車輪の下 (新潮文庫)
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車輪の下の感想・レビュー(1773)
大学の教授に勧められて読んだ。一言一言味わって読んだから、すごく時間がかかった。やる気をなくしてしまった、生きることが難しい、っていう人に是非読んでほしい本。これ読んでも解決しないけど、あのどうしようもない感じをうまく言葉にできてると思う。それに詩人だというだけあって何気ない描写まで美しい。大学で落ちこぼれてやる気を出せなくなって困っている自分としては、熱意を失い神学校を辞めて田舎に帰って……というところに自己を投影せずにはいられなかった。今まで自分が辿ってきた思考があまりにもハンスに似ていて、驚いた。
切ない。自分は来春から大学生なのですがどのように暮らしていけば良いのか考えさせられました。読むタイミングとしてはぴったりでした。結局は当事者の意志がなければ続かない。この小説を読んでいると、悲しいシーンはストレートに悲しい。楽しいシーンもなぜか悲しさがついてまわる。それでも文体の鮮やかさのおかげで読後は充実感で溢れました。
ぐっとくる、思わずもう一度よんでしまう、そんなフレーズが多かった。やはり、ヘッセは素晴らしい。ハンスが他の労働者たちと楽しく飲む場面。笑い声をあげながらも辱められたような気持ちになる。そのシーンが脳裏にこびりついて離れなかった。すごくわかる。私はハンスのように繊細でも真面目でもひたむきでもないけれど、それでもひたすら勉強に打ち込んだ時期があったから。
今まさに大学受験のための勉強をしている自分は、ハンスにかなり共感した。将来のことをゆっくりと考える暇もないまま、出来るだけいい学校に入るため、なんの役に立つか分からない知識を詰め込むだけの毎日。その過程で置き去りにしてきた青春時代のいろいろなものにもう一度向き合えるのは、今が最後の機会だと思う。読むのが辛くなってしまう場面も多かったが、今この本に出会えてよかった。
大人たちの都合で、少年の少年らしさが奪われてしまう有様を書いた作品。感受性の豊かな時期に自然や人付き合いなどを経験しなければいけないと思った。詰め込み教育への警鐘。ところで、ビールがのみたくなった。
なんでもいいけど、これを読んでヘッセを誤解するのはやめてほしい。ヘッセはここからのしあがった人なんだからさあ、といつも思います(笑)
この物語が書かれて百年以上経つ今になっても、未だ世界には本咲きの春を迎える前に感受性をずたずたに引き裂かれて死んでいく子どもたちが大勢いる。その過渡期を無事生き抜いた現実のヘッセのたくましさに鼓舞される一方で、彼が大人になっても「ハンス」という一人の少年の幻影を心の隅に留め続けたことの切実さを思う。こうした子どもたちが生まれてくることの意味、その魂の行方を私たちはどのように引き受ければ良いのか――、少なくともそれが世の醜さを知らしめるため神が遣わした教訓だなどという解釈だけは、絶対にしたくないのだけれど。
風景・心理描写が情緒的で繊細で、少年の生き生きした姿や瑞々しい感受性が微笑ましくもあり、また読み進めるのが辛い場面もたくさんありました。子どもには自分の生きる世界を選ぶ選択肢が限られていて、それも周囲の大人の考えや欲によって決定されてしまうことが多い。押しつぶされるように道を進みながら、それでもベストを尽くそうとする少年の姿が痛ましかったですが、程度の差こそあれ、子どもの頃、誰しもが経験する過程なのだと思います。そうやってタフになっていくのだろうな。
初ヘッセ(^^)大人の都合による、無理な詰め込み教育が、成長期の子どもにどの様な悪影響を与えるか、ヘッセ自身の経験を元にして書かれた小説。やっぱり勉強も大事だけど、子どもには子どもの健康的な成長の仕方があるし、大人はその前提を理解して、教育を行うべきだよね(;´Д`A 本の最後はヘルマン・ヘッセの生涯について書かれていて、それを読んだらこの人が偉大な人物だったということを知った!他の作品もぜひ読みたい。
緑のざわめきや鳥のさえずりから引き離され、線路の上で列車に追われ続ける生活を強いられたハンス少年の、ある意味ではあまりにも静寂過ぎる心情が何とも痛ましい。 止む事のない雑音。 権威に振り回された後、やっとの事で彼が手に入れる事の出来た安らぎの哀しさ。 オトナとコドモ、協力、環境、歪みについて考えさせられる作品。
