孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)
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孤宿の人〈下〉の感想・レビュー(823)
宮部作品は現代物ばかりよんでいたのですが、久々の時代物でした。たくさんの人が死んで、隠蔽があり、暗くなりがちな話なだけに、最後はウサとほうが一緒に暮らしていける事を望んだんだけど・・・、ショックでした。話を読んでて昔は雷ってそんなに凄い天災だったの?と驚いたり。人の内面を描いていく物語の進めかたは宮部みゆきらしさがでてました。
明日まで待ちきれなくてお持ち帰りしてしまった。モノゴトって考え方一つで良くも悪くもなるんだよなぁと考えさせられた。最近一番のヒットでした。
宇佐や渡部の決着の付け方に納得いかない面は少々あれど、さすが宮部みゆき!と言える話だった。ほうがあまりに切なくて、ほう視点のたびに泣いてしまった。宮部みゆきは泣かせるのがうまい。お涙頂戴ではなく、さりげない一言や行動が胸を打つ。描写がしっかりしてるからだろうなあ。架空のはずの藩の描写もとても鮮やかで、海の色が目に浮かんだ。今日もうさぎが飛んで行く。
下巻に入り、ストーリー展開や人情の描かれ方が現代的になってしまった。上巻の重厚さが薄れたのが残念。しかし、胸をうつストーリーであることに変わりはない。ほうの心の健やかさに救われる。
加賀様が登場してから話が動き出したが、最後の方でバタバタ人が死んでいった。特に宇佐が死んでしまったのは残念。涸滝から戻ったほうと一緒に暮らしてほしかったのに・・・。でも、クライマックスは感動もの。
この人もあの人も、何も死ななくても・・・(>_<)最後の方、どんどん亡くなっていく登場人物たち。ちょっと切ない・・・
宮部作品の時代物ははじめて。時代物でも変わらず登場人物や舞台の描写が秀逸で、情景を描きやすいし感情移入しやすい。物語を大きく動かしていく噂の力を暗示しているように、ストーリー展開も各登場人物が接した断片的な噂や真相から話が収束しながら結末へ向かうのも上手い。宮部作品はまた読みたいと思う登場人物が多い。ほうにまた会いたいなぁ~
ちょっと人が死にすぎかな?これでは無理矢理感がでてしまう。上巻を読んで、随分とくどいなと思っていたけど、流石に下巻は話が動いてくれたので気持ち良く読めました。少女の成長と紹介していた書評を読んでいたので、そこに関してはちょっと足りない感じだったけど、大人の嫌な部分を子どもが嫌い、苦悩する気持ちがとても共感できた本ですね。
最後は本当に泣けました。“ほう”が加賀様に名前をもらった辺りでもうダメでしたが(笑)加賀様はすべてをわかったうえで受け入れ、ほうを巻き込みたくなかったんですね。ほうの健気さや直向きさが加賀様の救いになっていたんだろうな。宇佐も最後の最後まで他人を助けるために奔走し、最後ほうと会えて良かった。渡部さんの最後があれ?って感じでしたが(笑)全体的に心打たれる話でした。やっぱり宮部さんは凄い!ラジオで弧宿の人がやっていたようなので、読み終わったことですし、聞いてみたいと思います。
「ほう」の名前は阿呆のほうではない。加賀さまに素晴らしい字をいただいたときには感動した。ほうは、とても不幸な生い立ちではあっても、いろんな大人たちに守られて幸せだと思う。きっと、幸せを呼び込む力があるのだろう。みんなに幸せになってほしかったな。
現代よりも、もっともっと過酷で生きづらかったであろう時代。身分によって運命づけられた一生。人の命が今よりもずっとたやすく失われ、災いは、目に見えない怨霊によってもたらされると信じていた時代。明日をも知れない命だからこそ一日一日はシンプルで、一瞬一瞬は濃かったのかもしれない。もの悲しくも切ないけれど、人の心の深遠にふれる深い深い“宝”のような小説でした。
藩内では、加賀様が来たことで、至るところ不穏な空気が流れる。そこに、隠された権力欲と怨恨、男女の隠れたドロドロとした情が絡む。対照的に、隔離された屋敷の中では、静かに加賀様と「ほう」が交じり合う。その美しい描写は、心にしみる。加賀様は、「ほう」に、物事の見方、考え方、文字、計算などを丁寧に教えられ、最後に名前を贈られる。実は、教えることで救われたのは、加賀様のほうなのではないか。怖いのは、はやり病や雷ではない。人の心だ。鬼も悪霊も、そして仏も人の中にしかいない。和尚の言うとおり。
泣けた。映像化されないかなー。読み進めている時はつらかったけど、最後は暖かい気持ちになれました。ありがとうございます。
純粋で健気すぎるほうに周りの大人が翻弄されていく。最後は宝のほうと敵な名前を頂きました。おあんさんと最後逢う事ができた事がせめてもの救いです。哀しいけどいいお話でした。じんわり涙です。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 12/23
