クォンタム・ファミリーズ
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クォンタム・ファミリーズの感想・レビュー(686)
わたしなりに「21世紀的な思想の流れ」のようなものを感じる。肯定的な思想で好みでした。筆者も確か(違ってたらすみません)好きな作家の一人である、グレッグイーガンに強くインスパイアされてるように感じた。
一応三島賞受賞作なんでSFだけでなく純文的な評価はどうかって話もされるべきなんだろうけど、その点で言えば文体の魅力が薄いからどーとも。『動物化』などの先行批評本読んでおけば、特に必要ないかな
「難解すぎて」私にはつまらなかった、と読んだ直後は思ったけど、難解さならひけをとらないグレッグ・イーガンは「わからないながらも」面白いからなあ。何が違うのか。
んー、個人的にはイマイチだった。掴みに失敗して、そのままズルズルと勘所得られず読了してしまった感も。所々「おっ」とさせられた主張もあったが、もう少しプロット段階で読み易くも出来たんじゃなかろうか。
中盤まではとても良いSFだったが、後半に色々と詰め込みすぎた印象。単著処女作だし、物語の収束を描くだけの力はまだないのかな、と。あるいは理詰めで創作を考えすぎなのか。SFとしてはかなり面白い設定だったし、哲学思想文学村上春樹と東浩紀の持てる武器をフルに使って読者を楽しませようとしているのは印象が良い。一回エロゲのシナリオとかやってみてくれないかなあ。
内容はわからなくはなかったが、若干理解力がついて来なかった。衝撃的な展開だったのだろうが、まず理解するために一旦頭を捻るため驚きが半減。ラストも、え、だからどうなの?って感じだった。博識な人が読めば大変面白いんだろう。
東浩紀氏に予てから興味を持っていたので、ついによむことが出来ました。 内容はコメントにあるとおり、SFロリコン物語である。内容は情報科学に於ける空想と理論の狭間で揺れ動くキャラクターがときおり愛らしく見える。内容については頭でついていける部分が少なかったけど、なんとか理解できるように努力した。このような挑戦状を叩きつけるような文体が私には素敵に見える。
自爆テロの資料。産まれていない未来の娘からのメール。時間を隔てたパラレルワールドとの接触。35歳問題。「ああなっていたかもしれない」の積み重ね。売れない作家か、ロスジェネの教祖。幼い娘のいる並行世界へジャンプ。量子ネットワーク。ショッピングモールの爆発。アーミッシュ的な新興宗教。ウィキペディアに急に記事が増える。並行世界の記事。検索性同一障害。過去の罪。フィリップ・K・ディックの現実化。三人目のノーベル文学賞受賞借家。レイプ現場で性交。警察署の前。村上春樹の構成を踏襲。
あれ?この人って評論家じゃなかったっけ?と思って興味本位で買った本。帯の家族SFってどういうことだと思いつつ読んだ。なるほど分かったようで全然分からない。未来の不安定さ、不確定さを改めて感じる。そして人間は過去も未来も変わらずエゴや衝動で動く、エゴが拡張された未来のお話。家族ではないのに、家族に責任とらそうとするこの家族が怖かった。
SFは今まで好んで読んでこなかったけどこの本はすごい!東浩紀の思想に非常に興味持ちました。この人、アニメだけじゃないんだなwもう一度読み直したい一冊です。
前作「キャラクターズ」よりも「どうだ! これが東浩紀だ! 東浩紀の大好きな並行世界ロリコンギャルゲーSFだ!」と全ページが主張しているSFラノベ。 並行世界自体今の時代古臭くなってしまったけれど、東浩紀のプロフィールがわりの小説としては超面白い。
入りは読みやすく、世界にも入っていけるのだけれど中盤からの場面展開にかなりの想像力を要求される。村上春樹を意識した構造や「世界の終わり」、登場人物の名前や「動物」など前提知識があれば楽しめると思う。どのような人に向けて書かれたのかが疑問にあがらざるをえない。彼のファン向けなのか、大衆向けなのか、SFファン向けなのか。。。そしてこの物語も非常に細かい設定とデーターベースを持っているということも頭によぎる。
