神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)
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神の守り人〈下〉帰還編の感想・レビュー(1325)
本当にスケールが大きい話だったなあ。神になるか否かの選択を民族と政治と個人、それぞれの視点から描いているのが印象的。緊迫感の強い話で最後まで一気に読んでしまった。
バルサ不死身!!傷つきながらもアスラに寄せる優しさが、つらくても人間としての道をアスラに選ばせることに繋がったのだと思う。チキサとアスラがともに幸せになれるといいな…
アスラが最後に下した決断、それはバルサが命がけでアスラを守り教えてくれたから出来たのだと思います。バルサは強い。本当に強い。でもただ強いだけではなく健気で素朴で純真で・・・。そんなバルサの魅力が溢れています。解説で思いがけず児玉清さんに出会えたのも感涙ものです。彼の熱い語りが聞こえてくるようでした。
いろんな人たちの思惑がからんで、ギリギリの戦いだったと思う。アスラにバルサの思いが伝わってなんとか踏みとどまれてよかった。けど完全に「良かったね」とはならないラスト。力をもつアスラの思い一つで状況がひっくり返ってしまうというのも怖いけど、彼女を利用しようとするシハナの方が怖かった。自分のやり方が国や人のためになると絶対的に信じていることが。その後が気になる。次へ!
ファンタジーというと、どうも神の力に全てたよってめでたし・・をいつも想定してしまうけどさくっと裏切ってしまうのが上橋作品。そんな都合のよい神は、そりゃあいないんだよね・・いつも自分の道をどうするかを決めるのは自分次第。アスラも、きっと目覚めてくれるでしょう。あーまた次よまなくちゃ・・モリビト中毒!
たくさんの人達の思惑に翻弄されたアスラとチキサ。アスラの決断は本当に偉大だった。まだまだ事後が大変だけど、アスラとチキサが幸せな生活が送れる日々を祈って。文庫版解説は児玉さんだったんですね…
児玉清さんの解説まで読んで、今とても満足感に浸っている。バルサの強さ、優しさハンパない!用心棒に男も女もないんだなって思いしらされました。神様って結局、人間次第。信じすぎて祈るしかしなくなったらそれまでだし、自分に都合いいことしか信じないのも考えもの。つらいからこそすがるって気持ちは分かるけど、それだけではいけないんだなと思いました。バルサのように目の前の試練を必死にこなして、自分で道を切り開かないとね。年末から少しまとめてシリーズ読みましたが、自分の反省点に気づかされる部分がたくさんありました。
誰しもの心中にある明るさと闇が表面化した姿をアスラに見た気がしました。闇を乗り越えたアスラが目覚めて、幸せを感じる日々が送れるようになれば良いと思います。今後のシリーズでアスラも登場するようなので楽しみです。
あえてこのモヤモヤした終わり方にして次に繋げるのかな。読んでるうちにバルサが本当に死んじゃうんじゃないかって何度もハラハラさせられました☆
初の上下巻ということで、色々な人の思惑が入り乱れ、ハラハラする展開で楽しく読めた。そしてバルサの、アスラを温かく見守りつつ、軽く扱うことのないスタンスは本当に格好いい。ここまでのシリーズの中で一番好きな話になりました。
シリーズで一番好きなのは闇なハズなのに、なぜか神を読みたくなる…。深くて現実の象徴のようで、また読みそうな予感です。なんとなく獣の奏者の世界観と重なってしまうのは私だけでしょうか…?
