秘密の花園 (新潮文庫)
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秘密の花園の感想・レビュー(709)
世代、環境、学校、感受性…なにもかもが自分とはかけはなれた少女たちの一人称の物語。共感しがたい部分が多かったが、那由多がやったあの行為には、心の中で「やってしまえ」と思いながら読んだ。自然と先日読んだ道尾氏の「向日葵の…」と重ね合わせて読んでいた。一人称は自分を主人公にした特別な物語を紡ぐ。特別な人間でありたいと自意識過剰だった大昔の自分を思い出して恥ずかしくなった。今の私は平々凡々であることにほっとしている。
桜庭一樹の「青年のための読書クラブ」や米澤穂信の「儚い羊たちの祝宴」と似た香りのする本。私の通ってた女子校はこんなんじゃなかったなぁと思いつつ、ついついこの手の本を読んでしまう。。。
想像以上に薄暗い雰囲気。複雑で繊細でどこか掴み所がなくてちょっと息苦しくなる。女って怖い。男の人が読むとどう思うのだろうか。女子高に通ってたけどこんなにドロッと濃厚ではなかったかなー、多分。
誰かと仲良くなりたい気持ちや執着する気持ちは、なんとなく分かる気がする。お互いに同じ気持ちになるのはとても難しい事だと改めて感じさせられた。 パンドラの箱に残った希望も災厄の一つであるという翠の言葉になるほどな!と思った。希望が残されているからこそ人は悩んだり苦しかったりするんだな……。残された災厄を捨てるか持ち続けるか、その人次第だ。
三人の女子高生を主人公とした連絡短編集です。三浦さんらしい行間に、ほのかな色気が感じられる文章だと思います。少しの重苦しい感じと、少しの危うさが感じられるのはハマると抜け出せなくなるものがあります。多感な時期の少女たちの想いが、他者からの視線で、また本人からの視線で良く描かれています。それぞれの視線で別の人の様に書かれているところもあり、自分の思う自分、他人が思う自分 、それらを含めて自分なのだと思わせる作品です。三浦さんの作品の中では上位に来る作品ではないが、それでも三浦さんらしい文章の作品だと思います
自分の内側にある感覚にすごく敏感な3人の話。一見、3人とも冷ややかに世界を見ているようだが、読み終えるとやはり多感な少女の危うさと過剰さがふんだんに盛り込まれているのがわかる。
性的な描写も含まれる分、決して「ファンタジー」にならぬ女子校モノであった。3人の少女の各々の視点で綴られるお話は思春期の少女の微妙な心情をよく描けている。自分が女子校モノが好きなのはそういった点にあるのかもしれない
少女たちの話だが、人の心の中をのぞき続けた作品だったように思える。それぞれが様々な思いを抱きながら、嫉妬し羨望し謀り、誰かの言葉に安心し、保身で冷たく。おびえさえも、自分が一番好きな証拠であるという彼女の言葉がずしんと来た。一番大事なのは自分で、誰もが物語の中心になろうとしてる感じを受けた。いわゆる悲劇のヒロインだ。そんな劇的なものではないものの、些細な言動で私たちは喜び、傷つき生きていることを感じた
カトリックではないけれど、大昔女子高で6年間を過ごした私には、色々な意味で頷ける、懐かしく、そして悲しい一冊でした。少女から女になる一時期を過ごす「秘密の花園」…狭い世界だけれど、少女達は一生懸命生きているのです。どうでもいいことですが、「なゆた」と入力すると那由多(主人公の一人の名前)と携帯ではきちんと変換されるのに、私のPCは変換してくれません。携帯の方が那由多の情報量があるようです(笑)
少女たちの抱える閉塞感、狭い世界の中で壊れていく様子に目が離せなかった。彼女たちの抜き差しならないどうしようもない激情に薄ら寒くなる。なお三浦しをんさんは、エッセイとの文章のギャップが秀逸です。
