禁色 (新潮文庫)
禁色を読んだ人はこんな本も読んでいます
禁色を追加
禁色の感想・レビュー(310)
数年前に読んだ際とは全く感想が違いました。こんなに俊輔せんせいは悠一こと好きだったっけ? と。ラストの印象もちょっと変わりました。多面的な読み方も可能な、しかしプロットはあくまでも「通俗」的な読んで楽しく、その上奥深い小説です。三島作品全般に言えることかもしれませんが。
絶対的な美が人間(男女ともに)を魅了し、滅ぼしていくお話。絶対的な美が物象ではなく人間に宿ったのが、金閣寺との大きな違い。悠一は人間であるがゆえに日常を志向し、絶対美であることを辞め、主体性を確保したがる。 三島が今後テーマにする実存的な苦悩を、野心的に綴った作品。金閣寺ではこのテーマがより洗練された形で出現する。 個人的には好きだった。冗長さ、説明臭さ、論理による物語の強引さは否めないけど、それを気にしない人が読むとおもしろいかも。
ビジュアルを完全に若かりし美輪明宏で読んでしまった。男色もの!ゲイ!ああ、もう最高。美しすぎる。「成長は若さの日没」か。名言だ。これは参考にしよう。
女運の悪い人生を送った老人檜俊輔の復讐と最後の恋、そして美貌の同性愛者南悠一の純粋と淫奔と苦悩。メインテーマは精神と肉体の関係、それから美!濃厚な人物描写を心行くまで堪能しました!たくさんの登場人物が悠一の上に様々なものを勝手に夢見て苦悩して、最後は悠一から離れて生きていくこととを選んでいく様が印象的でした。悠一の若さゆえに愛らしい驕りと純粋が鮮烈!これは騙されるww 俊輔の卑屈と理屈っぽさで歪んでるところが好きなのですが、だんだん悠一に魅かれていってしまう苦悩がもう!もう!俊輔大好きです!(落ち着け
物語は意図的であろうが、大衆小説、メロドラマの系譜を持つ。それでひたすら美、美、芸術、それが前面にでてくる。『「よく当りましたね」ー大そうおどろいて、悠一がそう言った。「私の棋譜ではそうなる筈なんだ」ー老作家は満足のあまり、退屈するほど永い、死にそうな咳をした。そこで悠一は、その背をさすってやったり、いろいろと介抱した』 このような文章がたいへんおもしろい。だがその作者の芸術的な主張と軽妙な物語がしっかり調和するかというと、そのバランスを手放しで褒められない気がした。
表紙裏のあらすじしか知らなかったのに何故か、悠一が美貌も性癖も自認した上で俊輔に惚れたが故に嬉々として復讐に手を貸す話だと思っていたのだが、とんだ勘違いだった。
昭和版ボーイズラブってかんじ。最後のチェスをするシーンが好き。三島本人が博識すぎで、その知識についていけなかったせいか冗長に感じた部分もある。初期の作品だけあって、各々の作家の影響されていると思った。前半は谷崎潤一郎的。後半も誰かの影響を受けている気がする。描写は(潮騒などにくらべると)うまくない。でも、なにか消化しきった印象もある。マイノリティの重要性に隠れているが美・欲・孤独について、この作品を読むと深く考える。皮肉な文章の裏にはなにがあるか。要再読(笑) 個人的には、仮面の告白のほうがすきだった。
みんなが少しずつ狂っているかんじが作品の言いようもない雰囲気を作り出している。必然の死を経て再び回りだした歯車は、だけど既にいくつもの歯をなくしている。愛するということの狂気をぞっとするほど感じた。
文章の勢いと、美しい情景描写が、複雑な人間関係を彩ります。たっぷり情緒的に読ませたかと思えば、勢いよく急かすように読ますページもあり、さすが!の一言でした。そしてラストの警官の言葉が色んな意味で心に残りました。美しく生きること、醜いということ、苦悩すること…そういう色んな色彩が鮮やかに行間に見えます。禁色という色は「美」そのものの色なのかもしれないと思いました。
一度読んだだけでは理解出来ず、解説に頼った部分もある。どのようなプロットを視点に持ってくるかで様々に愉しめる作品。三島本人の博識が窺える。三島は今の日本ではなかなか見られない逸材だと確信した。
「仮面の告白」が同性愛の内に秘める苦悩を描いたのに対して、こちらは苦悩を第三者に利用され世間への復讐にまで発展。世間と同類者とのダブルライフを綱渡りする緊張感、ラストまでの展開、どれも素晴らしい。その世界に吸い込まれた。
若く、美しい女達に復讐を誓う老作家の意欲に舌を巻きました。以前、男色についての本で老作家のモデルはあの川端康成という記述を読んだため、少し、考えて読みました。美貌の男がだんだん、ふてぶてしくなる過程や女たちの関係性がしっかり、書かれていて面白く読めました。戦後当時の風俗が分るマイノリティを取り扱った文学です。
やっぱ華麗だわ、三島は。「たぶん悪徳が罪悪と呼ばれる理由は、一刻の自己満足の偸安もゆるさない、この反復による退屈さの中にあるのだ。」(三島由紀夫「禁色」より)
戦後直後の日本の同性愛アンダーグラウンド・シーンの克明な記録、「ホモソーシャルだった老作家がホモセクシュアルになるまで」を描いた小説としても興味深いが、一番の魅力は三島らしからぬ不完全さ。『禁色』には他の三島作品に見られる、良く言えば人工的、悪く言えば作り物めいたところが見受けられない。文章の乱れも散見され、常に精緻に構築されているプロットもこの小説では崩れがちで、ゴシップが連鎖して行くばかりではなく、三島の作品のほとんどが何処かしら醒めたところがあるのに対し、パセティックな勢いがある。
禁色の
%
感想・レビュー:48件














ナイス!
































