リセット (新潮文庫)
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リセットの感想・レビュー(726)
時と人の三部作のラスト。 凝った記述ではなかったので読みやすかったのですが、 戦時中のお話なので考え方、取り巻く環境を実体験として感じるのは難しかったです。 ラストの方は涙が止まりませんでした。 時は人を繋ぎ、親から子へ、もしくは次の世代へと記憶を、記録を、伝えて繋げていくものなのでしょう。 3つの作品の主人公の名前全てに「真」が付いているのは何か意味があるのでしょうか。
テーマを頭に入れて読まないと、ただ単に「結ばれなかった二人が前世の記憶をもって生まれ変わって結ばれた」ラブストーリに感じますが、戦争を受け継ぐ、という裏のテーマもあるんですよね。いまいちたのしむことが出来ませんでしたが、読めば読むほど味が出る本だろうなあと思います
ターン、スキップと読んで最後にこれを読みました。スキップと違ってまるで夢物語のような展開。戦争の話を交えているのですが、第一印象がそれでした。歳を重ねても時代を超えても通じる心は美しいと思いました。
なんとなくロリーナ・マッケニットの『フリギアの空の下』を思い出した。 『……… 遠い過去から響く声 心奪われる、その唄 ……… その声に聞き惚れた 初めて耳にするかのように ……… 年月を超えて、呼び起こされた我が心 激怒あり、衝突あり 人間のあらゆる苦悩あり そして数知れぬ生命の無駄遣い ……… 私は頭上の星を仰いだ 今一度、あなたを見出すために』
ラスト近く、麦畑を女の子が突進してくる場面で涙が出ました。北村氏の作品の登場人物は、芯があって真っ直ぐ。背筋を自然にのばしているような美しさがあると思います。
なにしろ修一さんがすてきな人。数年前に一度会ったきりなのに主人公の誕生日を覚えてくれていたり、しし座流星群にまつわる本を貸してくれた時も、その本に二人だけの符牒が隠されていてすごくいいなと思いました。会えない時もずーっと二人が同じ気持ちだったというのがロマンティックですね。時代が時代なだけに結ばれることはないのですが、ラストはこれ以上ないほどのハッピーエンドで、読了後の爽快感がたまりません。
三部作最終巻。北村薫は女性描写がとても柔らかで心地よい。リセット、というよりはリピートなんじゃないかな、と思いつつ、錯綜する物語が楽しめた。ただ前提となる第一部の戦時下の物語がやや冗長にも思えるのが難点(まあここを長く書かなかったら話は進まないわけだが)。同じテーマで北村氏がコンパクトな短編でも書いたら面白そうだ。
第一部で主人公と身近な人々の暮らしぶりを通して描かれている戦時中の空気が印象的。「自分たちの知らないところで決定的な何かが起きている」これが当時の多くの人が抱いた感覚だったのかな。物語の本筋の感想。冒頭の獅子座流星群のくだりが再度登場するラストはホント素敵でした。彼はたぶん<次の人生>でも彼女を見つけるんでしょうね。
繊細かつ柔らかな表現の文体がすばらしい作品だと思います。そんな、美しく奥ゆかしい日本語の数々が、物語の全体に彩りを与え、過酷な時代を生きた主人公たちの想いが、あたかも浮かび上がってくるような気がします。
三部作の『ターン』だけは高校時代に読んでいたので、改めて三部作全て読もうとしたけど、気づいたら三部作の一番最後の作品から読み始めたらしい。第一部に出てきた国語の先生は、中島敦だったら面白いなと思ったけど、確か横浜の学校の先生だった気がするので違うんだろう。残り2冊も読むのが楽しみ。
う~ん。三部作の中ではちょっと~かな。全二作がそれぞれ前向きなだけに・・・。題名からすればもおっと先を感じさせてほしかった。
「スキップ」を読み直す機会があったので、そのまま三部作を読み直しました。読後感がすごくいいです。昔読んだときよりも、ぞくっとしました。ハードな話もいろいろありますが、この作者の書く物語は、生きることを肯定する感じがあって好きですね。
麦畑の場面が読みたくて再読。正直、第一部は戦時中のお話で気が重くなるし、盛り上がりに欠けるのであまり好きではない。だけど、第二部の和彦少年のお話は面白くて引き込まれる。日記の中に鮮やかに描かれた少年の日常。そしてあの人との出会い。フライ返しの場面は何度読んでもドキドキする。これは北村作品のヒロインに共通するけど、真澄さんの背筋がまっすぐのびているような美しさと芯の強さが素敵で憧れる。過酷な運命と、時を越えて巡り合う奇跡。「我々は死んだりはしない」優しい時の流れに包まれて、今日を、明日を生きてゆこう。
まさか、戦前から話が始まって2人の関係が現代までつながっていくなんて。村上くんが思い出した時の真澄のように、小説を読み終わったばかりの私もかなり興奮している!まあちゃんや村上くんが寂しい、やりきれない思いをしたまま話が終わらなくて本当に嬉しい。最近忙しくて本読めてなかったんだけど、久しぶりに読んだ小説がこの本で良かった。なんか、うまく言葉にできないけど。本当にやさしくてきれいな話。修一の「好きでたまらなかったんだ」、忘れられないなあ。
