小僧の神様・城の崎にて (新潮文庫)
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小僧の神様・城の崎にての感想・レビュー(409)
旅行で城崎温泉に行くので読みました。しかし、「城の崎にて」は330ページあまりのこの短編集で10ページしかありませんので、あまり旅先で読むには向かなかったかと思います。「赤西蠣太」や「小僧の神様」はいいと思いましたが、終盤の作品では浮気した作者かと思われる旦那さんがぐちぐちと繰り言を書き連ねただけの作品が続いて、鬱陶しかったです。正直なところ旦那に非があるのは明らかなので、奥さんに肩入れして読みました。私小説は作者の生きざまがストレートに出るので苦手です。
これもWBSの「スミスの本棚」がきっかけでした。久しぶりな純文学読破です。表題作は二作ともに秀逸でしたが、「佐々木の場合」や「好人物の夫婦」、「流行感冒」など、人の心の微妙な動きが手に取るように表現されていて、のめりこまされました。志賀直哉の文章は読んでて、情景がありありとイメージできちゃうので、すらすら読めました。自然のみならず、人間の心情を描写する技術が卓越してるなぁと、ほとほと感心させられました。長編も読みたくなりますね。
志賀直哉を読む時は、何故か、背筋を伸ばして緊張しながらになってしまいます(^^ゞ『小僧の神様』も、何度も読んでいるのに、それでも、未だに気を引き締めないと読めない……でもおもしろい(笑)。
独特の文体を持つ志賀直哉を味わうのに非常に適した本である。何度よんでも味わえる…いや、逆に言うと何度よんでも説明不足を感じさせるところがあるから、また読みたくなる。
全体が静かな流れである。『真鶴』が印象的だった。夫婦間の話も、夫は身勝手に思えたが、楽しめた。しかしやはり私は『赤西蠣太』『小僧の神様』『転生』がお気に入り。
18篇の短編集。表題作の2篇も秀逸だと思ったけど、個人的に面白かったのは「赤西蠣太」。江戸時代に起こった伊達騒動のサイドストーリー的な話。藩内抗争の裏でこんなユーモラスな事件があったと思うとちょっと微笑ましい。他には「転生」が、読み終わった後に思わず吹き出すほどシャレがきいていてよかった。
何と行っても「転生」 中年になって危機意識がでたら、いや出る前に 是非読んで欲しい。私は、やや遅れました。 相方にこの小説は読んでご覧と言えません。 来んな結末にならないように、言動に注意しようと 決心したのですが、うまくいきません。 生まれ変わらないと、駄目でしょうか!
実はちょくちょく再読したくなるのは赤西蠣太や転生だったりする。サラッと読めるというのもあるけど。特に蠣太は全然古さを感じさせず、純粋に凄いと思う。
川が流れる情景、雪が降る情景、焚き火の火の粉が夜に舞う情景などなど、文章がそのまま眼に見える風景となりました。そして、読書後には何とも言えぬ爽やかさを感じました。
★★★★★ 情緒的な気分で読んだからだろうか、非常に優しく繊細な感じを本書から受けました。「雨蛙」が傑作。「流行感冒」は夫婦の微笑ましい関係(夫婦関係のモチーフが非常に多い)、「転生」は志賀本人も語っているようなユーモラスさがいい!「城の崎にて」は読んでいても自然の風景が想起されて穏やかな気持ちになります。「小僧の神様」はオチが最高! 作品数が決して多くない志賀を、追っていきたいです\(^o^)/
高校で「城の崎にて」を習ったのが切っ掛けで、図書館で借りてみました なんというか、全体的に不倫とかそういう大人の恋(?)に関係のある作品が多かった気がします 高校生の自分が手を出すには少々早かったかも・・・(笑) もう少し色々な経験を経て、大人になってから再読したいと思った作品でした
「城の崎にて」が有名だったなという感覚で手に取りましたが、実際には他の作品の方が個人的には面白かったです。特によかったのは「赤西蠣太」。侍が出てくる話というせいもあるかもしれませんが、当人の思っていない方へ話が進んでいく辺りや騒動が起こる前の静けさを描いている辺りが藤沢周平を思わせて心地よく読めました。ユーモラスな話がいくつかある中で一番しっくりきたような気がします。「転生」などのユーモラスな話が混じっているので短編集としては飽きずに読むことができる一冊です。
