1950年のバックトス (新潮文庫)
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1950年のバックトスの感想・レビュー(165)
こちらの理解力に難があるため、いくつかはどうしてもスッキリしませんでしたが、表題作を始め、さすが北村 薫!とうならせる作品がいっぱい。 楽しめました。
北村薫の小説巧者ぶりを改めて確認する。ショートショートに近い分量の短編が中心の本書では、長編よりもはっきりと著者の巧さがわかる。ミステリー、ホラー、不思議な味、落語風、恋愛……様々なジャンルの作品が収められているが、共通するのはやはり小説としての面白さ。そしてそこはかとなく漂う郷愁。温かく優しいばかりが人生ではないけれど、北村作品を通して回顧する自分自身の過去の記憶は、不思議と悪くないという気がします。お気に入りは「万華鏡」「手を冷やす」「凱旋」など。
三度、牧子さんに会えた。思いがけない再会に、胸が高鳴った。各話、日常の些細なヒトコマが、北村薫の手にかかるとこうなる。元祖(?)日常の謎派たる所以と言えましょう。脱帽です。表題作には、ふるふると胸中と涙腺を刺激された。巻末に附された桜庭氏の書評には、ただただ頷く。後追いながら、女子高生時分に、同じようにあれこれ想像を巡らしたものだ。そう言えば、元々、落語には馴染みがあったのだが、円紫さんに出会ってから、意識的になったのだった。で、収録作の小噺風「真夜中のダッフルコート」。感慨無量。
気持ちが温かくなったり、少し背筋がぞわぁっとしたり、いろんな気持ちになる短編集。万華鏡、洒落小町、1950年のバックトスがとてもよかった!
いろんな味わいのある短編集で、楽しめました。さすが北村さん。ぞくっとするもの、心のあったかくなるもの、どれも面白かったです。中でも表題作の「1950年のバックトス」と「雪が降ってきました」が好きです。
洒落小町が、凄い好きだ。他の短編も、ゾクリとさせる怖いのから、暖かみのある物語と、一編一編が、味わい深い。北村薫は、登場人物の感情の機微を、表現するのが本当に巧みだ。
前半は「ぞくり」系、後半はほっこりとか切ないと感じる話が多くなります。特に後半のそういった話は、短編なのに一つ一つの中で登場人物たちが生きているのを感じる。それはきっと、小さいけれども心の機微のようなものが詰め込まれているから。北村さんの小説を読むと、ありきたりに思えるような日常の中にも、こんなに色々なエッセンスが詰まっていると嬉しくなる反面、私はきっとこれまでたくさんのエッセンスに気づかず来てしまったんだろうと悔しくなったり。最後の話では、「ひとがた流し」のその後も読めます。わらの一本、重く感じました。
北村さん編集の、「謎のギャラリー」シリーズを思い出す。こわい部屋、謎の部屋、愛の部屋。シリーズは北村さんが良い話を紹介、解説してくれたけど、今度はそれを小説にしてみますよ、と言ってくれてるような。短編の面白さ、幅広さ、深さを感じる。
個人的には「林檎の香」と「アモンチラードの指輪」と表題作の「1950年のバックトス」が気に入った……けどなんだかあっさりし過ぎな気もしなくはない
自分が野球好きなせいかもしれないけど、やはり表題作がいい。変に大活躍しないあたりが特に。バックトスってあたりが妙に玄人受けだと思う。鎌田実とか思い出す。
23編の短編集。「凱旋」という言葉の切なさ、「恐怖映画」の親の気持ち、「1950年のバックトス」の沈み込んだ思い出、「手を冷やす」の不確かな予感、「アモンチラードの指輪」のほほえましさ。たくさんの感覚がぐるぐると回る、少し不思議にも思える短編集でした。
北村さんの作品は昔から読んでいるが、少し前から肌に合わないものも出てきた。紙魚家崩壊は全くダメだったので、ちょっと寂しかった。この短編集もうーんと首を傾げるものがあったが、それでも手元に置きたいと思ったのは、それだけ読ませる力があるのだと思う。ところで、北村作品には気づくと落語のネタや駄洒落が多い。「洒落小町」は途中あきれつつも、オチで倒れそうになった(笑) 標題作「バックトス」、不思議に節子おばあちゃんの心に寄り添って読んでしまった。じんわり胸に沁みて泣けてくる。
やはり北村薫さんの文はきれい。たおやかな描写でありながら、はっとする表現。表題作『1950年のバックトス』鮮やかなファインプレー見せられた気分。宮部みゆきさんとの掛け合い『真夜中のダッフルコート』秋月りすさんファンだとは。『OL進化論』知ってて良かった。上記以外では『昔町』『凱旋』『眼』『雪が降って来ました』『百合子姫・怪奇毒吐き女』に惹かれました。そしてご褒美のような牧子さん『ほたてステーキと鰻』さきちゃんの「だって、お母さんの子だから」成長したのですね。短編23話・最後まで美味しい1冊でした。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 01/19
言葉の使い方が、さすが国語の先生。短編集というより贅沢な掌編集。温めたら長編になるネタをこんなに使って…嬉しいような、もったいないような