☆☆☆☆ 面白かった。成り行きで助けることになった兄妹の、国政にまで発展するトラブルに、自分の分を持って向き合うバルサ。アスラの幼さ故の傲慢にも、真摯に向き合おうとする彼女が凄い。短い付き合いでもアスラがバルサに影響され、最後の最後で選んだ選択が胸を打つ。シハナのやり方は巧妙だけど、盤上の駒のように人を動かしていくやり方は冷たすぎる。逃げられてしまったのが悔しい。所々で見かけた、バルサとタンダのお互いを信頼し合うさりげないスキンシップや距離感が好きでした。
言われるままだったアスラが最後の最後に自分の意識で選択した場面は良かった。チキサも兄として、妹アスラを守るため成長したけど、もう少しちゃんと見たかったな。
アスラのことを思うと、少し悲しい終わり。けれど、これで良かったんだろうなぁ、とも思う。アスラは、まだ小さな子供なのだから。言いにくいことでも、子供相手でも、必要と思えばきっちりと話すバルサ。つくづくすごい人だ。
どうしてもアスラに感情移入が出来ない(泣)どちらかというと恐怖の方が上回ってしまうので 読み流してしまいがち。反省。チキサの葛藤とかも、もう少しクローズアップしてもらいたかったかな。
多くの人がかかわっている国というものをいちどきに変えてしまおうとすると、必ず強引で残虐な手段を取らざるをえなくなる、ということを歴史は教えてくれる。シハナは全てを一気に変えようとしたけど、その結果は、タルハマヤというおそろしい力と恐怖により、ロタの民を、以前のタルの民よりもっと強く、上から押さえつけることになるだけだっただろう。
シリーズ第5作・下巻 絶対的な破壊力を持つ荒ぶる神・タルハマヤを身に宿す少女アスラ、ロタ王国の南北対立に心を痛める王弟イーハン、イーハンのためにタルハマヤの力を利用しようと画策するカシャル(猟犬)・シハナ 最後に正義の味方が現れ勧善懲悪、とならないところが好き! 「命あるものを好き勝手に殺せる神になるとこが幸せだとは思えないよ」と言うバルサの一言が心に響きます 好きだなぁ、この世界! 続き行きますぅ!! (^_^)v
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(1)
- 11/24
<上>を読み終わってからこれを読み始めるまで結構あいてしまったので、読むのに時間が掛かってしまいました。タルハマヤを宿すアスラ。過酷な運命を背負わされるにはまだまだ幼すぎるなぁ。普通の女の子として伸び伸び生きて欲しい、という想いが最初から最後まで消えなかった。
★★★★☆ なんとも隙のないストーリー。過去の償いのために日陰に暮らすタルの民と、南北の確執が濃いロタ王国。歴史というのはときに大きな変革を必要とするのだろうが、それがカルトな神の恐怖政治であっていいはずがない。それでも虐げられてきた若いタルの民は変革を望むでしょう。バルサに出会い、短くとも共に過ごしたものたちは、辛い境遇になったときにバルサを思い出す。バルサは戦う女だけど、相当な癒しの力も持っていると思う。そんなバルサを癒せるのがタンダだけ、というのがまた良い関係なのだなぁ。この二人を見ていると、オスカ
アスラがどうなるのか気になって一気読み。特にバルサと別れてからは、祈るような気持ちで読んだ。このシリーズの物語に出てくる少女は健気で強い。前作のスリナァも印象深かった。だけどアスラの背負ったものは大きすぎる。目覚めないと決めた(のだと思う)彼女の気持ちが切ない。彼女が見ていた大きな樹から種となってこぼれ落ちて、新しい命が芽生えるように新しいアスラが目覚めるといいな。印象に残ったのは情報屋とバルサのやりとり。「仲間」とか「敵・味方」とか単純には割り切れない人と人とのかかわりと相互理解が奥深い。
バルサの人が苦しむのを見て見ぬふりをするのは、自分がしたことと同じという考えのもと、恐ろしい力をもつ女の子を助けていく。それが自分をさらに苦しくさせるとわかっていても、彼女は最後まで自分を捨てない強さをもっている。その強さは、ホントに必要な時に人に届いている。
実は一番興味深く、また想い入れていたのはイーハン殿下でした。若い頃の熱烈な愛と別れ、その裏にあった王族としての立場を無意識に護ろうとした心、そして尊敬する兄王を助けるために強大な力を求める想い……。そうしたものをすべて飲みこみながら、アスラを政争の具に使わないと決断した姿に、静かな感動を覚えてしまいました そしてこの物語も、『精霊の守り人』と同じく“子供が自ら決断”して終わります。その決断ができたのは、バルサとタンダと共にいた時間があってこそなんですよね。それがこのシリーズの根幹のひとつだと思います。
読了して思ったことは、アスラが可哀想だなぁということです。色々な思惑を持った人たちにいいようにされ、最後が昏睡状態とは悲しい気がします。アスラにはいつかきっと目覚めて幸せになってほしいです。
