レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)
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レディ・ジョーカー〈中〉の感想・レビュー(467)
現実の怪人が捕まらなかったように、物井達が捕まらないで欲しいと思ってしまう。ホモっぽい描写は好きじゃないんだが、高村薫のそれは本当に『男同士』が好きな奴は絶対読め!と言いたくなる。
再読。犯人たちの目、刑事の目、被害者(企業)の目、いろいろな視点から描かれる話は、すべて興味深いですが、企業の考えは特に、第三者(読者)から見ると総会屋の話や、売り上げのことなど「そうなのか」とびっくりすることもありました。文庫で大幅に修正しているはずですが、修正箇所はよくわかりません。随分と読みやすく感じるのはたぶん単に二度目だからでしょうか?
中巻では犯行グループの実態が見えなくなり、合田ら警察軍勢がそれを追い、日之出社長城山は企業の利益と自分の本質の狭間で葛藤し、新聞記者グループでは掴みどころのない地下社会の集団へ近づいていく.. 様々な男たちの思念が交錯して繰り広げられる深いドラマがこの卷の魅力だと思います。個人的にはこの巻では、レディ・ジョーカーの出現によって企業という組織の在り方を考えざる負えなくなった社長に主軸が置かれているように感じました。
上巻は犯人の紹介から犯行に至までを詳しく描かれていましたが、この巻ではほとんど犯人は出て来ませんでした。下巻を読むのが楽しみですが、自分がどのような結末を期待しているのかわからなくなってきました。
犯人の姿が見えなくなって被害者と警察・新聞記者側から事件を追う形になります。ちょっと面白味には欠けますが、かなり徹底的に取材したのだろうなと感心します。私も宮部みゆきの『模倣犯』を思い出しました。
犯行を決意するに至った上巻から一転して犯人の姿が見えなくなってしまった中巻。物語の目線は、犯人側から被害者や、その周りを取り囲む側に移る。犯人側と被害者側の目線で物語を進めていく事によって、物語に深みが増している印象があります。宮部みゆきの『模倣犯』も、このような書き方をして成功してますよね。異物混入をされた後でも、日之出麦酒の幹部達が心配しているのが、消費者の安全ではなく売上の事ばかりで、もしかするとグリコ・森永の事件でも消費者の安全の事なんか会社側は考えてなかったのではないかと思ってしまった。
★★★★☆ とうとう攻撃を仕掛けだした犯人。揺れる企業、翻弄される警察、食らい付く記者。犯人の一人は、警察…?合田と加納の相変わらずの仲良しっぷりにも注目しつつ下巻へ。(-)
面白い!!上巻は犯人グループが犯行を決断するまでの話が中心で、そこに気持ちが入ってしまっていたので、この巻に犯人がほとんど出てこないところは物足りなかった。この巻は新聞記者や企業、警察が中心。組織について考えさせられる内容でもあった。私人として…のくだりが好き。人としてどうありたいか、組織とは離れた二人の行動がかっこ良かった。そして女性がこの作品を書いているというのもかっこいい!!
ちゃんとした感想は下巻で。相変わらず株の動きなんかがよく分からない。社会的ジョーカーである犯行グループについ感情移入してしまった身としては、追う立場中心に描かれる中巻はなんとなくズレを感じつつ。警察にマスコミにその他もろもろ…こんな風に追われるなら、犯罪者にも被害者にもやっぱりなりたくはないなぁ…。合田さんって何者なんだ。彼の鋭さが、ちょっと浮いている感じがする。登場人物の誰もが息苦しく生きていて、今の自分の環境ともあいまって共感の一方で、落ち込んでしまったり…
人質の解放後、事件はいよいよ加速していき様々な立場の人間を渦中に巻き込んでいく。 裏取引を疑う捜査幹部より、日之出ビールに送り込まれ城山社長に付き従う合田。彼が犯人からの合図に気付くくだりの描写には胸が高鳴る。 犯人の一人に対し(焚きつければ乗ってくる)と微笑む合田は、すでに精神的にきわどいところにきているのか。 加納検事の作るジャガイモとアンチョビのソテーに食欲を刺激されつつ、組織の中で身動きの取れない人間の、声にならない悲鳴を聞かされた気した。
登場人物の多さに、未だに「誰だっけ?」という人はいるけれど、だいぶ話の中に入れてきた。若干読み疲れるのは警察目線、日之出ビールの社長目線、記者目線と主観が目まぐるしく変わるせいか。。。企業、警察、新聞の関係性は「へぇ~、そうなんだ」と新鮮な想いで読み進めている。 ただ、上巻冒頭での犯人グループが主役?(合田の登場、描かれ方から言っても)と一瞬考えたのが嘘みたいに、この中巻では犯人グループが出てこない。手に汗握る展開。
中巻は合田中心。合田ってこのとき(1995年)36歳っていう設定。で、わたしのお気にの加納はひとつ年上。アンチョビポテト(ニンニク・鷹の爪・オリーブ油)をチョコチョコと作ってしまうなんて。こんな人いるのかね。なんかこの人出てくると、ストーリーよりディテールが気になる(笑)。
だぁ!やっと中巻終わった~どんだけ長いねん。私には出題範囲広すぎです。みんな同じキャラに見えるし…いざ行かん!ラスト下巻!
