レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)
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レディ・ジョーカー〈下〉の感想・レビュー(483)
物井清三の中の悪鬼によって生み出されたレディジョーカーという闇が、これほどにまで他者のいや社会全体を大きく変えてしまった。物語としてはそれが本質かもしれないが、僕は登場人物(個人的に城山)の中にもともとあった闇がレディジョーカーという媒体を通じて露見しただけのように思えた。結局、犯人も含め誰も望む結果は得られなかったのではないだろうか。 この物語は社会派小説というよりレディジョーカーにより変わった人々の心象を映した純文学のように思えた。長くて読み応えがあって、じっくり読むのに2週間近くかかった(-_-;)
再読。じっくり読むつもりが、ついつい読み急いでしまいました。照柿よりも刑事らしさと人間らしさを幾分取り戻した、合田刑事は、三作目ともなると愛着がわきますが、この作品ではそれ以上に「犯人」を応援したくなりました。グリコ森永事件では、特に犯人に肩入れする気持ちにはなりませんでしたが。合田と加納の関係が…うーん。
合田雄一郎はこれからどこに向かって行くのでしょうか。刑事として優秀でありながら照柿の時や今回の半田に対して見せた異常な執着、加納との関係に原因があるような気がします。
グリコ森永事件をモチーフに書かれた作品と知り読み始めました。企業、警察、報道、犯人…と、様々な視点で描かれていて、読み応えがありました。私は始終犯人側が気になってしょうがなかったです。みんな幸せになればいいのに…と。印象深いシーンも多い作品でした。特にラストは最高でした。映画化されているようなので、観てみますが、この作品を忠実に実写化するのは不可能なんじゃないかな…。それにしても、合田と加納のあの設定はいるのだろうか…?
10日ほどかかってやっと読み終えました。 この話が「グリコ・森永事件」をモチーフにしてることは後で知りましたけど、実は愉快犯とも思えるレディ・ジョーカー側に肩入れしたくなる自分を否定できませんでした。それよりも総会屋のいいなりになっている企業や、全てを握りつぶそうとする政治家、そして縦社会の典型とも言える警察組織に幻滅することしきり。だからと言って合田が半田に脅迫状を送り続けたのはちょっと解せない行為です。とにかく読み応えありました~~
壮大な話でした。レディ・ジョーカー事件は、社会の中では些末な事件でしかなかったのかと思わせる程深い闇が隠されており、その深い闇が触れてはいけないもののように、関係者を葬り去っていく。結局、レディ・ジョーカーの犯人達もお金が欲しかったというより、自分の中の何かを変えたかったんじゃないだろうか。日之出を取り巻く得体の知れない何かは変わらなかったような気がするけど、レディを取り巻く穏やかなラストを読む限り、レディの周りでは何かが変わったのではないかと少しホッとした気分です。
★★★★☆ 『照柿』でも合田は狂っていたけれど、半田に対しての執着にも狂いがみられる。結局救われた人はいないのだろうか。根来も城山も結局、社会の仕組みに殺されてしまったのだろうか。虚しい。というか、合田と加納が完全な恋愛関係になっているのはどうなんだろう。かすかに匂わせるならともかく、「会いたい。貴兄の声が聞きたい。クリスマスイブは空いているか」ってさあ…。でも『新リア王』の合田も読みたいから、次はそっちのシリーズにも手をつけるつもり。(-)
圧倒的な物語を久々に読んだという印象。犯罪を実行する側、それを追う側、さまざまな人々の心のなかが、これ以上は掘り返せないだろうと思うほど深くえぐられるのが、心地いいような苦しいような。まぁすごい作品でした。
高村作品って、読み慣れてくるとこの極限までに描き尽くす文章がくせになる。前半部のレディ・ジョーカーの犯行から一転後半部の闇の投資グループとそれ追う根来の奮闘、そして半田の合田追い(笑)長編でありながら、読み始めたら止まらず、寝不足気味な日々だった。合田と加納の関係性は、、、ハッピーエンドと言うべきか、合田は私的には好きなキャラクターだが、マークス、照柿、レディ、と、同姓同名の違う人物を見ているかのように、どんどんイメージが変化した。批判的な意味でなく、徐々に人間臭い部分が見えてきたという感じ。自分のなかで
