女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)
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女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEENの感想・レビュー(757)
ルナティック・シティで、映画「トゥルーマンショー」を思い出した。神、マイカ・ジュクとデボウの父の傲慢さ、『造られた世界』にぞっとしたけど、引き込まれた。登場人物がみんな濃い。濃いっていうか、信念強すぎ。ある意味洗脳。でも、本人が幸せならそれでもいいのかなって思う。ただ、信じて疑わなかったものが揺らいだ時どんな選択をするのかでミチルの運命も、シティの未来も決まるんだと思う。続きが出てるらしいけど、復讐を遂げちゃったミチルはどうなるのかな。◆
物語にも登場人物にも、どこか無機質さを感じる。その無機質さからか、感情移入することなく、何かの絵画を鑑賞しているような気分にさせられるけれど、その感じがまた心地良く、よりこの世界を堪能できる要因にもなった。第六章まではこの世界観を楽しみ、第七章からは展開を楽しめた。森さんの作品、少し敬遠してたけれど、読んで正解だったな。これも読書メーターで、ある森さんをお好きな方を知ったことがきっかけ。ありがとうございます!次は、そして二人だけになったを読もうかな。
短編集にあったような幻想的な舞台。SFというかファンタジーというかミステリーというか。と思ったらラストで出てきた名前は、そう繋がるのか。
『切ない森博嗣』。換言して、『泣ける森博嗣』。スカイクロラ然り、本作然り、森博嗣のSFは悲しい。全編通してなぜかずっと物悲しくて、眉間に皺を寄せて涙をこらえていた気がします。人としての幸せ、人としてのあり方。命とは。神とは。物語の舞台である100年後の世界に、人が神仏に依存してきた太古を見た気がします。謎解きに夢中になるのもありでしょう。人としての生の意味を考えるのもありでしょう。十人十色の読み方があり、十人十色の解釈があると思います。
ミチルが背負っているもの‥それは僕なんかには簡単に理解できるようなものではない‥自分の姿を鏡で見るとき、ミチルはどんな想いでその姿を見つめてきたのか‥自分と向き合うことがどんなに辛いことだろう‥ミチルはそれをロイディとしか共有してこなかったんだろう。ロイディはウォーカロンだけど、ミチルとロイディの絆は人との絆よりもとても深くて、愛に満ち溢れている‥。
女王が統治する理想の楽園都市。そこで殺人事件が起こり…。こういう密室的世界、好きなんです。表紙もまさに登場する女王といった雰囲気で素敵。 そして神様は具現化するものではなく、心のなかにいるほうがいいと、私は思うのです。だって神様のルールで人を裁くことが、正しいと思えないから。
確かにSFではあるのだが、2113年に実現している科学技術にはかなりのリアリティーがある。さすが工学の専門家が書いてるだけあるなー。俺は先に「四季」シリーズを読んでたので、ミチルにまつわる謎については読む前からわかっていた。最初っから答えがわかってる状態でミステリーを読むとニヤニヤできますねぇ。タイトルにもあるように密室が出てくるわけですが、これはミステリー的にやっていいのだろうか。まぁ、冒頭に注意書きと言うか、種明かしがしてあったりするんだけど。
ファンタジーに哲学的な部分が含まれている感じ。ラストの展開には驚きました。まさか主人公が○○○だとは…。(ネタバレのため伏せ字)人間にとっての理想とは何なのか…じっくり考えて見たくなる一冊。
スカイ・クロラシリーズ以来、久々の森的SFミステリー。自然の原理を素直に受け入れ未来に希望を持つ社会による殺人も含めた生と死の概念は、理論的には正しいけれど、そこには人間の感情論がないように思えた。人が生きている以上感情が必要だけど、それが欠如しているのならその生と死の概念はご都合主義の産物ではないかと思った。話の進み方、工学に関する記述、文章の意味を捉えるのに戸惑うが、終わるにつれてすべてが一つとなり、SFなのに本の論点に対して真摯に考えさせられる文章が綴られているのが森ミステリーの面白いところだ。
萩尾もと的小説。読みはじめから、あの絵柄ですべてをイメージしていた。後から知ったけど、作者のかたは萩尾さんの影響を大きく受けているのね。納得。
『人間とはなにか』というかなり深いテーマを2113年(22世紀)から語ってみましたというミステリィ風味のSF。自由意思についての議論や見解は、既に読者それぞれの中にあるはずで、ただそれを言葉として具体的に表現できるかがポイント。作中出てくる言葉が、ある別のシリーズの中で使われていたり、何でも解くことが良いわけではないというファジイな価値観も、いつも通りの森印。随分ギミックのないストレートな作品だなと言う感想。無論面白いです。
ミステリーというよりは、哲学とSFがメインの小説という感じがする。 そして、思ったとおり森博嗣さんはSFの発想が素晴らしい。
