官僚たちの夏 (新潮文庫)
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官僚たちの夏の感想・レビュー(449)
官僚官僚と、世間は官僚を悪く言うけれど、彼らは彼らの立場から、自分たちの仕事を全うしようとしているのだという話として読んだ。時代は昭和60年代だけれど、官僚の気概は今の時代も同じだと信じたい。
エリート官僚でも「正論」が通らない!。そのもどかしさは私自身の過去の体験からも歯軋りするほどよく判ります。もっとも一般庶民の私の場合は「天下国家」というレベルではありませんが…。
当時の通産省の内情が垣間見えたが、風越が当時の官僚の象徴であるとするなら、現在において風越のような官僚が局長や次官クラスにいたとすれば直ちに更迭されてしまうのだろうなと思った。
急ぎ足で読んだからかもしれないけれど、内容も急ぎ足で進みすぎた気がする…もう少し歴代大臣や官僚たちとのやりとりを厚く書いてもらいたかった気がして少し物足りなかった。物語の内容としては面白かったですけどね。
風越、鮎川、庭野など、非常に個性豊かな通産官僚が並び、彼らの生き様が描かれる。天下国家のため、彼らはある目標に猛進する。その際に個性に適した人員配置を行い、次々と湧き上がる敵と苦闘するのだが、この様相は紛れもなくチームプレーそのもの。チームとしての勝利のために彼らは個々の力を伸ばすことはもちろん、相互補完的な動きもするし、相手によって柔軟な戦略をとる。何故かそういう視点を装備した上で読み進めたもんだから、かなりあがった。経済小説とされているが、チームもの、組織ものが好きならば抵抗なく読み進められるはず。
★★★★☆ 再読。風越師団と片山をみると時代の流れが見て取れる。無定量・無際限から定量をきちんとというワークスタイルへの変化。個人的には、熱く死ぬという生き方も嫌いではなかったりする。
日本の高度経済成長を支えた通産官僚を描き、ドラマ化もされた名作。人事院の発表した官僚が読むべき必読書リストに入っていたので読んでみた。主人公の風越はまさに国士型官僚の典型である熱い男だ。他にも様々なタイプの官僚が登場し、省内の人事の駆け引きや、予算の取り合い、立法の根回しなどが描かれており、興味深く読むことができた。
主に60年代の高度成長期を支えた通産省の高級官僚たちを描いたことがまず何より面白い。特に主人公の風越は少年ジャンプの主人公のように熱く愚直な人物で、普通こういう性格の主人公は英雄視されることが多いが、この小説内ではこの性格故に「敗れる」主人公ということも良い。発言が過激でストレートである意味独裁的な性格、といえば政治家と官僚という違いはあるが、橋下元大阪知事に似ていると感じた。
2年前にやっていたドラマとはちょっと印象が違って楽しめた。 やっぱり熱いの嫌いじゃないです。正しいと思って一生懸命やったことが必ずしもいい面だけじゃない。それでもその頑張る姿が格好いいんだと思います。
ちょっと前の大衆小説といった感じかな、と読んでいたのですがドラマチックな展開や読後の爽快感といったものはなく、読み終わった後はあれ終わり?といった印象でした。かといってルポルタージュのような緻密さもなくなんだか中途半端な印象でした。人物にもあまり魅力を感じず、あえて小説にする必要があったのかは疑問です。
高度経済成長。もちろん私はその時代はこの世に生まれていなかったが、今こうして何も不自由なく、豊かに生活できているのは高度経済成長期の企業人、役人、政治家の惜しみ無い努力と苦労の賜物なのだなと感じた。これから社会に出る身として、過去の偉人達に負けないくらい国のため、人のために働き、日本経済発展に寄与したいとしみじみ感じた。
久々に城山三郎。TBSドラマが頭にあったので、胸のすく様なプロジェクトXを期待してたのだけど、随分と印象が違った。ドラマは結構オリジナル成分があったんだな。無駄な描写を混ぜず、読みやすくも熱っぽい文章はさすが。主題は官僚なのだけど、一種の熱病だった高度経済成長期の勤め人の、夏とその終わりという感じがした。ドラマは文字通りドラマで、こちらは文学的な香りがした。
経済成長に沸き立つ日本で、外国資本からの自由化圧力と闘いつつ国内産業の保護育成に挑む通産省の姿を描いた、ヒーローも救世主もいない官僚たちの物語。古き良き日本的労働価値観が強烈に色濃い時代に、天下国家のため我が身を惜しまず働く登場人物たちの姿には素直に敬服する。が、そこに官僚特有の独善や傲慢さを感じずにはいられないのもまた事実。無知蒙昧な国民を善導する絶対的正義として官僚像。国民の付託を受けた政治家でさえ下に見る驕りは頂けない。ただ、そうした先人たちの努力の上に生きる現代人として、胸の熱くなる物語ではある。
岩戸といざなぎの二つの景気に沸く60年代の日本の官僚を描いている。同じように実在の人物をモデルとする山崎豊子の小説もこの時期を中心としたが、彼女の小説が勧善懲悪や権謀術数などジェットコースター的ドラマを盛り込んでいるのに比して、城山三郎の官僚たちの夏は起伏を抑えていて、視点もフラットだ。だから物語の中心である風越を必ずしも英雄的に描かない。寧ろ自らの信念を一本槍で押し通そうとする遣り方が身内を壊してしまう一方で海外志向の牧や片山が波を乗り切るなど、現実と照合した結びはあくまでも冷徹で深みがある。
佐橋大臣、三木次官と揶揄された異色の官僚、佐橋滋をモデルにした通産官僚物語。メインは産業振興法ですが、いい意味では官僚が強く、思い切って産業政策を打ち出していた時代の話だが、悪い意味では天下国家のためには役所が指導しないと民間には力が無く経済は立ち行かないという驕り満点の意識、そしてポスト争いと予算争奪。あまり尊敬できる人物像には見えませんでした。ただ、個人的には風越や庭野のように無定量無制限に仕事に打ち込み全力で生きるほうが好きです。
