町でいちばんの美女 (新潮文庫)
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町でいちばんの美女の感想・レビュー(220)
酒、煙草、女、セックス、競馬、その他汚物にまみれた短編集。最底辺の人生なのに暗くなく、そこには酒もあるし女がいる最高にクールでヒップなスリルに満ちた人生。真似できないが、徹底的にアウトサイダーを貫く彼の生き方は最高にイカしてる。やっぱりブコウスキーいいな。
表題作は時々読んだりするけれど、丸々一冊は10年ぶり。LAには足を踏み入れた事が無い。なのに読中にLAの乾いた空気を感じるのは何故だろう。所々でパームツリーが頭に浮かぶのは、きっとミッキー・ローク主演の映画の所為だ。マット・ディロン主演の方はDVDのパッケージ未開封のまま。仕事勤めをしていない自由の身であればもっと味わい深く読めるんだろうなあ。最初にブコウスキーに出会った時から彼の生き方に憧れていたけど、そんなの自分にはできそうにないと思ってた。妻帯の身となった今、無理と断言できる悲しさ。
古き良き(?)時代のアメリカにおけるアンダーグラウンド事情が分かる短編集。そう割り切って読めば、さほどお下劣とは思わない。むしろ悲愴感が漂う。欲望のままその日暮らしでやっていけるんだから、やっぱり古き良き時代だったんでしょうね。
これ読んで素直に胸糞悪くなる自分はまだ健常だな、と安堵できる、どこまでも下品で下衆な最低の短編集。「淫魔」なんてもうね…。よくぞこんなの400ページ超も読んだわ自分。詰まるところ、これを文学と見なすかは「美学」の問題。かなりギリギリのラインにはあると思う。ただ、「人魚との交尾」に関しては、これまた屍姦をテーマにしたエグい話だが、ブコウスキーの美学が少しだけ自分にも理解できたような気がする。
「リンダと私はマッカーサー公園のまむかいのホテルで暮らしていた。ある晩酒を飲んでいたら、男の軀が部屋の窓の前を落ちていった。奇妙な光景だった。悪い冗談のようだったが、軀が舗道に打ちつけられるに至って、冗談ではなくなった。『たいへんだぜ』と私はリンダにいった。『腐ったトマトみたいだ、落ちてつぶれたぞ! おれたちの軀なんてつまんねえな、内臓と糞とぬるぬるしたものでできてるだけだぜ! こいよ! こっちにきて見てみろよ!』」
怠惰で下品で好むのは酒と女、いかにも男性による男性のための男性の物語といった感じだけれどそれがいい。どうしようもない話なのに時折ふっと優しさや哀しさといったきれいなものが見え隠れするバランスが素敵。特に表題作はとりあえず読んでみて、と言いたい。柔らかくさらりとした訳文も好みだった
どうしようもない話ばかりなのに、そこに注がれる視線はなんだか優しい。本人も気づいていなさそうな、無意識な優しさ。訳者の「地の分はやわらかい日本語がいいと思った」という狙いも功を奏しているのだろう。ろくでなしの飲んだくれを自称していて、間違いなくそうなんだけど、そこに過剰な自意識がないのがいい。登場人物達の駄目さに対する好意にも押し付けがましさは全くない。いっそ天然と呼んでやりたい。読み終わった後は、少しだけ世界が愛すべきものに思えるようになった。
酒、醜い男と美しい女、暴力に下品な言葉の数々――殆どの短編に共通する要素がこれである。スタッカートに語られる地の文と一足飛びに駆け抜ける会話パートは、ただでさえ短い一作一作を秒速の距離感にする。競馬の蘊蓄を挟んで後半には枷が外れたかの如く形式にとらわれない、強烈な作品が目に留まる。『精肉工場のキッド・スターダスト』『テキサスの売春宿』、『10回の射精』が特にお薦め。
もちろん素晴らしく面白く、きわめて質が高く、ほかに類がない。しかしどうにも剥き出しの男ナルシシズム…女性置いてきぼりの…を嗅ぎ取ってしまい、女としてはやりきれないぶぶんがあるのです。時代背景もあるのでそれはそれなのだけども、現代日本でブコウスキースキーを標榜する男性は一発で警戒します、わたしは。(まだ、カワイイと微笑めるほど達観できないよ!) もちろんブコウスキートーク、一緒にしたいけれど。
舞城ファンなら読むべし。通して読んでから、また表題作を読んで泣け。悲しみの愛とはこういうことだ。他に「15センチ」「ファックマシーン」「かわいい恋愛事件」「飲み仲間」が好き。
そんなに大作家?そもそも短編しか書けない作家は大作家じゃないでしょ、と松岡さんに言ってみる。昔はこういうのが受けたんだろうな。ていうか、なんでホモを描くと芸術になるの?アンチ文学としてのこういう作品はあってもいいですが。まぁ、当時の文化がよく分かります、「トレインスポッティング」やら「時計仕掛けのオレンジ」やらの時代の本ですね、よくも悪くも。
作者の人となり、アメリカ的なもの、当時の文化と雰囲気、が作品の中にはある。日本人にはあまりにも異質なので、きっと読んでびっくりするだろう。嫌いな人もいるだろうが、少なくとも私は大好きだ。こういう生き方は理想とまではいかないにしても、憧れはする。理由は分からないけど。
