティル・ライフ」だけなら読了までに30分前後だったというのに・・最後の一文字に至るまで数時間呆然と我を忘れていたような自己感覚でした。初読の芥川賞受賞時は80年代後半で、あらゆるジャンルでポストモダンの成熟時代。他の刺激的な事象も多くて私自身の未成熟な部分が池澤氏の感覚を捉えてはいなかった。筋を読む小説ではなく空気感を感じる小説なので、ディテールにあり得ない・・なんていう感想を持つのは非常にナンセンス。再読して本当に良かった。「ヤ-チャイカ」の交差する時間と思考も好きな感覚。
池澤夏樹氏の作品を初読。スティル・ライフの意味は、「静止画」の意味があるが、あらゆる場面にその描写がうつっている。雪の降る場面は、言葉で表現するとこんなにも美しく物理的にも表現されてて驚愕した。佐々井みたいな人があらわれるとこの世界は変わる感じがする。
池澤夏樹の著書を初読み。古い本(初版は1991年)なので、とっつき辛いかなと思ったけれどそんなことない!最近ないくらい素晴らしかった。世界は自分の内部に1つ、みんなと共有するのが1つあって、それをたまに寄り添わせて日々過ごす。みたいなのとか、お酒のグラスに大量の星が降り注いでいる描写などにぐっときた。物理を勉強していた作家ならではの理科的な描写が良い。
スティル・ライフの
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感想・レビュー:156件












































