ハツカネズミと人間 (新潮文庫)
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ハツカネズミと人間の感想・レビュー(286)
短くてすごく読みやすいのに、この陰影に富んだ味わい深さ!農場を連れだって渡り歩く小柄なジョージと大男のレニー。レニーの世話を焼いていたジョージだけれど、孤独から逃れるために、夢を見るために、依存していたのはジョージの方でもあった。何度も語り合った楽園の暮らしは微笑ましかったのに、同じ言葉をやり切れない思いで語らなければならないジョージとそのラストに胸がふさがる。
読了後、なんだか・・・心にぽっかり穴が空いてしまったようだ。ふたりでみた楽園への夢。しかしそれはシャボン玉がパッチンと弾けるように銃声とともに果無くも消え、銃煙とともに哀愁だけがそこに漂う。
読んでる最中、スティーブン・キングの『グリーンマイル』が頭をちらつく。短いながらも心に残るものがあるというのは、読者冥利に尽きるもの。読了後は思いがけない拾い物をしたような気分になった。ポール・ギャリコの『雪のひとひら』を読んだときもこんな気分になったのを憶えている。良作。
ささやかな夢と希望、それさえあれば二人にはよかったんだな。
レニーはジョージを信じていたし、ジョージはレニーを守ろうとした。
ジョージは正しかったんだろう、ああすることで最後までレニーを守ったんだろうな。
“BOOKUOKA 2011”で紹介されていた本のなかから選んだ一冊。なにを思えばいいんだろう。悲しい、哀しい。みんな苦しい。ささやかな夢がよけい哀しい。読んだ直後に感想を残そうとすれば、そんな言葉しか浮かばない。豊かな自然の風景描写と人間たちの乾いた心の描写が、ひどく印象的。あっさり読めるのに、読後はどうも息苦しくなった。
「だけど、おいらは違うんだ!さぁ、おいらのことを話しなよ」 「なぜなら」 「俺には、お前がいるんだ。おいらには、お互いに、ちっとは相手のことを心配する仲間があるんだ」 いつかは自分の農場を持ちたいと夢見るはすっこい小男ジョージとうすのろの大男レニーの物語。夢砕かれつつも、ハッピーエンドって結末にすることもできたんだろうけど。 ジョージの気持ちが痛い。レニーの純真が悲しい。
初スタインベック。いきなり怒りの葡萄に行くのは何だか申し訳ない気がして、適当な中篇を「お試し程度に」ぐらいのノリで読んでみたらものの見事にパンチ!ノーベル・パンチ!ちゃんとします。
スタインベックの出世作。人生の悲喜劇が、対照的な性格の“相棒”の姿を通して描かれる。カリフォルニアの農場を転々とする労働者などまったく接点のないような世界。だけれど、人の感情というのは万国共通なのだなと改めて思い知る。小説のだいご味。そうせざるを得ないとしても、結末は、胸に突き刺さる哀愁に満ちていた。「怒りの葡萄」もぜひ読んでみたい。
大切な友人と夢を自分の手で失ったジョージが痛々しい。けれど、ジョージやスリムと同じ人間でありながら、キャンディ老人の老犬と対比されて描かれるレニーも悲しすぎる。
なくなった父が薦めてくれた本の再読です。 「周到に立てた計画が思った通りにならず、 あてにしていた喜びが、悲しみと苦しみだけに変わる。」 ロバート・バーンズの「二十日鼠へ」からの意訳ですが、 この本の内容の通りですね。 人生は不条理・・・で、済ませられるのでしょうか?
