グラーグ57〈下〉 (新潮文庫)
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グラーグ57〈下〉の感想・レビュー(501)
冒頭の拷問は状況さえ違えどもA・ビアスの短編「アウルクリーク橋での出来事」を思い出してしまった。スターリン政権下、実際こういう事が一体幾つ繰り広げられたのだろう。切なくも自分が一番嫌いなのは前作から引き続きやっぱりパニン。フラエラも時代の犠牲者だと思ってしまうのは贔屓だろうか。自作のタイトルからして、このレオ一家の運命が気になって仕方ない。個人的には幸せになってほしいのだが、作者はそうは問屋が卸さない流れにしていそう。
フラエラの要求どおり、夫を解放したら、なんと!!! 国家保安省とフラエラが通じて、他国で暴動を起こす。フルシチョフによるスターリン批判や、その後の通常兵器を軽んじるような動きに対して、保守派が画策するわけだ。 他国で暴動をおこして、それを圧倒的な力で鎮圧することで、ソ連の力、共産主義の盟主としての力を示すあたりは、重層的でよかった。 最後には、家族が再生をしていく様子がみられるんだけれど、実際のところは次作までわからない。
おもしろいけどモヤモヤする。主人公達が命がけで救おうとしている人物に、全く愛着がわかなかったのが原因だろう。構成上仕方のないことなんだけど、もう彼女のこと疫病神くらいにしか見れなかった。そして予定調和なマリシュの死…
チャイルドより断然上。正義、贖罪、家族愛といったテーマが時間の経過と共に熟成していく、さながらワインのように。となれば、エージェントへの期待も高まるというもの。
ハッピーな終わり方とは言えないな〜 すべてが終わった後のレオの選択については、個人的には疑問です。 体制の裏側を知っている人間を放っておくはずはないと思いましたね。 フラエラにしても意外と思いのままに生きたなって感じで、希望がないのは確かなんだけど、思う存分には生きたようで、すこしほっとしました。 ただ、まちがいなくレオの家族は幸せになれないような気がしていますので、そのまま三部作の完結編に行っちゃおうと思います。
スターリン時代、秘密警察だった主人公レオの贖罪の物語。心を通わせられない養女を人質に取られ、それでも家族というものを守ろうと死と隣り合わせの難関を乗り越えてゆく。ただ、この物語ではレオが犯した罪のほんの一つだけが贖われただけで、実際にはもっと多くの人たちが彼を許せない人物として考えているだろう。そういった意味でレオの贖罪は完全には成されたとは言えないのかもしれない。とはいえ、空中分解しかけた家族を命がけで守ろうと奮闘する彼の行動には心打たれる。
★★★★☆。旧ソ連の全体主義体制下における息詰まる緊張感がサスペンス効果を産み作品をいやなく盛り上げる。前作「チャイルド44」は凍てつくようなミステリだったが、今作は凄まじく力業で読ませる冒険小説。スリルまたスリルの興奮と、血と汗と涙に満ちた家族愛についての物語だ。フルシチョフのスターリン批判を軸に、政治体制に翻弄される人民の暗闇をリアルに描く。
僕的には、チャイルド44のほうが面白かったです。欲をいえば、主人公と養女の心の交流があれば…。3部作で「エージェント6」という続編があるみたいです。ソ連の歴史背景と連動したストーリー、ラストはどう締めくくるのか。 続編も読みます。
レオ一家には幸せになってほしい。昔あったことを忘れることはないだろうけど、乗り越えて幸せになってほしい。あれだけみんな体を張ったんだから、少しずつでも前に進めるといいな。歴史の変わり目に立ち会ったような臨場感があって、ハラハラしながら読みました。
フルシチョフによるスターリン批判とハンガリー動乱が絡んでくるので読みごたえたっぷり。というか、あまりに作り込みすぎてちょっと息苦しいくらい。ロシアの黒パンって美味しいらしくて一度食べてみたいと思っていたので、パン屋さんのエピソードで一息つけてよかった。
今回もドキドキハラハラな展開でした。レオが不憫でしかたなかった。ライーサがかなり強い女になっててびっくり。とりあえずゾーヤとの関係もよくなりそうな感じで良かった。
