残虐記 (新潮文庫)

残虐記 (新潮文庫)
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残虐記の感想・レビュー(685)

女流作家が失踪し、夫により原稿が編集者に郵送された。それは私小説風の原稿——作家が小学生の頃、工員に誘拐・1年間の監禁生活〜現在までの心境を綴ったもの——だった。 一読後、いわば作中作ともいえる原稿の、どこまでが(作品内における)現実なのかを考えると、けっこう面白い。そして監禁生活の描写がガクブル……。

久し振りに文学を読んだ気がした。作者の意図するところが何なのか、よくわからないまでも、作品から伝わってくる主人公の少女の心の動き、感情の流れ、成長と共に変化していく自分自身への理解が、非常に鮮明に綴られている。作品の構成もおもしろく、とてもうまく機能しているように感じられた。娯楽的な要素は薄いが、小説好きにとっては、お勧めのエンターテイメントである。

10歳の女の子がこんな事考えるのだろうかって思う場面もあるが、それは大人の側の一方的な思い込みで、10歳ぐらいになるとそういう感情が芽生えてくるのかもしれないと思うと、4歳の娘を持つ親としては背筋が寒くなる小説だった。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 01/31

★★★☆☆失踪した作家が、誘拐・監禁された経験を手記として残していたことからストーリーが展開します。監禁された少女の視点から人間の深層にある猥雑な欲望や心理がいったいどこまでが妄想なのか現実なのか混沌とするように描かれています。作家の失踪の理由、「許さない」という犯人の言葉の真意、犯人の隣に住む「ヤタベ」の正体と壁の穴、宮坂が作家の夫となるまでの経緯…などこの小説には謎が多く、最後まで真相が明かされることがないのですが、それだけに妄想を抱かざるを得ない状況に読者を追い込んでいるのは桐野さんの狙いか…。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/29

桐野夏生にしては珍しく、幻視的要素がある不思議な作品。設定は10歳の頃に拉致監禁された経験をもつ少女が、20数年後に小説家として当時の記憶を綴る、というもの。小説を綴った大人の彼女が既にそこ(小説内)にいなくて、平板な言い方をすると説明が十分でないところが多すぎて、読み手も想像で補うしかない。これが今まで桐野作品にはないくらい多くて、それがこの作品の魅力になってると思う。タイトルは手にとるのを躊躇うくらい過激だけれど、作品はこの上なく繊細。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 01/18

わずか10才の少女の内面描写とは思えない。 同じ年の娘を持つので複雑な心境で読み終えた。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 01/15

誘拐監禁され1年余後に救出された少女が20数年後の失踪前に記した真実。2000年新潟少女監禁事件を連想させるが、テーマは人間の想像力かな。実際に被害者だったかのような内面描写はリアルで食い入るように読み切ったけど、ラストの感情は簡単に書きすぎているようで少し残念。作者も意味がわからないうちに書いていたという、犯人の「私のことはゆるしくてくれなくてもいいです。私も先生をゆるさないと思います。」という文章がいつまでも心に刺さって、作者がいう物語の棘として秀逸。既読の桐野作品では最も印象深い。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 01/08

2度目。薄いので、あっさり読めるけれど中身はがっつり濃厚、、、 誘拐監禁被害者の内面、という一見符号的に予測しそうな精神をものすごい説得力で語られる(>_<)
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/03

話の設定としては、新潟で実際にあった幼児誘拐事件がどうしてもダブる。 この作品とは、関係ないのでしょうが、事件報道と真実、当事者の心情・・・メディアを作る側、見る・受ける側との現実を考えさせられました。  もちろん小説としても十分な読みごたえもありました。 ★★★★☆
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 12/04

あの事件をもとに書いてるのかと思っていたけど、ほとんど別物でした。久々の桐野夏夫ですが、面白かった。うまいなー。

★★★★☆ やっぱ桐野作品 僕には合ってます。一気読みでした。「グロテスク」「柔らかな頬」同様に実際にあった事件をアレンジした作品ですが、このアレンジの手法が、他の作家では真似出来なく素晴らしいですね!ダークな作品書かせたら、桐野さんがNO1です。桐野さんの作品は、クセが強いので かなり好き嫌いが分かれるかと思いますが、一度好きになった人は、間違いなく病みつきになりますねヽ(^。^)ノ
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(1) - 11/12
mari
私も桐野さん大好き作家ベスト3に入ります♪ 病みつきです^^
ナイス!ナイス! - 11/12 20:49


