家族八景 (新潮文庫)
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家族八景の感想・レビュー(1363)
選りすぐりの極端にドロドロした家族というわけではなく、普遍的な、端からみればあくまで「一般的な家族」の病巣を描いているのかもしれない。唯一のハッピーエンド(?)である「芝生は緑」がお気に入り
心理学の本を読んでいるかのような細かな心理描写。まったく色褪せていないのは、人間の本質に変化がないからだろう。悲しい現実ではあるが、読み物としては最高に面白かった。筒井さんの独特な世界観は癖になる。
筒井康隆氏の著作を初めて読みました。昭和45年ごろ発表されているのですね。テレパスで読み取る人の精神構造を文章で表す。当時ではなかなか画期的だったのではないかと思います。内容的には、七瀬が一つの家に居る期間が短すぎるのではと思うところだけれど、状況的に仕方がないのか・・・
人間の心理って恐ろしい。外からは何でもない会話に見えても、実はお互いの心は相手に対しての怒りや嫉妬に満ちていたり…。しかもこれは現実の世界でありえそうだから怖い。実年齢よりも大人びた思考をもつ七瀬に魅かれる。
再読です。今年こそ読書習慣を取り戻そうと最初に手にした本。全く色褪せてないな。七瀬を取り巻くさまざまな人たちの精神描写には、脱帽の一言です。
ドラマと併走し、違いや演出などを見比べようと思ったが、先走って読み終わった。人々の本音や外面の偽装を地の文で書き表すのではなく、テレパスという人物の視線を借りることでエンターテインメントに仕上げている。出てくるのは俗物だらけ。自己本位で驕慢、卑下している者はいない。発想の勝利だけではなく、他人の人生を多く、クールに、辛辣に想像しているからこそ、こういうものが生まれたのだろう。
短編に出てくる人物で、誰か一人は七瀬に下心を持っている。あとの短編になるにつれ、七瀬の描写が美しくなっていくのが悲壮的だった。七瀬に結婚するのでと言われ、ふられたおじさんの内面の嫌な混乱が凄かった。
読んでて気持ちの良い物ではなかった。人の心なんて読めないに限る。
うわあすごい傑作じゃないですか! 特に「水蜜桃」は鬼気迫るサスペンスに息を呑みました。異形の者の悲しみと強さを描いたサイコホラー。続編も近いうちに読みます。
他人が何を考えているか読めたら無敵だろうな…そんな考えを一蹴する内容。こんなに流れるように他人の思考が頭に入ってきたら…自分の事について相手がとんでもない考えを巡らせていたら…読んでいるだけでグッタリでした。結局みんな頭の中で考えてる事は同じなんですね。私が七瀬なら間違いなく人間不信になります。ドラマも始まったみたいなのでぜひ映像で観てみたい☆
七瀬を通してみる家族の姿は何とも滑稽に思えた。けれど、その人間臭さにどんどんと惹きこまれていく。どんなに表面を繕ったって頭の中で考えていることなんて、大したことない。私はそんな人たちの頭の中を覗き見て嘲笑する・・・あれ?私とどこが違うんだろう・・・
テレビの第一話をみて興味を持ったので。家政婦として家を転々としている七瀬の能力は、人の心が読めること。一見円満で幸せそうな家庭の本当の姿を見てしまう。脳内で繰り広げられる、文章としては不完全な思考の塊が表現されていて面白かった。続き物なので次も読もう。
家政婦の火田七瀬は18歳。彼女が向かう八つの家族は一見何もなさそうな家族だが実は様々な事情を抱えている。そして彼女はその家族の様々な事情を知ることができる。それは彼女が人の心を読むことができる為であった…。【感想】昔から名前は知っていたがドラマ化をきっかけに読んでみた。ほとんどが人間の感情の暗い部分を描いていてかなり後味が悪いブラックな感じですな。あと直接的な性描写はないんだけどなんかエロさを感じてしまう(笑)。でも古臭さを感じない描き方だと思う。ちなみにドラマもうまい具合に面白く映像化してると思った。
