ガラスの街

ガラスの街
223ページ
325登録
amazon.co.jp でガラスの街の詳細を見る
読書メーターにつぶやく
share

ガラスの街を読んだ人はこんな本も読んでいます


ガラスの街を追加

読んだ本に追加
読んでる本に追加
積読本に追加
読みたい本に追加

ガラスの街の感想・レビュー(175)

作者=探偵という自らが唱えた図式を間違い電話によってシンプルに崩し、そこから限りなく騙りと嘘を生み出すこととNYを彷徨することで自己を希釈していく。そこにある騙りの欲望は他者になるためのパラノイックなそれではなくて、自分を打ち消すの手段であって、後のオースター作品が喪失や逃走からはじまるのもそのためなんだろう。どこまで「消」したら物語は成り立たなくなるのか、あるいはどこまでなら成り立つのか、そういう実験をしているように見える。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 02/12

『幽霊たち』、『鍵のかかった部屋』と共に「ニューヨーク三部作」として高く評価される作品であるが、改めて読むとその圧倒的なおもしろさに舌を巻く。探偵小説の形式を取りながら、いつしか物語は坂道を転げ落ちるようにあられもない方向へと進んでいく。その透明感のあるリズミカルな文体と、社会の中で個人の存在が消えることの言い知れぬ不安が私を襲い、激しく酔わせた。柴田元幸による新訳は、優れた翻訳というものがどれほど作品の味わいに影響を与えるものであったかを感じさせる。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/18

角川から出た「シティ・オブ・グラス」を読んだわけではないが、やはりオースターといえば柴田訳が定着しつつある。それが悪いというわけではない。むしろ、翻訳者に恵まれることこそ海外文学が外に出て行くには必要なのだとしみじみ思う。カフカ的な話の流れを非常に透明な文体で、ハードボイルドな推理小説の語りを用いて書かれたこの作品は純文学とかエンターテイメントという括りが欧米ではいかに馬鹿らしいかがわかる(もちろん、欧米にその括りが無いわけではない、ジャンルは確かにそこにある)。

いつの間に、柴田元幸訳が出ていたの? やっと読めた。 不思議だし不可解だし、すっきり解決することもないのに、読み終わったときの感想は、やっぱりいいなあ、でした。 「鍵のかかった部屋」がまだ読んでないことに気がついたので、今度はこれ。

端正な文章で綴られる狂気。都市の持つ匿名性、その非存在、無のようなモノがジワジワと内部に侵食してくる感覚はなんとも背筋が寒い。小説内の「事実」はアメーバのように大層あやふやで、読み手の世界にも平気で越境してきそうだ。この「オースター体験」の前後では風景が微妙に違って見える感じがする。なにげに恐ろしい小説。こりゃ面白い。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/07

柴田元幸訳では初読み。記憶にあるよりもずっとごつごつした、というかそこかしこにバリが残っているような異物感があって、その肌触りが面白いな、と思いました。スティルマンとの会話シーンとか、不可思議の極みなんですが、とても楽しい。へんてこだなあ。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 09/21

探偵小説のように始まるのでそのつもりで読み進むといつの間にか迷路を彷徨っており、読み終わるころには主人公だと思ってたクインが、すーっとお化けみたいに消えていなくなってしまいました。透明な何かをずっと追いかけ見ていたような、寂しいのに安堵するような、不思議な読後感でした。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 09/03

○自己の希薄化が描かれていて、ニューヨークという舞台にうまく寄り添っている。○オースターの作品って、物語の中にいくつもの物語の要素が含まれているような気がしていたが、その印象がさらに強くなった。他の作家なら主軸に据えたであろうその珠玉の要素を、オースターは出し惜しみせずにちりばめている。○『ガラスの街』『幽霊たち』はミステリを、『ムーンパレス』は青春小説を、『偶然の音楽』はロードノヴェルをそれぞれ装っている。商業小説と文学の融合、最上のバランス。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 08/15

マスト

ストーリーはあってないような謎が中心だし、主人公の行き着く先は不条理だし、終わりも決してすっきりするものではないのに、なんでだか読後感がすごく良くてビックリしました。それにしてもニューヨークの描写が本当に素敵。タイトルも「シティ・オブ・グラス」と聞くといまいちピンと来なかったので「ガラスの街」になって良かったなと思う。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 07/20

柴田氏が惹きつけられたと言っているオースターの透明感あふれる端正で音楽的な文章(柴田氏の訳がすばらしいのだろう)が私にはとても心地良く感じた。この小説の主人公クインは、この不条理を受け入れ、気づき、そして真の自由を得たのだろう。どう読み解き、どう感じるかは人それぞれ。そういう本なのかな。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 06/25

