ゼロの焦点 (新潮文庫)
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ゼロの焦点の感想・レビュー(853)
面白かった。情景描写が素晴しいし、文章が読みやすい。さすがだと思った。ミステリとしては、わりと早い段階で犯人の正体は想像がつくし(ヒントが分かりやすいというか)、謎解きで無理のあるところもあり、ちょっと物足りない。ミステリというジャンルにこだわらず、小説として読んだほうが面白いかも。当時の社会状況が分かるところもいいし、主人公は観光なんてしていないのに、旅情もたっぷり。
映画を先に見ちゃったからラストが少し違和感があった。でも本作の方がいろいろ考えさせられる結末で良かった。戦後の暗い部分を見た感じ。全体的に読みやすかった。
禎子の名探偵っぷりに驚かされつつも、誰一人救えないことに焦れながら読んだ。松本清張は他にもなん作か読んだが、どれも風景というか状況というのか、ともかく描写が上手くて北の日本海の寒々とした冬の海が目に浮かぶようだった。そしてこれも他の作品でも思ったことだが、終わり方が潔い。すっかりハマッてしまったなぁ。
かつて読んだ話だがほぼ忘れていた。パンパンなど時代を感じ させる言葉が出てくるが、松本清張の文章は簡潔でわかり易い。 社会派といわれた内容だけあり、小説として面白かった。
中学のときに何気に読んだ本を再読、忘却のかなただったのでドキドキしながら読み進めてあっという間。すばらしい!!!!動機が最後までわからないままも、少しずつ真実が暴かれていって、いつの間にか真実がつかめているという手法は秀逸。
久しぶりに松本清張を読みました。事件に関連してくる人物、してこない人物。書き方がわかりやすかった。ので犯人にも早い段階で気付いちゃいました。でも松本清張はお気に入りです。当分松本清張にハマろうと思います。
北国がひたすらに暗く寂しい印象で描写されていて、ストーリーとうまく合致している。青年期を戦後で暮らした彼女らの心の奥に存在する脆さを丁寧に描いた作品、という印象。 …実際、北陸のあたりってこんな感じなのだろうか?今は違うと思うのだけれど…
単なる推理小説ではない。時代の流れに、ただただ抗うことができなかった個人が、何年も時間を経過しても「幸せになってはいけない」と過去に突きつけられる悲劇。大きな時代の流れに逆らえなかったことを知っておきながら、それでも、犯してしまった「罪」を、どうして「個人」で清算しようとしてしまうのだろう。それは、抗えない大きな時代の流れから「お前も加害者の一人だろう」と囁かれるからなのかもしれない。何もできなかった少女に対しても・・・。戦中戦後に存在した「リアルな弱者」を、現代人である私に教えてくれた。
禎子というヒロインを媒介とした戦後の悲劇。どう結果にたどり着くか全く予測がつかず、事件が解決しないまま終わるんじゃないかとハラハラしながら読んだ。
初めての松本清張の作品。謎が多すぎヒントが少ない状況の中、主人公の推理の解説に納得いかないまま読み進めて終わってしまった感じ。素人がここまで推理できるかな、なんてひねくれた気持ちで読んだから楽しさ半減したかな。
テレビドラマや映画になった有名な作品でしたが視聴することがなかった(メディアに穢されていなかったというべきか)お陰で、推理サスペンスを満喫しました。ヒロイン禎子の夫が失踪し、その捜索にあたった義兄と夫の会社社員の本多が殺された場面にはビックリしました。やがて夫と田沼久子の関係や室田夫妻との関係が明らかになり、最後に室田夫人が荒海へ去っていくラストシーンは感動的でした。さすがは松本清張氏の代表作のひとつと言われるだけの良い作品でした。しかし、それにしても「蒼い描点」は残念な作品だったとつくづく感じます。
「時間が解決してくれる」ってことが人間の問題にはある。 けれど、今回の動機を知ると、時間が解決してくれる心の傷や過去なんてないかもしれない……と思わされました。
初めて読んだ松本清張。もっと重いと思っていたがそうでもなかった。でも犯人を推理していく過程でかなりの矛盾がある。その矛盾が解決されないまま話が進んでいき、最終はやっぱり主人公の推理が当たっていた。みたいな感じで、腑に落ちなかった。けど、読者を惹きつける文章はさすが。
推理小説としては賞賛するところまでいかない。
戦後十数年という時代背景があるからこそ松本清張の代表作として今も残る。
現代の感覚から言えば犯行の動機はよくわからない。ただ、戦時だけが悲しみの根源となるわけではないということをこの作品は証明している。
「砂の器」のような派手さはない。
〇〇はなんと〇〇だったのですっ!(ドドーン
なんて展開はない。
けれど、戦後の悲哀を北陸の情景に乗せて美しく描き出している。
まだ大戦の名残が多少見え隠れする昭和30年代、主人公は見合い後いくらも経たずに結婚した。夫は新婚旅行時に一緒にいただけで、すぐに赴任地の金沢へ引き継ぎのために行ってしまった。そしてもたらされたのは夫の失踪の知らせ。夫と関わりのある人に話を聴きながら情報を集め、夫の実像を浮き上がらせる過程は面白い。今では考えられないくらいのプライバシーの無さが古さを感じさせるが、読んでいる間は気にならないくらい引き込まれていた。