3部作の中で一番よかった。のどかな生活が、戦況悪化とともに厳しくなっていく。そんななかでも、人々は歌を口ずさみ、詩に思いを託す。心の豊かさは失われない。美しい言葉を話す人々の心は美しい。静謐ななかに強さを秘めた物語。
宮部氏も言う通り、本当に北村氏はどうしてこんなにも「少女」を鮮やかに描けるんだろう。とても自然なものだから「技巧」ではなく、この人の「素」なのかとすら思う。或いは服の水玉模様。『風に揺れると、緑の玉が触れ合って、軽やかな音を立てそうだった』なんて書ける中年男性って素敵すぎるでしょう。逆に和彦の日記はリアルに北村氏の思い出なんだろうなと微笑ましい。「スキップ」「ターン」と来て最も完成された小説であり、美しい物語だと思う
これで三部作読了。とにかく前半が長い。途中でもしかして・・・と先が読めてしまってドキドキ感が半減。とはいえ、ラストは心地よい雰囲気。素直に「よかったね」と思えた。ワタシはやっぱりこの作者は疲れる・・・読むのに時間がかかる・・・ナゼだろう・・・
生まれ変わって、愛しい人に再会できる話。前世の記憶がすこし蘇るシーンに震えた。「別れ」のシーンが悲しい分、なおさら。人と人、人とモノってちょっとずつ繋がっているのかも。孤独感に苛まされたときに読みたい。1人のようで、自分もどこかで世代をこえて、だれかと繋がっているのかも…と思えるから。真澄さんのお嬢様言葉で進んでいく物語は綺麗だった。反面、戦争の様子が生々しい。し、大切な人を亡くしてしまう辛さ。どれだけ多くの人が苦しんだんだろう…想像も及ばない。
切なくて優しい物語です。輪廻転生ものはどうしてもファンタジーに思えて敬遠しがちなのですが、こちらはとても好きな作品です。輪廻転生ものと言っても、生まれ変わって出会う希望に重きを置くのではなく、別れがキーになっているからかもしれません。線路のシーンではいつも涙をこらえています。生まれ変わった相手に出会うことを待っていたのではなく、忘れられずに消えた人の面影を追い続けていたら相手が現れる。希望ではなく追憶の物語です。
時と人三部作の最後になる。いわゆる輪廻転生もの。第一部の少女の目を通して語られる戦争や日常の描写がいい。獅子座流星群や流行歌にもう一度出会えるように、引き離された二人が出会えて良かった。
一部ではタイトルのリセットとの関わりが分からずもやもやしましたが、二部からは繋がりが見え、ラストまで引き込まれました。獅子座流星群と啄木カルタは印象深いエピソードであり重要なエピソードでした。
三部作の最後。物語が繋がっているわけではない。また、前の二作比べて毛色が違うように感じた。戦時中の話は恐ろしい。人が死んでいく、というのもあるが、それよりも、国によって価値観がねじ曲げられてしまうことが恐ろしい。描写はまるで体験したかのように事細かで、少女の繊細な心も描かれていた。現実的でありながら、どこか夢を見ているようで面白い作品だった。
★3.5 再読。三部作の最後は、薄っぺらにいえば輪廻転生。時を超えて再びめぐり逢う、“ふたり”の話。これまでの2作が“独り”で時間を跳び、くるりんと回っていたことからすれば何とも心強く、ロマンチック。けど、先2冊の女性が残酷な状況の中でも逞しく生きようと、凛とした印象が強かっただけに物足りなさを感じずにはいられなかった。時のいたずらに巻き込まれた女性たちの名前に“真”がつくことにどんな深い意味があったのか、知りたいなぁ。久しぶりに文庫時のタワー完成。
“時と人”3部作の第3巻。といっても各作品に関連はなかった。時代設定が好みと違ったのもあり盛り上がりに欠けたまま読了。一作目がよかっただけにがっかり度無限大。
時と人の3巻目。今回もとても素敵な話でした。前半は何が時に関係してるのかわからないまま読み進め、でも話にどっぷり入り込んでしまい、気がつけば2部目。2部から徐々に時が関わり始めて、どうなるんだろうとどきどき。最後のほうではページ少なくなってきていて、まさかこのまま終わってしまうのではととても不安になりましたが、結末には本当に良かった~と救われました。対談にもありましたが、苦しくて辛いこともあったけれど、流れゆく時が確かに優しく感じられました。このシリーズ読めて幸せ。
三部作の最後。ターンから順番に読んでいって、ターンが一番苦手だったので、あとの2冊は楽しく読めた。三部作の中で一番ロマンチック。戦時中の神戸の女学校の話は、なんとなく田辺聖子の青春ものを彷彿とさせて、すごくよかった。時代がぐんぐん飛んで、最後はどうなることかと思ったけど、よかった。
数年振りに再読。『時と人』三部作の最終章。個人的には、『スキップ』『ターン』のが好み。輪廻転生モノが苦手なので些か入り込めない点もありはしたが、文章の巧さで一気に読めてしまう。何不自由ない生活に、ひたひたと戦火が迫りくる描写は引き込まれた。主人公よりも優子さんが印象に残ってしまった。
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