面白かったけど。救いのない話は嫌でないと断った上で。数月で文庫宮部江戸ものをほぼ読み切った最後にこの作品もってきて失敗と。他作品は市井の名も無い人を暖かく描き、やるせなさのスパイスは人への希望を際立たせてくれた。この作品は、宮部さんが自分の作品のもつ甘さを払拭するかのように、非情・無情を強調しているように感じる。でもその手段として使われるのが、この作者の素晴らしい筆の力で紡がれた愛すべき人物を「必然性薄く次々死なせること」なので。「ほう」に愛着が沸いてしまったから冷静になれない。時間おいて反芻してみます。
孤宿の人=加賀様でしょうか?鬼と呼ばれながら口を閉ざし、最後は神になったのは救われました。琴江様、宇佐、加賀様と、頼れる人を次々に亡くしたほうですが、きっとこれからは幸せになれるのでしょう。小説では滅多に泣かない私ですが、ラストは思わず涙しました。良作です
ラストで”ほう”に救われ、泣きました。登場人物が皆それぞれ懸命に出来ることをし、しかし、抗えない運命に押し流され死んでいく様に、封建社会の個人の有り様を借りて、普遍的な人の生き方が描かれているように感じ、身につまされました。とても良い本に巡り会えました。・・・ところで、作品の雰囲気は、時代小説と言うよりも、ファンタジーのように私には感じられました。また、登場人物が皆とても魅力的に描かれていましたが、犯人役の女性が薄っぺらいのだけが気になりました。・・・とはいえ、素晴らしい作品です。オススメです。
ほう、宝。ステキな漢字をいただいて、たくさんの人に愛されて、悲しい事も乗り越えて。私は心を洗ってもらいました。ありがとう、ほう。ありがとうございました、宮部さん。
心の奥の大切な部分を無残にもぎ取られていく。大切な人の死が次々と起こり、中々先へ進められなかった作品。人間の心。何かを恐れる心ほど、怖いものはない。全ては鬼の、全ては怨霊のせいだ。ただの事故も、天災も、誰かの企みも、自ら選んだ死さえも。そうして隠された罪によって、また誰かの心が病み、誰かを殺めて行く。哀しく重い死を背負った加賀様、純粋なほう、自分の目で真実を探す宇佐。もっと幸せな生き方があっただろう。だけど、他に生き方を知らないのだろう。哀しくて、悔しくて、愛おしい。胸が苦しくなる一冊だった。
泣いた。話は暗い。唯一加賀様とほうの交流が悲しいだけじゃなかった。次々と人が死んでいく。けれど、そのことが恐いというよりは、【鬼】の雰囲気に呑まれていく人々の恐慌状態が、最終的な事態まで発展させていくのが恐い。
間違いなく心に響く大好きな本の一つになりました!!後半涙無くして読めませんでした。 巻末の解説は児玉清氏。先だって読み終えた有川浩作品の解説も児玉氏だったので読書の幅の広さに感服!児玉さんが僕にとって素晴らしき仲間の一人とこの作品を解説されていましたが・・・同感です。 いい本に出会えました。余韻に浸ってます。
ずるい!こんな結末が用意されていたなんて。上巻での話は種まきだけで、下巻でここまで綺麗に花が咲くだなんて。読書で泣いたことはなかったのに、知らずに涙が溢る。登場人物達がそれぞれ胸に抱く想いや正義が胸にしみました。宝となったほうがどんな大人になるのか……。
素晴らしい本に出会えました。
すごいものを読んでしまった・・・。予定調和的なものに慣れ親しんでいたし、だから油断もしていたので、容赦なく登場人物たちが死んでいく展開が衝撃でした。せつなくて、まだこの物語の落ち着きどころが定まっていないけれど、加賀様が呆を方から宝へと導いていく様子が、鮮やかに心に残っています。当分余韻に浸りそうです。
タイトルを空目して「キツネのお宿?」かと勘違いしましたが、蟄居させられた加賀様を指して「孤独の宿」かと思い、読み進めるうちにむしろ「孤独の宿命」なのかもしれないと感じました。加賀様のせいでたくさんの人が死にますが、その加賀様も理不尽な罪を背負わされている。宮部みゆきは短編のほうが好きだったのですが、ここまでの力作を読まされると見事と言うしかないです。圧巻でした。
おそるべし、宮部みゆき。 久々に読んだ宮部作品。彼女の得意な時代物。 ほうも、宇佐も、渡部も啓一郎も、鮫洲先生も、そして加賀様も。 みんなみんな、愛すべき人たち。 最後の数ページ、涙で視界がにじんで本当に読めなかった。こんなの久しぶりだ。 「本当にこわいのは、人の心。」 宮部さんの作品は、このことにふと立ち返らせてくれる。 きっと私の心の中にも、こんな闇はあると思う。 でも、この世のすべてのことは、ほうが持ち続けたような清らかな心、人を信じ続ける心が救ってくれるのだと思いたい。
再読。誰か一でも死ななかったら成立しなかった大プロジェクトなのだろう(石野様・・・泣) いつもの人情譚ではない藩の体面であったり要人たちの策略や思惑などが絡まりあって出来上がった壮大な物語でした。最後にほうが加賀様から賜った漢字がたまらんかった!!こんなに辛く苦しい切ない物語に宮部みゆきが用意した超ド級の救いだなと思います。
孤宿の人〈下〉の
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