東京奇譚集
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東京奇譚集の感想・レビュー(672)
大人の雰囲気漂う不思議な短編集。ドラマ化するとしたら、深夜の時間帯がぴったりですね。勿論、BGMにはジャズを。『ハナレイ・ベイ』に特に強く魅かれました。世の中を軽く見ている若者たちへのサチのピリッとした言葉は読んでいてスカッとしました。亡くなった息子にも伝えたかった厳しいけれど愛情ある言葉なのでしょう。いつか、サーフボードを抱えた片足の息子の姿を目にする日が来るのでしょうか。
新潮に連載していた4作に書き下ろし一遍を加えた短編集。都会を舞台にした不可思議な話がテーマではあるが,比較的読みやすくそれぞれの読者が解釈を楽しめる本に仕上がっていると思う。内容的にも心あたたまる話が多くお気に入りの一冊。
春樹が出会った不思議な出来事を小説化したという奇譚集。不思議な偶然や縁が重なり、離れているはずの物事が重なっていく話。☆春樹の口上から始まる「偶然の恋人」から、息子をハワイで無くした母親による「ハナレイ・ベイ」への流れが気持ち良かった。「腎臓石」の「一生の間で出会う女の中で男にとって意味のある女は三人。」には、賛同。たぶん女にとっても「三人」だと思う。「品川猿」のオチがちょっとファンタジー過ぎる!この本の中に入れなくてもいいのでは?猿の存在以外が現実で起きた「不思議な出来事」だったのかな?
いずれの作品も一癖も二癖もあり、読んでいて飽きることがない。書き手の体験から既に奇譚がはじまっており、知らぬ間に著者の術中にはまり込む。どれも眉唾ものの話ばかりなのだが、著者の冒頭の話より、まさかと思ってしまう。個人的には「品川猿」がもっとも奇譚っぽく惹かれる。さすがに実話ではないと思う……。この話に登場するカウンセラーのように、聞き役にまわる人々の描き方は惚れる。どの話も恐ろしいというより不思議。舞台は東京には限らないが。
「品川猿」は一瞬ギャグかと思いましたが、最後には胸が締め付けられるようでした。自分のことは自分で引き受けるしかない。ハナレイ・ベイも母親の哀しみがしみました。淡々とした語りの静かな物語だったのが、突如として深い悲しみや欠落に襲われる、その変化が鮮やかで息を呑むような緊張があります。不思議な短編集でした。一つ一つ、大事に読みました。
敬愛する村上春樹さまの比較的新しい短編集。翻訳小説を読んでいるよう。ところが、言葉の選び方が最高なんだなぁ。ハワイ長かった私にはやっぱり「ハナレイ・ベイ」が身につまされた。
村上春樹って何本読んでもこうフワフワしてるというか掴みどころがないのが不思議。この本もそんな感じ。だからこそ日常のどんな時でも、例え栞を挟んで何年後かに続きを読んだとしても、変わらず、すんなり物語りに入って行けるんだろうな。「偶然の旅人」と階段の話がより日常に近くて好き。でもやはり「品川猿」の異様さは印象に残る。
「奇譚」というタイトルにふさわしい作りの5つの短編。最初のものがお気に入り。自分の妻の弟のゲイっていうポジショニングに惹かれる。
再読。「偶然の旅人」はすぐに思い出したが、「品川猿」はかなり忘れていた。が、今回最も印象深かった。 その他は大体記憶していた。「ハナレイ・ベイ」のハワイの警官の自然への畏敬の言葉が好き。これはリアリティがある。もし自分が自然災害で肉親を亡くしたら、こんなふうに声をかけてもらいたい。。
やっぱり村上春樹の短編集は面白い!私的には、「どこであれそれが見つかりそうな場所で」と「品川猿」が好き。時間の流れがゆっくりで読んでてほっこりする。いろんなことに悩んで、人生に焦っている人に是非読んでもらいたい本。『東京奇譚』と言う名前は、永井荷風の『墨東奇譚』を真似たものだろうか。
アーウィン・ショーとかフィッツジェラルドとかオー・ヘンリーあたりのアメリカ短編小説を読んだような感じになる。「ハナレイ・ベイ」でダンカイの小生意気なピアノ弾きのおばさんが、ベットでさめざめと泣くシーンには胸が締め付けられた。 正統派ストーリーテラーとしての位置を確かなものにしようとする、村上の訓練道場のような趣の短編集だ。語り口の人称のバリエーションや、場面転換の方法等が試されているような。その分これまでの村上作品の特徴をなしていた、強引な直喩表現が近年減ってきているような気がする。
テーマは受容?表題作と、腎臓石の話が好き。理屈じゃ説明のつかない不思議なことも、受け入れて生きていきたいなぁ。「ハナレイ・ベイ」の「息子さんは大儀や怒りや憎しみなんかとは無縁に、自然の循環の中に戻っていったのだ」…この前知人が水難事故で亡くなったから、このことばは響いた。岩国にいたという酔っ払い米兵のシーンで、基地問題についてちょっと考えさせられたり。「品川猿」はもしかしたら猿の惑星からきた猿かもよ?wなんてね。都会の地下でみみずくんを思い出した。