読みながら、心の何処かに忘れていた何かが、急激に唐突に甦ってくるようなざわざわとした衝動を感じていた。少女ほど、純粋で残酷で美しく醜いものはない。那由多・淑子・翠のそれぞれの中に、かつての自分がチラチラと顔を覗かせる。表層とは裏腹に、秘密の花園では常に 洪水が起こり、闇を照らす圧倒的な光に呑み込まれ、真っ赤な塊が震えを起こす。私たちは胸の中に、今でも「少女」を密やかに抱いて生きている。
ざ・思春期って感じがまぶしくこそばゆい。終わっちゃうと忘れちゃうから、彼女たちの気持ちがなんとなく懐かしいような、懐かしい事が面倒なような不思議な気分で読んだ。あの面倒な時期も、もう戻れないかけがえの無い時だったんだなーって今は思う。
水瀬さんの感想から。女子校に通ったことはないけれど、女の子って多かれ少なかれ、こんな感情を持っていたりすると思う。作品の雰囲気がとても好きでした
おもしろかった。しをんさんは実は多重人格で自分の中に何人も飼ってるんじゃとしばしば思ったり思わなかったり。彼女たちの中では日々いろんな「事件」が起こるけど、明確な「解決」がないのもまたいい。高校時に自分の内面で生じる疑問は膨大なのにその一つ一つはちっとも解消されてかないので、溜まる一方だから、困ったもんです。
少女をとろとろに濃く煮詰めたような小説。まさに私の大好物ww タイトル、那由多・淑子・翠といった登場人物の名前、引用する作品、全編を通しての曖昧な雰囲気…すべてがthe少女小説で素敵だった。 残酷で自意識過剰で閉鎖的な小説の中の少女たちの魅力を再認識。
カトリックの女子校に通う三人の少女のお話。穏やかに狂っている世界が心地よかったです。すごく特殊な世界のようにも見えるけど、実際女の子ってこういう生き物ですよね。私だってこの三人にそれぞれどこかしら似てる。
「女の子」ほど大変な生き物はいない。繊細で残酷で鈍感で愛情に満ちて憎悪を溢れさせている、だけどどこにでもいる生き物。ひとときだけの濃密な時間。素晴らしかったです。それにしても那由多の痴漢撃退が強烈すぎてしばらく悶えました……
女子校ものはコメディタッチのものもシリアスなものもたくさん読んできましたが、ここまで精神を抉られるような痛みを感じたのは初めてです。シリアス系女子校青春ものの傑作だと思います。好き/嫌い、自由になりたい/籠の鳥でいたい…少女のアンビバレントな心理を克明に描き出す感性の鋭さにノックアウトされました。女子の暗黒面や思春期特有の息苦しさをリアルに描くだけなら他にも優れた作品はありますが、それだけで終わっていないところが三浦作品の一歩抜きんでた魅力だな~と思います。
友達が怖い怖いと言っていたので構えて読んだからなのか、自分が女子校出身だからなのか、なんだかあまり違和感なく、受け入れられる話でした。思い返してみれば、自分の女子校時代にも、こんなことが身の回りで起こっていたような気がして、それを平然と思い返していた自分がすこし怖いくらいでした。決して後味が良かったわけではないけれど、女子校の女子高生の心情がとても鮮明に描かれていたと思います。
★6。女子高を舞台に3人の女子高生をそれぞれ主人公にした連作?短編3つを収録した作品。それぞれの主人公がそれぞれに心の内に問題を抱えているのですが、今一つ共感出来ませんでした。きっと男性が読むか女性が読むかでも、随分感じる印象は違うのではないか、という気がします。只でさえ女性の心理はわからないのに、ましてや多感な女子高生の心理なぞ言わずもがなですね。こういう世界もあるのかな、という感じでした。
初・三浦しをん。
タイトルがきらびやかなのに対して内容はわりとダーク。
女子校出身だけど確かに淑子系の女子はいるかもしれない。
那由多、翠みたいな子はあまりいなかったけど、本について語りあったり思想を交換しあったりするのはしてみたいな、と思った。
とにかく那由多、淑子、翠の三人の関係がすごく歪。
ひとりひとりが悩んでいろんなことを考えて、誰にもわからないんだということがリアルで印象的。