途中で挫折してたのが、某テレビで未解決事件の番組をみて再チャレンジ。途中から止められなく夜更かしして読みました。合田さんと城山社長が対峙するシーンが印象的。 全体のトーンは重く閉塞感で満ちてるのに疾走感ある筆致。そして重厚なのに華麗で官能的。高村さまにしか書けませぬ。心に残る場面に折り目をつけて何度も読みなおしたいです。下巻へ急げ!
犯人目線の話が全くなく、企業や警察、新聞社の必死さ、それぞれの攻防、疲弊と言った感じの中巻だった。それぞれの登場人物の苦悩や葛藤、もがいている様子がひしひしと伝わってきた。現金受け渡しの描写はリアリティーがあって、作者そこにいたのかってぐらい。作者すごい!今までの話が凄すぎて、どういう結末になるか期待もあり、不安もあり…。
予想外に時間がかかりました。犯人側の描写が全然ないので、「今どうしているだろう」と気になって仕方がなかった。長引く事件には当事者はもちろん、警察、マスコミ、関係者がこうやって疲弊していくのだと思った。「茫洋」「茫々」という言葉が果てしない無力感を表しているように思いました。
拉致された社長と護衛についた刑事の人間としての心の交流の描写が、非情な感じのする作品に魅力的な色合いをつけていて、とても印象に残りました。
NHKスペシャルの未解決事件「グリコ森永事件」を観た後に読みました。マスコミと警察の確執のあたりは、似ていました。が、小説のほうは、誤認逮捕劇と同時並行で会社と犯人の裏取引が行なわれているという設定。事件が長引いて「自分たちは何やってるんだろう」みたいな会社、警察、マスコミの三者三様の焦燥感がよく描かれていた。
動いてきました!上巻が犯人グループを丁寧に追っていた分、中巻は警察やマスコミである「追う側」から。グリコ森永事件を思い出しながら、実際はどうだったのかという視点でも追えて面白い。このフィクションでも現実でも、受け渡しの計画をどんなテンションで考えて実行していたのだろう。ちょっと気になりながら、下巻へ。
犯行グループ目線での進行が一切無い中巻。上巻で計画されていた内容が、彼らの姿は見えないまま着々と実行されていく。続きが気になって仕方ない反面、読み終わるのが勿体無いというか尻すぼみな結末だったらどうしようというか、下巻を読みたくない。とはいえ、もう既に読み始めてはいるのだけど。
上巻よりは幾分早めのテンポで読めた。大がかりな犯罪の割りに全体のトーンに哀愁が漂う感じ?で爽快、痛快な結末は期待出来なそう。女性の作家なのに、完全な男のドラマだな。
ずっと根来(ねごろ)をねぎって読んでました。それはそうと、下巻が楽しみです。この作品全体に漂う人生に対する倦怠感(?)といえばいいのでしょうか、雰囲気がいいですね。
事件が起こってからは、展開が急になってきた。中巻は、被害者や事件を追う人たちからの視点で語られていて、その心理的なところも面白い。警察にもマスコミにも、企業にもヒーローがいなくて、これはいったいどうなっていくんだろう。
疾風怒濤の中巻になります。事件が動き出した上巻の終わりぐらいから中毒にかかったように読むスピードが止まりません&下巻の結末が楽しみで仕方ありません。
重くゆっくり進んでいくストーリー。交錯する人間関係。気を抜いて眺め読みしていると、「これ誰の話だっけ?」と思い読み返すことしばしば。少なからず緊張感と集中力が要求される中巻だが、読んでいて苦痛ではなく、ある種難解なパズルのピースをひとつずつ埋めていく快感に似ているものがある。黒く塗りつぶされた影のようにLJが描かれているのも、この巻の特長。
それぞれの立場でみんな無力感を味わいながらも立ち向かっていく、どこが破錠するのか、この巻でも最後に自殺者が出た。さぁ、最後はどうなるのか下巻に読み進めたい。
〈俺はまだ、油さえさせば使えるロボットか〉と思った合田刑事…彼も城山社長も自分を見つめる目のなんと厳しいことか…久々に高村薫に接して、何故か「李歐」を読みたくなったよ。その前に下巻へ!
男達が熱い!って感じです。事件が始まってから、犯人サイドの描写がないのが事件の恐さを感じさせます。それにしても会田刑事と加納検事って…
警察と日之出ビール、新聞記者と警察、ネタ元と記者、日之出ビールとレディ・ジョーカー・・・いろんなつながりがあって、就職差別とか株とか難しい問題もあり、何重にも重なって重なって絡まってこんがらがって展開していく事件、複雑なのに読ませるのはすごいなー。上巻以来描かれていないレディ・ジョーカーのメンバーたちについても気になってます。
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