原題の通りフルシチョフのスターリン批判から始まり、強制収容所、ハンガリーでのプラハの春ところころ変わる舞台で主人公レオがひいひい這いずり回る、もう作者に嫌われてるとしか思えないストーリー。ハンガリーにまで舞台が変わるとは思わなかったし、プラハの春自体を詳しく知らなかったのでスターリン批判がきっかけで起こった事件とは知らず驚いた。前作よりもエンターテイメントに徹した良い本。
読み始めるとほぼ一気に読ませてくれる勢いがあるのは上巻以上。脚本など書いてる作者なので、目が離せない展開を作るのがうまいのかな。フラエラがアニーシャに戻ることはなかったけど、「プラハの春」に懸けた思いは、人民と何ら違うところはなかったのだろうと思う。そしゾーヤを変えるきっかけになったのは、結局のところ愛だった――ということで、一見するとレオとその家族にとっては望んだ形で解決をみたように感じられるのだが、それでもこのシリーズ(?)にはまだ続編があるということなので、そこで何が起こっているか期待したい。
率直に言ってガッカリだった。世界観は前作を引き継いでいるのに、前作ほどの緊張感は無く、主人公のはずのレオはどこまでも情けない男に成り下がってしまった。ゾーヤ、フラエラなどいくつもの物語が重なり合うも深みが増すどころか、意識が散漫になってしまった。ちょっと期待して読んだだけに残念。
フルシチョフのスターリン批判が引き起こしたのがプラハの春とは知らなかった。ソ連の他国支配は巧妙にして冷酷というのが痛感させられる。 それにしても舞台がソ連というだけで今まで読んできた西側の常識が通用しない世界の話というのは非常に面白い。
原題「THE SECRET SPEECH」が示すフルシチョフによるスターリン批判演説。そしてハンガリー動乱という史実を軸に物語は展開(グラーグ57という強制収容所は通過地点に過ぎないという邦題の罠)。それぞれにトラウマだらけのレオ一家の行く末をもう少し追いたい。…しかし、せっかく前作から引き続き登場していたネステロフがあんまりな扱いで残念です。
エンタメとしてはとても面白くて良く出来た作品。ただ、その前に「白い雌ライオン」「チボの狂宴」を読んでいたので、深みにかけて戸惑うところが多かった。少年と少女の初恋が切なかった。数々の悲劇が押し寄せるが重くはならないのは、やっぱり作者が社会主義の外に生きている人だからかな~。
グラーグ57から、舞台はハンガリー動乱へ憎しみにたいして、ゾーヤが言った言葉『いつもいつもそんなことばかり考えていたくない!!』に、とても共感した14歳の少女をここまで急激に成長させたのは、やっぱ愛なんだなぁ
読むのに疲れた。押さえつけられていた人たちの狂気が恐ろしかった。フラエラ、死なせるには惜しい人物。しかし、彼女の行く先はやっぱり破滅しかないな。
あれから3年…レオとライーサにまたも苦難が押し寄せる。旧ソ連の崩壊の史実と平行していく怒濤の展開に振り回されながらも必死で読み続けた。前作は連続殺人犯を追う二人にハラハラしたが、今回はレオの過去がもたらす身の毛もよだつ復讐の嵐だった。養女姉妹に対する献身的な愛情はわからぬでもないが…収容所からハンガリーに至る悲劇の描写はあまりに重く胸が押しつぶされそうになった。幾重にも用意された希望と裏切りの繰り返しに唸るばかり。そして、友を私的な闘いに巻き込んだ悔いは彼をまた責めさいなむのだろうか?(続く)
スターリン後の東欧の生感たるや。結果、カメラで革命を成したフラエラの生き様にも感嘆。それにしてもマリシュ、無念。エレナのことを考えると、展開的にはやむなしか。
前作とはガラリとかわり、フルシチョフのスターリン批判からハンガリー事件へと発展する大規模な史実の中での話。序盤はいい展開だったがグラーグ57へ行くぐらいから「ランボー」や「ダイハード」的な流れでやや辟易。また妄信的なほどの愛情を養女に傾ける主人公夫婦よりも、復讐を己の中で新たなる形に昇華させたフラエラや徹底的にぶれることのないパニンの方に皮肉にも魅力を感じてしまう。ともあれ「エージェント6」も勢いで読む。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(2)
- 09/15
ゆらら@灯れ松明の火
勢いで3部作読めて羨ましいです。まだ暫くは図書館の予約待ちのようなので先にGaGaさんの感想楽しみにしてますね。届くまでに『子どもたちは森に消えた』を読んでおこうと思います^^
ナイス!
