みずうみ (新潮文庫)
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みずうみの感想・レビュー(416)
…ものごとはそれぞれの立場でごくふつうに違うものだ。違いを正すために戦うことだけが大切なのではなく、違うということを知りぬき、違う人びとの存在理由を知るのが一番大事なのだと思う/お酒が入るから下品になるのではなく、もともと下品だから下品になれるのだ/『いいこと』として集めたらそういうくくりでの無限の組み合わせが、『つらいこと』という題で集めればそういう思い出が脳だか心だかからどんどん呼びだされてくるだけで、別にそこには意味がない
久しぶりにばななさんの小説を読んだ。軽やかで透き通った文章、軽く引き込まれる感じで、内容は少し重ためなのに、サラッと読んでしまいました。大好きな作家さんです。
「みずうみ」というものに忠実に基づいた作品。比喩に「みずうみ」に纏わる表現を使って作品に統一性を持たせています。161ページの「読みとれる感受性だけが、宝なのだ」の部分で大泣きしました。細やかな愛の形をわかりやすく、それでいて味気が無いのではなく心に沁みるような言葉で表現されていました。私も親元を完全に離れる時期だったので、その部分で深く共感しました。今読めてよかった、面白かったです。
わたしも「ちひろ」だからちょっとどきっとした。途中から、サスペンスがかり、へえとおもった。ちひろが、それぞれの人から受ける印象が1つでなく、抱く感情も1つではないところに、同感した。すきだけど、それぐらいのお話。
いまにも壊れてしまいそうな、消えてしまいそうな、儚さと危うさを持っていた二人。静かで異様な二人だけの世界で暮らしていたけど、ちひろが真実に気付き、中島くんが告白するあたりからぐっと現実感が生まれたような気がする。大丈夫かもしれない、と思った。
吉本から入りよしもとの作品も少しずつ読んできたので、唐突なスピリチュアル感にも大分免疫がついてきたのか、今作は素直に感動して読めた。序盤のお母さんの夢のところで号泣。ばななさんのお話はいつもどこかしらの文章が染みて、自分でもよく分からないところに心打たれたりする。幸せではなくとも、不幸ではない。生きるってみんなそんなもんなのだろう、そして生きていることは素敵だなぁと思わせてくれるお話だった。
ばなな氏が日芸出身だから、主人公の描いた壁画がどうしても江古田にあるんじゃないかと思ってしまった(笑)。その壁画だけど、主人公が描きたかったイメージがストーリーと共にできあがっていく過程が好きだった。それを中島君と夜、観に行ったのも、素敵。
巻き込まれまくったこどもたちの大人になったあとの話。 いつものように占いを聞くように丁寧にさらりと読んでいた(いつも彼女の本はそう読む)けれど、何がすごいって、この本を湖を見ながら読めたこと。夏の東北旅行同行本2冊目。 「人の大切な話を聞くということは、もう、お金をもらったのといっしょで、絶対にそのままではすまされないよ。聞いたという責任が生じてしまうの。」
切なくて、そこはかとない色気と倦怠感と清涼感がないまぜになったような物語。途中、ちょっと唐突なんじゃ?という感もぬぐえなかったが、そこがこの作品を癒しの物語に仕立てている要因だから、まあ仕方ないのかな。
静謐で、音のしない小説。繊細な空気の中に漂う2人が美しい。中島くんと、ちひろさん、ミノくん、チイ。皆可愛くて、純粋で、正直で、とても好きだ。
暗くて、重い。。でも、それは目を背けてはいけない類の、普段目にしていないだけで現実には確かに存在するもので。生涯無縁である人もいるし、過去のこととして浄化してしまって忘れているだけの人もいる、と思う。実はいつだって隣同士寄り添っていて、隣にいるから見えていない気づいていないだけのもの、であったりもするのかな…大なり小なり、みんな何かしら抱えている(いた)闇のようなものを思い出したそんな気分です。後、『お母さんという生き物』についての表現がすとーんと腹に落ちました。
再読。やはりばななさんの作品は、情けなく可愛い男の子と、芯が通ってるのにどこかぽやっとしている女の子。そしてみんなが愛らしい。日々を丁寧に生活し、丁寧に人を思うという、大切さと難しさと素敵さ。
…初期の作品。初めて読んだ時、ニクの最も柔らかい湿った部分を撫ぜられたようにビックリして、虜になった。もう何年もずっと手元に置いて読み返し、まるで色あせない。であるのに近頃の作品は初読でも、途中からオナカイッパイになってしまって読み進められない。生意気を申せば、自己模倣、に感じられる。「らしい」設定も文体も嫌いじゃない、だけれども、キラキラしていたナニかだけが、過去に置き去りのよう。ただ、他の方のコメントを読んで、考えました。今とは違ういつか、読み返した時、また違った感想を持つかもしれない。
読んだことあった。泣けるって帯にあったけど、涙は出なかったなあ。ちょっとヘビーな感じさえする。不思議な雰囲気。わたしはばななさんの書く強いたくましい男の人のほうが好きだと確認。中島くんは今までにない感じすぎた。
前から読みたかった本。…何だか分からないけど元気をもらった。重たい話だったから疲れるかもと思っていました。もち網で寝る中島くんを見たら、私も泣いてしまうだろうな。
中島くんの過去とかが結構中心になっていた気がした。なんとなくサウスポイントの前半と雰囲気が似ていた。中島くんが網を抱えて寝てたのが衝撃でした笑 特殊能力とか宗教とか絵の設定がよしもとばななさんらしいなーと思った。また何かの機会にふっと読みたくなるかも!
