ひとがた流し (新潮文庫)
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ひとがた流しの感想・レビュー(316)
様々な環境の中にある人達の、関係が絡み合って一つの物語になっている気がした。それは、現実の人の関係のあり方と似ていると思う。一人一人の登場人物に深みが、過去が確かにあって。だからまた読みたい。そう思う作品。最後は泣きました。
読み始めはいまいちだな〜と思っていたが、とんでもない。終盤あたりは一気に読んでしまった。友情っていいな〜、私もトムさんたちのような友だちがいるかな〜、と思いながら解説を読み、雪のくだりで涙が。ああ、読み直したら、さらに深い味わいが出るのだろうなあ。
三人のつかず離れずな距離感がとてもリアル。直接的な表現が少なく、深刻な場面もふんわりする。表紙イラストもふんわりで似つかわしい。思い出話の量が適度で、ノスタルジックすぎない。三人の記憶の積み重ねが子ども世代に受け継がれるという主題も自然。他にも良い所がたくさんあった。思いをこめて丁寧に作ったんだろうなと感じた。
北村薫さんの文が大好き。 何しろ情景描写が美しい。あっという間に世界に引き込まれる。「月の砂漠をさばさばと」は大分前に読んだんだけど、あのさきちゃんがこのさきちゃんだったとはね。 この本を読み終えた後、もう一度「月の~」を読んでみたくなるのは私だけではないはず。「人が生きていく時、力になるのは何かっていうと、自分が生きていることを、切実に願う誰かが、いるかどうかだと思うんだ」。 玲ちゃんに語る千波の言葉。全部読み終えてからふと思い出してこの一文を探した。 後半の「千波」が美しくも悲しい。
後半から話に引き込まれていった。この年齢になっても女同士の友情が続くのって羨ましい。口には出さずともお互い通じ合っていて、だから千波のお別れは悲しかった。文章が綺麗で、「涙」という単語を使わなかったという作者には脱帽。
好きな一冊。牧子に美々ちゃんが女友達のそれぞれのスタンスを話す部分が気持ちにストンと落ちる。怜ちゃんに千波が友二人のことを語る部分も同じ。女友達との付き合いは、年代によって濃くなったり、淡くなったり…自分の歩んできた道、友人との付き合いと重ね合わせてしまう
大きな展開や事件も少ない話だけど、その中に人の生きていく力や価値観みたいなものが刻まれていて、静かだけど暖かく大切にしたい本の一つになった。北村薫さんの本は、簡単な言葉の中に深い意識が込められていて、読みながら切なくなったり心を揺るがされて泣けてくる。 この本も泣けた。永久保存に決定!
再。回数を重ねるほうが読んでいてつらくなってくるのは、どこかでいわれていたように病について描くのが目的ではなく、関係を描こうとされていて、前回よりも感じ取れるように自分が年をとっているからだ(と思っていよう・・・)。
女友達3人。距離感を保ちつつ、しっかりつながっている。結末は悲しいけど、温かいものが心に残る。
泣ける。と聞いて読んでみたが、鼻の奥がツンともしなかった。透明で、サラッサラな雰囲気だったからかな。やはり鼻汁くらいは出してもらわないと泣けない。
はじめての北村薫作品。はじめは、枝の多い文章が読みづらかったけど、慣れてみると、しっかりした日本語を使う人だなと好感が持てた。良い話。彼女たちの年齢になった時に、私も彼女たちのような関係を築けていたらと思う。気に入りはしたけど、心はつかまれず。もう一冊、作品を読んでみたいな。
久々の北村作品、最初読みづらいな、と思ったら新聞連載だったということで納得。年齢的には同じくらいだけど世代としては少し上かな。共感できる部分もあり、世代の違いを感じる部分もあり。さきちゃんがあのさきちゃんだと気づいてびっくり!読み返さなくては。
はっとさせられるような言葉や雰囲気に、じんわりしました。いちょうや君かっこいいね。トムさんを一生懸命真っ向から受け止めようとするその姿勢がとても素敵です。トムさんと牧子さんの関係もすごく好きです。牧子が女の子だったら、と笑ったトムさんがすごく好き。今大切にしたいと思っている友達と、こんな風にずっと繋がっていけたらいいなぁとしみじみ思うお話でした。
穏やかに始まって、穏やかに終わるんだろうと思っていたから、結末は悲しかった。ありきたりだけど、千波は皆の心の中で生きているんだろうな、と思った。
悲しい結末だったけど、とてもとても素晴らしい小説でした。北村薫さんが書く文章は、本当に豊かで美しい。 千波を中心とした女友達3人のそれぞれの人生のひとコマに笑ったり、頷いたり、共感しながら読み進めました。結末が見えてきたときは読み進めるのが少し辛くなったけれど、とても立派で素敵な人生だったと思う。自分に年齢が近いこともあり、胸にせまりました。
★★★★10代の頃から大切な時間を共有してきた3人の女友達と、3人のまわりの人達の物語。流れゆく時間と、日常。人と人との絆の物語。バトンを渡すように、自然に語り手が代わってゆく展開が読みやすい。
再読。数年前に読んだころより千波たち3人の気持ちがぐっと胸に迫ってきた。北村薫らしい淡々とした奇麗な文章の中にけっして平坦ではない人生が描かれているように感じる。それにしても<円紫さんと私>シリーズ同様、若い女の子とおじさんの組み合わせが一番印象に残ったのはなぜ…?
