デカルトの密室 (新潮文庫)
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デカルトの密室の感想・レビュー(170)
イーガンのハードSF的奇想、森博嗣の真賀田四季的キャラクタ、パワーズの『ガラテイア2.2』的テーマを混ぜ込んだような話。人工知能、ロボット、ネットワーク理論などの理系ネタ連打の合間に、心と身体、知能、自己意識などをめぐる心理学、哲学的議論が挿入され、さらに現実か仮想現実か、人間なのかロボットなのかも判然としない幻想的でシュールなシーンがちりばめられて息つく暇もない。ただ、ネタを詰め込み過ぎの感があり、物語としては散漫でピンぼけた印象がした。
なかなか難解。ロボット工学的な興味や思考実験のくだりなどは割合楽しめたが、哲学用語がわからないいのでしんどい部分も多かった。ロボットの自律やネットワークに宿る思考というSF的テーマは好きなんだけれど、一方でミステリ要素はいまひとつで、解決を見たのかどうか判然としない。純粋なSFとして読むのがいいのかもしれない。
「そうか、ユウスケ、わかったよ」 「どうしたんだい」 「わかったんだ。ルールって、言葉通りのことを守ればいいってわけじゃないんだね。ルールを守るのがどうしていいことなのかを見つけ出さないといけないんだ。サムの“原則”は“正しいルール”だったんだ」
何となく瀬名作品の中で後回しにしていた本作でしたが、激しく後悔。これは凄い。『パラサイト・イヴ』や『ブレインヴァレー』では「何となくネタとして面白い」レベルだったのが、『8月の博物館』で物語性を増し、本作で科学と物語の融合の一つの結実を見たのではないか。「ロボット」「脳」「知能」のいずれかの語がヒットする人であれば引き込まれるだろう。冒頭はややゆっくりめだが、200ページを超えたぐらいからが圧巻。
心の哲学,認知心理学,人工知能関係の諸問題を物語と共に一冊に詰め込んだ密度が凄い.ただ,それらの学問から大きく外れることなく進行していき,新たなものを提示できてるのかどうか……問題から逃げてるどうこうの話があったけど,あんな基本的なところ無視しねえよと今は端においとくにしても常にもっとも解決すべき問題として意識し続けてるだろうよと.グラフ理論を絡めたところは興味持ったけど分量少ないうえに全然分からなかったorz 最後の最後で登場するのが4枚カード問題とか,あれ本当に必要だったんでしょうか……
読みこなすのに哲学と理系のちょっとした知識が必要な本格派SF。中盤までは割とすいすい読みこなすことができたのだが、後半からは難しいというか作者の言いたいことがそれまでと違っているような引っかかりを感じて読むのに時間がかかってしまった。知能、意識、心といった哲学的なテーマを全面におきながら奇怪な事件を紐解いていく作りは非常に好みに合っていて楽しんで読めた。ぜひともまた読みなおしたい作品なのだが、オチだけがどうしても弱い気がしてしょうがない。理解が追い付いていないせいだろうか。
ヒューマノイドを題材に人の意識に問を投げかけ突き詰めるSF小説。ジャンルは間違いなくSFだと思うが、哲学や心理学の分野の事柄が次々登場する。全体は3部構成になっており1部は比較的すっと入り込めるが、2部以降、登場人物が増え、登場人物の数だけ世界観が提示され、よりによって語り手の一人称のほとんどが「ぼく」であるため混乱することしきり。意識は身体に縛られて、それゆえの不自由さがあるけども、身体は僕らが世界と繋がるための観測可能な依代であって、依代がなければ僕ら凡人の意識は雲散霧消するのではあるまいか。
読み始めるまでに少し躊躇いはありましたが、結局のめり込んで一気に読破してしまいました。元々興味のある分野ではありましたが、理解しきれない部分があるからこそ面白く感じたのかもしれないです
瀬名秀明の長編をいくつか読んだ中で、個人的に一番魅力的と感じた主人公だった(八月の博物館の悩める作家さんも好きだけど)。 作品中に、逆さメガネをつけた時の主人公の描写が詳しくあり、かなりしんどそう。あとがきに逆さメガネ貸与のお礼があるので、実際の逆さメガネ体験が反映されているのだろう。たとえつらくても、できる事なら私も一度体験してみたい。
知能やそれに付随する様々な事柄(心脳問題、自我、認識、チューリングテスト、フレーム問題、言語、自由意志、ネットワーク、自己組織化…etc)を道具に使った物語、というよりは、ヒューマノイドを題材にすることで工学的リアリティをもって、そういった種々の問題について物語風に語った感じ。扱われている問題はどれも個人的には興味のあることで一気に楽しく読めたが、それなりに背景知識を知っておかないと読みづらいというのと、大風呂敷広げた割にはうまくまとめきれてないような気がした。が、僕の理解力不足なだけかもしれない…