……倒錯。なんというか、全体的にそういう印象がある。設定も物語も事実関係も、何から何まで難解だった。さすがは東大教授と言ったところか(関係ないかも)。残念ながらあまり好きではないが、まあ……きちんと隅々まで正確に読み取ることが出来れば、それなりに良い小説になるのではなかろうか。これからのあずまんに期待したい。……うん。
これまでに東浩紀の著作を少しずつ齧っただけの私でも彼らしい小説だなと思えた。彼の家族が一部モチーフになっている点で私小説的だし,これまでの彼の仕事を物語として再構成した意味でも私小説的だった。前者の意味で特定の顔が小説の登場人物に投影されてしまい,読みにくい場面がいくつかあったのが個人的に残念だったが,そういう読者にとってその投影が感情を増幅することは当然予想の上でしょう。
今までの彼の著作やら思想周辺に触れていれば、この小説によって物語りたかっただろう図像が見えなくはないけれど、既にマンガアニメの界隈で、エンタメとして(方向特化ではあろうが)洗練されてる類似作品群を大量に目にしてきた上で相対すると、このように小説という形態を取って語る必要がどこまであったのか疑問符は拭えない。次作、次々作と小説家としての彼が続くのであれば、判断もまた変わってこようけれどもね。
「あずまん」の初単著小説。量子脳計算機科学的並行世界の物語に結構惹き込まれて読んだ。{(村上春樹)の二乗 + (フィリップ・K・ディック)} ÷ 5 の様な作品。作品の解釈は一筋縄では行かず、多様性が認められる。2010 年 第 23 回三島由紀夫賞受賞作品。
読み終わって、首をひねってしまった。ん?おもしろいところはあった、けど、やっぱりわからないことが多すぎて、もう一度積読本に逆戻り。もう一度読みます、いつか。
読む前に東浩紀という名前に大きな期待を持ち過ぎていたかも。面白いと思うけど「あの時代の先端を走ってる東浩紀が」って思って読むとどうかはわからない。
量子ネットワークとパラレルワールドの話。今までのパラレルものの中で最もおもしろかった。最後のあたりで時間軸と並行世界の関係がよくわからなくなって、思考停止。この本の一番印象的な一文は「尊厳なしで人が生きられる世界をつくれ」
すごくオタク男性の嫌な妄想が凝り固まった小説。基本的には父親と娘の妄想恋愛小説で、完全に男視点のファンタジー。現実がリアルじゃないなんてみんな知っていることで、ことさら小説にして強調されなくてもいい。データベースキャラクター論のときが著者のピークか。
もしも、あの時ああしていたら…無数の選択肢と可能性が並行した世界を形作る。 小説というよりは状況説明に感じてしまったのは、難しそうな理屈や言葉からか。
パラレルワールドを素材とした、SF小説。普段SFは読まないのでなかなか理解に時間がかかりつつも面白く読ませていただいた。ショッピングモールだったり、汐子という名前などあずまんらしさが垣間見えていいですね。
大学教授/批評家/思想家によるSF小説。情報システム論を絡め現代的な面を見せる一方でパラレルワールドを素材とする古典的な面も。村上春樹の35歳問題(35歳を境になしえなかったこと〔仮定法過去〕が積み上がっていく)を採り上げて『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の解釈を披露しているのが興味深い。ショッピングモールでささやかな幸せを享受する市民がテロの対象になる設定にはあずまんらしさがよく出ている。
人間の脳が量子計算を行うネットワークだとする、1つのごくシンプルな仮定によって、在るには在るけど箸にも棒にもかからなかったエヴェレット的多世界を半ば物理的に連結、彼我(って使い方違うけど)の人格交代というアクロバットをやってのけた。タイムスリップにつきものの所謂「親殺しのパラドックス」も並行世界からの計算による定義を利用して回避しており、上手いなと感じさせる世界観だった。物語の最後の父親の行動は「セカイ系」へのアンチテーゼか。しかし誰も指摘しないけど江頭風子の父親は誰なのだ。
ミスリードが上手く想像し得ない展開へもっていくので楽しめる。設定も表現もいい。ただ最後の説明は走り気味かなぁ。それを差し引いてもとてもいい作品。だけどこのメッセージは受け取れないかなという個人的な考え。
クォンタム・ファミリーズの
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