境遇が重なる点が多く、過去を見透かされ、未来を見ているようでぞっとする場面が多かった。
子どもの時の世界って小さくて、周りの大人や親に認められることで、自分を確認してたりする。優等生であり続けることが、ハンスが自分自身である方法だったのでは。四季や自然の描写が輝いているだけに、とても痛々しく思えた。
子供らしさを取り上げられると、その時の影響はコンプレックスとして将来響いてくる。今の社会もハンスのような人がいっぱいいると思うし、私ももしかしたら、同じ車輪の下になっていたかもしれない。
読み終わった!子どもが中学生なので、これを読んで耐えられるのかつい心配になったけど、夫に話したら、多感な時にこそ読むべき、と断言。車輪の下とは?気になっていて何十年もたってようやく読み終えた。母の気持ちになってしまって残念、読むのが遅かったね。
「車輪の下」って文中では学力の低い人のような書き方で一度出てきたように記憶してるのだが、ハンスはまた違った「車輪の下」で、大人の押した車の車輪にひかれて、死んだんじゃないかと思ったり。ヘッセは初めて読んだけど、心理描写が素晴らしいですね。ぐいぐいきました。
ヘッセを思春期に読まないのは人生の何割かを損していると言ってもよい。大人になってから読んでも素晴らしい本だが、青春時代の些細な事がきっかけで車輪の下に落下していく感覚は、ハンスと同世代のうちに読んだ方がリアリティがあり、胸に迫る。挫折して車輪の下に落ちた後、人はどうするべきか、どう生きるべきか。それを思春期の若い頭で考えなくてはいけない。
結末は悲惨だったのですが、読む前に勝手に抱いていたよりも重々しい雰囲気では無かった気がします。主人公の心情がなんかぺったりとしていてそこが少し気持ち悪かったです。落ちこぼれて行く過程が今でもよくあるパターンの1つで昔も変わらないなぁって気持ちにもなりました。あと雰囲気が作者が同じということもありデミアンと似てました。
学生のうちに読んでおいてよかったなと思える本ですね。でも、何としてでも車輪の上に乗っかっていたい、というのが繊細な感情に欠けた一読者の本音なのでした。
大人の都合に振り回される少年の姿が儚く美しく描かれた作品でした。今までやってきた勉強に、一番になりたいという名誉欲に疑問を投げかけられ、深く考えさせられました。
もうかなり昔の高校生時代、ヘッセはわたしの周りにいる文学少女たちの静かなブームでした。受験勉強をしながら、親や先生たちの言葉に疑問を感じ、社会の大きな矛盾に息苦しさを覚えながら、どうやって生きていけばいいのだろうと悩みました。あの頃は、傷つきやすく繊細なハンスに自分を重ねていました。気持ちが通じない、言葉が伝わらない、そして自分がわからない…、小さなずれの積み重ねで人は車輪の下へと巻き込まれていくのだと思いました。
周りの期待を一身に背負い壊れてしまったドイツの少年の話です。自然を愛し、釣りが好きな少年が、好きなことも友人も全て放棄させられ勉強に勤しみ神学校に入学。成績は優秀であるがゆえ、そこでも教師や親の期待、親友との別れや学友との隔たりが徐々に精神を破壊していきます。成績が落ち始めると周りの期待は失望へと変わり、うとまれる存在に。結局神学校は辞めてしまって、工場の見習い工になって立ち直るのかと思いきや最悪の結末に。
ハンスの繊細で複雑な心理描写と美しい情景描写が、良く言えば素晴らしいし、悪く言えば面倒臭い。こういう本は最近読んでなかったな。少年の心の葛藤は現代の子供たちのそれにも通じるものがあると思った。でも自分が中高生なら読まないだろう。こんな自分に矛盾を感じるし、何が言いたいのか自分にもわからない。
大人たちに翻弄され、みしみしと『車輪』の下敷きになっていく少年の物語。もし10代に読んでいたら人生が何かしら違う方向に進んでいたかもしれない……そんなふうに思わされるほど精緻な心理描写は、翻訳本といえど侮れません。
現役で勉強を頑張っている中高生たちに読んでほしいところですが、あまり若すぎると共感しすぎて親に変な反抗心を起こしてしまいそうですね(笑) ということで、現代の学歴主義教育の下で受験勉強をくぐり抜けてきた、俺のような大学生たちにオススメしたい本です。当時の時代背景と、その風潮に対して真っ向から「NO」を突きつけるヘッセ。小説家のあるべき姿を見たような気がします。このタイトルも、「誰かに敷かれたレールを歩いていれば、いつか車輪の下敷きにされる」ということではないかと俺は解釈しています。