ニューヨーク三部作の読み残しだったので、柴田訳が出ていることを知って読んでみた。アイデンティティを失って町を彷徨う話で、『鍵のかかった部屋』に比べても彷徨いのあてのなさが上な感じ。どちらにも、赤いノートを「書く人」と「受け取る人」が出てくるわけだが、本書は「書く人」の側から語られていて、『鍵のかかった部屋』は「受け取る人」の側から語られている。その辺が彷徨い方とラストの違いを生んでいるんだろう。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/13

うん……「どこにもいない」というオースター節がやっぱり全ての印象という感じ。訳者の柴田さんも言ってるとおりで、幽霊たちを読んだ時と同じ感覚を覚えるのと同時に、それでもマンネリにならないという……だんだんオースターのカルト的と言われている人気の秘密を肌で実感しはじめたのと同時に侵食されてんなこりゃ……。文は相変わらず読みやすく、それでいて深みを持ってます。凄い。作者の含蓄をまた一つ味わえたんだなぁという読了感。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 05/29

うぅーん。研究室の先輩や友人が大好きだったので、一読してみたものの、好みではないかも。冒頭から駅までの下りはとても好きな広がり方だけれども、そのあとは。もう一度、しっかり読んでみないと良さや深さはわからなさそう。

メタ、メタ、メタというけれど、メタって何?っていう私でも楽しめる。虚像に溢れ、現実感のないニューヨークという街の透明かつ歪みを、しっとりと綴る静謐な文章。探偵小説を書いている私がひょんなことから探偵になり、さまざま物語論や存在論を展開させているうちに、筆者と同じポール・オースターにたどり着く。だから何?っていうあらすじだけど、読後は何だか深い喪失感。これは自分という不確かな存在への悲しさ、切なさ。不可解よりも、自分がここにいるという居心地の悪さがひしひしと身に染みる。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 04/28

柴田元幸氏の再翻訳版。探偵小説の枠組みを使って書かれた、ポストモダンで透明感のある迷宮に迷い込む。自己の存在の不確実性、不条理、喪失感を描いたメタな作品。イイ作品、イイ作家である。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/23

【図書館】これは、不思議だけど、興味深く読んだ。オースターは、一つの話に、いろんな歴史の話を盛り込むのが好きだよね。それが知識をひけらかす、若しくは自分のモノになってないのに人に話したくてウズウズしてる感じがするけれど、あんなに話を見つけることができるのもすごいし、面白いから、プラマイゼロかな。とりあえず、オースターは読み始めたら、止まれない。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(1) - 04/22
のんたん@ひかえます
私的メモ。オースターは、この作品を本屋でみて、表紙と題名に惹かれて興味を持った。
ナイス!ナイス! - 04/28 06:06


新訳再読。

★★

メタ的な話。落ち着くべきところに落ち着くのだがなんだか最後までふわふわした幻想的な話。とても深いことをいっているような感じはするが複雑で結局よく理解できなかった。探偵物の体裁をとっているが文章で読ませる作風。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 02/06

何年か前に別の方の訳で読みましたが、内容を忘れていたので楽しめました。オースターの作品は「落ちていく」くだりがすばらしく面白いです。ほかの作品も再読したいです。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 01/26

オースターは、流れるような文章がとにかくいい。柴田さんの解説にもあったけど、この小説が出版社になかなか受け入れられなかったのが、びっくり。

な、な、なんじゃ、こりゃ。ただの探偵小説と思って読むと、何も解決しないままニューヨークの街頭に取り残される。うーむ。あれだけ風呂敷を広げておいて、さあ。クインが名前をたくさん持っていることと語り手が第三者であることが作者と登場人物の位階というか境界というか、をぼやけさせる。なにもかもみんな夏の雲のようにぐずぐずと溶けて、ガラスの街に散っていく。クインがどんどん落ちぶれていく姿の中にどこかユーモラスなものがある。バケツをかぶって雨を凌ぐ様子や、浮浪者のようなみなりで女の子に悲鳴を上げられるところとか。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 11/27

ニューヨークを舞台にした都会小説と不条理な推理小説(探偵小説ではなく実験小説の部類で読むべきか)はオースターの十八番。一見平和に見える都会の街並みも、実際は人それぞれの存在や繋がりは希薄であり、アメリカ社会の「全てをゼロにする」暴力性がスリリングではないストーリーに狂気に満ちた空気をもたらしている。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/24

都会は人と人とのつながりが希薄だといわれる。しかし、ひとたび結びついてしまうと、とてつもない方向へと人生は流れる。そんな一例を示した物語。多くの謎を残したまま物語が終わるのも、また人生・・・。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 09/29

