通訳ダニエル・シュタイン(下) (新潮クレスト・ブックス)
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通訳ダニエル・シュタインの感想・レビュー(62)
とても難しくて、何度も投げ出しそうになったけど、最後まで読んで良かった。何度も何度も泣いた。ユダヤ人として生まれてゲシュタポの通訳となりゲットーから多くのユダヤ人を救い、その後カトリックに改宗。イスラエルに移り住んだ実在の神父がモデル。通訳とは単に言葉を訳すのではなく宗教、人種、価値観が違う人間同士の通訳を指す。イエスが十字架にかけられた意味を改めて考えた。私はクリスチャンではないけれど。 やっぱり神様はいるんだよね、ダニエル!と言いたくなった。
ユダヤ、ホロコースト、キリスト教の歴史的・宗教的背景を何も知らない自分だったが何とか最後まで読んだ。自分にとってのクライマックスはダニエルと教皇(旧友)の食事シーンだったが、他の人はどうなんだろう?
12/28:jun
11/06:Slave
上下巻という分厚さに尻込みして、なかなか手に取らなかったが、読み始めると止まらなくなった。ウリツカヤの作品は以前から好んで読んでいたので、期待は大きかった。しかしその期待をはるかに上回るとてつもない作品だった!素晴らしい。ダニエル・シュタインという小さな体から愛を溢れさせた神父がまるですぐそこにいるように感じられる。たくさんの人の様々な人生。それが幾重にも交わって世界はできている。ダニエルのような人がもっと生まれれば世界は変わる。きっとそうだ。
善き人であろうとする人々が、同時に圧倒的な無理解と非寛容を持ち合わせることの恐ろしさを感じる。善人と称えられる主人公でさえ家族のセクシュアリティを受容できず、それどころか女っ気がなく同性の友人とばかり遊ぶ段階で「受け入れられぬ者」なのではと不安を抱く。こうした無理解と非寛容が強く蔓延る世界では、セクシャルマイノリティがいかに疎外されるか痛感させられる。
05/25:ルナティック
実在のユダヤ人カトリック神父がモデル。一神教を信じる人々の社会で「宗教的寛容」を目指す、という事がこんなに困難なのかと驚いた。あらゆる人種・宗教の共存を目指す神父のひたむきさに、どうしようもなく心を打たれた。
02/28:まちこ
得られるものは解ではない。いくつもの問いです。その問いを、無信仰者が真摯に受け止めて考え、感じることができるのか? ページをめくる手が止められなくて、一昼夜で読み通したいま、そんな読み方でよかったのか、と思っている。
宗教や地理、歴史の知識がなさ過ぎて、挫折しかかったけれど読み通して良かった。紹介者に感謝。戦争中のひどい迫害はもちろんだが、宗教内での密告、追い落としなどに人間のたまらない醜さを感じた。いろいろなことから目をそらして生きているけど、もっと世の中を知らないといけないなあ
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、ユダヤ人、敵と味方、国、国籍、言語そのもの、ありとあらゆる分類が知恵の樹の実を食べた人間の原罪である。我々人間はその原罪を否定することも消し去ることもできない。そうではなく、原罪と共存し、耐えていく術を学ばなければならない。人は生きている限り、「遅すぎる」ということはないのだから。
10/21:さん
10/08:晴天
パレスチナの事があまり書かれてないのが不満なのだが、イスラエルという国でユダヤ教徒じゃないキリスト教徒ユダヤ人としてのダニエルが一石を投じる。彼がイエスの精神に立ち返って教会主義の権威を否定することはイスラエル問題にも繋がるはずだ。ホロコーストものというより、受難の中で生きて神の信仰を伝えたキリスト(ダニエル)を巡る物語であり、キリスト史的な部分では興味ある話が多かった。
09/12:ひなもち
09/08:fennel
08/21:mdsch23
正直、私のようにざかざか本を読んでいる人間が、軽々しく読んでいいのか?と悩みながらも、物語の魅力に取り付かれたかのように一気に読みました。人間が完全に理解しあうことは難しく、愛や赦しによってしか人は繋がることはできない。気になったとこ。「若い頃には、誰もが全てを知っているべきで、私は神父として自分の知っていることを全ての人々と分かち合う義務があると思っていた。年をとるにつれて、そうではないと悟ったよ」
