ウエハースの椅子 (新潮文庫)

ウエハースの椅子 (新潮文庫)
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江國香織
小説
恋愛

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ウエハースの椅子の感想・レビュー(414)

まず、場面転換の始まりが絶妙。朝。波の音。モディリアニの絵。一見脈絡なく唐突に現れる一語が、まるで詩のような響きを与える。「こっちが現実だ」は、甘いようで寒気のするセリフだ。狂気を内包しつつ、しかし振り切れず、絶えず絶望の付きまとう、なんでもない日常の描写。登場人物たちに名前がないことで、虚像を覗き込んでいるような錯覚に囚われた。

江國さんの文章はやっぱり好きだなぁ。不倫はどうにも共感できかねるけど。なぜ江國さんの小説には不倫が多いのか。主人公が子供時代から抱える寄るべなさや絶望、ぽつんと世界に放り出された孤独感がしっくり来て、気持ちよく読んだ。願わくば色恋なしの、少女を主人公にした小説をもっと読んでみたいな。

目の前にあるのにーそして、椅子のくせにー、決して腰をおろせない

オシャレダーク

相手に依存していく様子が凄くリアル。江國さん特有の、緩やかに静かに進行していく狂気そのものでした。本文内にあった「愛されれば愛されるだけ足りなくなるの」みたいな文が好きです。人間は欲張りですね。

なんだか物悲しい気分になる。孤独、絶望、それらを感じているからこそ反対側にある幸福を実感として、憧れとして感じることができる。ウエハースの椅子のような届きそうで届かないような幸せを。恋人の世界に閉じ込められるのは、お互い暗黙のうちに進行しているのだろう。ゆるやかな自殺、という表現に頷けた。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/19

絶望と友達なのは似てる。

ウエハースの椅子には座れない。恋人(愛人)からの愛情を十分に感じながらもどこにもいけない38歳。恋と死と、孤独と絶望。終始淋しいお話でした。

孤独と絶望を常にとなりあわせにしている恋。幸福感のあとに絶望が来る。それはやはり恋人という名の愛人だからなのか。一緒にいる時は満たされているからその反動はやはり孤独。絵を描く、作品を作る人というのはなんだか小難しいが、裏を返せばとても感受性豊で良く気がつくのだ。独特の世界感はもしかしたら実は誰でも少しは持っている感覚だけど気づかないだけなのかもしれない。しんどい恋だけどそれほどに過不足がない。一歩がふみだせずこのままどうなるのだろう。やはり相手の男も女もずるいと思う。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 12/19

子どもの頃から変わらぬ自分(風変りで感覚的な価値観)と、絵をかくことで生活をたて、正しく生きていることを実感する大人の自分。経てきた時間をふりかえる精緻な描写が美しい。他人と関わり生活していくことの難しさ、幸福さに気づく一冊。それにしても、p.199にある遊び、ひとところでぐるぐる回る、自らの体を制御できなくすることの面白さ…昔よくやったことを思い出しました。自分の幼少期の記憶がよみがえることもあるかもしれません。

ame
不倫をしている女の人の気持ちなど、一生わからなくていいと思っていたのに。「好きな男以外の一体誰が、私たちを生かしてくれるだろう。」江國さんの言葉がこんなに染み入る日がくるなんて。大人の女の結婚に繋がらない恋は、すべて閉塞感と絶望を伴うのだろうか。

大人の女の恋。気だるくて、奔放。でも、やっぱり苦しみは若い頃よりもぐっと深くなる気がした。それでも、恋はすてきだ。 再読した小説だけど、はじめて読んだときよりもすきになった。また忘れたころに読み返したい。

「恋することの孤独と絶望を描く」と裏表紙に書いてあるが、自分には、生きることの孤独と絶望を描いているように感じられた。主人公の私は、小さいころから、特に学校生活において、それを感じていたように思う。私は、大人になって、その孤独と絶望から逃れるために、「恋人」を生みだしたように感じた。私の「恋人」は、妹や妹の恋人の大学院生に比べて、現実感があまり感じられず、私の理想の産物、孤独と絶望を埋めるための想像であるように思った。ただ、p198の傷ついた声で言ったセリフは、現実の他者としての恋人の言葉だと思った。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 11/18

日常からかけ離れた気持ちになった。絶望と幸せって、ある意味隣り合わせにあるんだなぁと。絶望あるから、幸せあって、幸せあるから、絶望もある。この登場人物の彼は優しすぎる苦しくなる。ぶっきらぼーの彼バージョン読みたい☆もう少し自分勝手な男だったら、共感して読んでたなぁ(笑)でもある意味こんな優しい彼羨ましく感じる(*^^*)恋してなかったら、自分なのに、恋したら自分の中身が変わってしまう。幸せなのに貪欲になってくんだね。江國さんの世界観、表現力すごい。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 11/11

まさにタイトルのウエハースのように繊細で上品で、なにかがちょっと違えばすぐに壊れてしまいそうな微妙なアンバランス感みたいなのが漂ってる。 主人公の恋愛、絶望、閉塞感など、まだそんな経験した事ないはずなのに 気づいたら入り込んでしまってた。ふしぎと分かる気がしてくる。