何が書きたかったの?と思ったが元ネタがあるのね・・・ 天下国家のためという理想に燃える官僚像に振り切れず、ちょこちょこ小役人的思考が出てくる等、中途半端でイマイチのめり込めない。加えて主人公が、信念とも言える法案成立のために、全てをかなぐり捨てて邁進するわけでもなく、無能に見えてしょうがない。普通の人を書いた普通の話と言うこと?史実がそうなんだからしょうがない、と言う事も出来るが、じゃあわざわざ小説にした意味は?ルポでいいじゃん。
初読み城山三郎氏ですが、いや~面白かった。「働く男」を描かせたら楡周平氏とかも好きだけど、本作も骨太で実に良かった。「粗にして野だが卑ではない」とか「高潔にして不潔」とかいう言葉を地でいく主人公の風越をはじめ、登場人物がいずれも魅力的だった。1960年代という正に日本経済が「熱い夏」を迎えていた時代に、誇張ではなく命がけで働いていた男どもを愛着をもって描いた傑作。ただ、女性にはちょっと分からない世界かも知れません。
イメージにすぎないが自分が持っている官僚のイメージと風越はまるで違っていました。今の時代なら「うざい」の部類に入るのでしょうか?大雑把で高圧的、しかし私はそんな「雑な男」が好きです。印象としては片山が一番時代の流れに敏感だったように思います。今の時代の官僚や政治家さん達は後世にどのように語られるのかを読後真っ先に思いました。
熱くなりがちで大雑把な男、風越が通産省で人事やら新法やらに打ち込む話。こうも協調性皆無な性分だと主人公はあちこちで衝突するだろうな、と前半に思った通りで後半は割と不穏な流れ。個人的に諌めながらも真っ直ぐ努力する庭野や鮎川が良かったかな。様々な官僚が出てきたけど、それぞれの考えや信念を持って仕事をしているように思った。
自分の思いを実現するために、こんなにもまっすぐに不器用に突っ走る人物。自分の職場にはなかなかいないなぁ。風越をはじめとして、いろんな官僚が描かれていて、その人間模様も興味深い。描かれている人事の移り変わりが、時代の移り変わりを映し出しているように感じた。
結構なスピードで読了。風越の豪胆な面を良いように描いたらこのようになるが、ただの雑な感じで描いたらもっと違うニュアンスが形成される気がする。その一抹を表しているのは牧や片山の感じている違和感だと思う。ただ読者として最後の牧の風越への介入しないでくださいとの一言での、風越の絶句する気持ちは理解できる。くやしいもんね
何かととやかく言われる官僚ですが、この本の登場人物のように真面目に国の事を考える官僚も沢山いると 思っています。(私の友人にもいます。)個人的には、人生を仕事に捧げるか、仕事とプライベートをきっちり分けるかといった仕事観を考えさせられる作品でした。もう少し、特許庁時代の風越の心境を覗ける場面も見たかったです。連休中にサクッと楽しく読めました。
ドラマの俳優やモデルとなった政治家を思い浮かべながら読んだ。
双六を見ているようなおもしろさはあったが、官僚たちのパワーゲームであり、風越だけではなく、あまり誰にも感情移入できなかった。鮎川や庭野は気の毒だしね。
「東京に暮らす」に引き続き、少し昔の日本を舞台にした本を読むモードだったので読みました。日々事務仕事をするだけの身には、何だか遠い世界の出来事のようにも思えたが、やはり政治をする人はほんとうに勉強が必要で、ほんとうに頭のいい人でなければできないんだろうなと、つくづく思った。「人事の…」と肩書きつく主人公の手元にある人事カードが、思いのほか少なく、最後まで増えなかったのがちょっと肩すかしだった。
結構酷評されてるけど、僕は興味深く読みました。 昭和55年の作品なので、ちょっと古いとはいえ、 こういう考え方や仕事の仕方のひとは結構いるし、こういう人達が社会を支えている(いた)ことも事実だと思います。僕は風越さん結構好きです。 今だと古臭いといわれるけれど、人生の大部分に関係する仕事に「誇り」や「やりがい」ももてることは幸せだと思うので。 出世争いは無益だけど。
男臭く、泥臭く、汗臭い(笑)小説。風越は協調性にかける馬車馬みたいで、こういう人が上司だったらやりづらいだろうなぁと思ってしまう。今は少数派だろう。 あと、次官までいくのは同期で一人、それ以外は勇退、そして民間へ天下りという組織構造が、現在、官僚機構に不健康な文化をもたらしているんだ思った。
国士型官僚を描いた作品。戦前の官僚の優秀さは半端ない。官僚主導から"自由経済"への移行期、ワークライフバランスの兆候など、1970年代は日本の転換点だったんだなぁ。舵取りを自由経済に任せた結果がこのざま。深い作品です。
★★★☆☆小説を通じて人事をめぐる争いが中心でどうも話にのめり込めなかったため、★3つ。ただ日本人の働き方は本書が出版された30年以上前から現在まで大きな変化はないのだなと痛感。片山のような働き方・考えをしている日本人は、官民問わずまだまだ少ないと思う。
色々な局が出てきて読みにくかったかも・・・。天下り問題で散々叩かれている官僚だが、日本のために全力になっている人もいるのだということも頭の片隅に置いておかなくてはならない。
官僚たちの夏の
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感想・レビュー:116件














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