主人公が相手のこともよく知らず適齢期だからとお見合い結婚して、もちろん寿退社。新婚旅行で初めて結ばれる。自分より年下なのに達観しすぎていて時代を感じる。犯人の動機が屑過ぎて泣ける。まあ、苦労してやっと地位を得たからって、過去を消すためになんでもやるのはちょっと(脅されてたとかならともかく)。主人公の旦那も殺されたのは不運だけど、やってたことはえげつない。パンパンというものをリアルタイムではもちろん知らないけど、相当さげすまれていたのだろうな。
推理小説として読むと、『点と線』や『砂の器』などと比べやや面白みに欠けるが、社会派小説としての側面もあり、終戦後の混乱期を必死に生き抜いた女性達の悲劇としても読むことが出来るのではないかと思う。如何せん、疾走した夫の行方を追ううち事件の核心に迫った禎子の推理力には驚かされた。
松本清張作品は、映像化のイメージが強く、既視感を意識して排除しつつ読んだ。風景や人物の描写に無駄がなく、さりげなく美しい文章。禎子さん、はじめは「貞淑な新妻」だと思いきや、なかなか行動的で知的ですね。ちなみに、北陸の地理に疎いので地図帳で地名や路線を探しながら読んだら、臨場感が出て面白かった。
とあるコーヒーのCMで似たような名前を見たので読んでみました。松本清張の作品はハードルが高いと感じ、未読でしたが、予想に反して読みやすく、終盤までストーリーに引き込まれました。12月の乾いた空気感漂う、哀愁のある作品でした。
う~。みな不幸せ。主人公はなぜだか達観したかのようなイメージで旦那の死に始まり、真相に行きつくまでの主人公は名探偵さながら。本当に才能を開花したのは主人公なんじゃないの?と思う。
相手のことをほとんど知らぬまま結婚し、夫が失踪。夫の行方を捜していたつもりなのに、隠された「秘密」を知ってしまう・・・。暗い北陸や雪景色、海などの描写が素晴らしい。 昭和30年代当時ならではのプライバシー意識の希薄さや雰囲気を感じられてよい。
今更なぜこれを読んだかというと古本屋で何となく買ったから。解説でも触れられてるけど、主人公に、夫の裏切りに対するショックや嫌悪が全く無いのは不自然だなあ…。あと主人公が犯人に同情しまくってるのも。関係者(?)である夫や内縁の妻はともかく、全く何の関係もない義兄や本多はただひたすら被害者で可哀想なのに。 全体を通して主人公がずっと冷めた目をして心が無いようで、ちょっと怖い。
初の松本清張作品。立て続けに起こる事件やたくさんの小さな謎解きの動機はミステリだけれども、探偵役すらいないこの作品は社会派として読むべきと気付くのに大分時間がかかってしまった。不完全なミステリだけれども、現実において誰が全てを知り得ることが出来ようかと考えれば、納得出来る。
#dokusyo #読書 うーん時代を感じましたね。物語は丁寧に伏線を張って、丁寧に回収している印象でしたが…。続けざまに真相にたどり着いた人が殺されていくんだけれど、そんなに簡単に調べられるものなのか?そう易々と殺されてしまうものなのか?なんか節々で納得いかないんだよなぁ。あと昔は警察も役所もボロボロ情報を漏らしてたんでしょうか?そこら辺も違和感かなぁ。まぁ先が気になり読んじゃったんですけどね。
映画見てないけど、読んでみてよく今の時代に映像化したものだなーと。『砂の器』とかでもそうだけど、時代背景抜きに成立しないこうした小説を理解するのは、どんどん難しくなるはず。
松本清張作品、初です。 この作品が世に出た当初は、すごく斬新だったんだろうけど、今の時代に読むとどこかで読んだことあるような話だなと感じてしまう。 トリックよりも犯行の動機に重点を置いた物語なんだろうが、そんなに感情移入できなかった。 犯人の動機になってる隠そうとした過去っていうものは、人に公言できるような過去じゃないけれど、人を殺さないといけないような事なのか?と感じてしまう。そこが時代の違いか・・。
戦後の復興と影がよくみてとれた。また、影の部分が北国の冬の陰鬱さとうまく絡めてあったと思う。当時の時代背景が今では非常に新鮮に映ることが、戦後66年の長さを感じた。
胸が潰される。何がそのような立ち回りをするよう、圧迫したか。夫人だけではない。全ての登場人物―作品を越えた「人間」が対象に、なる。大きすぎる空間と時間があまりにも明確。淡々と流れていく渦に沈んでいる。その渦から逃れる手段は選択“できず”、せめて溺れないためにしがみつく板を頑丈なものにする、ということしかできない。個別性故だと片付け、思わされる「罪」。それを自身が引き受けて、許容しなければ“ならない”、圧迫。お前が悪い。お前のせいだ。そんな叫びの対象が、整然と正当な面構えをしているように見えるのだから、自壊
以前から、この作家さんの作品は読んでみたいとつくづく思ってました。知り合いの方に頂いて読んでみました。作品の時代が昔なので読みにくいかなぁと思ってましたが、案外スラスラ読めて、物語の情景もイメージしやすく楽しめました。内容に関してだと、普通の女性があそこまで綺麗に謎を解き明かす事が出来るのかには疑問。
ゼロの焦点の
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感想・レビュー:178件














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