乙女の密告
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乙女の密告の感想・レビュー(1016)
シリアスなのかと思いきや、ところどころ笑える部分もあったりして。赤染さんは茶目っ気のある人なんだなあと思いながら。乙女の世界の恐ろしさは女だけがわかるもの。男性には生理的な部分で、あまり伝わらない小説でしょう。たぶん。ただ読む前は、もっともっとアンネの日記と密接に絡んだ物語を期待していたんだけどなあ。
分かろうとするのではなくためらいつつも感じることが求められる文学だと思う。整合性や構成の妙ではなく、このどこかちぐはぐな部品の寄せ集められた不思議な世界を楽しむべきなのでは。個人的には「うつら・うつら」の凄みのほうに圧倒されました。
冒頭は文章がものすごい引っ掛かる。いちいち主語を強調するのでイライラするのですが、それもテーマに沿ってなのかただの作者の癖か。後半にはいると慣れますが正直文章はうまくも美しくもありません。あと主人公たちは関西弁にする必要があったのだろうか…雰囲気がちくはぐでなかなかついていけない。中盤から誰が密告したのだという言葉でぐいぐい ひきつけられますが最後はあれっ…?というあっけなさ。こういう乙女の閉鎖的な世界は魅力的なのに残念。装丁は○
サクッと読めました。自分たちを乙女と表現するあたりから現代なのか?昭和なのか?などと考えながら読んでました。独特だけどサラッとしているからか、いい意味でも悪い意味でも読み終わってもあまり残らなかったです。
リアルなところと、現実世界でそれは無いだろうというのが混ざりきっていないのが少し残念。アンネの日記はまともに読んでいないので、知っていたらまた違うのかも。装丁は素敵。
読み始めよりインパクトが大きかった乙女の日常、世界観、キャラクターに面を食らい、文章のテンポが良く、引っ張られるように読み進めたが、あっという間だったため、どこか乗り切れないまま読み終えた。アンネの日記をしっかり読んだことがないので、内容を重ねて読むことができなかったのが残念。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 01/30
微妙。どこにも芥川賞の片鱗が感じられない。劇のプロットのような文章は恐らく下敷きにしているアンネの日記由来だろうが、文の美しさや言葉遣いの妙を全く見なかった。これがはたして純文学の栄誉ある賞にふさわしいだろうか。ユダヤ人問題と女子大のグループ間の閉鎖的な雰囲気を重ねたのは少しだけうまいと思ったが、物語が進むにつれ両者の重みが違いすぎることへの違和感がつのる。ラストの「アンネを密告することで乙女を卒業する」という図式もバッハマン教授からの棚ぼたの上、この解釈自体戴けない。暇潰しに読むにはいいんじゃない?位。
変わったテンポの文章。漫画的なコマ割りっぽい文というか。肝心の「乙女」と「アンネの日記」の主題は分かるような分からないようなピンと来ないまま読み終わった。
「乙女」という響きはなんだか可愛らしい。でも私のイメージする乙女は「周りが何と言おうと自分の信じたものだけを信じて群れない孤高のいきもの」なので、この作品の乙女たちは乙女じゃない。彼女たちには噂そのものが重要で真実はいらない無責任な群衆。「アンネの日記」は読んだ事があるけど、この話の内容がいまいち理解できなかった。私にとって読書は肩の力を抜いて楽しむものなので、吐血する覚悟を持ってまで読み込むつもりはありません・・・。
芥川賞の選考基準って謎…。冒頭の奇人変人が織りなすおとぼけキャンパスライフ描写はなかなか面白いと思ったのですが…。いっそそのままエンタメ路線を突き進めば楽しい作品になっただろうに、うっかり純文学路線に迷い込んで自爆してドボン…という印象です。またテーマが「自分探し」というのが…。いや、別にいくらでも自分探しして下さって構わないのですよ…面白ければ。でもこの作品は…(以下略)。作者的萌えネタを詰め込むだけ詰め込んで全部丸投げして終了。これは余韻とか想像の余地を残す、などという良いものではないと思います(笑)
うーん、乙女たちの心情が理解できません(40男じゃ当たり前と言われればそれまでですが…)。それにこの舞台は外語大で修道院じゃないですよね?? バッハマン教授のキャラクターや現実とアンネがシンクロするシュールな展開はそこそこ良かったが…
アンネの日記完訳版も読んだ。アムステルダムにも行った。でも私には想像力や理解力が無かった。アンネのことをわかった気持ちでいたのだ。乙女たちが乙女であることに拘り、密告に怯え、囁きあうひそやかな気配に身を固くする描写は、かつて乙女の中に身を置いた私には容易に理解できた。私は実体験に基づかないと想像も理解もできない。乙女でいることとユダヤ人として生きる事。到底結び付けようもなさそうなこの2つのことを書いてくれたおかげで、乙女を足がかりにアンネに幾らか近づいた気持ちにさせる本だった。こんなアプローチの仕方って!
