蠅の王 (新潮文庫)
蠅の王を追加
蠅の王の感想・レビュー(751)
最初はなんだかだらだらした話だなぁと思っていたが、中盤からのなだれ込むような破局への道筋、救いのない結末。すごい小説だ‥
再読了。中学の時に初めて手にして、読み終わった時は吐きそうになったけど今回は大丈夫だった。きっと当時は己の中にも存在しうるであろう黒い獣に対して、ものすごい嫌悪や恐怖を感じてたんだろう。ピュアだなぁ、俺。
怪物に対する恐怖や家に帰りたい気持ちは皆一緒なのに理性を失い簡単に堕ちていく子供達が怖い。中盤くらいまでは十五少年〜と似たような感じで気分が乗らなかったけど…後半は面白かった
ピギーの名づけ方あたりは子供らしい無邪気な残酷さだなぁ~なんて思っていたら…話が進むにつれどうしてあんなことに…。「わたしはおまえたちの一部なんだよ。おまえたちのずっと奥のほうにいるんだよ」蠅の王の言葉が胸に重くのしかかる。極限状況において人の理性ってこんなにも無力なんだろうか。
孤島に不時着した少年たちは、まず最初にリーダーを選び、集会を行い、規則を作る。ところが正体不明の獣への恐怖と内部対立によって、道理の分る法の守られる世界は消え去ってしまう。頭のおかしなサイモンはひとり、蠅の王と対峙する。「おまえはそのことは知ってたのじゃないのか? わたしはおまえたちの一部なんだよ。おまえたちのずっと奥のほうにいるんだよ? どうして何もかもだめなのか、どうして今のようになってしまったのか、それはみんなわたしのせいなんだよ」
大人でもきっとこうなる人たちはこうなるのだろうなーと。前半部分の清々しい少年らしさは、「何歳」と銘打たなくても「少年」それだけで伝わってくる描写だった。最初の小さな少年の居なくなり具合はリアルでぞっとした。
サイモンもそうだが、個人的にはピギーの死が象徴的だった。火には彼が持つ眼鏡が必要で、少年たちの中で最も考える力を持つのもピギーだった。象徴的なシーンや皮肉が作品中に多く散りばめられていて秀逸。
この話の辛さは、野生的な残酷さを身に付けていった子らが、結局、元いたとおりの現代生活に戻ってしまうことにあると思うのです。子らには救われる安堵よりも、言葉にならないような虚無感があったんじゃないかと思いました。いずれにせよ、人間の本質が多面的に見られるような小説だと思いました。
世界感のディテールが殆ど描かれていないのにメッチャリアル、それがとっても怖い。子供社会のイジメのターゲットって論理的で正義をやたらと主張する奴や外見がちょっと...という奴。自分がどんなに間違っていても多数派ならばそれが正義になってしまう。子供の社会に必ずある闇の部分。それが大人や文明から全く切り離されたところで起きたらどうなるのか...?殺人は全く不自然ではなく、すごくリアルな結果に見えてきてしまう。
「十五少年漂流記」より、ある意味リアリティがある。 解説で「ロビンソン・クルーソー」のことを「もともと大人のための、それも人生の体験を充分につんだ大人のための小説」と書いている。ふーん、そうなんだ。読んでみたい。
読み始めはヴェルヌの「十五少年漂流記」とかなり被るなと感じたけれど、最後まで読めば似て非なるものだと理解できる。この作品はもう少し人間の暗いところを描いている。ハラハラドキドキの展開もあるけれど作品の本質を形成しているのはサイモンと蝿の王の対話だろう。動的な物語の中でここだけが静的でしんと澄んでいるという対比も巧み。またピギーが転落していく場面も象徴的。当たり前だと思っていた約束事が脆くも崩れてゆくという、そんな痛みを感じた。
最近のニュースをみていて『エントロピー増大の法則』を思い出したので、これを再読。人間の中身や、今生活している社会もが無秩序に向う本能を持っていたら、今、私が感じている平穏は、人が作り上げた奇跡かも。この本は少年たちの話だけど、大人に置き換えても同じことが起こりそうで、無秩序な環境と群集心理、めっちゃ怖い。この時代にこの作品を書き上げたゴールディング、素晴らしい!