これまでの作品の中でも、設定が重い方だと思います。そこまでの経験がない自分には理解できない自己完結の仕方があったり、登場人物たちに閉鎖的な印象を受けたりすることもありました。人の嫌な部分、もろくて繊細な部分が描かれているため暗い気持ちになりますが、透明感の満ちた風景の描写や、主人公の凜とした様の描き方は、私は好きです。
話の入りは良かったです。傷ついた者同士が、静かに癒しあうような・・・。でも、後半になるほど、非現実過ぎて、ちょっと自分の手に収まり切らない感じで終わってしまいました。
夏休みにはよしもとばななが読みたくなる。でも昔のきらきらしたぶんしょうとはちょっと違う!?タイトル通りの印象が残る作品。透明で静かで・・・でも限りなく深そうな。
『探り探りのお説教』みたいな、そういう空気が漂って。 最近のばななはその空気が一作ごとに濃くなってる。 わたしたちが読みたいのは『お説教めいた人生訓』じゃなく『小説』だ。
近年のばななさんの作品はやはり苦手です。自分本意な考え方と文章と周りの人間の模写のしかたが、とても不快な気持ちになります。全てをさりげなく悟っているようなばななさんの主人公の描き方は自分は受け入れることができません。
よしもとばなな好きだけど最近自分と価値観が合う人とだけの狭いコミュニティーしか必要としてない感じが嫌いになってきた。
題名の『みずうみ』がぴったりだと思いました。穏やかな時もあり、荒れる時もあり。
それでも全体の雰囲気がゆったりしていて、すごく好きになりました。
透明で静かで澄んだ深いみずうみ。底には何かが沈んでいるみずうみ。そんな印象の話だった。人のあったかさとか残酷さとか、距離感がとにかくいいと思った。ちひろの飾らない本音は確かにそうだなぁと思うことが多かった。
徐々に立ち上がって、そっと支えあって自分らしく生きていこうとする二人の姿が美しい。より深い闇を背負う人ほど、よりまぶしい光を発せられる。きっと二人はそれぞれの道でこのあともっと輝いていくはず。そんな希望を感じさせる、透明な雰囲気の物語。
『人の大変な話を聞くということは、もう、お金をもらったのといっしょで、絶対にそのままではすまされないよ。聞いたという責任が生じてしまうの。』
という言葉、確かにそうだな、と思いました
自分の大事な人が、自分よりもはるかに大きな悲しみや問題を抱えているとき、自分のことを考えるときの何倍も難しくて、なんとかしてあげたいけどなかなかできないことのほうが多い。
その難しい距離をちひろは空気や彼の仕草で敏感に感じとり、感覚的でも正確に理解している感じがする。
相手をめちゃくちゃに励ますわけでもなく、ひた
★3 全体的に静かな空気が流れる話。複雑な家庭環境に育ってきたちひろ。そしてもっと大きな過去をもっていそうな中島くん。彼の抱える秘密がどんなものなのかが気になってついつい読み進めてしまった。出てくる人はみんな穏やかでいい人。ただそれぞれが過去を背負っている、という設定。前に読んだときはただただ暗いなとしか思わなかったけれど、そこにもいろいろな感情があるのだということを感じた。
完璧じゃなくても、立派じゃなくても、かっこ悪くても、そんな人間でも存在していい。存在する意味がある。一生懸命に丁寧に生きることが、「自分をもつこと」であり「人生」なんだと思う。
ゆっくりゆっくりと進んでいく物語。誰にでも大なり小なりある心の傷。それを受け入れて、一歩踏み出そうとする中島くん。大きすぎる傷を抱えて、苦しみながらでも進もうとする彼と、飾らない言葉を口にする主人公。一緒にいることでお互いに変わっていくのは、自然なことなんだと実感しました。
みずうみの
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