序盤がシュールに面白そうだったので読んでみたのですが、どんどん難しくなって私の脳内許容量を超えました…。やっぱり血を吐くつもりで読まなきゃ駄目なんだ。学校内の人間関係やバッハマン教授の奇特な性格はすんなり受け入れられたのですが、みか子が「アンネの日記」の世界と自分たちを重ね合わせるところから理解できなくなってしまいました。きっと作者さんは「自己」とか「密告」という言葉に本来の語意以上のメッセージを込めてるのだろうなあ。それが理解できない限り、この作品を楽しめないのだと思います。もっと読み込まなければ。
学生特有の仲間意識の先にある、残酷さが描かれている。割とさらっと読める話だったけど、訴えかけていることは重い。乙女たちにとって、学校生活は戦争なんだろうね〜。ページ数も、経過時間も短いが、アンネの日記を絡ませることで、スケールの大きい物語になっていると思う。
冒頭ではただの「京都の家」だったみか子の住まいが、アンネの日記とリンクすることにより後半では‘ヘト アハテルハイス’になっているシンクロ感がすごい。オランダ人=他者=乙女、に、みか子はなりたかった?難解。何年か後に再読したいです。
不思議な世界観の作品☆噂とか価値観が違う子を仲間外れにして、それで自分達グループが団結した気分に浸ってる。乙女って怖い(^_^;)私にはちょっと難しい雰囲気な作品(^^;)
久々に一気読みしてしまった一冊。これは実体験も混ざってるのかしら。乙女ってこわいなー、面倒やなーと思った(笑) アンネの日記をもう一度じっくり読みたい。
すげぇ読みやすいけれど、世界観の構築とアンネの日記を思い切りよく使うダイナミックさがステキ。キャラの濃さがこのドロっとした世界に至極マッチしていて、よい。自己に関する件は、アプローチこそ新しくないけれど表現としては独創的で、現代小説の中では凄く好きな類の、クセの強い作品でした。おいしくいただけた。
読者にそんなにツッコませたいんかいとばかりに、これでもかと繰り出すボケの果てに、最後はノド元にナイフを突き付けるような思い切りの良さ。赤染晶子、恐ろしい子…
個人的に麗子様が好きだ。バッハマン教授も面白いキャラクターだ。噂は他の乙女たちに広がる。アンネ・フランクのように密告されるかもしれない緊張感。スピーチコンテストの緊張感。自分は何物なのかということを考えさせられる。描写がとても人間味のある作品。乙女はそういう生き物なのだ。
うわー久しぶりにきたよ!感性合うご新規さん。軽快でウェットに富んだ文章に女子大という密室で繰り広げられる女のコ独特の人間関係をアンネの日記を折り交えて描く。これは買い! 『アンネは必死でアンネであろうとした。みか子の前に一本のバラが突き付けられる。これはバラである。それだけが真実である。』 「ホロコーストが奪ったのは人の命や財産だけではありません。名前です。…代わりに、人々に付けられたのは『他者』というたったひとつの名前です。 『みか子は思う。わたしはわたしでありたい。わたしは乙女である。』
閉鎖された女性ばかりの空間での出来事と、アンネの受けたユダヤ人迫害がシンクロされて描かれている。噂、あいまいな基準からなる派閥、乙女の純潔に対する思い込み。苦しいくらいにアンネの世界に同化し、緊迫感がある。
私にとって難解な芥川賞受賞作品の中では、読みやすく楽しめたのですが、読み終わった感想としては「ちょっと怖い」かな。アンネの日記を初めて読んだ時「怖い」という印象が一番強かったことを記憶しているので、見事に同調してるのだろう。
アンネの日記をモチーフにしてあるので、難しく考えると暗喩やら批評やらきりが無い。。何となく感じればいい物語だ。女子校出身の自分は、あ~わかるわかると何度も首肯。閉鎖空間で生きる乙女は潔癖で噂好き、そして排他的で真実を追わない。乙女というカテゴリがミステリアスだから、一つの小説となるのだ。芥川賞受賞には驚いたが。とにかく文章が面白い。登場人物たちも皆アホだし、京都弁がはんなりしていてますます奇妙な乙女幻想を作り出す。乙女は乙女であり、決して他者にはなれないのだ。忘れるのを恐れてはならない!
