青の時代 (新潮文庫)
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青の時代の感想・レビュー(269)
回りくどい性格の主人公だなー、この人のいう道徳っていまひとつ把握しかねる・・・とやや疲労感を覚えつつ読んだけれど、幼少期の鉛筆模型のエピソードが最後に繋がるラストは好き。それにしても、三島由紀夫の本ってやたら単語が難しい・・・。。仮面の告白だとそれが雰囲気に合ってたのだけど、こちらだと妙に気障でペダンチックに感じたのはなぜだろう(そういう反感を呼びさますような人物造型にしてるのかな・・・)。決して嫌いというわけじゃないのだけども。
「仮面の告白」を読んだあとに手に取ったので、どうしても物足りない感があった。面白いと思ったのは、野上耀子の処女喪失が実は演技だった、というどんでん返しである。処女に清らかさを求める男の夢が壊された瞬間は、何故だかスカッとした。
どこまでが、彼にとっての「青の時代」だったのだろう。 すべてがそうであるような、すべてがそうでないような。 解説者が、(著者自身の言葉さえ引用して)この作品を失敗作だとしきりにほのめかしていたけれど、わたしはそうは思わない。
高慢に傍若無人にそして自堕落に人生を破壊していく主人公。三島由紀夫はこの主人公を「面白い題材」として捉えたのだろう、青春という虚構の象徴として嘲笑的に描いていて、ここにも踏みこめない三島由紀夫がいる。
自分は別に今作の主人公に共感しているわけでも同情しているわけでもないが、主人公が自分で束縛した未来へ突き進んでいく姿には一種痛快なものを感じた。そして、なぜに三島由紀夫はこうも主人公のことを批判的に描写するのかと思ったが、単なる実録にしないところが小説家というものなのかとも思った。
文学はすきだけれど、文学のブの字もわかってない自分。作品の好みはあるけれど、作品そのものの良し悪しを語れるほど大それた人間ではない。だからこれが三島作品の中の駄作だと言われても「へぇ〜」と答えるような読者です、自分。 ただ一つ言うならば、彼の作品に触れるといつも自分の中に芽生える感情があるということ。三島由紀夫の描く主人公を愛おしく想う、この感情がね。
気持ち悪かった。読んでて苦しかった。どうしてこんなに、理屈だけで生きてるんだろう。羨ましくて、でも悲しい。最後、何故か泣きそうだった。誠は、真っ当に後悔もできないんだ。
読み終えた感想を率直に申し上げると、どこか拙劣さが滲み出ているように感じた。人物の心理状態の変化、物語の進め方、各々の展開における因果関係等、私が浅薄なこともあるが、いまいち飲み込めなかった。物語そのものも三島由紀夫という鬼才にしてはどこか平俗的である。実は作者自身もこの作品を未熟なものとして自嘲している。とはいえ、全くの退屈だったというつもりは豪もなく、興が魅かれた箇所があるにはあった。例えば、幸福についての理論、計算による判決という独特な刑法論、合理主義を第一とする誠のシニカルな平静さ等、魅力もある。
他作品に比べてあまり楽しめなかった。主人公の性格も自分にはぼんやりとしか掴めず。何年かしたらまた読む。
所々に素敵な表現があった。ドッグイヤーはたくさん作ったけど、全体としては『金閣寺』ほどハマらなかった。多分ある程度の年齢に達したときにしっくりはまるかもしれない類の本。あるいはそうではないかもしれないけど。とりあえず将来再読したい本のストックに入れることにする。
面白かったが作者本人は納得出来なかったらしいね。
たしかにいきなり少年期から青年期になったり、大学に入ったと思ったら会社を起業して…。難解な文章であり考え方すら理解出来ないとこもあったが個人的には好きなほうな作品。
インパクトという点では、確かに他の作品よりも弱いかもしれないが、主人公・誠が、いつになっても、ある面で幼少時代のまま背広を着て背伸びしているように見えて面白い。
アフォリズムが魅力、と解説にあったけど、オレにはアフォリズムやレトリックに富みすぎていて、理解しづらかった。。単純に脳のレベルの問題かもしれないが。それでも文章や物語にかいま見える強靭さや繊細さや歪さは作者の精神性に触れているようで興味深く、楽しめた。
再読、賢明であるがゆえに過敏で純粋な主人公が、自らの唾棄する価値観や世界に振り回されていく姿は、作者のイメージと重複しているように思える。ただ、作者自身も指摘しているとおり、話があちこちと脱線して、核になるメッセージが伝わりづらくなっていたように思えた。個人的には、主人公の持つ自意識は、発露するかしないかは別として誰もが持っているものなのではないだろうか。
初読、主人公の心理描写をつかみきれていないので評価はしない。解説を見る限り、著者自身も書ききれなかった部分もあったと述べているみたいだけど。戦後の空気感や主人公の心の動きについて、自分の理解が及ばなかった部分もあった。後日再読したい。
面白かった。『金閣寺』といい、実在の人物をモチーフに描いた作品上手いですね三島氏は。ただ、この作品はもう少し煮詰められたんじゃないかという感じはする。
☆5 読みやすかった。しかし主人公の性格が複雑に思えて,読み解くのは難しかった気がする。経済や経営についても絡んだ思想や哲学がなかなか良かった。
傑作とも問題作ともみなされてこなかったという解説に大いに共感。あまりにも普通に普通のことを書きすぎていて、何のコメントもつけようがない。ただ、主人公のオールマイティ青年に自己投影がけっこう来てるな、ということだけ。(ローウェル嬢)
○この作品の題材となった事件を知らないので、純粋に小説として読んでみた。なんとも、三島由紀夫は本当に頭がよかったんだなーって思った。哲学・法学・語彙…すべてが高水準だった。ただストーリー自体は、いつもよりもマイルドというか、ぶっとんでるような三島由紀夫らしさがなく、読みやすいけどちょっと期待外れかな。最初と最後のネタが統一されていた部分はさすが。『ドイツの哲学は安全弁をもたない哲学であって、決してブレーキが利かないのである。』
「すべてを軽蔑するために支配する。」支配は目的ではなく、ただ拒絶するための計略にすぎない。誠はマキャベリズムを憎んでいる。しかし彼の生活は傍若無人な権力にあふれている。まるでマキャベリズムを軽蔑するためにまずマキャベリズムを手に入れるとでも言うように。そう考えてすさまじさを感じた。『合理的に!合理的に!』 ・・理性の生き物だと自身のことを信じている誠の論理の絶対の矛盾と力。 程度と次元を異にするとも、自分とはたして無関係といえるか
全く無駄の無い、完璧な中篇。結晶の如き文体で、ニヒリスト青年の心の軌道が見事に描かれている。おもちゃのように、血の通っていない思想を弄ぶのは、ニヒリストの性だろうか。冒頭劇で登場する認識魔が評しているように、これは青写真の風景の中の、虚栄の苦悶。
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感想・レビュー:49件














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