なかなか難しい話でした。皆そんなに悩み事を抱えているものなのね。ちょっと彼女たちの精神状態が心配(←)。結局、淑子どうなったの?てか那由多、そんなに学校休んじゃって大丈夫か?など、ちょっとモヤモヤが残ります。「カトリック系の女子校」で連想される閉鎖的な雰囲気は出ていましたが、それはあくまでもイメージであって、こんな女子校、現実にはないんじゃないかなぁ。女の子たちの考え方も、女子校生にしては達観しすぎていて、あまり共感できず、入り込めず。
三浦しをんさん二作目です。女子高が舞台で、男子の私には色々理解しずらい面もありましたが。。内容とは真逆の印象になりますが、文章のタッチが柔らかいところが個人的には好きな作家さんです。
共感できないなー。あんまり好きじゃない。思春期特有のどろどろした考えとか孤独。自分を特別だと思うこと。もっと楽に生きれたらいいのに。 三浦しをんてこういうのも書くのね。でも私が三浦しをんを読みたいときに読みたいのはこういうのじゃなく、もっと爽快なやつ。
読み始めてすぐに、一度読んだことがあると気づいたが、内容を全然覚えていなかったのでそのまま最後まで読み直した。やはりふんわりつかみどころがない。女子だけど共学だったので、異文化というか…「横浜にあるお嬢様学校のテンプレ」な印象
三番目の、翠のはなしが一番共感できました。女の世界はまさに「秘密の花園」。男は花園を構成する物質の一つでしかなく、その世界では生きられない。……女って怖い。
普通に見せているけど、普通ではない子たちの、普通の心の闇なのだろうか?孤独の恐ろしいまでの深さ。男はどうも浅いようですね。
私は一人だ。~誰もわたしを一番にはしない。~ついでに言えば成績だって容貌だってそうだ。私はいつも平凡な場所に一人でたたずんでいる。……二番目のお話に共感するところがありました。女子高にいたからかな。
結末をハッキリと書ききらない話は、それはそれで納得できるものとそうでないものがある。この作品に関しては後者だった。もぞもぞする!でも繊細な少女たちの心理描写はさすがだなと。私も女子高出身だがこんなこと考えていたかしら。
やはり女子校物は苦手。ダ・ヴィンチで書評家さんが「このリアリティ!」と勧めていたので挑戦しましたが共学しか知らないからでしょうか、女子校の子ってあんなに繊細なの?3人の苦悩、焦り、絶望は理解できますが、それをあんな風に詩的で儚げな表現で心の中で抱えていたか、というと私自身はもっと単純であっけらかん、としていた記憶しかありません。と、自分自身に置き換えてしまうので、普通の女の子や女性が主人公の日常を描いたお話は苦手なんでしょうね。繊細で儚げで、その実逞しさや狂気を孕んだ少女のお話が好きな方にはお勧めです。
研ぎ澄まされたコトノハの連なるうつくしい連作短編集。激情に駆られたときかに読むと落ち着くのです。
しをん先生の幅広い作風には本当に驚きます。三話目の終わり方が怖く、何か暗いどこかにすすんでいくような気持ちになりました。作品全体が、カトリックの学校が舞台という背景もあるためか、白いイメージですが、その白さの中にぞっとする怖さが潜んでいます。・・・女子高独特の、もうすぐ大人になる女性が集団にいる中の、一見華やかで清楚そうな中の隅にある暗さが見えたように思いました。
自分の学生時代はこんなに複雑なことを考えていなかったので、ちょっぴり羨ましささえ感じてしまった でも女子高にある濃厚な空気感は凄くよくわかる なんとなくどろどろしているような濃密で濃厚な空気があるよなぁ 純粋の中にある、暗く残酷な少女達の1面を覗き見ているような気持ちになりながら読みました しをんさん独特の世界にどっぷりとつかれる作品だなと思います
秘密の花園の
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