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09/15 21:26
勢いで3部作読めて羨ましいです。まだ暫くは図書館の予約待ちのようなので先にGaGaさんの感想楽しみにしてますね。届くまでに『子どもたちは森に消えた』を読んでおこうと思います^^
ナイス!
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09/15 21:26
結局は歴史アクション的な話でした。予想した通りカタルシスはほとんど無い。直接の続きの話ではあるけどそれだけに前作で読むのをやめておいたら……という気はしないでもない。続きの『エージェント6』でうまくまとめてくれるならいいけど。なんだかよくわからないけど、傷口を掘り返した責任はきっちりとって欲しいという気持ちでいっぱい。
前作「チャイルド44」はミステリー色が強い作品だったが、本作「グラーグ57」は、冒険アクションから歴史大作へ。相変わらず下水が出てくるし、血がいっぱい出る。「エージェント6」に期待。
愛や家族を拒絶し、そこから全力で逃走しようとする女と愛や家族を欲望し、それを全力で獲得しようとする男、前者は暗い希望を、後者は未来ある絶望を過剰投与される。両者ともかぎりなくパラノイアに近くて、そのイカれた論理や行動の臨界点がハンガリー動乱であり、触媒がゾーヤという娘なのでしょう。彼女自身に反応生じてるけど。
次回作はプラハの春ですか。個人的にはレッドチャイナも組み込んでくれるとより個人的な趣向にマッチして、そもそも一作目からしてニッチすぎる・・・と思うや、多くの日本人から読まれる小説である結果がそこにあった。良い時代だ。兎に角、著者は社会主義に対する一つの準備ができているのは間違いない、本作からのエンタ路線への展開も何か考えがあってのことだよなぁ、とハンガリー史なんてこれまた・・・・・である
この状況下で、これほど誰かを信じたり、自分の意志を貫いたりすることなんて、普通できないと思う。まあ、フィクションなのでなんでもアリなんだけど。。。にしても、レオはスゴすぎ。今回は、拷問やら戦闘シーンやら死体やらヘビーな描写が多くて一瞬手が止まるものの、内容は盛りだくさんで飽きずに最後まで読めた。どうやらもう一作続くみたいなので、そちらにも期待。
フルシチョフのスターリン批判とハンガリー動乱と、テーマは面白いね。でもこの後3作あるというが読むんでしょうね、多分。
近世ロシアの「24」、もしくは死なない贖罪について。前作同様、独裁国家(と、そこに殉じた男)のアイデンティクライシスというバックボーンが既に面白かった。続編があるなら、ゾーヤの問題はまだもっと掘り下げて欲しい。
深草図より貸出。
レオの災難(予想外の刑務所収容なと…)も、テンポよく進み過ぎるせいかアドベンチャのように感じ、白けてしまった(・.・ )
やはり前作の衝撃には勝てないか…。
愛する者や家族、自由を奪われた者の恨みは計り知れない。が復讐したとて心が安らぐわけではない。 相手が同じ人間だとわかった時に恨みの連鎖から抜け出せるのではと、カーロイと息子の場面を読んで思った。 方針が変わった事を敏感に察知して順応しようとしてる者と過去の過ちを自ら省みて変わろうとする者の差はあいまいで外からは伺いしれないが、正義や道徳は環境で変わるものだと感じた。それでも少しづつ変わりつつある人達が消えていくのは切ない。巻末は『チャイルド』の時よりも希望が見える終わりなのにほっとした。
グラーグ57〈下〉の
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感想・レビュー:169件
















