目眩がするほどの幸福は、絶望とともにある。何だかそれが、ほんとうのことに思えた。/ 自由であることは、自分で何でも選べるということ。いや、むしろ選ばねばならないということ。自分にとって幸福だと思うことを選ぶ、または選ばされる毎日。その瞬間は満ち足りているのに、ふと気付くと話しかけてくる絶望。そうなることを知っているのに、知らないふりをする。私たちは毎日をそうやって、やり過ごしているのかもしれない。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 10/21

江國香織の描く女性はあまり現実味が無い。それでもしみるし、動揺させられる。不思議。

★★★☆☆ 恋をすればパワーが溢れだすというけど、深く愛しすぎると心は死に向かう。その人を愛するほどに自分が少しずつ死んでいくかんじ。ちょっとわかる。

再読。「すみれの花の砂糖漬け」という詩集とセットで読むとすごくわかりやすいと思う。満ち足りるということと、幸福はちがうし、死と絶望も、ちがう。わたしはけっしてウエハースの椅子に腰をおろせないのだし、絶望によってつかの間満たされたとしても、そのあとには死が待っているのだから。「こっちが現実だ」「こっちが真実だ」ということばが好き。

自分を見失わない程度に甘ったるい気分になれて好き。

初めは読み切れるか不安だったけど、なんだかんだで気になって読み切った。 まあ、嫌いじゃないな、という感想。 こんなふわふわした地に足着かない生活送れるものなら送ってみたい。

こんな窒息しそうな恋はしたくないなァと思った。

日記のような話。この女の人いつか死んじゃいそうだと思ってたら・・・。

また読みたいというには物足りなく、途中でやめようかとさえ思ってしまった。しかしだらだらと最後まで読み続け、結末を見た。じわりじわりと浸食してくるような気だるさが心地よいようで、煩わしい。そんな感じの小説だった。

恋人と愛し合う幸せな日々を過ごす画家の中年女の孤独を描いた小説。 細かい章立てで幼い思い出、やって来る絶望感、妹の存在などが淡々と綴られる。 人生とは何か、生きるとは何か、愛とは何か。 そんなことを考えさせられる甘美な作品。 初めて彼女の作品を読んだが、おれは好きにはなれなさそうだ。

フランス映画を見終わった時の疲れと後味の悪さに似てる。こんな世離れした人たち有り得なすぎ。

快適な閉鎖枠組みと言ってよい。所詮は女という睥睨するよき視点を与えてくれた点に関しては褒めるべきだろうが、「死」や「絶望」は物足りない。のだけれど、それも含めて心地よい点かもしれない。ただね、タイトルにどうも惹かれた私からすると、「ウエハースの椅子」感が足りない。

なつのひかりみたいな話かと思ってたら神様のボート並みの狂気に連れてかれた。ぼくは好きだけどかなり好みわかれそう。

読み終わって、どっと疲れた。。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 05/13

正直わかりづらい恋愛のお話だった。けど江國さんの考えが詰まっているなぁと感じた*

江國香織をすきな人もきらいな人もまわりにいるのだけど、やっぱり自分がきらいなタイプの作家だったとしかいえない。人がいろいろ出てくるのに、最初から最後まで自分の事しか語ってない大人を見せられてもしょうがない。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 05/03

江國香織の作品の中で一番共感した
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 04/21

侵される。心の中へ、重くじわじわと、音のない雨みたいに。愛しいもので溢れてる。溢れてる、息の殺されるもので。触れられない絶望のようなお話。でもなぜかとても、心が落ち着いていく。安定剤みたいに。もしくは深呼吸している時みたいに。眠れずに、一緒に夜を過ごしたお話。「一人で生きていられたはずなのに」そこにだけは、鏡を見たように、共感してしまった。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 04/12

彼女の小説の主人公は皆、子供時代の記憶を鮮明に残しながら、大人になった時間を孤独に生きている。江國香織は同世代である。彼女の描く少女時代の記憶は、フィンガーチョコレート、お菓子の缶、フランスキャラメル、よそゆきの服を着て銀座でする家族との食事などを通して描かれていて、恐らく彼女も昭和的な幸福な子供時代を送ったのだろう、と思わせる。大人になってもその記憶から脱することができない。私を含めて現在40代の大人たちは、このような主人公に共感できる。それは私たちが共感しあえる唯一の集合的無意識のようなものである。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 03/03

女として生きてゆく、一種の究極の形。甘すぎるゆえにどうしようもなくなる。女性らしい語り口が良かったです。

独特の江國ワールド。彼女は不倫を美しく表現する才能があると毎回感じてしまう。そして、彼女の作品を読んでいると食べ物や飲み物を欲しくなる。

仕事もして愛してくれる優しい恋人や仲の良い妹もいて、みちたりている日々なのに孤独で絶望的になる。 子どもの頃の自分が抜けず絶望と戦う主人公に共感しました。 恋人といることで少しずつ主人公が壊れていってしまいそうになるのがとても怖かったです。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 01/21

縦糸の集合体のような不思議な構造の作品。 さっぱりだった。

◇◇◇

気の置けない人たちが近くにいるのに、途方もなく不安になったり孤独な状態が続いたりすることがある。感情が鋭角になってるとでもいうか。そういうときは何となく死んでもいいかなと思ったりする。本当に、「死」だけが身近な存在なような気がするときがある。それでも主人公は最終的には救われる。愛されて守られてるから。

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ウエハースの椅子の 評価:37 感想・レビュー:77
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