≪初回読了日:不明≫≪再読日:2012年1月7日≫/読んだという満足感と、読みきったという疲労感とで大変に心身が充実した。実際のグリコ森永事件の裏に、このような出来事があったのか。そう思わされるほどにそれぞれの立場が細かく書かれている。合田の行動力には改めて驚かされるが、その方向性には疑問を感じた。しかし、彼の行動は、自身が所属する組織においては正論や正義が真正面からだと通用しないということを物語っているのだろう。
長かった読中ずっと息苦しかった。グリコ森永事件から興味を持ったので、現実の犯人という存在が頭をよぎる。一人ずつの苦悩や欲望は理解できても、それが地位や組織や仕組みを伴うと全く迷走を始める。善悪もお涙もめでたしも主人公も無い(だからこそ合田に違和感)。感じるのは、本から顔を上げて街並を眺めたときの心許なさばかり。事件がきっかけになっても、それでも人は生きて死ぬし、その人の本質は何も変わらないと思った。むしろそれが希望なのかも。カネ回りはよく分からずじまいだけれど、警察、企業、特に新聞社の動きは興味深かった。
長かった‥社会を賑わす“レディ・ジョーカー事件”は深く根差した氷山の一角に過ぎないということか。モヤモヤした気持ちが残るが、これがリアルということなのだろう。
やっと終わった。終始映画化したら誰がどの役に合うかを考えてたけど。半田は渡部篤郎だな。これぐらいしか思い浮かばん...ともかく内容は濃いようで薄い。つーか長いわ。こんなリアルもあるのかな?でもたまにはこんなのも良いかもね?って感じ。
この国で、一個人が組織の中で生きていくとはどういうことなのか。自分の力では抗いようのない流れに、必死に爪を立てる人間達の抵抗がある種の歪んだ形となって現れたのがLJ事件なのかも知れない。 捜査の第一線から外された合田の(俺が拾ったのだ)という叫びが哀しく響く。生き延びた彼が悩み、苦しみ、思い煩う、その行為こそが生きているという事なのだと受け入れる描写に救われる思いがした。 その一方でラストシーンを読み終えた時の寂寥感には、やはり打ちのめされた。 この巨大な作品を書き上げた髙村さんには感服するほかない。
登場人物の多さに苦しんだ。扉の人物紹介がなかったら、きっと途中で挫折していたに違いない。やはり平凡が一番、というのが正直な読後の感想。レディ・ジョーカー事件をめぐり、色々なものが崩壊していく。犯行グループのみならず、企業、警察、メディア、そして表には出てこない裏社会、政界…。グリコ森永事件をモデルにしたという小説だが、現実社会でもこれに近い状況は当然あるのだろう。憤りもないわけではないが、自分はこういう世界に足を踏み入れたくはない。
終章の合田と加納。「クリスマスイブは空いているか」ってさあ。単行本の印象とずいぶん違うけれども、こんなにこの二人の親密度て欲情レベルだったっけ? ちょっと違和感が‥。あれっ?
とにかく圧倒されました。小説好きでよかったー!高村薫氏好きでよかったー!この重さとおもしろさ、「カラマーゾフ」以来です。改稿前よりシャープで硬質な文章が魅力的。半田と表裏一体となっていく合田の幽鬼のような姿、ほんとに合田は危うい奴です。この後出世できるんだろうか。 久々の私的読書史にのこる一作でした。
上、中、下と長かったので、登場人物に対する思い入れが強くなってしまった。故に読み終えてしまった喪失感がすごい。文章も濃厚でしっかりしていて抜けがないから、1ページごとにそれぞれの人生が重く伝わってきた。合田の想いがこうなるかー、んー、という感じだが、それよりも1つの事件からここまで色々な人や組織のドラマを描けるのはやはり素晴らしいと思った。
文庫化にあたって、随分加筆されたと聞いたので、わくわくして読んだけど、合田刑事と加納検事の同性愛描写が増してて閉口した。喜ぶファンも多いのだろうが、私はそれは求めてないのでハードカバー版のが良い。
下巻は一気に読めた。これまでの焦らされた気持ちが最後に爆発し、あとの終章はあっさり。でも気持ちを落ち着けるのにはいい流れでした。合田刑事が自分の心に気づくことができ、少し泣けました。物井さんの「出て行け」と言わんばかりの鬼のような目が、大事件の本質を表しているように思いました。しかし…長かった~
