ペスト (新潮文庫)
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ペストの感想・レビュー(331)
もって回った言い回しが心地いい。半分くらい意味分かんないけど。 (僕が読んだのは昭和46年に出版された古い銀色の表紙の方。それが一覧から見つからないのでこっちに感想を書いた)
☆7 ペスト発生で隔離された街。その中で諦めずに自らの仕事をし続ける医師リウーを中心に、不条理な仕打ちをされた人々の反応を描く。これは寓話にもなっていて、当時なら世界大戦を想起する人が多かっただろう。そして、今の僕たちにとってはアノ震災を思い出すことだろう。リウーが見て来たことの記録風に客観的に描かれるが、時々のぞかせる語り手の感情があるから、ただ読むだけにはならない。また、ヒーローや奇跡があるわけでもなく、リウーたちはあくまで人間で、最後まで人間を描いていた。特殊な状況でこそ見える本質があったと思う。
ペストが流行し閉鎖された街を舞台にした作品。外部から隔離された孤立状態のなか、ペストという不条理な「悪」と戦う市民たちの姿を描いている。所謂隔離モノで人間ドラマであり寓意である。抑揚なく淡々と綴られる文章は物語を読んでいるというよりも何かの記録を読んでいるような気分にさせられた。
ペストの流行のため閉鎖された都市で繰り広げられる人間ドラマ。題材が重いテーマなうえに、感情を抑えた、坦々とした展開で、かつ、最後に解説を読んでわかったのだが、いくつかの話の流れがあるため、読み進めるのに苦労した。フランス人の表現に不慣れなことも手伝って、ミステリーに慣れた頭では、3割も理解できていないと思える。一つ言えることは、私は、被災地、特に、福島の人たちのことを思い浮かべることなく、この本を読むことはできなかった。折りを見て再読せねば...
際限ない負け戦を戦うことを選ぶリウーとタルーの姿は、彼らがヒーローであることを徹底的に避けようとする作者の意図にもかかわらず(というよりも、その意図ゆえに?)やはりやや格好よすぎる気がする。『シーシュポスの神話』の人たちという感じだろうか。個人的にはむしろ、リウーやタルーに対するグランや豌豆の爺さんの淡々とした位置づけの方がおもしろかった。
ジャンルは隔離モノ。週に300人くらい死亡者が出ているんですが、街の人口が20万人くらいなのでそう簡単にバッタバッタと周りが死んでいくようなことはないんですよね。ただペスト症状の疑いが出るとペストが収まるか死ぬまで隔離病棟から出られないってのが事実上の今生の別れで、そこについての描写が的確(っぽい)。あまり馴染みのないだろう伝染病についての空気感を様々な人間の種々な角度から描かれていてボリューム感もある。これで105円(ブッコフ)はお得!あなたの隔離されてる詰み本置き場にゼヒ。
自分でもよく解らないが、なぜがコタールが可哀想に思った。ペストで混乱している閉鎖された町で、はしゃいでいる様子に。またペストの脅威の終焉が近づくにつれ、取り乱しはじめる様子にも。共感という点では、ランベールに親しみを感じた。自分の幸せと、みんなの幸せを比べるあたりなんか特に。
思想も信条も生き方も価値観も異なる人々が入り混じって生きている都市.しかし,圧倒的な,どうしようもない力に覆い尽くされたとき,それぞれがそれぞれにたどり着いていく境地は... そういうところが特に気になりつつ読んだが,その意味ではカミュは希望と信頼を持って人間を見ているなあと思う.この圧倒的な力は,別にペストに限るものではない.今の日本も十分それぞれの人生観,価値観が問われるような状況にあると思うし,またよりよい変化の機会にもなりうる時ともいえるだろう.これを読んでいろいろ感じる人,得る人が多いとよいな.
