項羽と劉邦〈下〉 (新潮文庫)
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項羽と劉邦〈下〉の感想・レビュー(506)
上中下巻と進むにつれ、のせられてしまった。最初はなかなか読めなかったはずなのに不思議なものでどんどん読めるようになり、世界に引き込まれた。司馬遼太郎さんの凄さ。わたしはいつの間にか項羽が好きになっていて、勝ち続けていた項羽が死に哀しかった。虞姫を愛する姿、身内や配下を大事にする姿、勇猛な姿に惹かれる。20万人坑する行為は到底受け入れられないが、それも時代に生き、覇王になる者であるが故、殺すか殺されるかの時代であるが故だと思い馳せる。評するのはおこがましいが、構成、人物の洞察、巧みな筆…。司馬さんは凄い。
このような本は色々な読み方があるものだと思う。私は劉邦と韓信の関係に興味をそそられた。少し前になるがヤマハを立て直して実力を持ったが故に会社を追われた河島氏、いつの間にか実権を握りオーナーを名誉会長という閑職に追いやったコンビニの大将軍閣下。現代でも起きている事象。 権力争いは2000年以上経過しても本質的には変わらない。
下巻のさらに後半にもかかわらず、劉邦が「誰か王を変わってくれ、地元に帰って隠居する」と言っているのに笑ってしまった。項羽と劉邦、出てくる登場人物にまた会いたいと思って再読する日が楽しみ。漢統一後の身内の争いは残念。後、日本が弥生時代の話なのに、登場人物の長所短所とかを自己啓発的に参考にできる所が凄い。
王朝の交代、時代の転換期としては春秋より短いが密度は高い。他の人の小説と比べると、各々のもつ人物像の違いがよくわかり面白い。特に項羽は『愛すべき馬鹿』としていろいろな見方があると思う。項羽が死んだ時点で小説は終わるが、その後は戦後処理と劉邦の不毛な戦いが続くので小説としては正解だと思う。だが、その後の身内同士の虚しい戦いも知ってこそ『歴史として』総合的な判断が出来るのではなかろうか。あくまで小説ですよ。
中国の歴史ものを初めて読了(読めた)。地理的及び周辺知識が少なく読み進めるにあたっては必ずしもスッと入るものではなかったが、上中下読み切れたことが嬉しい。項羽の「強さ」、劉邦の「徳」を対照を際立たせたストーリー展開は分かりやすい一方で、中国の史実がやや物語的に書かれたものであることが推測される。「四面楚歌」の部分は、その象徴的なシーンだと思われ、そこまでの両者に関しての対照的な記述は、この部分で鮮明に表れることとなる。
「背水の陣」「半ば渡る」の韓信の戦術が光る。劉邦の度重なる敗戦にも関わらず、最後には天下を獲ったのは周囲の人を得たこと。項羽は天が自らを滅ぼしたと唱えるが、やはり人を得なかった故の末路と感じる。そうはいっても、比類なき勇者の死、ラストの垓下の戦い・四面楚歌は哀しい。
四面楚歌という単語が情景と共に浮かび上がりました。結末はわかっていましたが、こんな悲しいことってないです。項羽同様、私もなぜ劉邦が最後に大逆転したのかわけがわかりません。みんな仲良くな劉邦が勝つのはどうにも予定調和というか説教臭くて嫌です。項羽という自分に絶対の価値観がある人間こそ新たな歴史を斬り拓くのにふさわしいです。
下巻の終盤は喫茶店で読んでたんだけど、隣の机の女子大生がサークルの先輩にフラれたとか何とかでめそめそ泣いてて、僕は聞きながら「(項羽の方が何百倍も可哀想じゃ、ボケ)」って思ってた
俺が王様の項羽とほっとけない劉邦。項羽の半ば自滅という感もあるが、それも天が味方するということなのか。韓信も含め、大事を成す人間というのはまともな(常識的な)人物では無理なのかも。凄い人等とは思ってもやはり理解はし難い。凡庸の身としては張良や蕭何が理想です。
司馬遼太郎が天才なんだな。人間の観察、人にとって重要なこと、才能、または天命や自然の理について、こんなに重厚な視点を持てるなんて!いつも極限の状況で人が際立つ物語を書いているけど、この作品は本当に勉強になった。
兵数の規模、二十万人の生き埋めなど話のスケールが非常に大きい。身内贔屓をする英雄項羽、器が大きいだけの百戦百敗の劉邦を始めとして魅力的な人物達の人間模様が面白い。また現代にまで残る言葉の語源が非常に多く勉強になった。