やっぱり下巻読まなきゃ良かったな。照柿の野田にしろ本巻の半田にしろ、狂気じみた執着心を合田に向けるが、当の合田にそんな魅力があるようには思えない。「マークスの山」からずっと読んできての締めが「クリスマス・イブは空いてるか」だと思うと、もう本当にガッカリ。本を読む前に映画でマークス観ちゃったせいで、合田の容貌を中井貴一に変換している私が悪いのか。このまま「晴子情歌」「新リア王」そして合田再登場の「太陽を曳く馬」まで読み進めて後悔しないだろうか。いずれにしろ文庫待ちになるので読めるのは20年後だろうが。
事件は主人公の手を離れ、登場人物たちは逃げるか、自暴自棄になって、真相は闇に葬られ、何も解らないままに物語は唐突に終わってしまう。という、非常に私の大好きなパターンの終わり方でした。
☆私は学が無いので、難しい話は理解出来なかったが面白かった☆犯人たちの心の闇が興したレディジョーカーとは一体何だったのか、金を手に入れても救われる者はなく、それぞれが、虚しさを増した結果になったり、狂ったり、食い物にされたり…でも、ヨウちゃんの変化には嬉しくなりました。☆半田の歪みっぷりが面白かった☆ラストで合田に裏切られました。合田が分からなくなりましたw
物事の裏には必ず利権があって、それを守るために手段を問わない者がいる。劇場型と言われた犯罪でさえ、それの前にはただの材料でしかなく、個人には動かすことが出来ない。ともかく「ああ、飲み込まれたんだ」というのが率直な感想でもあり、「でもあのふるさとは飲み込まれなかったんだな」という気持ちもあり。合田と加納の最後は「ん?これいる?」とも思わなくもあり。不思議な後味でした。
ずっと昔に映画で見たが、あの映画は何だったのかと思うほど濃く複雑に絡み合ったストーリー。色んな事件が同時並行的に起こってるから、気持ちを抑えられず数日で一気に読んでしまった。後味は良くはないけど、青森の田舎の描写は癒し。
高村薫氏の文章の密度が濃すぎる。行間を読む暇もなくすべて文章に載っているのでひたすら読み進むしかない。で、結局誰が勝者なんだ?
事件や人が幾重にも重なって、本来主役のはずのレディジョーカー事件さえ、時には脇役で、登場人物も誰が主役か分からないくらい。時に警官になったり、記者になったりしながら読んだけど、どの立場になっても、何となくけだるい気持ちになってしまう。そして事件は永遠に続く?
上中巻を半年くらいかけて読んだのが嘘みたいにすぐ読み終えた。3日で終わっちゃった… やっぱり後味よいとは言えないラストだけど、最後のレディの様子にちょっと救われる。何年か経ってすっかり内容を忘れてから再読したい。
相変わらずぐいぐいと引き込まれる筆力 はさずがといおうか。でとやはり救いがないラストに沈む。主役級のひとがたった三行で死んでしまったよ…合田と加納の関係もどうなってしまうのか!?
どれだけ時間かけてんねん。ってくらい長期間にかけて読破。本質的にはそんなに変わってないので、 (ただ内容は深く濃くなってると思う)これから読む方は文庫で良いと思います。持ち歩き楽だし(笑)。 ただ個人的には、あの時期にしか描けなかった空気をハードカバー版が持っている気がするので、重くても(笑)ハードカバー版を無人島に持って行く本にすると思った。 もっと言うと全体的な空気もそうだけど、あの子の、あのセリフは…変えてほしくなかったっ(っД`。。(←途中で読むスピードが遅くなった理由(苦笑))
久々に髙村作品を読み終えました。事件の顛末についてはシナリオ上仕方無かったのでしょう。ラストシーンの美しさ具合も相変わらず流石です。本作では合田刑事よりも城山社長の描写が印象に残るのは会社勤めしているからのでしょうか?
座右の銘にしたかった加納の台詞「辛いことが辛くなくなることはない。自分の腹に・・以下略」がきれいに削除されてることに、ショックを受けた。加納のすべてを表現した言葉だと思ってたのに、高村先生には削除できる言葉だったんだと思うと。そういうものだとわかっていても、昔単行本をなめるように再読したファンとしては、悲しいものがある。
またもやちょっと読みにくくて時間がかかってしまった高村薫作品。 硬派なミステリーを読んでいたつもりが、 最後の最後でホモの話になってしまった。かなりびっくり。 以前映画化されたらしいので調べてみたが配役がいまいちなので×
レディ・ジョーカー〈下〉の
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