再読。閉塞された場所で流行した病にも関わらず、一般の人がまるで自分とは関係がないような他人事のような振る舞いを通して現代人の姿を垣間見たような気がする。異邦人は孤独を強調していたようだが、ペストでは人と人との連帯を中心に書いているようにも見えた。
淡々とした文章の中でたまに垣間見える珠玉の一文がとてもいいです。リウーとランベールの会話の後の「翌日、彼らはもうなんにも話し合わなかったが、そのかわり一緒に仕事をした。」という普通の文章が印象的でした。解説読んだらまた読みたくなりました。
人々がペストと、不条理と闘う姿 ペストに対する悪 抑圧に対する集団的な反抗 連帯性の必要性が強調されてる今回の東日本大地震も すべてなくなったがみんなの力で 復興していけたらよいとおもった
「不条理」というか「理不尽」に直面した人間を描いている。考えてみればこの世界が人間に親切だった事なんか一瞬だって無い。でも僕らは生きていく。
辺見庸氏の出演したテレビ番組を見て、気になっていた本。淡々とした描写に最初戸惑いを覚えたが、淡々としか描けない出来事なのだと思い当たった。 やっぱり震災と重ねてしまってうまく感想が言えない。 リウーとタルーが海に入るシーンに救われた。 もう一度じっくり読み直したい。
《彼がかちえたところは、ただ、ペストを知ったこと、そしてそれを思い出すということ、友情を知ったこと、そしてそれを思い出すということ、愛情を知り、そしていつの日かそれを思い出すことになるということである。》 ─深く心に刻み込まれました。
天災ペストに対し、封鎖された街でいかに人々が葛藤・苦悩し、戦っていくかがストーリー。大戦後のフランスを意図して書かれたのだろう、寓意的・童話的なところもあり、ペストは凄惨ながらも、気高くもある。カミュの凄いところが、ペストも含め、主人公は他者を呪わない。寛容なのである。寛容こそが連帯を産み、災厄を乗り切るという思想が滋養である。震災後に読まれるのを待っていたかのよう。安易な連帯という言葉を信ずるなかれとも読み取れる。
カミュの考えるところの不条理という観念について予備知識を入れてると、ペストという概念のなかに多くの意義を見つけやすいかと思う。死、悪徳、戦争などをペストに見出だして、再読してみたい。
登場人物がたくさん。 似たような職業の人もたくさん。 必ずしも個性的でない面々。 非常にわかりにくいので、まずそこで引っかかる。 結論として、わからないままに読み進めた。 人間の集団をみたまま描くとこうなるということか、と。 テーマはペストで、病の表現も死の表現もたくさんある。 だけど、淡々ととても冷めた目から見る世界が続く。 生の喜びの爆発があるようでいて、実はそれは雰囲気だけなのじゃないかと思わせるラスト。 正直なところ、よくわからなかった。
不安に駆られてカフェや劇場でフラフラしている人達より、毎日ペスト患者と接しているリウー達の方が肝が据わってる。何事も自分から立ち向かう方が気持ちは楽になる。ランベールも始めは右往左往していたが、実際にペスト患者を見てしまい、リウーの下で働くようになってからは随分と落ち着いたみたいだ。私も経験済みだが、立ち向かう方が気持ちは楽になるのは本当。人からは「よくやるなぁ」みたいに思われるが。しかしカミュの小説をやたら「不条理」と言う人は、世の中が論理で出来上がってるとでも思ってるのだろうか。
人間について考えたいときに読みたい本。災いはいつも突然、善悪の見境もなく人々の前に現れました。人類は災いのすべてを克服することはできなかったかもしれませんが、すべてを乗り越えたからこそ今があるのだと思います。そんな人間の力を感じることができました。
ペストという災害に直面した市民の行動の推移が震災後の日本国民のそれと酷似していて、これが本当に50年以上も前に書かれたものだとは思えませんでした。患者の描写が必要最小限(ほとんど描写されていない)から余計そう感じるのかもしれません。人間は進歩しない生き物ですね。個人的には病床に伏したパヌルー神父の最期が印象的でした。何度も読み返すとまたちがったところに目が行くのかもしれませんね。
シャレにならない内容だった。ペストを放射能に置き換えて読めば、福島原発の周りで起こっていることと状況がほぼ当てはまるだけに、読んでいて非常にブルーな気分になった。終わりの見えない理不尽な恐怖と戦う人々の姿は、これから日本が辿るであろう道を、偶然にも暗示しているような気さえする。恐らく3/11以前に読んでいたら、こうまで辛くはならなかっただろう。
此度の地震で、グランの劣化コピーが出没していると指摘した人がいた。そこで触発されて読んでみる。私には話の筋を追うだけで精一杯だった。
恐怖やパニックを煽る事なく、淡々と、流れるように進む文章。そのせいか、物語を追うのに精一杯で全体の構造を掴めなかったような気がする。再読したい。
設定としてはパニックものに近く、原因は様々とはいえ封鎖された極限状態というのは様々な作品で見られる設定。だけど、ここまで地味なのはそうそうない。極端な悪人もでず、英雄もでない。各々が自分なりのエゴイズムと良心とを持っている。極限状態のモデルとなったのはペストではなく、WW2なわけだけど。そこで見られたであろう人類の美点をうまく表現していると思う。各々が最善を尽くし、自分の幸福を追求することと、社会的な義務と役割を担うことを両立しうるというのは感動的な事実だ
ペストの
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感想・レビュー:92件














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