思ったよりも読むのには時間をくったが、そんなに長時間読んだという自覚が湧かない。結局、SFとしては理解仕切れない部分もありながら、至極面白かったらしい(笑)デカルトと、指輪物語が無性に読みたくなった。
読む前に背景知識を少しでも仕入れておけば、もっと楽しめたかもしれない。ただでさえ扱う内容は高度な上、書き方も読み手を試すような技法で「あぁ、読み切れなかった」と負けた気分になり多少悔しい。私たちはロボットを“子供部屋の中の存在”として考えていることはほぼ間違いなく、だからこそフレーム問題等に示されるようなメタ認知の壁について提起されると、ここは将来に向けて深く考えねばならないのかなとも思う。そういえば久々に巻末の解説が面白いなぁと思った
面白かったがとても難解で、娯楽として読むには求められる知識や理解力のハードルが高い。全ての言葉の意味が分からなくても、何かものすごいことが起きようとしているという緊迫感が伝わってきてドキドキしながら楽しんで読めた。攻殻機動隊(「Ghosh in the shell」や「2nd GIG」)の雰囲気が好きな人は楽しめると思う。とにかく読んでいて衝撃的というか凄い!と思う小説だった。デカルトの「方法序論」などを読んで、今度は雰囲気だけじゃなく内容もじっくり味わって読んでみたい。
ロボット知能分野の研究者なら耳にしたことはあるであろう瀬名さんの自信作.脳,ネットワークの中の自我,フレーム問題,心の理論,メタ認識,チューリングテスト,自由意志・・・これらの言葉にときめきを感じる人にはおススメ.すっぱりエンタメと割り切って,もっとケレン味たっぷりで展開しても良かったんじゃないかなというのが感想.問題に真摯に向き合ってる分やや対象はニッチかも.
強く興味を魅かれるテーマだけに全体を通じて面白くはあったけれど、自分自身の知識と理解力が追いつかずてこずった。コレを読んでる間、私自身が密室に閉じ込められていたような感じ。玲菜のような女性にあこがれる。
一度読んでみたいと思っていた作家さんの本だったので。チューリングにちなんだAI大会で、「ぼく」の自律型ロボット「ケンイチ」がフレーム問題で惑乱して、というあたりから物語は展開。知能とは自我とはなど魅力的な議論テーマだし、デカルトはもちろん、チョムスキーとかヴィトゲンシュタインとかミンスキーとか、聞きかじった名前がたくさん出てくるけど、いかんせん不勉強が祟って、「面白い」とまではいかなかった。フランシーヌは「犀川先生&萌絵」の真賀田博士と印象が似てる。
難解な文章は人間というものの定義を求める。世界と学問とさまざまな言葉に酩酊状態になった。ある意味気持ちいいのだけど、ミステリかと言われると疑問。人は何故、自分に似たものを作ろうとするのだろう?人とロボットのあり方を深く考えさせられた。色々な本の引用があるのでもっと本を読まないとなぁ。
序盤は興味深かったが、中盤以降は期待はずれ。テーマのすり替えが行われている。読者に対するごまかし。解説の言葉をあえて借りる。作者は、サイエンスとフィクションの狭間で、かなりの妥協をしているのではないか。作者の逃げなのか、一般向けの作品であるという枷によるものなのかはわからないが、学術研究を生業とする者の端くれとして、大変残念に思う。
ロボットらしさとは何か?という命題の物語。哲学的な要素が絡むこともあってメタフィクションと言えなくもない。第一部がかなり好みの展開だったけどなあ……。
これ一冊ではなんとも言えないが、作者自身が「密室」や「物語」に囚われ、袋小路に迷い込んでもがいている印象。『八月の博物館』で吐露した苦悩呪縛から未だ抜け出せていないのか。プラス作者はAIに限界を感じているのだろうか。ブレイクスルーは少なくとも当分はあり得ないと思っているのだろうか。読み方が的外れなら、誤読ご容赦。だが訂正はしないw一番残念なことは、この作者の本からはSFの匂いや香りがしないんだよ。617ページ
よだれだらっだら。いうことなし。僕が死んだらこの本と共に埋めてください。
ロボットと意識を語る瀬名さんほどハッピーな生き物はいないなー/『2001年宇宙への旅』や『不思議の国のアリス』を冒頭で強引に物語に取り込みことによって、読者に他の物語作品との関連付けを強要させている。『指輪』ちょくちょく出すのも中毒効果持続させるため。その力技に惚れた。/宇宙の密室と申したか/作中で語ってるほどデカルト読み込む必要なくね?
面白えぇ!と震えた。勉強不足のせいで、内容は3分の1ぐらいしか理解出来ていなかった…けど、面白い!SFでこんなに興奮したのは初めてだった。作中の本をすべて読んで、デカルトも理解してから、再読しようと決意した。ロボットのフレーム問題なんて、初めて聞いた。
デカルトの密室の
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感想・レビュー:58件














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