妻子を亡くして世間から引きこもっていた詩人クインにかかってきた間違い電話。私立探偵ポール・オースターを探す相手にクインは自分がオースターだと名乗る

それは一本の間違い電話から始まった。何故?という疑問が頭の中をぐるぐる回る。何故クインはポール・オースターだと偽って探偵のまねごとを引き受けたのか。何故自らを滅ぼしてまでスティルマン父子の動向を見守ったのか。何故?・・・と。あとがきに「ゼロになることの快感」とある。主要人物が消えていくばかりで、疑問は何一つ解決していない。もちろん文章(訳文)は氷の結晶のように研ぎ澄まされて美しい。ガラスの街ニューヨーク三部作の一作目だという。あと二作も読めば、私にも理解や共感ができるだろうか。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/20

失うことと、書くことで世界と融解していく物語。『ここではない、どこか』に旅立った主人公を著者も読者もただただ祈るのみだ。終わりなき迷路と孤独の密やかに織り成す、透明感溢れる解放の冒険譚。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 06/01

オースターだから、もちろん楽しめるんだけど、ニューヨークの街を実際に歩いたことがあれば、100倍くらい楽しめるんじゃないかと思う。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 05/29

訳者の柴田元幸さんが音楽のようと書いていたけど、まさにその通りで、読んでいる時間がとても心地よかった。僕の人生、オースターなしには考えられません。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 05/29

オースターでは<ニューヨーク三部作>が一番好きなので『シティ・オヴ・グラス』が柴田訳で読めるなんて嬉しい。何度も読んでいる作品なのに、今回新訳で読み返したら、まるで初めて読んだときのような新鮮さ。スティルマンの姿を追い、NYの街を歩くクインの視線が、いつの間にか自分のものと重なる。自らの意思を持った路地裏に、閉じこめられてしまうような錯覚。やがて深まる謎は、自身の存在すら脅かす。孤独、喪失といった不安感がより一層研ぎ澄まされ、作品自体が読み易くなった。でも、タイトルは『シティ~』の方がしっくりくるなあ。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 05/24

柴田訳で再読。どうしようもなく不安な感じ、地に足のつかない感覚を覚える小説。一見探偵小説なだけに尚更。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 05/13

天を目指すニューヨークの摩天楼はかつてのバベルの塔を思わせ、しかし未だ人々は無垢なる言葉を手に入れるには至っていない。ガラスの街を彷徨う男は、クインでありオースターでありスティルマンであり、あなたであり私であり、そして誰でもない。不確定であやういこの「私」という存在。ラストは喪失と非在感に満ちていながら、なぜか解放を感じさせる。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/26

やっぱり難しい。NY という風景に埋没する「個」を通じてオースターが何を書きたかったのか、容易には理解出来ない。ここに「ストーリー」は無く、在るのは残された「意味」の欠片でしかない。けれど散りばめられた「意味」が互いに反射しあって一編の作品は眩しく輝き、NY という街を読者の眼前に現出させる。煙草の煙が光に捉えられて輪郭を帯びるように、不確かな「意味」は読者によって捉えられ、そこにあった「物語」を再構築する。不確かな存在と不確かな意味を以て語られる、奇妙で美しい物語。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/24

失踪願望をふっとかきたてられそうな一冊。この本自体はミステリーではないものの、ミステリーの魅力について書かれた一節に非常に納得。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 04/08

天才が過ぎて狂人となった老人スティルマン。間違い電話から人違いで「スティルマンの行動を監視する」任命を受けたクインと一緒に、ニューヨークの街を北へ南へ、西へ東へと歩き続ける。ニューヨークという街−−エリートビジネスマンから浮浪者、肌の色を含めあらゆるバックグラウンドを持った人が集まる、小さな"世界"−−をよく知っているとさらに楽しめる。スティルマンの行動を監視しているはずが、いつのまにか"狂人クイン"を尾行し、見失ったことに気がつくとき、この小説の一つの読み方「人間の存在の"不確かさ"」にぞくっとなる。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/02

伊豆の旅行先で。

クリスマスプレゼント。装丁が美しい。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 03/23

ニューヨークという大都会の孤独感、自分が自分であることの危うさ、物が物として機能することの意味、そしてすべてを覆い尽くす喪失感。最後まで判らないところがいっぱいあった物語でしたがとても素敵な小説でした。文章の素晴らしさこれは訳者の力が大きいんでしょうか?「シティオブグラス」と読み比べてみたくなりました。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/19

もっと見る
ガラスの街の 評価:73 感想・レビュー:64
ログイン新規登録