本屋で平積みにされていたので懐かしくて再読。なぜ今と思ったらドラマ化なのね。昔読んだ時はもうちょっと官能的な印象があったけど今読むとひたすら黒い。これ映像で表現できるのかなぁ。安易なお色気だったら残念なことになりそう。「ふたたび」が好きだったのでこっちも読む。
ドラマが始まる前に紹介されていたので、手にとってみた。 ドラマは見ていないが、おそらくオリジナルの方が断然面白いのだろう。 読む前に驚いたのが、昭和50年にすでに刊行されたものであるということ。 今読んでも全く古さを感じさせないものだった。 七瀬の持つ力によってもし自分の心を読まれたら、と思うと戦慄が走る。 七瀬の読心術によらずとも、男は少なからず異性に持つイメージは同じだろうと思ったからだ。
初筒井さん。七瀬のテレパシー能力を使ってとはいえここまで家族を黒く表現出来るのが凄い。初めのうちこそシュールな面白さを抱く余裕があったものの段々そう思える余裕もなくなるほどのブラックさ。それに次第に慣れていく七瀬の逞しさが可哀相とも心配とも感じとれ、、、複雑な気分です。八景の参考文献におうち関係のモノが無かったのが最も笑いを誘う、想像でありますよう!(笑)
長編読んでみたいと思って選んだけど短編だったのね。でも大変面白かったです。人間のいや〜なところが笑える感じで書かれててすごい。はずれの話がなくてどの話も濃い。最後の最後にあの後味悪い話をもってくるのもすごい。七瀬が「いい子ちゃん」じゃないのにも好感。シリーズ化されてる人気作みたいだから次のも是非読みたい!
ドラマがおもしろかったので、原作にも挑戦。さくっと読めたが中身は重い。40年近く前に書かれたのに、古臭く感じないのは「家族」というものの実態がそれほど変化していないからだろうか。七瀬と「神」についてもっと考えながら読みたい。
心理学用語がよく出てくるなあと調べてみたら、著者の大学時代の卒論が精神分析とのこと。なるほど。どろどろした話に思えるけれど、こういう家族の形って割と他の小説にもよく描かれてる。それを突き詰めていけばこんなにえぐい話になるんだなあ、と。七瀬がただのストーリーテラーでなく、自分の能力・容姿を分かった上でテレパスを利用するのもいい。黒い。
今までに筒井さんの著作は何作か読んできたのですが、作風が合わないのか、どうも好きになれずにいました。しかし本作のダークさには心をグッと掴まれました。こんな人間ばかりならば信太郎でなくとも人間不信になってしまいます。七瀬も結構性格悪いし。とりあえず結婚はしばらくいいです。後味の悪い作品が並ぶ中でも『紅蓮菩薩』『亡母渇仰』は白眉で、読後は暗澹とした気持ちになります。第一作では人間の欲望・狂気をここまで描いたというのに、巻末の案内によれば続作は異能力バトル風味。いったいどうなるのか、『七瀬ふたたび』が楽し
前に読んだのは20年くらい前だ。本棚から発掘。カバー絵が違う。えーっと。当時は多分そうは感じてなかったはずだが、今は七瀬が市原悦子に変換された。
筒井さんの本は旅のラゴスしか読んでなかったのが、ドラマ化するようなので購入。旅のラゴス同様やっぱり面白かった。人間の心の黒い部分と評価される方も居るでしょうけど、まあ普通の人間ならみんな似たようなことは考えてますよね。七瀬自身も聖人君子でないのも良い。最後のシーンにはゾッとしました、私はあんな風にはなりたくない・・・。
筒井康隆の本ってこんなに面白かったのか。括弧書きの心の中が面白すぎる。毒気満載、こういうの好きだ。七瀬がブラックなのもいい。私にテレパスなくてよかった!(笑)
