ぶらんこ乗り (新潮文庫)
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ぶらんこ乗りの感想・レビュー(1299)
無条件に愛読書になっている。
読み終えたあとの安心感というか、
暖かさというかは、この本にしかないものがある。
また、この季節ぴったりの一冊。
良い本だがうまく感想を表現できない。やさしさと同時に誰かと繋がりたい、理解されたいという深いさびしさに満ち溢れた本でもある。ずっとは無理でも、たとえば一瞬だけでも手を取り合うことができたならそれは素敵なことではないか──というぶらんこ乗りのおはなしがじんわり心に染みた。絵はがきのエピソードにも涙。
人におすすめの本を聞かれた時にまず思い浮かぶのがこの作品です。貸したまま手放してしまい、買い直して再読。何度も読んでいるので内容は覚えているけれど、初めて読んだ時と同じように体の奥の方が揺さぶられるようになる。この感じは感動とは少し違っていて、でも素直に感動している部分もあって、何と言っていいのかわからない。何だかわからないものが繰り返し込み上げてくるのを堪える度に、身体に力が入ったり元に戻ったりする。それはちょうどブランコに乗って揺れているみたいで、そしてとても心地の良い感覚だ。自分にとって特別な一冊。
モノガタリの中にモノガタリがちりばめられた、大人のための童話とでも言いましょうか。うす暗くて不気味で怖くもあるモノガタリの一つ一つが「あちらの世界」と「こちらの世界」とをつないでいる・・・この世界観は、とても気に入りました。ゾウやコアラやペンギンのモノガタリはホントなのかな?って思ってしまうぐらい、あちらの世界の中に引き込まれてしまいました。不思議な読後感。何度でも読み返したい本のひとつになりました。
再々々読くらい。ストーリーが分かっていても、毎回自分でもびっくりするくらい泣いてしまう。弟もお姉ちゃんも可愛くて寂しくて、心がしんとなる。お父さんお母さんも素敵で、おばあちゃんもかっこいい!弟の紡ぐ物語が心に染みる。優しく暖かいお話のような、哀しく切ないお話のような、救いがあるようなないような…不思議な読後感。しかし私がこのお話を大好きであることに間違いはない。冬の寒い日に読みたくなる一冊。
もの言わぬものたちの声ならぬ声を一身に受け止め、ノートに記す弟。ハトを踏みつけ弄ぶゾウの話。弱い者を危険な海へ押し出すペンギンの群れの話。ワシの獲物になるか、骨を砕く覚悟で自ら木から落下するか、過酷な二択を迫られるナマケモノの話。「だからこそ大切に生きたいなあ」などと、ぼんやり、そして切実に感じる読後感。
天使の様な弟が残したノート。ノートに書かれた弟の言葉、そして物語。最初からハラハラしてた。辛いままだったらどうしよう、なんて。でも「目をそらすのだけはやめなさい」っていう言葉を読んで、それもそうだなあ、と。辛いことも受け止めなくちゃいけない時がある。うん、途中は辛かったけどそれでも読んで良かったと思う。この姉弟が愛おしいんです。
初めましての作家さん。読み終えて…何だろう、すごいものを読んでしまった気がした…。綺麗で切なくて痛い話。この凍てつく寒さにはふさわしい。読んでいて、不思議な感覚に陥いる。深い深い海底に沈んでいくような…。物語は、弟の日記を見つけたところから始まる。この弟が何とも魅力的。頭が良くて、ブランコ乗りと話を作るのが上手で、動物と話をすることができ、指を鳴らすのが得意な男の子。そんな彼に神様は残酷な仕打ちをする――声を奪われた少年。彼は秘めた胸中を日記に綴る。残酷で悲しくも優しい物語。
ずいぶん前に読んだからかあらすじはほとんど記憶にないんだけど、温厚な弟の心中が途中から見え隠れして胸が苦しくて読むのが辛かった記憶はある。
なんとも不思議な物語。作中で語られる弟が書いた物語は面白い。途中動物の物語は少し失速した感じだったけれど、”本当のこと”を乗り越えようとする動きはすごい。指の音が異国から持ち帰ってきたメッセージと「とても、とても、いいところ」から届いた手紙。凛としたおばあちゃんの姿勢は格好いい。死をごまかすことなく直接ぶつける、今はわからなくてもいいというような姿勢がね。思うに、向こうへ行ってはまた戻ってくるぶらんこの動きと弟は、『ポーの話』で象徴的だった「潜っては浮かびだ」という台詞に繋がっている気がするな。
初作家さん。不思議な世界観の中で話が進んでいく。かわいくて賢い弟が辿る行く末がどうなるのか、ドキドキしながら読んだ。姉と弟の関係がとても心地よい。家族といえども、程よい距離感は大事。
「落書きやいたずらは、誰かの顔に笑みをつくるためにやるもの」なるほどなー。みんなが嫌な思いしかしないなら、それはただの嫌がらせなり、憂さ晴らし?になるのかな。と思ったけど、落書きでも誰かに笑みを提供しつつ、その一方で誰かの笑みを奪うことも往々にしてあるよなーと、本編とは関係のないところでぐるぐるしてしまいました。
動物の話は残酷だけどワクワクして、所々それは余計だろっていうような一言でクスッとさせてくれて。でも、弟がいつかどうにかなってしまう予兆を感じて…絵本みたいな、でも、何か心にどっしり残る本。きっ
おとうとは気付いたらもう特別だったんだ。読み始めからの、あのソワソワ感は何だろう?とても魅力的な子。消えちゃったっていうの、なんかだわかる。しかし私も大人なんだ。ひらがなばかりの文章を読むのが難しくなってた(笑)。絵本、読もうかなぁ…。