06/03:どんぐり
05/16:かわ
05/04:crysalis
(2007・露)上巻から一転して、ここではどうしようもなく重苦しい展開が繰り広げられる。数え切れないほどの無理解が悲劇を呼び、ダニエル自身すら同性愛を理解せずに終わる。しかしだからこそこの小説全体に差している一筋の光、異者同士の共存を照らし出すダニエルの考え方が胸を打つ。彼はひとつの美しい魂を持っていたが、けっきょくは物語を繋ぐ一本の糸、すべての登場人物を読者の前に繋いで見せる糸でしかない。そうして私はもう、彼ら彼女らがすべて繋がっていることを知っている。
04/30:mariyuni
やっとこさなんとか読み終えた感じ。みんなが正しいと思うことをしていても、世界はシンプルにいかない。たった1冊の小説でも複雑すぎてよく理解できないのだ。やれやれ。
<私は本当の作家ではありません。そしてこの本は小説ではなくコラージュです。私は自分の人生や他の人たちの人生からハサミで断片を切り取り、「糊づけもせずに」 ここで改行! 「日々の切れはしから成る生きた物語」を貼り合せて作っているのです>(314ページ)
モデルになった神父が実在していたことに同じ人類として喜びを感じる。また、新約聖書を読んだ印象とカトリックとりわけローマ教皇の果たしてきた役割から受ける印象の乖離の不思議に答えを示してくれる本。
03/28:michok
相手の名前さえ知らずに、繋がっている自覚さえもなく、それでも繋がっていく。民族や宗教を越えて、主義主張、歴史も超えて。ひとりの「通訳」による「愛」と「理解」という言葉で。もしかしたら大仰な言葉ばかりが残って空回りしそうなテーマを、誠実に描ききってくれたことの偉大さ。この本に出会えてよかった。
他者に信仰を強要し、信じない者は敵だと弾圧し、さらには同じ宗派でも教義の解釈や信仰の仕方の違いで憎みあい、あるいは殺し合う。宗教だけではない。民族や言語、思想、あらゆるものが複雑で無理解に満ちたこの世界で大切なことは、何を信じるかではなく、どう行動するか。他の人に悪をなさないこと、共感と慈悲をもって行動すること、愛を広げること。このシンプルでひどく難しいことを、ダニエルは生涯をかけてやってのけた。彼のモデルとなった神父の名は、オスヴァルト・ルフェイセン。こんな人物が実在したことに、心が震える。
ユダヤの国で、キリスト教を教えるダニエル。彼の人生と彼になんらかの形で関わった人たちの物語が、書簡や対談などの形で生き生きと描かれている。極端な宗教の解釈による価値観の違いは、親子をも隔ててしまう。それに対し、ダニエルは宗教という枠ではない、もっと大きなキリスト教を体現していたのかと思う。
02/22:よっと
ナチスからユダヤ人を救い英雄視された一方で、ユダヤ人でありながらキリスト教の司祭であることやそもそもキリスト教の解釈がギリシャ・ローマ的な教会とは異なることでダニエルシュタインを異端者と考える人々もいます。しかしいつでもダニエル本人は飄々と信ずることを行動で表しているにすぎません。色々な考えに触れることのできる小説です。
ゆっくりゆっくり読み終えた。読んでいる間、泉のほとりのエリヤ教会にいつでも遊びに行けるような気持ちになった。第5章の重苦しさと、ラストに向けての作者による手紙、そして最後に、静かに静かに涙した。まるで幻のような、おとぎ話のような……。そしてホントにそんな人がいたという希望に、打たれる。
02/14:トラキチ
重いテーマをダニエルの人間愛が少しだけ軽くしてくれたように思う。ダニエルの「行動で示す」愛、すばらしいと思った。キリスト者はかくありなん。
通訳ダニエル・シュタインの
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感想・レビュー:27件














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