なんとなく勉強が嫌になったので読んでみました(笑)。優秀過ぎるゆえに大人達の期待を背負い、最終的にはその下敷きとなってしまうハンス少年。自分にはハンス少年ほどの能力は有りませんが、強制される勉強の苦しさや大人からの『模範生』としての期待など、共感出来る部分は多かったです。
優等生だったがゆえに、周りの評価と期待を寄せられたハンス少年。 代わりに犠牲となった少年時代の繊細で多感な心理状態の表現には圧巻させられました。
優等生として生きていくことを迫られて最後は死んでしまうハンス。彼自身自らの才能に陶酔していたのも事実。父親は名士でも優秀でもないのにまさにトンビが鷹を産んだって感じなのかなと思いましたが、結局はその息子であるハンスも地元で機械工として生計を立てたほうが性に合っていたのではないかなと感じました。あと、ハンスが神学校で周りを遠ざけてしまったのもちょっと自業自得かなと。超優秀で、かつ抒情的で同世代とは一線を画す才能を持った人でも対人関係に優れた人もいますし。まあなんとも言えないです。
多くの人が教育や受験へのアンチテーゼとしてこの作品について語るが、私はこの作品のそのような意味性によりかは、むしろヘッセの繊細な記述に感服した。ドイツの町や自然の情景描写も良いが、少年ハンスの繊細で清らかな心理描写にはとても感服した。
あまりに純粋な少年が、周囲の期待・圧力によって、道をはずし、自滅していく様を描いた小説。かつて「優等生」だった身としては、共感できるところが多かった。いつの間にか、周囲の希望を、自分の目指すべきものと錯覚してしまうんですよね。
詰め込み教育という車輪の下敷きになった男の子の話かぁ。少なくとも数学においては詰め込みだと思うなぁ。考えさせたって、みんながみんなオイラーな才能を持ってるわけじゃないんだし。詰め込まれた内容に違和感とか、反感とかを持ったときに学問が始まるのだよ。
小学生の頃から気になっていたが、55歳になって初めて読んだ。ドイツの小説なので戦争物かと思っていたが、違った。タイトルの意味は途中まで分からず、筋も全く予想できなかった。エリートは凡人のしらない苦労があり、古今東西いつの世も大変である。
義務となった勉学ほど苦痛なものはない。押し潰されていく少年の繊細さと顛末が悲しくもあるが自分の場合、寂しさが勝った。もういちど親友のヘルナーと再会していれば、ハンス少年の中でなにかが変わったかもしれない。それにしても、ヘッセを読むと萩尾望都さんの漫画を思い出す。また読みたくなってきた。
ハンスはとてもかわいそうな少年だ。ひたすら勉学に励み、高みを目指し続けた少年がその先で出会ったのは抗い難い社会の圧力。自然を愛する純粋な少年に高い理想を植えつけたのも社会ならばそれを打ち砕いたのも社会。この逃れようのない、ハンスを押し潰した車輪はいつの時代も私たちを統馭している。不謹慎だけど、最後に少年が死なずに見事に社会復帰できていたらこの作品はそれほど読者に共感されなかっただろうと思う。
ヘッセの本は今まで読みたいと思っていても読んだことがなくて、夏の終わりの暇な時期に読んでみようと思い立って読んだ。内容はとてもよく、気に入った。他の小説も読んでみようかと思っているが、第1印象としては教会で讃美歌を聴いているような気持ちにさせられる。とても綺麗で美しく感じた。
ヘッセは好きでよく読むのだがどうにも「お尻がムズムズする」。共感すると同時に恥ずかしい。「お前、男の子だろう?」と思う。でも、繊細な人にはそういうのが嫌なんだろう。「春の嵐」もそうだけど物凄く共感を覚えると同時に昔の自分を思い出して赤面する感じの話。
勉強しまくって神学校に入るけどいろいろ思春期特有のいろいろがあってやめて実家に帰って性に目覚めて死ぬみたいなストーリー。ヘッセの自伝的小説だけど、解説に拠るといろいろと異なる部分も多いらしい。印象的だったのは主人公が故郷に帰ってからの「リンゴの果汁絞り」のシーン、町の住人全員が富貴貧賤にかかわらず大地の恵みを味わう牧歌的なイベントが瑞々しく描かれている。また、職人の日曜日の姿も印象が強い、小道ではなく国道を選ぶのが市民の選択だという道の描写など、なかなか面白かった。概してストーリー以外の部分のほうが楽しめ
車輪の下の
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