解説で谷沢永一氏が「本書を要約すると人望とは何かをめぐる考察」と評しているが、まさにその通りであろう。項羽に思い入れて読む人もあれば、劉邦を贔屓に思う人もいるかもしれない。また、韓信や張良を中心に考えている人もいるだろう。わたしは終始項羽の在り方にはあまり好意を抱けなかったが、最後まで読み通すと、単純な好き嫌いではない複雑な思いがわいてくる。結局本書の登場人物は、物語的な意味での英雄や豪傑は一人としていない。生身の人間が生きるということは、醜くもあり、卑屈でもあり、恥ずかしくもあり、そしてカッコいいのだ。
司馬遼太郎「項羽と劉邦 下」読了。項羽が挙兵してから死ぬまではたった7年なんだけど、それは最後の最後で分かるだけで、途中どれくらい年月が経ったのかが分からない。全体的に非常にアッサリした語り口なので、項羽の最期も淡々としてる。イマイチ真に迫って来なかった。残念。
劉邦の無能ぶりにイライラさせられる中、張良と韓信がいい味を出していた。項羽の最期を持って幕を閉じるこの作品は、とても2000年以上前の話を書いているとは思えないくらい人間ドラマがあり、アツい小説であった。
項羽の勢いと滅亡、四方から劉邦についた楚人の歌が聞こえる。 力は山を抜き 気は世を蓋う 時利あらず 騅逝かず 騅逝かざるを 奈何すべき 虞や虞や 若を何如せん 項羽の最期が何とも言えない。 劉邦は生き残り、天下を統一する。
司馬さんの本にしては、テンポ良く読む事が出来なかったなぁ。いろいろな人にフォーカスがあっているので、感情移入してのめり込むという感じではなかったかな。中国歴史ものだと、宮城谷昌光さんが好きなので、そちらもまた読みたくなりました。
項羽が身近に居たとしたら我慢ならない存在だろうな。死に行く場面以後の司馬遼太郎の項羽への愛着とも取れる表現を読んだところで、少しだけ可哀想になる。
最後まで一気に読んでしまいました。項羽は天才ゆえに誰も必要とせず、劉邦は無能ゆえにさまざまな人間を必要とした、このあたりに勝敗の分け目があったのでしょうか。項羽の最期ははまさに死に花を咲かせるという感じですね
授業で「鴻門之会」をするということで読みました。
深夜に目を血走らせて読むほど面白かったです。
項羽と劉邦、そして彼らを利用し支えようとする人々の個性が丁寧に書かれているおかげで読みやすかったです。
歴史が大きくうねる様もわかりやすく書かれ、理解しづらい当時の風習も丁寧に解説してもらえます。
人望とはなんなのか。どちらも魅力的なのに、魅力を感じる箇所がまるで違う、人間の面白さ。兵の本質を見なければならない。この時代の兵は流民であった。だから食わさねば勝てぬ。兵站線を維持できなかったことが敗北へと急激に叩き落とした。
漢王百敗なのに、ついに天下を取る。項羽の強さは圧倒的だが、劉邦の度量の広さも、また、人間離れしている。実におもしろい。
例え個人にいくら力があっても、天下を取れるとは限らない。最終的に百戦百敗の劉邦が漢帝国を創る訳で…。「猛将」「英雄」たる項羽が、結果的に劉邦に及ばなかった。「天才」故に「覇者」となれなかった皮肉。背水の陣、四面楚歌は以前、高校の授業で読んだが、その時とは項羽の印象が違った。漢詩だけ読んでも解らないに決まっている…。高校の時に読みたかった…。
物語にのめりこめなかった。横山光輝のマンガを先に読んでいたが、ストーリーを知ってるだけに次に早く進めてほしいのに脱線が多すぎた。背水の陣や四面楚歌のくだりはもうちょっと濃く書いてほしかった。ただ、やっぱりその後の韓信が気になるので韓信の本を読みたいと思った。
やっと読了。キリストが生まれる前の中国。日本よりはるかに当時文明が進んでいた。自分の弱さを知っている劉邦。戦略より食の心配をした劉邦。もっと若いときに読んでればよかった。三国志よりも面白かった。。
初めての歴史小説。劉邦の神輿を担がれる類のカリスマ性が印象的でした。閑話休題。劉邦さん、たいそう立派な鼻をしていたとのこと。以来、人の鼻を無意識に見るようになった気が。
何回読んでも項羽と劉邦の関係はとても興味深い 優秀な部下を持った劉邦が天下を取ったが自分としては項羽の強さや真っすぐな気持ちが好きだ
項羽が主人公だったのか.劉邦は最後の方は出てこない.どっちもどっちなのが,今ひとつこの本に乗れないところ.韓信と張良が一番いいと思う.
項羽と劉邦〈下〉の
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感想・レビュー:57件














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