監禁の事実や解放後の好奇の目から逃れる為に想像を膨らませる事で自らを守る主人公。 ときに甘美に浸るような描写が読んでいるこっちまでも真実を知るための想像を膨らませてしまう。 想像と事実とが混ざり合わさり不思議な世界が出来上がっている。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 11/01

「東京島」以来桐野さんは疎遠になっていたけれど、友人の勧めで読んでみました。物語の中の物語という構成。よくわからない部分もあったけれど、それはそれでこの作品をよいものにしているんじゃないかと思った。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 10/30

景子が交換日記のことや昼と夜のケンジのことを誰にも言わないことが、ケンジへの復讐になると考えていることが分からなかったです。ヤタベのこととかなんとなく私の中で消化できない部分もありましたが、早く結末が知りたくて一気に読みました。残酷な描写もありますが、読んでよかったです。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 10/15

勧められて読みました。凄いの一言。心理描写の掘り下げが見事。これは、誰にも書けない。想像・創造できるのは人間だけ、という意味で人間の可能性に感動する。もちろん、過酷な状況だけども。いや過酷だからこそ想像できるのである。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/03

なんか、読み終わった後のやるせない気持ちが半端ない。そしてかなり好きだ。自分が経験することもないだろうし、理解できるはずのない主人公の気持ちに共感してしまった。作者すごい。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 10/01

『自由という名の束縛があり、束縛という名の自由もあるのだ。』
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 09/28

要再読。活字を追ってるのに頭の中が映像でいっぱいで「うわわわわーー」となってしまったまま読了。結局なんだったのー?って感あるんだけど、でも答えなんかないんだと思う。わかんないんだと思う。でも答えが欲しいと思ってしまうんだと思う。そういう感じが気持ち悪くてよかった。うーん。またいつか読もう。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 09/13

物語は、二十五歳の青年により一年にわたって監禁された十歳の少女が、その後、作家となって自己の体験を小説にするという形式で進む。当然、二人の間に凄惨な性的関係を想像するが、そんなものなど軽く凌駕する驚きが最後に待っていた。「私も先生をゆるさないと思います」というケンジの言葉を受けて、作家が姿を消すに至った心境は想像するしかない。一度は見るのをやめた、自己を保つためであるはずの「夜の夢」が夢ではなかったと気づいたからではないか。そして作家は今、どこからかケンジを見つめているのではないかと思うことで、少し救われ
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 09/03

ito
ショッキングな設定にすぐに引き込まれました。監禁中の二人の関係性の変化、解放後に知った事実、その後の生活のリアルな絶望感、そして空想と事実の不思議な符合…。どこまでが事実でどこからが空想なのか、あやうい雰囲気にあくまでも現実的で即物的(だと自分では自覚している)私自身の世界観もふらついてしまいそうでした。結局は何がどうなったのか答えはないものの、不完全燃焼感はなし。夫からの手紙がなぜか救いに感じられた。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 08/26

短い

この人の残虐性は癖になる。他の作品も正直後味は良くないんだけど、登場人物の潔さ、みたいなものが物語全体に清潔感を与えているような
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 07/10

想像、創造力、性的人間。ただ起こったことを巡って換気される人々の想像力、これこそが恐ろしく興味深い。なるほど。徹底的に桐野さんは第三者を厭うような気がする。共感できるな。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 07/10

読み進めていくうちに、気持ち悪くなっちゃいました。が、やめられず、一日で読んでしまった?
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/20

想像力、性的人間、孤独、理解
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 06/13

久しぶりに一気読みできました。初めて読んだ作家さんですが一文の表現が鋭利で素晴らしかったです。主人公の体験の薄気味悪さが読んでいるこちらにもリアルに伝わってくる臨場感。私の中で凄く記憶に残る一冊となりました。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/10