とても切ないお話しでした。人生って、この間の事の様に思っていても、過ぎてしまって振り返ると、あっと言う間だったと感じるものなのですね、暫く会っていない学生時代の友達に会いたくなりました。
「友情っていいなぁ」が、一番の感想ですが。
なんかね、切なかったなぁ。
暖かいんだけどね。
イチョーヤくんと千波の話は、事情が事情とはいえ、あまりの展開の早さにびっくり。
こんな愛もあるんだなって。
千波の渾名がトムさんになったエピソードとか、北村さんらしくて好き。
友達に借りて。前半は、一人の語りが長すぎたりして読みづらかった。静かで淡々と進む所もちょっと物足りないかも。いろんな意味で大人向けの小説。まだまだ40代の事は遠い先のことだと思っているけど、案外すぐなのかもしれない。その頃にもう一度読みなおそう。とても奇麗な文章。
学生時代からの親友同士の女性3人を中心とした物語。夫、子供という家族以上に相手について知っている3人。良いことも、憚られるようなことも知っている上で続く絆と、相手への思い。中心となるのはアナウンサーの千波だけど、彼女のためにしてやったことは、本人にとって、もう一人にとって良いことなのか? というとよく分からない。私自身なら、「勘弁してください」の方が大きいかも知れない。全てプラスとは思えない。でも、絆の存在があるからこそ、のこと。絆の強さ、それだけは何を置いても強く感じさせる話だと思う。
北村さんの文章は、やはり美しい~。新聞連載だと聞いたのは、読み終わったあとですが、そういわれればプチプチ切れているような気がしなくもない。文章が繊細で美しい。最後の展開には驚いたけど、そこまで仲良しでいられるおんな友達っていうのはすごい。今の年齢から、私はそんな年まで友達でいられる人がいるかなあ。前半は読みづらかったけど、後半はするすると流れるように読めました。
学生時代からの友情で結ばれた女三人の人生を、細かなエピソードの積み重ねで丁寧に描いた作品。ふとした瞬間の心の機微を巧みに掬い上げて、ありふれた日常を素敵な何かへと変貌させる北村マジックはここでも健在。後半はシビアな展開だが、きちんと救いがあり読後感も良い。
北村薫の描く女性像は真っ直ぐで、眩しいほどに美しい。うん、これはフィクションだからなと思いつつ、決してなることはできないであろうその真摯なヒロイン像に憧れる気持ちがちょっとある。
新聞連載だからか、短編をだだ繋ぎにしたようなつくりで少し読みづらかった。最終章で語られる女三人の友情を形作るために、それ以前の章が存在している感じ。にもかかわらずきちんとまとまっている辺りが著者の才能なのかな。書き下ろしを読みたいと思った。
人生において、年を重ねていくにつれて人はどんなふうに関わり合いながらというのは大いに変化するはず。そんな中で、ずっと子供のころのような友情で結ばれている3人の連携に心を洗われる。しみじみと。
何気ない話がただ続いていくのかと思いきや、後半からの展開は予想外でした。読後は前半での何気ない会話も生きていたんだなと感じました。
吹雪の章からの急展開には驚き。時々出てくる3人の妙にぞんざいな言葉づかいが気にかかる。新聞連載ということもあり、若干不自然感も。でも全体として美しく、情景が目に浮かぶ作品。友情のありがたさを切々と感じます。
ひさしぶりの北村薫作品。序盤はあれ?こんなに読みにくい文章だったっけ?と思ったけれど、読み進むにつれて、文章の美しさが際立つようでした。次のページが気になる!という話ではないけれど、読後は独特の充足感で満たされます。
男は外で仕事をして、女は家で家事をするとかいわれるから、女って動かない感じのイメージがあるけど、実際には、女ってすごく動くと思う。男につれられてって意味で。まず結婚で家をでるし。そう考えると、小さい頃からの友達とずっと変わらない関係でいることは、女にとってすごく難しいことなんじゃないかと思う。でも、だからこそ友達を大切にしたいと思うし、ずっと変わらない関係に憧れるのだと思う。だから、この作品における女達の関係は、とても羨ましい。そういう関係を現実に持てているかどうかは別にして、どこか共感する部分の多い作品
流れるような文章に押し付けがましくない内容。北村さんの作品って、初めて読んだに近いのだけれど、地の文章がしっかりしてるから大変面白かったです。質の良い小説を読んだな、という感じ。
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