堤幸彦脚本でドラマ化するというので手にとったが面白い!七瀬のシニカルな視点は限りなく神に近いが、彼女自身はあくまで生身の「神を持たない」人間であって、それがこの作品の魅力となっている。人間が生きていくうえで、本心を隠し・飾り立てる言葉というものがいかに重要で薄っぺらいか痛感する。
情欲、肉欲、嫉妬や憎悪。汚濁と化した意識の嵐の中をエスパス七瀬が必死に生きていく短編集。どのお話もオチがドス黒で劇毒物注意っす!しかも七瀬自身も結構辛辣~。脳内キャストは七瀬=真木よう子で読んでみました~『七瀬ふたたび』はもう読んじゃったから次は『エディプスの恋人』かな~
初めて読んだのは中学生の時。木曜の怪談版七瀬ふたたびのドラマがきっかけで、母親から七瀬三部作を借りた。性的描写のエロさに「お母さんから借りたのにエロい」と衝撃を受けたのを未だに覚えているが、今読んだら普通だった。おそるべし三十路。家族八景は淡々としていているのでさらっと読める。よりSFファンタジーな感じを求めるなら続編の七瀬ふたたびとエディプスをオススメしますってもそれも読んだの15年以上前ですが。
人の心を読み取ることができる超能力を持った、住み込みのお手伝い七瀬によって明らかになる八つ(+1?)の家族の心象風景を綴った短篇集。|家族という無遠慮な激情で結びついたブラックボックスに、心が読める第三者が入りこんだら、何が明かされ、どんな結末を迎えるのか、野次馬根性は俄然高まる。初めの二編こそ物足りなさがあったが、直截的な心の叫びに胸くそ悪い思いをしながらも面白く読めた。特に「水蜜桃」「紅蓮菩薩」「亡母渇仰」は圧倒された。続編は毛色が違うようで、もっといろんな家族を覗いてみたかった気もする。
1日一話ずつよんだ本。怖いくらいの日常。おもしろい。さすが。ひきこまれました。この作品を読んですごく思ったこと。七瀬の精神の強さ。発狂してしまった人や人の死の瞬間を見たにも関わらずの割りとあっさりとしたその後の七瀬(笑)なんだか作品のおどろおどろしさと心描写との矛盾を少し思ってしまった。が、おもしろい!このような家族が現実にいるのだろうか?少なくとも私の家はまだ壊れていない(笑)三部作最後が気になります
映画「七瀬ふたたび」をみたので、その前作をさかのぼって読みました。えぐいなあ、でも、こころの中はどうであれ現実のほとんどの家族は、積木を壊さないように、おりあいをつけて暮らしているんだと思いました。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 12/30
タイトルを一見して、緩いコメディ寄りの作品なのかな、と軽い気持ちで開いてみたらとんでもなかった。そこに広がるのは共に過ごした長い時間の経過がもたらす、目を背けたくなってしまうほどの憎悪の嵐。家族なんて所詮かりそめの共同体に過ぎない、と深く絶望させられる一方で、「芝生は緑」の一風変わったラストシーンは夫婦であることによってだけ確認出来る、屈折した愛情の表現に思わずハッとさせられた。愛情と憎しみはコインの裏表のようなものである以上、家庭を作り出すのが愛情ならそこに憎しみを住み込ませる「空き部屋」も必要なのかも
筒井康隆作で、主人公がテレパスで、家事手伝いをする。どう考えても毒素は過剰になると思っていた。案の定猛毒作品で、軽く不安定になっております。まさか主人公の七瀬自体が毒を持ったキャラで、夫婦関係を実験台にすらしてしまう。エスパーなら普通の人と違って仕方ないのだが。筒井康隆作品の割にはドタバタ度が低い。そのためよけいにきつかった。もちろん、作品としては最高なんだけど。
家族八景の
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