R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)
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R62号の発明・鉛の卵の感想・レビュー(326)
再読しないときちんと奥まで理解できないであろう話が多かった印象。それだけ前衛的な技法で衝撃的な内容を描いているのだろう。もう何冊か安部公房を読む等してから再読したい
この本では、氏の豊かな発想力の下に、思想が重く漂っている。労働者、被験者、苦学生による、共同体や、資産家、権力者に対する感情。それが或いは霊になって、物語を俯瞰する。少数派が、多数派であると受け入れられる「鉛の卵」は、作者の希望を暗示する。
初めての安部公房。全ての文章がバチッ、バチッってぴったりその場所にはまっている感覚が、妙に気持ち良かった。彼の描く想像は、怖いほどに範囲が広くて、それでいてきちんと辻褄が合っていて(私の中では)、もっと彼の頭の中を見てみたいと感じた。「鉛の卵」なんて、凄かったもんな。。
積ん読消化。短編集。この人の作品は想像力が必要。小説を読む力をかなり問われる。それだけヘンテコで怖い作品が多い。表題作二本が好き。ちょっとしたホラーだった。
生と死、人間と物質といった概念をひっくり返すことが多い短編集。あまりショックを与えるようには書いておらず、終始淡々としているところが読中の不安感を誘います。お気に入りはホラー小説っぽい「犬」、へんてこな「棒」、満州の熱に浮かされるような雰囲気の「変形の記録」。
一つ一つの作品に対置的なテーマを据え、丁寧に表現しているアバンギャルドな作品集。全体を通して浮かびあがる労働階級と支配者との関係などは安部が共産党員時代に得た感性の発露か、はたまた風刺か。SF色を持ち、純文学で、その上、現実の時代背景に根ざしてもいるという贅沢な造形。独特のブラックユーモアと乾いた文体が魅力だが、突出しているのはやはり前衛的な発想。突拍子もない発想を前述した持ち前の丁寧さで表現するものだから、胡散臭さがなく、自然に頭に入ってくる。一種洗脳的なまでの世界観は恐ろしいまでの説得力に満ちている。
短編の作品集。相変わらずの『後半のスピード感』が短編がゆえに際立ち、作品によっては不消化のままで終わってしまうものも。読み直したい。作品傾向としてはSF寄りではあるものの、生々しく描かれていて現実味を感じる。全体的に暗い話が多いが、それでも引き込まれて、どんどん読み進めてしまうだけの魅力がある。
時代柄なのか暗く土っぽい作品が多いが、嫌煙することなく読めたのは、SFな非現実的世界をリアルタッチで描いているからか。はじめて阿部公房を読んだが国内外問わず人気がある理由を垣間見た気がした。
すごく面白かったー!不条理SF風?っていうのかな、なんかカフカっぽい。カフカ読んだことないけど(キリツ 難しいことはよくわからないけど、独特の世界観を感じるだけでも、とっても楽しくわくわくしました。お薦め!
表題作の「R62号の発明」のみ読了。主人公が投身自殺しようとした所に学生が現れる。彼は自殺志願者を説得し、実験体として研究所に連れていくアルバイトをしていた。主人公は実験体として、契約書にサイン、ロボットにされてしまう。 凄く怖い話だった。これは、現代社会をモデルにしているのだろうか…。考えれば考える程に恐ろしい
ダメ人間な私としては鉛の卵にでできた生物に憧れを感じてしまう。話から言って、完全に筋違いな読み方なのでこの読み方の不味さは甚だしいが。 オチとしては人間そっくりとそっくり。
割と初期の作品集。分かりやすく実験的に"観念の逆転"に挑戦しているようにみえる話が多い。鉛の卵はウェルズを向こうに張っているのだろうとは思うが、どういうつもりなのかはよく分からない。あと視点移動が独特。
SFでありながら現実を見据えていて、考えさせられる本です。 最初は文章が硬いのと独特な雰囲気に戸惑いましたが、慣れるとそれが面白味になると思います。
これに収録されている”棒”という作品が高校の教科書にも載っていて、阿部公房に初めて触れた経験だった。”鉛の卵”は秀逸だなぁ。作品全体の特徴として、価値の均一化と何かしらの観念の不在に混乱する人々が描かれている。まだ、公房の作品全部読んだわけじゃないので分からないけど。
全体的に消化不良感。おもしろいがよくわからない。前半には変形の共通した要素が見えるが、違うかもしれない。『死んだ娘~』は『変形の記録』と共通する部分が。町が溺れる~というのは水中都市と同じモチーフ?『人肉食用~』安部公房にしてはストレートな作品に思えた。『鏡~』虚構と猜疑心の三角形。公房の十八番と言えるタイプ。初読時より面白く読めた。『鉛の卵』本格的なSF。立場の逆転という、「無関係な死・時の崖」(新潮文庫)と同じテーマがある。
安部公房の小説は(私達が普段なんとなくやりすごしている)現実を見つめる目が冷静すぎて怖くなる。SF仕立ての『R62号の発明』『鉛の卵』がおもしろかった。
苦手。物語が頭に馴染まないというか、極端過ぎて少し耳障りな短篇達でした。改めて『砂の女』が傑作だと思ったのは、その物語のバランス感覚の良さ。本書にはそれが欠落していると思いました。
安部公房は、人間の“変形”をテーマにした作品が多いが、どれも奇抜で印象的だ。『棒』は公房の作品の中でも特に好きな短編だ。現代人の心の無機的な部分が露呈されていて、出口の無い絶望に襲われる。「裁かないことによって裁かれる」という台詞は非常にインパクトがあった。『鉛の卵』の緑色人間は、『人魚伝』を思い起こさせたが、人間の植物化という発想は『デンドロカカリヤ』と類似している。ところで、『耳の価値』に出てくる「安部公房の小説」というのは、本当にあるんですかね?
「これは一体何を作る機械だったんだ?」と言うセリフが印象深い『R62号の発明』は、人物のセリフと地の文が一体化したような不思議な文体でした。でも全体的に難解。
安部公房の本の中で一番好きな本だと思います。特に『鉛の卵』はよかったです。なんとなく芥川の『河童』を思い出しました。『鍵』、『R-62号の発明』、『耳の価値』、『人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち』の皮肉さ、凄かったです。人間への皮肉が込められています。個人的に一番好きだったのは『変形の記録』です。この本には、人間に対する皮肉と、「死んだらどうなる」という想像のSF小説がとてもたくさんあります。次から次へと読めました。面白さ抜群です
安部公房の短編集の中でも特に好きな一冊。『鏡と呼子』は共同体の同調に対する不安をかきたてられるし、『棒』にいたってはもっと根本的な不安のかたまりをぶつけられているようだ。そして『鉛の卵』では、純粋に小説の表現手法に感動した
人間の想像力の中に辺境を描く。既成概念の外に、システムの隙間に、ポロっと現れる人間臭さが面白い。発想力と展開力に後の傑作群の芽吹きを感じる。
★★★☆☆ 鉛、R62、なんかは、読み終わってみて昭和20年代の作品ってことにちょっと驚いた。(その時代の他の作家を知らないのだけどね!)ただ、他の作品は、何だか高校の頃に読んでいた「林静一」や「つげ義春」の漫画を思わせ、俺には理解が出来なかったぜ。無論、高校の頃と同様に、分かった振りなら出来るぜ?お嬢ちゃん?
★★★★☆ 公房の短編集。長編ではくどいほどの説明的会話群が徹底的に省かれているため、読みやすい反面、薄っぺらく感じた。「鉛の卵」「耳」は秀逸。
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感想・レビュー:58件














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