汚らしい言葉の数々に気分が悪くなった。登場人物たちも皆、出来れば人生のどんな段階においても関わり合いになりたくないような人ばかりだ。けれども最後まで読んでしまったのは、「作者が、身を削って書いた本だ」ということがひしひしと伝わってくる作品だからだと思う。最も気に入ったのは表題作「街で一番の美女」。アメリカの短編にありがちな話ではあるけれど、余計な部分も足りない部分もない研ぎ澄まされた文章が気に入った。
俗化したジュネみたいが率直な感想。最初は合わないと思いましたが、連作のように続くある視点から描かれた世界を共有する物語群に惹き込まれました。
酒臭い口臭をたたえて耳のそばで語られてる感じ。読み終えるのがもったいなくて、ずっとちょっとずつちょっとずつ読んでた。ブコウスキーやばい。サラミとワインとおしっこの匂い。繊細なハードボイルド。カルト作家確かにそうかもしれない。翻訳したひとも洗脳されてしまってる。ブコウスキーくそかっこいいなぁ。
飲む!打つ!買う!そして、ヤリまくる!…人生なんて、その場しのぎで楽しみゃ勝ちさ!なーんて前のめりの生き方は、出来そうでなかなか出来ませんて。こういう人生、3回生まれ変わったら1回くらいはしてみたいですねぇ。
理性とか精神とか言ってもしかたない。くそみたいな小説読んでもしょうがない。なら、セックスして酒飲んで競馬場行くしかない。他に何をすることがあるんだろう。この問いは切実で、僕は、まったく、笑えない。「レイモン・ヴァスケスの殺人」はオコナーの「善人はなかなかいない」に非常によく似ている。アメリカ独特の痛々しさが書かれた本。彼は誠実だ。この本を、ただただ快楽についてだけ書かれた本にして、B級グルメ通の顔するやつとは、僕は一生口をききたくない。
表題作を含めた30の短篇集。
そこで描かれる世界は下品で猥雑で愚劣なものばかりだけどなんだかんだいって社会底辺者に対する愛情と哀しみ、あるいは政治社会に対する批判が顔を覗かせる。
それらのことがあとがきで訳者が書いている通り、やさしく、淡々とした言葉で語られている。
お気に入りはあえて選ぶなら「ファック・マシーン」「かわいい恋愛事件」
アメリカのカルト作家の短編集。注意!一気に読まないようにしましょう。また、最初の数ページ読んで合わないようなら引き返しましょう。酒とセックスとギャンブルと、その他もろもろの不純物で形成された粕みたいな作品。だが、ここに出てくるダメダメな大人たちの姿になぜかひかれる。映画のようなセリフも面白い。初期のSFみたいな作品(ファックマシーン、15センチ)に進んでいたら、また評価も違ったのだろうな。あと「チキン3羽」は笑えた。
これはひどい(笑)。だが、出てくる人間がみんな輪をかけてひどいので、ブコウスキーのほうが人として筋が通っているように見えるのが不思議。伯母さんに仕送りしてもらってたケルアックと違って、プロの放浪者としての矜恃とゴキブリのような生命力を感じる。無性にビールが飲みたくなり、最後は見事に悪酔いした。
吐瀉物。排泄物。酒。香水。煙草。ガソリン。汗。精液。その他。これはもうあれだよ、「読む」本じゃない。「嗅ぐ」本だ。くっさいし、きたない。ごくまれに、まあ嗅げないこともないにおいに出くわしたとしても、せいぜいが安物のオーデコロンか便所の芳香剤。おまけにぶっこわれている。ブコウスキーは狂人か! と何度も思った。実際、そうなのだろう。そして、だれもがそうなのだろう。ブコウスキーは嘘つきだが、決して嘘は書かなかった。だからこそ、彼の書くものは汚物にまみれている。最高だよ、チナスキー。
口も態度も悪いけど感傷的な友と久しぶりの再会。この不快感が懐かしい。でも昔みたいには面白く感じなかった。もう自分はブコウスキーを読む時期を過ぎてしまったのかもしれない。
人生のどん底を味わった人にしか書けない文章。非現実的な物語は本人がラリっている時の夢物語なのか。読後に一抹の寂寥感が残るのは、暴力、性描写の中に日常には得られないものを得ようとする寂しさ、虚しさがあるからなのでは。久々の無頼派作家に触れました。
性交と酒と自分を慰めることでいっぱいの短編集。自伝的短編らしきモノもあるけど、悶絶の奇想短編(つまり創作)もある、いやそっちの方が多いのか? その奇想っぷりは河出の2000円のコレクションにも劣らんよ。んまあ奇想と言っても結局は性交と酒と・・。例えば魔女に身長15センチにされた男。どうなるかと思えば魔女のアソコに入れられちゃうの。ははは。バカだねえ。クソです。クソが褒め言葉になる本です。最高だよブコウスキー。でもなんだよ、読み終えたら人恋しくなったぞ。よーし酒だ。だれかと飲もう。
町でいちばんの美女の
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感想・レビュー:59件















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