絶対的な力への陶酔、それと同時に抱く恐れや不安は、まだ幼いアスラにとっては非常に扱いがたい感情だっただろう。最初は、母の強い執念で神をその身に宿し、その力を自分の都合のままに操っていたアスラだったけど、バルサと出会い旅をし、広い世界を垣間見たことで、クライマックスの決断につながったんだろうなぁ。バルサじゃないけど、すごいことをやってのけた、と思う。アスラたちに明るい未来が待っているといい。ところで、バルサとタンダの関係は、変わらないようでいて、実は少し親密になっている気がする。それが嬉しくてニヤニヤ。
バルサはアスラと自分のこれまでの生き方を重ねたんですね。シハナにもむかつきましたが、みな自分が正しいと思う道を進んでいるだけ・・・その中のバルサの言葉をアスラが思い出してくれてよかった。
強大で絶対的な力を持った時、それが人を傷つけるからといって手放すことは難しい。自分を守る力、誰かに敬われ、平伏させる力を持ちたいと思うのは異常ではない。権力、名誉、お金、当たり前に溢れるものの中にもその心理は隠されていると思う。ただ一人の人間として、ただ一人の人間を救う。心と心を繋げて、救いたいと願う。バルサの強く温かく優しい心が、闇の中で迷った心を導いていく。自分にだけは、人は嘘をつけない。だから、自分を許すことは難しい。でもきっと許せる日がくる。待っている人がいるから。
神の守り人 下 帰還編 2011年10月9日 上橋菜穂子 畏ろしき神タルハマヤがアスラの体をとおしてあらわれる、その圧倒的なスケールとスピード感。文字だけでこんなに猛り狂った恐ろしい「神」を表現できるものなのですね。武人として人を傷つけ殺めねばならないバルサの苦悩。その悲しさを理解してタルハマヤを封印したアスラ。命の大切さを作者はうったえているのですね。南北問題を抱えたロタ王国。さあ、次は新ヨゴ皇国とどう繋がっていくのか?楽しみ
面白かったです。最後までどうなるのか分からなくてドキドキしながら読みました。今回の登場人物たちは、みんな一生懸命だったんだなって感じました。それはシハナやイアヌも含めてで、彼女達も国や自分の一族の事を考えた末の行動だったんですよね。バルサも体中怪我だらけで痛々しかったです。自分が生きていていいと思えるようになるまでには長くかかるってバルサの台詞には凄く共感しました。アスラはどうなるのか書かれていませんでしたが、いつか魂が戻って、前巻で着物をくれたマーサと暮らしたら幸せになれるんじゃないかなと思いました。
バルサの強さと優しさが溢れた1冊でした。ロタ王国が何故アスラを求めているかということが問題ではなく、何故、子供が他人の命を奪わなくてはいけないのか?それを止めたい。自分と同じ辛さは味わわせたくない・・・そんな思い一心で命を懸けて子供たちを助けたバルサ。そんなバルサにつられるように、猟犬達も変わっていく。そしてタンダでさえも強くなっていく・・・。 本当に息を呑むような迫力を感じました。
★4.5。 南北の対立を抱えるロタ王国では、怖ろしい力を秘めたアスラに大きな利用価値があった。残酷な神へと近づいていくアスラをバルサは救えるのか…? 己の持つ力の強さに戸惑うアスラ。狂信的な想いから騒動に娘を巻き込んだトリーシア。親を裏切り理想の世界をつくろうとするシハナ。様々な女性が登場する1冊でした。一流の用心棒・バルサでも過去に囚われたり心に闇を抱えている。だからこそアスラを救いたかったんだろうな。アスラの英断に身震いしました。児玉清さんが書かれた熱い「解説」を最後に読めて良かった^^
☆8 やっぱり面白かった。力を持つことの恐ろしさ、感情に身を任せることの愚かさ、大人でも間違えてしまうような判断を子供に求めるのは酷。それでも、神の力を持ちながらも自ら向き合ったアスラ、異端の妹のそばを離れなかったチキサ、兄妹に対して強制や説得はせずに判断を任せたバルサとタンダ、彼らがいたからこそ犠牲少なく収まった。しかし、対立側のシハナもなかなかの者。彼女の言には説得力があるし、小を切り捨て大を救うのかもしれない。彼女の再登場はあるのか、気になるところ。次も楽しみ。
今作は読むのが辛かった。兄妹の抱える運命があまりにも残酷で…。子どもにとって母親の言葉は全て。それは幼ければ幼いほど心に強く刻まれる。絶対的な力を持った上で自分の感情をコントロールするなんて大人だって難しい。あんなにも強大な力を子供に与えてしまった大人たちは愚かだ。しかしアスラは強かった。欲望や力に負けなかった。バルサやタンダとともに旅したことが彼女を強くさせたのだろうと思う。最後のページ、バルサがアスラに語りかける言葉が印象的。思わず涙があふれてくる。
先に番外編の『流れ行く者』を読んでいたので、バルサの怒りに身を任せることへの怖さがよく伝わってきた。アスラにちゃんと届いて本当によかった。今回のバルサは本当に満身創痍。ラストシーンの穏やかさが嘘のような疾風怒濤の上下巻でした。
バルサがタンダに会えたとき、ほっと安堵した。バルサとタンダがお互いを想い合っているのが巻を重ねるごとに感じられる。各々が望むことや見方によって物事の善悪は変わるし、そもそも善も悪もなかったりする。人間って、難しいな。親まで欺いて自分の求める絵を描くシハナ。恐ろしい。ロタ王国の行く末やいかに。
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