いろんな意味で思わせぶりなお話。事件のトリックはミステリとしては反則気味だけど、その分特殊な世界設定を生かしきってておもしろかった。というかむしろこれ、世界そのものについての謎を楽しむのがメインです。一人称視点の文章から、主人公についてのネタ2つはなんとなく読めた。それだけに、父親の正体に思い至らなかったのは悔しい。たしかにどう考えてもあの人しかいないよなあ。そしてこの世界、未来のお話なわけで。つまり別のあのシリーズから繋がっている、というのは想像に難くない。それを匂わせる描写もあって、外伝的に楽しめた。
しっかり伏線を張りつつ、いくつかの謎を一気に明らかにするのは森ミステリーらしい。でも、SF的で寓話的なミステリーなのは新鮮。この人は何でもできるな。
ウォーカロンが欲しい。殺すことに意味はあるのでしょうか。なぜ自分をコントロールすることは難しいのだろうか。住民のいうことも、もっともなように感じる。だけど、殺人を許容しきれないのが私の矛盾であり長所。私にとっての神とはなんなんでしょうか。
「すべてがFになる」以来の、森さん2冊目。超久々。 テンポの良い文章と、ミステリアスな世界観でぐいぐいと読みすすめられます。最後の謎解きはちょっと拍子抜けだったけど、エピローグは結構好きです。 さて、ほかの作品も読んでみたいけど、シリーズが色々ありすぎてどれから手を付けたらよいやら。とりあえず四季が面白そうだけど、S&M の最初から読んだほうが良いのかしらん。かくして、「読みたい本」がまたもや溜まりまくりなのでありました。
単なるミステリだと思って読み始めたら近未来SFで面食らいました。登場人物達に感情移入することが最後までできなくて、個人的にはイマイチでした。例え外から見てその概念が不自然だったとしても、自分の常識で他人の信じるものを否定するべきではないんじゃないかな。
【★★★★】森さんの描く西暦2113年のSFミステリ。"ゴースト"という言葉が出てくるとすぐに『攻殻機動隊』を思い出すんだが、あながち的外れでもなさそうなのがミチルの言う「現代」で、そのミチルが「楽園」の名がふさわしいような箱庭みたいな国で視たのは"目にすれば失う。口にすれば果てる"もの…「神」は、人々の信仰の中においてだけ崇高だってことなんだろう。神に実体があってはいけない。そして人間は畏れる心を持っていれば凶暴にはならないが、でも「何故?」と問うのは忘れてはいけない。 ↓ネタバレ
近未来SFミステリ。 「死」という言葉が存在しないとどうなるか、を思考実験したかのよう。 最後のサラの行動が、ミチルという異分子を取り入れた結果の一つなのだと思う。
森博嗣SFワールド。生と死の概念がぐんにゃりと歪みます。未来なのに、古めかしい雰囲気があり、ミチルとロイディの関係や、女王を取り巻くシステムが感傷的な無機質という矛盾。女王シリーズ、ミステリーとは違う魅力があります。
森博嗣world炸裂!やっぱり読解力が足りないのかな?森さんの哲学(?)を理解したくても、思考が追い付けない。密室の大家である森さんがどんな密室を見せつけてくれるか楽しみに読み始めた。今回の密室も最高!さまざまな密室の可能性を見せつけられた気がする。これはもちろんミステリーであり、少しSFでもある。しかし、ファンタジーを読んでいる気分の自分がいた。この世界観のせいだろうか?最後に、ウォーカロンのネーミングセンスが非常に良い!
密室殺人が目的で森博嗣の本を買ってるわけではないので、俺的には非常に楽しめたけど、たしかにこのトリックはないなとは思った。「密室殺人」とか「ミステリー」って単語を忘れて「森博嗣SF」として読むのがよいでしょう
んー森氏の作品はS&Mシリーズや四季シリーズが好き。スカイクロラシリーズや本作のような生死とは?系はグルグルしててちょっと苦手かも。"生きることはそれほど難しいことではないのに、何故、ここまで難しくしてしまう機構が生まれたのか"に共感。
ミチルとルナティックシティの住人たちの服装の違いが、そのまま生に対する執着心や重さに表れてるような気がしました。 リンにミチルが「泣いてもいい」っていう場面が、読後にもう一度読み直して、とても印象的でした。
再読です。何度か読んでいて筋はわかっているけど、それでも飽きずに読めるのはこの作者の文章が好きだからかなあ。ロイディがかわいいからかなあ。
死に対する、ミチルとルナティック・シティの住人たちとの価値観の相違を、ストーリーの根底として進行する、ミステリー薄め(というより、ストーリーのきっかけ・とりあえずの終着点としてある印象)の作品。
ルナティック・シティの住人たちの思想のせいか、死について扱っているのに暗くならなかった。ミチルとロイディの掛け合い・後半のアクションは面白く、オチに軽く驚かされた。
「すべてがFになる」しか読んだことなかったけど、打って変わって幻想的で生死の概念が違う世界の話というのはちょっとよかったけど、これは自分にはあんまり合わないと思った。
女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEENの
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感想・レビュー:127件














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