やはり村上春樹は短篇集がいい。ゆったりと、淀む事なく流れていく物語に浸かる感覚が心地よい。全部で5篇あるがどれも少しずつ風味が違っていて面白い。今まで読んだ村上春樹の中では一番気に入ったかも。
プロローグから「偶然の旅人」「ハナレイベイ」の流れは、最高でした。おー、読みたかったのはこれこれ!という充実感がありました。自分では言葉に出来ないような空気感を表現されるので、本当にしっくり来る感じでした。
わたしの村上春樹苦手意識を無くしてくれた1冊。品川猿の登場人物に惹かれた。わたしのもやもやした感情を、言葉に著してくれた。
再読・・・だったけど、あんまり覚えてなくて新鮮(笑) 短編のが入り込みやすいかな。 『ハイレイ・ベイ』が印象的。 でも『品川猿』がインパクト大。 え?そこで猿?なんで?みたいな。
短編集ってこともあって、読みやすかったです。ただ、村上春樹の文体は淡々としているので、世界に入り込むのに時間がかかるかも。慣れればサクサク読めました。
「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」など再読。うそのような本当の話がつまった体ではじまるところが、『回転木馬のデッドヒート』を思わせる。チャンドラー風ハードボイルド調だったり、カポーティみたいにファンタジックだったり、ラテンアメリカ文学的な匂いの作品があったり、その物語を扱う手さばきの器用さが半端ではない気がする。良質な短篇集じゃないでしょうか。
表現や登場人物の仕草が、自分にとっては本当にギリギリのところを突いてきます。くどいて、しつこくて、アメリカかぶれで、ベタベタして、嫌悪感を感じるほんの1歩手前です。そのギリギリの線を攻めてくる感じが、とてもいいですね。自分にとっての村上春樹はそんな感じです。よかったです。
前書きで著者が紹介した、自分が愛好するジャズ・ミュージシャンのライブのラストで、ライブでは滅多にやらないけれど、著者としては是非やって欲しかったという二曲を立て続けに演奏したのでびっくりしたというエピソードが印象的だった。「そういうのってあるよな…」という感じで。それとこういう前振りで小説が始まるというのが、落語の始まり方みたいで、何とも言えずおかしかった。後、「蜂蜜パイ」で印象的だった淳平が「日々移動する~」で再登場してくれたのが嬉しかった。彼にはまだ何がしかの形で登場して欲しいものだが…
奇譚はあくまで、最初のほうの話を言っているのだと思いました。さすがに「品川猿」は完全なるフィクションだろうと思います。でもどの作品も面白かったです。
村上春樹っぽく無いって言ったら「お前は村上春樹の何を知ってるんだ?」と言われそうですが、難しい言い回しや(オレにはやや)深すぎるメタファーなんかがあまりなく、とても読みやすかったと思う。
『偶然の旅人』に至っては放涙しかけた程に良かった。
うん、良かった。
ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな話。どの話も良かったと思います。特にハナレイ・ベイは秀逸でした。村上春樹さんの小説がこんなにも分かりやすいなんて意外でした。でも、品川猿はちょっと蛇足みたいな感じでした。
村上春樹の短編は初めて読んだが、どれも面白かった。ありそうでなさそうな不思議な話、どれも短い話だけれど、作品世界にスッと入り込んで楽しめた。他の短編も読んでみたい。
いずれも不思議な小説だった。「偶然の旅人」:偶然に出会った女性を見て連絡を断っていた姉を思い出させる話、その姉は……。「ハナレイ・ベイ」:ハワイでサメに殺された息子が10年後に……、「どこであれそれが――」:失踪した夫の原因は何だったのか、と謎が残った、「日々移動する――」:不思議な女性に小説のヒントを貰う話、「品川猿」:自分の名前を忘れる原因が猿だったなんて……。と、なんとも不思議な話だったが、とても面白かった。
不思議な、あやしい、ありそうにない話。それが『奇譚』の意味するところ。まさに村上春樹の十八番。短編集と云うこともあり大変に読みやすいのだけれども、ズッシリと心にくる余韻は長編に負けず劣らず流石の一言。
村上春樹は短編集のほうがおもしろいんじゃないか。実に読みやすくて、今までの村上さんの本で一番好き。A
東京奇譚集の
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感想・レビュー:129件














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