再読。とても平易に書いてあるのに、ブンガクの香りを感じさせる良作でした。こちら側とあちら側の世界の間で揺れるぶらんこに乗って、弟はどこへ行ったのだろう? 一番印象に残ったセリフはこれ。「けっして思い出にすがるんじゃないよ。そのかわりね、できるだけ死を考えなさい。」
ひらがなばかりのいしいさんの作品は、大人になってから忘れていたことを思い出させてくれるようで、いつも温かい気持ちにさせてくれます。お姉ちゃんをいつも想っている弟がとてもいとおしい。
静かで綺麗で童話のようなお話。そういう風に思わせるのは流石いしいしんじさん。悲しい事故や別れもあるけど、それを上回る絆や再生が弟のお話と、それを綴る主人公の語りで、すっと胸に染み込んで来る。ラスト、「もうじきだ。もうしばらく待てば指の音が、あのこを連れてもどってくる」…この1行読んだ時、なんでか涙が出ました。
冬の夜のような、透き通るほどきれいな話だった。どの人物も愛おしい。ばあちゃんも弟も、もちろん主人公も父さんも母さんも、そして指の音もみんなすきだ。ゆっくりと、それこそぶらんこが揺れる速度で進む物語のそのスピードが心地好い。はがきの章あたりから泣くまいかと必死だった。いい弟さんだなあ。P141の最後の文章がすき。「お嬢ちゃん、ありゃいったいなんなんだい。真っ白い腹をこっちへ突き出して〜」
この季節ピッタリな一冊。
あっち側とこの世の間をゆれる。残酷で危うくてとても優しい物語。『「飲もう。忘れてしまおう」それは嘘。「いつだって思ってる」これも正確じゃない。ときどき暗闇で小箱から取り出すように思いかえす。これが大切。』
ぶらんこに乗るのと指を鳴らすのが上手で、声が出せず動物の会話を解する、不思議な弟にまつわる思い出。天才児である彼は幼くして数々の物語を創作し、ノートを読んだ主人公は心を震わせる――。ぶらんこや月、“おばけの涙”といったガジェットはもとより、弟が綴る物語が寓意的で、加えてサーカスや動物園の情景がメルヘンチックで、ドリーミーな読後感を残す逸品。著者が優れたストーリーテラーであることがよく判る。
(再読)中3の時にハードカバーで読んだことがあって、8年ぶりくらい?に再読。素敵な話なのに何で今まで読まなかったのかというと、この話が私にとって宝物みたいなものだったからだ。“「飲もう。忘れてしまおう」それは嘘。「いつだって思ってる」これも正確じゃない。ときどき暗闇で小箱から取り出すように思いかえす。これが大切。”今回小箱から取り出したこのお話。私はあの時から心も体も成長して(したはずで)、なんだかひさびさに小学校の校舎を訪れたようでもあったけど、でもやっぱりちょうどいい引力で、それで私はふるえるのです。
☆読み終わってぼーっとしてしまった。不思議な雰囲気の本だった。切なくて優しくて、すこし不気味で。☆ローリングとコアラ…気になる
感動で号泣、、という感じではなく、読みながら気が付いたらつつつーと涙が頬を伝わっている感じ。「こちら側の世界」と「あちら側の世界」をぶらんこに乗って行ったり来たりしているかのような弟。誰にも理解できないけれど、弟に寄り添おうとする姉の姿が愛おしい。そして大切な人を守ろうとする弟もとてつもなく愛おしい。弟がうみだした数々のお話も優しくて少し残酷で、とても素敵だった。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 10/20
ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意、動物と話ができる、作り話が得意なわたしの弟。やさしくて、あたたかくて、涙をそっと拭くハンカチのような物語。 「わたしがちゃんと生き返るようにと願いを込めて」書いた弟の最後の物語を読んで切なくなりました。 おばあちゃんが言った「けっして思い出にすがるんじゃないよ。そのかわりね、できるだけ死を考えなさい」という言葉が印象的でした。
◎他の誰かの考えていることが100%分かる人間というのはいない。本人しか分からない。本人にも分かってないかもしれない。分からないって分かってるからこそ、たまに分かりあった瞬間が嬉しい。…ところで前半の姉弟の笑いのツボが分からないんだが、読みが足りないのだろうか。解説が好き。
よむのは、にかいめ。にかいめなのに、はじめてよむように、わらったり、ないたりした。このなかには、わすれちゃいけない、たいせつなものがつまってる。これをよめば、いつだってうまれたてのように、それがよみがえる。つよい、つよいいんりょくをもって、ぶらんこにのって、つながったりはなしたりをくりかえしながら。
あっちとこっちを揺れるぶらんこ。大人に寄りかからず、子供もひとりの人間として必死で張りつめた鎖にしがみついている。けなげ。また大きくこぎだすときがくる。姉と弟のほどよい間隔を保った思いやりがいい。ローリングって本当にあるの?!
再読。結末を知っている分冷静に読めたかなぁ。初めて読んだときあまりに切なくてすごく大切にしようと思ったお話なんだけど。自分に出来ることを力一杯やるのって難しい。それが人の為ならなおさらだ。だけどそれをやった弟がいとおしいなるお話かな。
小さな体で いろんなことを感じて受け入れて。子どもには、はっ とする強さがある。でもそれに甘えちゃいけない、と思い知らされる。ゆらゆらゆれる優しさと 不安定さと ピンと張った緊張感。ぶらんこ乗り、 まさにピッタリな物語。おばあちゃんが素敵。
ぶらんこ乗りの
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