若き数学者のアメリカ (新潮文庫)
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若き数学者のアメリカの感想・レビュー(276)
異国の地で勉学するのはやはり孤独な闘い。アメリカ中西部の冬は辛かったことを思い出す。彼の地は自然が厳しいよね。藤原さん、文章うますぎ。ほかのエッセイも読みたくなった。
著者は数学者でありながら、なんて文章がうまいんだろうと思います。気取らず、飾らず、感じたままを、著者の年齢にふさわしいユーモア(ちょっとオヤジっぽい:笑)で楽しませてくれながら、「日本への祖国愛」をベースとして見たシリアスなアメリカ人、文化の観察・考察。大いに惹きこまれました。アメリカには歴史がない。よってアメリカ人には日本人のように故郷がない。心の支えがないまま気を張って生きている。というのが印象的でした。藤原氏の別の著書「国家の品格」は、この体験が大いに影響しているのでしょう。
1977年初版。1981年文庫化。僕が入手したのは2006年35刷。長い間読み継がれた一冊です。手に取るとまさしく一気読みでした。僕が生まれた頃のアメリカの大学の様子が良くわかる一冊です。アメリカに融和するには、日本性を維持したまま、気持ちを開いて接するのが近道という記述は面白い。もし、うちの子が留学したらまめに手紙を送ってあげようと思いました。あと1970年代の1ドルは今のどのくらいの価値があるのでしょうかね。
「遥かなるケンブリッジ」が面白かったのでこちらも購入。こちらも十分読み応えのある内容で楽しめた。(ただ、アメリカ留学の参考に読もうという人は、30年以上前の滞在記であるということに留意しなければならない。)最終章「アメリカ、そして私」における筆者のアメリカに対する考察は大変興味深かった。
「国家の品格」で有名な藤原先生(数学)の若き日のエッセー。知らなかったのだけど、この人は新田次郎と藤原ていの次男なのね。文章のうまさは素質もあるのかと妙に納得。感性がみずみずしく素直で「国家の・・」よりも個人的に好感が持てる。アメリカ人に対する考察の一つ、「どんなにくだらないと思われることでも、それが人のやったことのないものならそれだけで価値があると考える。」を読んで自分のアメリカ人の上司を思い出し妙に納得。
「故郷のないことが旅を容易にさせる。そして悲しくさせる。」この一文は藤原正彦氏がアメリカ人を指して書いた言葉だけど、はっとした。自分が大学時代から感じていた寂しさにもにた感情はこれだろうと。そしてこの孤独な旅は、「愛なしには歩けない。愛なしには決して・・・」
大学1年の頃に一度読み始めたが、数ページで読むのをやめた作品。読むのをやめた原因はいまだに分からない。4年後の今、こんどこそという気持ちで読みはじめたらあら不思議、以前にやめたページまで簡単に読み終え、それどころか最後まで一気に読み終えてしまった。否、読むのを止められなかった。なんでこうも変わったんだろう?あまり考えず、成長したと自画自賛しとこう。
他の著作と同じように、藤原さんの感性が心地良く感じられるいいエッセイだった。舞台となっているのは30年も前のアメリカだが、本質は変わっていないんじゃないかと思う。アメリカと日本の、大学教育や研究に対する姿勢、文化、国民性などの対比はどれも頷かされるものばかりだった。
「国家の品格」でおなじみ、藤原先生の若き日を綴ったエッセー。現在は名誉教授という立派な肩書きをお持ちですが、アメリカ時代は夜に素っ裸で街を疾走したりと、けっこう無茶してます(実話)。 単身アメリカに渡ったものの、自分がそこでいっぱしの仕事が出来るのかという不安や、アメリカに負けてたまるかという若者らしい気負いが素直なタッチで描かれていて好感が持てます。 様々な人とのふれあいを通して、藤原先生の「アメリカ観」が少しずつ変わっていく様も興味深いです。
一期一会は切ないと何度も思った。紀行文を読むのは初めてだが、すべてが新鮮な見知らぬ土地でフルに働いた作者の五感を追体験できておもしろい。小説とは違って、作者の体験が現実の重みと瑞々しさを伴って文面から伝わってきた。次は『遥かなるケンブリッジ』を読もうと思います。
アメリカで出会ったたくさんの人たち(教授、ガールフレンド、子供たち)から学んだことを本にした。アメリカは一体どんな国なのか、勉強になった。ユーモアのある人だと思った。ふふっと笑えるエッセイ。『国家の品格』を読んだあとだったので、イメージが変わった。
冒頭の「日本の代表としての自分VSヤンキー」色が薄れた中盤から、面白く読めた。その後もちょくちょく過剰な愛国心的なものが出てくるが、時代を思えば致し方ないか。ベトナム帰還兵のエピソードが興味深かった。
面白い。グイグイ読ませる力がある。この方が国家の品格とか言う背景がよくわかった。コンプレックスって、時にものすごい力になるよね。
タイトル通り、若い数学者のアメリカでの研究生活の体験記録。著者の感受性、文才に驚いた。1970年代の話なので、欧米コンプレックスが激しいとこもおもしろい。
読了
文化、環境によって育つ内容も違ってくる。その培われたものにどれだけの誇りをもてるか。アメリカでどれだけ日本人であり続けれるか。それを違った文化、環境を受け入れてのものであること。