読了
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 05/30

2000年の少女監禁事件に触発された部分を含む作品。監禁された少女が大人になって書いた小説がメインとなり監禁事件の謎に迫っている。性的人間とはなんなのか、加害者であるケンジの「許さない」とはなんなのか・・・読後にも謎は残り、その謎を想像し続けることのできる作品となっている。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 05/23

内容とは関係ないけれど、子どもが被害者になるのは
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 05/21

少女監禁事件を本のアピールポイントにしているけれど、多分テーマは想像力。想像力故に人は間接的でありながらも性的に興奮したり、好奇の目で見られたり、自分を擁護したりする。事件の真相は個々の想像の中に。だからおもしろい。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 05/06

本棚にあったから読んでみよう桐野夏生三冊目。毒の薄さが逆に毒の深さを想起させる一冊。ただ、テーマ的に一歩離れて読めたからか、グロテスク、outに比べて身に受ける昏さはさほどでもなく。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 05/04

誘拐、監禁され1年以上の日々を日常から隔絶した世界で生きた少女。漸く解放されても、以前の日常世界とはまるで異なる世界が広がるばかりだった。『残虐記』という凄いタイトルの通り、監禁生活は凄惨なものですが、解放後の少女の心と成長、家族、周囲の環境とあらゆるものの変質が現実的に描かれています。少女が小説家となり、事件を描くという事もとても興味深い。分からない部分が多いからこそ、読者は思考することから逃れられません。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/27

「残虐記」といインパクトのあるタイトル、そして少女誘拐監禁事件という題材から、どんな忌まわしい内容なのかと好奇な想像から先ずは手にした訳ですが、むしろ監禁から解放されてからの被害者の後遺症がメインだったりしたが、それにしても主人公の想像するものがかなりぶっ飛んでいて難解であった。結局、壁の穴はあったのでしょうか?それによっては全く話しが違ってきますが真実と想像がわからないだけに・・・うむ、しばらくこういった作品はお預けしたい・・・気が滅入る。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/25

実際にあった少女監禁事件を桐野流に解釈、というか、桐野さんの途方もない妄想、想像から生まれた作品か。事件の外枠よりも、当事者の内面に重きを置いているため、短い作品にも関わらず何とも重苦しい。成年男性による少女監禁というショッキングな事件から、性的な想像を隠そうともしない下劣なオーディエンスに対する主人公の激しい憎悪に、桐野さん自身の感情が重なるようだ。事件の真相は闇の中であり、主人公も失踪したままに物語は幕を閉じるが、この作品においてはこの終わり方で良いと思う。真相なんて必ずしも必要ではないのだから。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/11

sin
自分もまた重い存在であった。だから周囲のほうが形を変えていく感覚を身体が覚えている。僕が小説を読むときに目がとまる部分は感情移入、どちらかというと自己投影されてしまう心理描写だ。本書では景子の少女時代のもののとらえ方にそれを覚え、心をえぐられた。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/07

再読です。これは本当に凄い。面白いとか面白くないとか、そういう表現に値しない作品。凄まじい心理描写。登場人物が全員異様です。というより、設定から何から何まで全部が異様。唯一まともに見える父親も、やはりどこかが欠如している気がします。感想を上手く言葉に出来ません。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/31

ゾクゾクして面白かった
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 03/12

夢中になって読んでしまった。主人公の作家はどこに行ってしまったのだろう。ケンジを陰で見れる所に行ったのではないか。もしくはヤタベも近くにいるのではないか。色んな想像が掻き立てられる。そして夫となった宮坂とは、性的関係は持ったのだろうか。解説まで一気に読まないと気になって仕方無い桐野作品だった。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/08

実際の事件を基にしているという点で、手を出すのを控えていたのですが、ほかの桐野作品を読んで読む気になりました。想像力で自らを守ろうとした主人公の鬼気迫る描写に圧倒される。想像力に現実が追いついた今、彼女は更なる想像の先へ行ったのだろうか。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/04

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残虐記の 評価:48 感想・レビュー:164
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