黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)
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黒革の手帖〈上〉の感想・レビュー(332)
昭和56年の本なのに、現代の欲望にまみれた夜社会は、今も昔も変わらないのね。「バー」を「バア」と表記する辺りが、レトロで新鮮。 とにかく下巻!!!
面白い!上巻は女一人でメキメキのしあがっていく元子の快活劇だ。その様が読んでいて爽快。決して誉められるような方法ではない、というか犯罪だったり二枚舌にも程がある部分もあるけど、元子が野望に燃えて生き生きしてるのが伝わってきて応援したくなる。
元銀行員の元子が横領金7,500万円で銀座バーのママに転身。30年ほど前に書かれた話だけど、脱税や政治の裏金、医大の裏口入学などは今もこんなカラクリで続いているのだろうな。社会の裏側って怖いところだ。元子の計算高さとターゲットにされた男性がどうなっていくのか気になりながら下巻へ続く。
元子の成り上がりっぷりが上巻では描かれてる。銀行で7500万横領して、波子と楢林の仲を妨害し、さらに金までせしめる。婦長の中岡市子ですら踏み台に。そんな中でもうまいこと話が進んでいく。いつどんでん返しくるんやと思ってたが、上巻ではそんな雰囲気はなかった。黒革の手帖っちゅうのは切り札的なもんなんやな。銀行のくだりでいきなり出てきたから面食らったけど。こら下巻が楽しみですな。
ドラマ化もされた松本清張の代表作。いささか古すぎる作品。読みにくいだろうなということで、積んでいましたが、古さ、読みにくさを感じることなく読了。医者・政治家・夜の世界の人間。いつの時代も変わらぬ金・名声に対する欲望。どんどん大きくなって元子の野望。その結末はどうなる?引き続き下巻へ。
上下2巻にわかれているためけっこうなボリューム。読むには時間がかかると思っていたものの、読みだしてしまえばあっという間。時代を先取りしてるかのような怖い女性。調子に乗って乗って乗って、最後に・・・。欲は必要なものだけど、強すぎる欲は時として屈折する。まさにほどよくがちょうどいい。
逆転人生を華麗に拓く、主人公のキレに、ページをめくる手がとまらない。30年前という時代を感じさせないが、それぞれのシーンをイメージさせてくれる描写がとても読みやすい。現代の役者なら誰が適役か考えたくなる。
ドラマは見ていなかったし、ほとんど予備知識はなかったのだけど、とても面白かった。当時の雰囲気が自然に浮かび、古さや読みにくさを感じさせないところが、清張作品はすごいなと思う。成り上がりっぷり、悪女っぷりが、気持ち良いくらいだった。
超有名な清張の作品の一つだけど、私はこれはほとんどドラマを観てなかったので、読んでて面白かった。まあ、これからどんどこ面白くなりそうで期待しながら、下巻読んでみるわ。
面白かった。30年前ぐらいの作品だから読みにくいかな?と思ってたけど、全然そんなこともなくスラスラ読めた。こういう一発逆転の人生に憧れる。下巻も楽しみ。
いやーさすがは松本清張、おもしろい なんとなくわかるトリックですが、まあよしとしましょう (実はどこかで聞いていたか、パクリを先に読んだ可能性もあるし)
生まれた頃の設定なので、その頃の「よき昭和」の雰囲気が味わえる。恐喝の内容も話に従っていくつもの登場するが、それらも時代を反映するようで興味深い。下巻も楽しみ。
強請りをテーマに社会の暗部を描き出した作品。 ご都合展開は目につくものの、面白さがそれを上回っている。 この物語の帰結点は多分二つしかないが、そこに至るまでにこれから何が起きるのか…注目したい。
後半の裏口入学に関する下りにリアリティがあり、こういった裏の取引を清張が丹念に取材したように思える。悪女が主人公という作品は名作が多いが、これもそのひとつだと思う。
主人公の勉強熱心なところには感心する。いくら恐喝のためとはいえ、それだけのことをする為の知識を貪欲に吸収しようとする姿は読み応えがある。下も楽しみ。
成り上がる上巻。銀行その他に対する元子の復讐心が何となくわかる気がする。男性なのに女のその気持ちがわかるのか、と清張を読む度にびっくりする。
75点 上巻は面白かった主人公はどんどん成功し成り上がっていく様は痛快だった。金銭を頂戴する過程・言葉も面白かった。下巻は没落していく様子が強く印象に残っている。嵌められ方が単純で残念だった。最後のどんでん返しは驚いたので良かったが、清張のトリックの秀逸さが靄がかかったような感覚さえ覚えた。ん~いまひとつという感じ。でも面白かったので75点。
◎再読。本書を初めて読んだ時、下巻のクライマックスで受けた衝撃は計り知れなかった。松本清張という作家の技量が存分に発揮されていた、と僕は感じた。再読してみて、改めて「緻密」だな、と思った。特に、読者に与える情報の取捨くのうまさ、これに尽きる。確かに、本書の上巻の内容は「かなり」ご都合主義だが、それでもなぜか理屈が通っているように思えてしまう。こういう地の文の力強さが、現代作家にはない技術なのかもしれない。『人間って、秘密なことにはだれでも興味があるんじゃないかしら。』
以前ドラマ化されましたね。放送当時は見逃したりで断片的にしかみてませんでした。兄に影響されて読み始めた松本清張ですが、心理描写や社会性を反映した内容が鋭く、ぐいぐい引き込まれます。古さを感じさせない。下巻もこの勢いですぐ読破してしまいそう。
★★★★★(5.0) ドラマ版を鑑賞し、話の筋を知っていたがものすごくハマった!主人公・元子の悪女ぶり、翻弄される男、ラストの転落劇の描き方が実に巧妙。これぞ松本清張の真骨頂。
やっていることは大事なのに、話が淡々としているのが、客観的に読めて良い。偶然がうまい具合に重なりすぎなのは少々さめるが、これも下巻に続く伏線なのか…?女の犯罪は大胆だ
◎最近の小説よりも断然読みやすい!金の切れめは縁のきれめ、とはまさにこのこと。男は女の体に目がくらみ、女は男の金に目がくらむ。裏社会は欲望の暴走と執念が生み出す闇。女はいろいろな顔をもち、使い分ける…女の戦いは怖い…そして脱税、権力闘争など裏社会の金の流れに興味を持った。もちろん、実践できないが(笑『女の職場は男にくらべて不合理にできている。』
久々の清張。やはりデヴューから一切変わることない、老練な筆致で不要な飾り気もなく淡々と語られる無機質さが小説の凄みを増す。悪女モノの最高傑作だと僕は思う。
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