人間がもつ理性と、そこに隠された闇の部分。不時着した当初、「ホラ貝」を中心に秩序が為され文明が構築される。そこに争いが生まれ、「ホラ貝」という秩序が崩壊されたとき「野蛮性」が顔を出し無秩序状態の殺戮が起こり原始の回帰へと突き進む。これは現代社会の戯画だ。無垢であるはずの子供が、あたかも儀式のように踊り騒ぎながら子供を取り囲み、殺す。ああ、なんと恐ろしい小説だ。
最初はそれなりに絆があったが段々それが崩壊してく過程が生々しい。正論を言ってる連中が孤立してくのが恐ろしかった。特にピギー最初から最後まで不憫すぎ。オチが唐突かなーとそこはかとなく思ったけど大人たちの目からはあれは最初は子供の遊びにしか思えなかったってのも怖い。
筋としてはパニック物。一致協力して仲違いがあったりしながらも、最終的には分かり合う・・・とは逆のベクトルに物語は進んでしまう。何より怖いのは「現実だったら『助け合ってハッピーエンド』よりこっちのほうが起きてしまいそうだ」という感じがする事。
最後までハラハラしながら読めました、特に最後の戦いなど圧巻でした。 ただ、殆どの子供たちがこれ程までに理性を失って暴走してしまったのが最後まで釈然としなかった。 救助時のジャックの冷静な行動なども違和感を持ってしまった。
名作暗黒少年漂流記、再読です。少年たちが自分の中の負に蝕まれてケダモノと化していく様子が非常にリアルです。唯一の良心サイモンがケダモノ達の暴走の前になす術もなく倒れた時の絶望感といったら…。続いて知性でケダモノを制御しようとしていたピギーまでも…。群集心理の恐ろしさ、極まれり。子供だから、なんて言い訳はもはや一切通用しない…。ひたすらケダモノ化した人間の恐ろしさがあるのみ。物理的には救われるのに精神的には致命的な一撃を負わされるラストも衝撃的です。幸福感は一切得られませんが心に残る一冊。
眩しい砂浜と、息苦しい宵闇のイメージが読後感として残る。自分が無人島に不時着したら、無垢を保てるんだろうか、それとも「蝿の王」に飲まれるんだろうか。
文明の崩壊という恐ろしさ。聡明さを持ち続けたピギーと、人間の子供であり続けたラーフ。蛮人になってしまった少年たち。キラキラ光る海辺のシーンから、森での血みどろの逃走というギャップ。読み終わったあとにそれを考えると、この物語の凄さを感じる。
イギリスから疎開する途中の少年のみを乗せた飛行機が無人島に不時着し、救助を待つ間に起きる様々な事件。徐々に解き放たれていく少年たちの獣性が理性を押し潰していく過程がなんともリアルで狂的で背筋がうすら寒くなりました。ラーフが、最初は馬鹿にしていたピギーを、だんだん一目置いて接するようになっていくところが好き。サイモンが”獣”と出会うシーンや”蠅の王”と『会話』するシーンもとても印象的。サイモンが死ぬシーンの情景も視覚に痛烈に訴えてくる感じで印象的でした。
傑作中の傑作。最初こそは不吉な影があれどもよくある少年漂流記だったのだが、次第に恐ろしい展開、つまり文明の崩壊がやって来たのだ。私たちを知的動物である人間たらしめているのは文明を持つことであって、それを失うことは恐怖だ、と今は思う。最後にラーフが失ってしまったもの、それは私が失ったものでもあるかもしれない。とても怖い物語だった。
小さな頃に『ハックルベリーフィンの冒険』や『十五少年漂流記』などに慣れ親しんでいた自分にとって、全体的にはどこか懐かしい感じの小説だった。人間の中に潜んでいる野蛮性が漂流生活を通して徐々に顕在してくる。その野蛮性が彼らを覆い尽くしたとき、もはや人格をもった個々人では存在しえなくなり、「蛮人」という抽象的・概念的なものに成りさがってしまう。
十五少年漂流記みたいなのを予想していたら,子供達の争いが殺し合い前発展したので漂流物としてはかなりグロいジャンルの本だということが分かった
大好きな無限のリヴァイアスと同じだと聞いてたけど、なんか海外寓話チックで馴染まなかった。ベルゼブブはもっと神話的イメージ。原罪とかそこらへん!?
ページをめくる手が止まらなかった。冒頭部のラーフのピギーへの態度とか、そういう微妙な残酷さの描き方が凄く上手い。ただどうなんだろう、サイモンと蝿の王の対決は面白く読んだけど、無人島でだんだん人間の本性がむき出しになって皆が我を忘れて行くって筋立て自体が、微妙に古典的に思えたりもする。そして今思えば表紙のネタバレ感…
蠅の王の
%
感想・レビュー:192件















ナイス!






