ゼミ合宿(計画停電の影響で中止になった!)の課題図書の一つ。お茶女の現名誉教授なのかな?の数学の先生が、若い頃アメリカの二つの大学で教えていた頃のことを丹念に綴った紀行文。読了。長いしそれなりに濃密だったというのと、「読め」と言われて読んだ本だったので当初はあまり乗り気でなかったにも関わらず、普通に楽しんでしまったというのからくる満足感なう。ん〜、いい先生だなって思った。正直で、気が良くて優しくて、茶目っ気があって頭もよい。もし彼の直属の学生だったなら絶対に好きになる! 印象に残ったフレーズは二つ。「正し
ある数学者の人間味あふれる若き日の姿。前半においては「学問を武器にアメリカに殴りこみ」といった意気込み(「気負い」と言った方が適当か)がビシビシ伝わります。一方、後半では大国アメリカへの複雑な感情と日本人としてのプライドの邂逅。海外で暮らす人間としてのひとつの到達点を感じます。
「遥かなるケンブリッジ」のあとがきから興味をひかれて読む。アメリカに留学した著者が身をもって体験した事柄が綴られている。特に興味深かったのが推薦書と教育にまつわる話だった。実力主義のアメリカだからこそ自分の意見を論理的に話すことや議論の展開の仕方、問題解決に力を注ぎ、自分の信用にかかわるものには手を抜かない。常に評価を意識せざるを得ない環境の中で不安にさらされている彼らだが、フロンティア精神が彼らを行動に駆り立てる。アメリカ人との違いを見つけながらも、同じ感受性を持ち合わせていることに気づかせられる。
期待通り面白かった。数学者でありながら、藤原正彦さんはとても文才があると思う。読者を惹きつける文体。また、自分の感情をこんなにも客観的に言葉に出来る点が本当に凄い。全体を通して面白かったけれど、特にアメリカという国民性について述べている点が興味深かった。故郷とはなり難い国。アメリカの所有する膨大な土地が、日本人とアメリカ人の間に介在する根本原因ではないか、と指摘している点も興味深い。
1972年、研究員としてアメリカはミシガン大学に招かれ、のちコロラド大学で教鞭をとった氏の青春記。慣れ親しんだ環境から大きく異なった環境に移り、これまで自分が築いたプロセスが全く通用しなくなった時、人は激しく「ゼロに戻った=リセットされた」ことに抵抗し頑なになりがちです。氏もやはり抵抗し対抗していきますが、やがて理解し共感し好意を持つようになっていきます(最後はあんなコトまで:苦笑)。中学生の頃読んで感動し、今に至るまで手元にはなくても、何かの転機には必ずどこかで思い出していた一冊。帰省の折実家で再読。
藤原氏がアメリカ時代に体験したことをまとめたエッセイ。彼がアメリカにて体験したことがリアリティをもって生き生きと綴られている。かれこれ40年以上前の話ではあるが、その時代アメリカが抱えていた諸問題が著者の視点から語られており興味深い。特にユダヤ人とベトナム帰還兵の一節は一読すべき価値がある。話は変わるが、このエッセイを読み終えた直後、素っ裸になってどこかに行きたくなった。
高校の頃に図書館で読んだ記憶があり、今回は買って再読。大学生になって改めてこの本を読んでみると、アメリカの大学生活がより身近に感じられて話に入っていきやすかった。と同時に、この本で描かれているアメリカの大学生の必死さに比べ今の自分がどれほど怠けているかにも気付かされ、いい刺激になった。藤原正彦氏の本は他にも読んだ事があるが、数学者らしい理路整然とした思考だけでなく、的確な心理分析やユーモアのセンス、文章の書き方の巧さにも感嘆させられる。機会を見つけて他の本も再読したい。
著者のアメリカでの苦悩や疎外感の経験。その経験から感じたアメリカについての見解が書かれている。私は来年アメリカへ留学する大学生なのだが、9章の精気溢るる学生群像では、私の日本の教育制度への不満に対する明確な答えがあった。最終章のアメリカ、そして私では、アメリカに対する著者の自意識にハッとさせられた。ここで多くを語れないのは残念だが、日本を嫌いアメリカに傾倒しようとしている日本人(私のことだが・・・)にはぜひ読んでほしい。「日本的でない日本人」に過ぎないのかもしれない。もう少し自分を見つめ直す必要を感じた
『国家の品格』の藤原正彦氏による、20代後半のころのエッセイ。なかなか面白かった。彼のナショナリズムの萌芽を見た。ところどころから「70年代アメリカ」という香りが漂ってきて、今はまた違うんだろうなと思いを馳せた。文章は読みやすく、彼らしく率直。良著と言ってよいと思う。
こんなに面白い紀行は読んだことがなかった。茶目っ気たっぷりに書かれるアメリカの大学事情はとても興味深い。『遥かなるケンブリッジ』より一層楽しめたのは、著者が初めての異国で、文字通り孤軍奮闘する様に感心し、共感を覚えたからだろう。
アメリカに行ったことがあり、さらに学問の世界に足をつっこんでいる者としては、これ以上に楽しめるエッセイはないんじゃないだろうか、ってくらい面白かった。文章はうまいし、藤原先生のエピソードが「マジカ!」っていうくらいぶっとんでいたり、ほっこりしたりと、素晴らしすぎます!
10年以上ぶりに再読。全く覚えていなかったけど、著者が初めて留学したミシガン州アナーバーは何と自分が今住んでいるところだったりして偶然に驚いた。ロジカルかつ感受性豊かな文章は、自分も経験した異国の地での微妙な心理状況を上手に描いていると感じた。
数学ということばにだまされてはいけない。この本は旅の本であり、教育の本であり、アメリカを知るための本であり、そして人生と愛の本である。
若き数学者のアメリカの
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感想・レビュー:77件














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