1995年から2007年までの間に様々な媒体に発表された(らしい?)、23の短編集。短いものは(文庫本で)3ページ。でも、北村のエッセンスがギューっと詰まっていて、奥深い作品がいっぱい。人によって好みは違うと思うけれど、僕としては「包丁」、「洒落小町」、「凱旋」、「雪が降って来ました」、「1950年のバックトス」そして「ほたてステーキと鰻」が好みかな。つまり、ミステリーやら日常生活の裏にある人情の機微、そしてハイセンスな洒落など、北村の魅力満点の短編集なのです。きっと缶入りドロップみたいなものですね。
数ページの短編がほとんどです。短い中で小さな心の動きを描写するのは流石です。同じ物語を複数の登場人物の視点で描いた話や、小さな謎をちりばめた話。いろいろ良い話はありましたが、小さすぎてあまり心に残らなかったかな。
やっぱりこの人の作品は好きだなあ。短すぎてよく分からないものもあったけど。ぐっときたのは「ほたてステーキと鰻」。いつどこで「藁」が出てくるかは分からないけど・・・「何かを失えば、また何かを得ることもあるのだろう」。
表題作は題材も面白いし、節子おばあちゃんがカッコよくて好きだったんですが…物語のエッセンスだけとか欠片だけを綴ったような作品が多くて、読みやすくはありましたが自分にはイマイチ吸引力に欠けました。結局自分は物語に入り込みたいんだなあ…。
表題作が頭抜けて良かった。本当に短編、どちらかというと掌編なのだが涙が溢れそうになった。次が「凱旋」。あの「〜ダッフルコート」は再読。謎と解決は良いんだがなぁ。作品数が多いだけに続けて読むと北村節が鼻につく。突然仕切り直すところと、例えば「包丁」で子供が怪我をすることはないんだろうなと読者が緊張感を無くしてしまう作風の固定は、こういう短編集を編んでるのに勿体無いと思うんだ。
借り本。たまらん、北村薫って本当に凄い。どの作品見ても面白く、クオリティが高い。短編23個もあったら中にはつまらないものもあるだろうけど、それが無いってのは色眼鏡なのかな。お気に入りは「洒落小町」。これは萌えた。思いつくと我慢できずに駄洒落を言ってしまう奥さんが可愛らしい。また、編集者で言葉を扱う仕事だから、洒落のレベルが高いんだわ。笑いをこらえ切れなかった。洒落をナチュラルに流す旦那さん含めて、この夫婦憧れる。あとは「真夜中のダッフルコート」も好きでした。まさかのオチに空いた口が塞がらなかった。
一言でいうと、上手い。短編小説は、はっきり言って苦手で自分から進んで読むことはないんだけど、今回『ひとがた流し』のその後の話が載っていると聞き読んでみた。読んでみると、どれも面白い。やっぱり北村さんは、すごいなぁ。特にお気に入りは、『洒落小町』『雪が降って来ました』『1950年のバックトス』『ほたてステーキと鰻』『林檎の香』もし、林檎の香のなかの運命の人まで案内してくれるカーナビがあったら、絶対に買うのになぁ。残念!!(笑)
短編集というよりは掌編集。野球好きとしてはやっぱり表題作がいいな、せっかくだしもうちょっと膨らませて欲しい題材だけども。他には「百物語」「万華鏡」「真夜中のダッフルコート」あたりが好きかな。
「すぐ耳元で語られているような気がする」と解説にあった。今回も語られた。語られながら、そ、そこまで言っちゃう?と言う感じ、何でわかっちゃうかなあという感じが鎖骨のあたりでさわさわ感じる。凛として歳を重ねたい!
文庫化したので再読。20ページに満たないものがほとんどの短編集です。「洒落小町」は僕もときどき似たようなことを考えるなあとちょっと共感し、ライターを「燃えないごみ」に捨てたことを思い出しました。「ほたてステーキと鰻」は「ひとがた流し」のその後の話で、寂しさを感じるよりも先を見ようとする様子が素敵です。表題作の「1950年のバックトス」がやっぱり一番好きで、野球の思い出話が胸に響いて温かい気持ちになれました。巻末にある桜庭さんの真夜中の匂いという表現も分かりますが、僕の中では澄んだ空気の中にいる感じです。
何気ない日常を丁寧に綴られた文章に好感。そして、少し不可思議な出来事がスパイスのように効いている。小箱に詰められた上質なチョコレートのような作品集。
よく捨て曲がないアルバムっていうけど、これぞまさしく捨て話のない短編集!!どの短編もオチが素晴らしい。北村薫の力量をまざまざと見せられた感じ。表題作の「1950年のバックトス」、凄く良かった。うーんじーんとする話あり、怖い話あり、駄洒落あり、何でもあり!凄い北村さん。
図書館で借りて読んだのを忘れていたので、結果再読。
この手のはちょっと苦手。怖い話はどうしても苦手です…
もちろん全部が怖かったわけじゃないです。
TTものかと思ったら、短編集でした。うまい。ひとがた流しの続編?も読めたので、満足です。ちょっと駄洒落が多いような。茶目っ気でしょうか。
「人生というのは、様々な可能性がつぶされていく過程に外ならない。その当たり前のことを、どう受け止めていくかが、人としての値打ちだろう」
1950年のバックトスの
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感想・レビュー:61件















