人が生き抜こうとする力強さが滲み出てるような気がする。淡々とした文章と淡々とした登場人物たちの会話で、より強調される空虚さが堪らない。"アルジャーノンに花束を"を思い出した。人生って何だろう。誰しも人生って失敗してばっかりのような気がする。
映像的な文章ゆえにスクリーンを見ているようで、読み手はだから物語に参加できないような気がして大変もどかしいのだけど、ここに書かれているようなやるせなさが、実はありふれすぎる程にありふれていて、自分の周りにも転がっている事に気づいて、泣きそうになった。
当直先で一気読み。アメリカ西部を舞台にした、なんとなく乾いた感じのするこの手の小説はなぜか好きである。展開もよどみなく、各キャラクターが実に生き生きとしている。原語で読んだらどんな感じなんだろう。
アメリカの小学校ではこの作品が読書感想文の定番になっているそうだが、なぜだろう?「アメリカン・ドリーム」の空虚さを風刺した内容に受け止めたが、最後にジョージがレニーを射殺するシーンは弱肉強食なアメリカ社会ならではの結末ではないか。当時の日本であれば、エゴが顔を出すことはなかっただろう。(今なら、同じ結末だろうが)
運命自体はそもそも破滅に向かっていて、その軌道を修正する役割を夢が担っていたのか。だから夢は実現するべきものではなくて、実現の可能性が眼前に現れて初めて歯車が狂った。レニーとジョージにとっての夢は最終目標ではなくて、糧であり燃料だったとも考えられる。
二人の登場から結末はすでに提示されている。夢を語る二人の青年にゆっくりと忍び寄る別れと死の予感。しかし文調はあくまでおだやかで読みやすい。構成、台詞、翻訳ともに完成度が非常に高い一冊。あとがきもぜひ読んでほしい。
良い本だと思った。クライマックスのあのシーン。ドキドキしたな。ページをめくる手に力が入って、うまくめくれなかったなw。ああ、ここで、その筋を書けないのが残念だ。とにかくそのクライマックスで、ジョージの下したあの判断は、二人にとって最良の選択だったのだろう。最高の友情だったのだろう。古き良き日のアメリカの情景が頭に浮かび上がってきた。
昔のアメリカの渡り労働者ジョージとレニー、彼らを支える希望と訪れる悲劇のお話。「戯曲の形式を小説に取り入れた」という解説どおり、セリフと情景描写以外の心理描写などを排した三人称視点で描かれていて、映画の脚本を読んでいるようだった。短くて読みやすかったけれど、なかなか後に残るものがある。
瀕死のアメリカンドリームを克明に描いている、という点で「セールスマンの死」を思い出した。農場の男たちは「誰もが頭の中に土地を持っている」、そして西部者の物語を「バカにしながら愛読してひそかに信じている」、アメリカンドリームの信奉者たちなのだなあ。キャンディの「あの犬は自分で撃てばよかった」という嘆きは、ラストにつながっている。やるせない。
2周目。起承転結が、すごくはっきり見えてくる。正面から夢が破られるのでは、ない。漠然とした不安を感じる方向からの矢が、ジョージとレニーに突き刺さる。一貫してレニーに真なる思いを向け続けるジョージがいるからこその物語。判断力と倫理観をついぞ持ち得なかったレニーがいるからこその物語。この物語が150ページにも満たないというのは、正直すごい。
古典でしたが、翻訳がそれほど古くないせいもあって楽しく読むことができました。やおい小説(読んだことないけど)ばりの男ふたりの友情が過剰で、でも素敵でした。ジョージさんはツンデレ。
ゲイリー・シニーズ監督主演の映画を見て、読みたいと思っていました。映画では人物の心理や行動がよく細かに表現されていたのに比べ、小説は淡々と描かれている。この小説を読んで映画が如何に上手く演出されているか、原作が如何に良い作品かがわかった。文章が簡単に上手く纏められていて、単純な物語の端々にもとても考えさせられた。読んでよかったです。
スタインベックの文章力に感動した。とても悲しい最後。この本を読んで思ったのは、喜劇よりも悲劇の方が後に残るものが大きいということ。 ハッピーエンドだとスッキリして忘れてしまうけど悲劇だと色々と考えさせられてしまう。おそらくスタインベックは当時の世の中の残酷さ、不条理などを描き出したかったのではないだろうか。 たくさんの人に読んでほしい良書だと思います。
ジョージとレニーの夢は悲しい結末を迎える。それまでの二人が…特にジョージがレニーに対してと言った方が正しいかもしれない…失敗を犯さないように、気をつけていたにも関わらず。なんとも悲しい。二人の夢が、キャンディを含めて三人の夢になって、夢が叶えば、三人はとても幸せになれたんじゃないかな。キャンディは老いぼれといえども、大切にしていた犬を奪われた後の、支えともなる夢だったのに。ジョージがレニーに夢を思い起こさせながらの最期は、彼の最後の優しさだったのかな、と考える。
レニーの様な不器用な人って確かにいると思う。 純粋というか、鈍感な善意の人ほど生き難いだろうなと。 そういう人って社会から容易に切り捨てられる。 本人はすごく頑張ってても、頑張っただけじゃダメで、人と同じ結果を求められる。 切り捨てられた後はどこへいくのだろう。
初スタインベック。タイトルはよく聞いていたしお財布にも優しかったので購入。レニーの純粋さと、ジョージの不器用さ。夢を語る二人にはとても不幸で悲しい結末が待っている。"ハツカネズミと人間"そのまんまのタイトルだけど、対比させているのがとても良い。
外面描写に終始した物語はキャラクター造形においても押し付けがましくなく、かつリアリティがあって心にせまるものがった。現代を舞台に置き換えても何ら遜色のないテーマなだけに非常に辛い。
ハツカネズミと人間の
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感想・レビュー:74件















ナイス!
