アンネの日記(及びその登場人物)と上手く気持ちと登場人物をシンクロさせていたお話。10年くらい前になるけど、祖母に勧められてアンネの日記を読んでおいて本当によかったと思う。無口なアンネの部分がとても好き。
ギャグ連発の変な小説。結構笑いました。芥川賞として評価された部分って、アンネの人生と外大の乙女達とが重なり合っていくところなんだろうけど、こっちは「?」ってな感じ。読み取れてない部分がまだあり。
閉塞的な空間で学んでいる女学生たちと、アンネの日記を重ねようと思えたことが凄い。実際、あんなに重なるものなのかって驚いた。しかし、ストップウォッチやオランダ人など、どうしてそこに固執するのかなどわからないことだらけで、結局何が言いたかったのか、芯が見えなかった。芥川賞の基準は何?他の作品よりも秀逸だったのだろうから、その評価が気になる~。
表紙がとても美しかったという理由で手にとり、読みやすく面白かったのだが、ひさしぶりに全然ワケわからん本だった〜。ウイスキーと苺大福で区分けされるのはなんとなく不本意(笑)。乙女はとうの昔に卒業したつもりだし、アイデンティティというテーマも、今の自分にはちょっと縁遠かったなあと。色々読み込み不足だと思うのですが、吐血の覚悟が無くてすみません。
◆文体は軽やかですが…「巧い」の一言。京都のいち大学における乙女達の生態と、民族迫害の歴史とが共鳴し合っていて、そのアナロジーを見出したところがまず凄いです。今のところ感じ取ったテーマは「証言」としての記憶がいかに保存/忘却/歪曲されるか、ということなのかな…?と。◆あとは、バッハマン教授が大好きです。激怒した際「あたくし、実家に帰らせていただきます!」と妻の口癖を引用するあたりとか(笑)言語に対する感受性は強いはずなのに、この誤用はわざとなのでしょうか。◆妙なるユーモアと着眼の妙に拍手です。
見栄を張らずにぶっちゃけて言えば、さーっぱりわかんなかった。乙女って言葉やそれにこだわる世界観がまず相容れない。たまに出てくる「あほ」にものすごい違和感。最後のシーンはよかった。他の方の感想読んで勉強させていただきます。
真実を告げることが密告になる。アンネ一家は何者かがミープの家にアンネ一家が隠れているという「真実」を告げたことで連れ去られる。主人公が密告したのは「私」と気づくこと、それは真実を知ることとイコールだった。 自分の中にすっと入らない、どこか引っかかったままだ。 もっと深く理解したい。そう思わせる本である。
久しぶりに他の作品も読んでみたいと思える小説家に出逢った。一言にも短いセンテンスにも、二重三重の意味が、暗喩がある。ストーリーも、運びも、テクニックあるなあ、とため息ばかり出た。そういえば、アンネも乙女であった。
なかなか笑わせてもらったし、予想以上によかった。『乙女』というのが文脈通りなら女性特有の通俗的な共通認識か、共同体内部の共同幻思の様な物だと言えそうだけど、何かのメタファっぽい気がするなぁ……
乙女の密告の
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