看守眼 (新潮文庫)
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看守眼の感想・レビュー(425)
短編6編。文庫本の表紙はファミレスの風景。主人公が張り込みで見つめていた風景だろう。今回の短編集の主人公たちは警察関係ばかりではなかった。家裁調停員、ライター、新聞編集者、知事秘書。後悔、嫉妬、思い込み、執念など、人間の人間たるゆえんを物語にして見せてくれる。いつもながら感心する。どの作品もため息とともにページを閉じる。
一つ一つの短編の起承転結がしっかりしていて、結末の意外性もあって面白かった。人間の内面がしっかり描かれていた。「口癖」が中でも面白かった。
横山さんの作品は読んでいて、胸が痛く苦しくなる。人間の汚い部分や醜い部分を、まざまざと見せ付けられるからだと思います。この作品に出てきたような人は、必ず世の中にいるでしょう。そう思わせられる程心理描写がリアルです。登場人物達の職種は様々で自分とは縁遠いものばかりでしたけど、話は非常にわかりやすくて、すぐに流れがつかめます。それなのに濃密で、奥深いです。お気に入りはラストが明るい「秘書課の男」です。
大満足の一冊。封印した過去を深くえぐるような短編を中心に6本収録。毎度のことながら横山秀夫の短編は一つ一つの密度・完成度がとても高く、この1冊だけで6冊分読んだ気分になる。家裁調停委員を務める主婦が偶然担当した因縁深い女。彼女に漏らした一言で暴かれる封印された過去を巧みに描いた「口癖」がこの短編集の中では一番印象深かった。どれもハッピーエンドではないし、なんとも苦々しい想像を読者にさせるような終わり方になっているものが多い。無理にうまくまとめようとしてないので、妙に現実味があり苦味のあるいい読後感だった。
どれも読みやすく満足のいく短篇。目に見えないものを信じて生きていける男たちを応援したくなる表題作、思わぬ巡りあわせから露になる真実「口癖」、主人公の苦みを共に噛み締め味わいたくなる「静かな家」、「秘書課の男」が特に良。一見静かに見える日常に生きる人たちの中に生じる、さざ波やうねりを真っすぐに描いた作品集。苦み成分が多いのも好み。
どの話も面白かった。ハッピーエンド好きとしてはチクチクするものが残る話もあるけれど、「あぁ、人間ってこういうところあるよなぁ。」と妙に納得しました。個人的には『秘書課の男』が良かった。自分の知らないところでどう思われているのか、自分のためにどんな思いをしているのか、それって普段は気にしないけれど時には考えを廻らしたほうがいいだろう、と思いました。
横山さんの短編は引き込まれる。短い中に長編と同じ位の綿密な設定、ストーリー。後は終わり方が全部が全部ハッピーエンドじゃなくて、全てを書いてる訳じゃない。読者の想像力を駆り立ててる。秀逸。横山さんのは短編のが好きだ。
短編集で、とても面白く読みやすい。イソップ物語のような、少し風刺したような内容でスッキリ解決の後に欲を出して痛い目に合うような、どれも予期せぬような、どんでん返しが面白い。
「自伝」は後味悪かった 表題作はこの退職警官これからどうなるんだろう?と心配になる どれもスッキリ気持ちよい結末、という話ではないところがリアルってことなのかな?人生なんてそうきれいに起承転結が決まるものじゃないからね~
わたしは、長編小説派である。しかし、横山秀夫の作品を読むと、「短編小説ならではの良さ」をしみじみと実感できる。盛り上がってきた辺りでばっさりと終わる余韻。ざわざわと波紋を残した読後感。「これぞ短編」というお手本のようなストーリー展開。この人は短編小説が本当に上手だ。 改めて感じた一冊だった。 .
短編集/個人的には「秘書課の男」が絶品。横山作品は終始、“目的”と“着地点”が計算されているので、短編でも読後の充実感がある。
どの話も面白かった。短編なのに話に引き込まれてしまいました。色々な人間の視点から書かれているのにブレがない感じが凄いです。
文章も印象的なものもあり、また再読してみたいと思いました。
お気に入りは「口癖」「自伝」。 クラインの壺のような…見えていた世界が突然反転する瞬間を味わえる短編集。 当然ながら、クオリティは高くまとまっている。 傑作。
横山さんの作品は陰気で後味が悪いとわかっていても、その安定した話の作りのうまさから時折読みたくなる。本書もかなりいやな話ぞろい。しかしいろんな角度から物語を書けるのはやっぱり横山さん上手い!
6話の短編集。著者が描く、スポットライトを当てる世界と人間の選択、そこに展開する物語の面白さにはいつも唸らされてしまう。読みやすいのもマル。
横山さんはやっぱり長編の方が好みかも・・です。読んでいるときにぐんぐん引き込まれるドキドキ感が横山さんらしいのにその一歩手前で終ってしまうような感じでした。それだけに現実的なのかもしれないですが。
どの作品もちょっと小粒な印象。しばらくすると記憶の彼方へ埋もれてしまいそう。屈辱に塗れながら矜持を守ろうと足掻くギラギラした中年は登場せず、人生を大過なく勤めようとオドオドした小心者が次々と登場した。
人の心の奥にある感情がボタンを掛け違えた様に人生に影響してしまう。それは良い事も悪い事もけっきょく自分に返ってくるという事。淡々とした文章の中にある、悲しみ辛さ苦しみ憎しみが胸を突きますが、それをどう変えて行くかは、気が付くか気か付かないか自分がどうしたいかという気持ちしだいなのかも。看守眼、静かな家、秘書課の男は前向きで好きだった。ミステリー的な部分も面白かったけれど人間ドラマとしても面白い。
まあ,なかなかの短編(?)。もっか,リーバイスと青豆,内田樹のマルクス,ちはやぶる,ついでにホーガンを同時並行進行中。その中で,さらさらと読了したところ。読んでいる本と比べると,申し訳ないが軽い軽い。
短編集。さすが横山氏、安定した実力を発揮しています。コレといった作品はないが、はずれの無いところは凄いですね。
仕事での愚痴や苦労や嫉妬、下世話な好奇心、楽に大金を得ようとする欲深さ、自分のミスを隠蔽しようと言う保身、など実に人間臭く描かれている。そんな人間臭すぎる登場人物たちは「魅力的」では無いけど、実に味わい深い物語を作り出している。安定した面白さ。
これといったヒーローのいないドラマ。市井の人の苛立ちや焦燥感や怒りがとても身近に感じられる表現で感情移入がしやすい。派手な展開はなくても心の動きだけで十分に小説になることの証明。何度読んでも面白い。
安定して、いつも読み応えのある作家さんの一人。短編集。話が一つの現場に偏らず、広範囲で楽しい。彼の描く女性はいつも人間味に溢れ、現実味がある。今回はどちらかと言えば、中年男の心の葛藤、といったテーマが多かったかな。
相変わらずの安定感で、人間の持ってる保身であるとか自分本位な部分を短編で巧く描いている。ただ横山さんは全くバラバラの短編より連作短編集の方が面白いような。『第三の時効』などに比べると男の熱くて粋な感じがエッセンスとして少なくて物足りないかな。
看守眼の
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