【★★★☆☆】文体は読みやすくストーリーも追いやすいのに捉え難い。生死の扱いなんか典型。すっきりしないなぁと解説に目を通していたら、「直哉は美的ではあり得ても耽美派ではなかったのである」(274頁)とある。なるほど。すらすら読めるものの華美な装飾をしない点に少し物足りなさと、重視されるリアリスティックさに物語的膨らみをあまり感じ取れなかったからだろう。「動」から移り変わっての「静」だそうだし、次は遡ってみたい。
授業用で読みました。面白かったですね。太宰治の晩年作を読んだばかりだったというのもありますが、人間というのもへの愛情あふれる目線とか、生きとし生けるものへの温かなまなざしとかに、読んでいて救われます。解説にありますが(自分のは旧版のような気がする、ページ数が違うし)、志賀がリアリスティックな描写を心がけているというのは納得がいきます。テーマは割と教訓的なもので(最後の連作だけちょっと毛色が違うけど)、ほのかなユーモアもあり親しみやすいです。「城の崎にて」「赤西蠣太」「流行感冒」「転生」が特に良かったです。
全編に渡って男尊女卑という時代性がすごく感じられる。志賀直哉と言うとそんなに昔じゃないような気がするが…女性には生き辛い時代だったんだろうな。最後の四部作は主人公のあまりのエゴに気分が悪くなる。それ以外はよかった。
指示代名詞が多くて訳分からんよ!…と思って読み進んでいたけれど、途中からぐいっと引き込まれて面白かった。何もかも記述してくどいようだけど、視点が的確というか、ずばっとしてる。ところで最後の浮気の話とか、私小説なのかしらん。
城の崎にてはやっぱりおもしろい。
命っていうのは儚く尊いもんで死とは隣あわせにあるんやな。
自分はたまたま生きてるって事を思い知らされました。
「お前もご苦労。お前には何かご馳走してあげたいからその辺まで一緒においで」この本を読んで、強く心にのこったのがAの言葉だ。これは、海苔巻きを買ええなかった小僧の様子と、小僧についてのBとの会話の後言った言葉だ。好意を与えたい相手をさりげなく見る所は見習いたい。それから、押し付けないのもいいと思う。
すごく久しぶりに城崎にてから感じたことは、この小品の中にヒトという存在のエッセンスがどれだけ含まれていることか。偶然性に左右される私達は日々感謝と謙遜の念をもつべきだと思う。
『城の崎にて』。電車にはねられ、怪我をした主人公は療養のために城崎温泉に出かけた。危うく死にかけたことによって、主人公は死に対する親しみを抱いていた。しかしそれはあくまでも観念的な静かな死であった。城の崎にて、彼はいくつかの生物が実際に死ぬ状景を見ることなる。蜂は自然に死に、鼠は意図的に殺され、イモリは偶然に死んだ。自他の生と死を見つめながら、「生きていることと死んでしまっていることと、それは両極ではなかった」と語る主人公の言葉は、村上春樹の『ノルウェイの森』を思わせる。
★★★★★(うーん唸るしかない・・・読み込めば読み込むほど好きになってしまう(居座ってしまう)代表的な作家。作品の中には著者の自我の強さやエゴも散見され、とても共感できるとは言えないのに・・それが不思議と抵抗なくすんなり(スルリ)と入り込み、気づかぬうちに自分の中に大きく居座ってしまう。随分昔に表題作2編ほか短編を読んでいるのにその受け取り方が随分違う自分がいるのに正直驚いている。無駄を省いた簡潔明瞭な文体・・省くものがなく付け足しも入らない描写力には時に神がかり的な空気感すら感じてしまう。)
簡潔で無駄のない文章。その場面が直接脳に届けられるような、的確な描写。読んでいて気持ちが良かった。表題作はもちろん、「冬の往来」は面白い。何とも切ない失恋ストーリーでした!
自己本位で癇癪持ち、さらにニヒルな性格をした主人公。なんとも重い「家族の不和」というテーマ。この作品は読者にではなく、「芸術」として書かれたもの。書き方もそこにある場面を短く書き表し、ハッキリと想像させられる。そうそう、『赤西蠣太』という話は別のテーマで読み物として感動した。
お寿司屋さんに連れていってもらった後、我が身に起きたことを振り返り、神様の仕業だと感じる仙吉。本当に邪念、邪心の無い澄み切った心の持ち主だなと感じました。
小僧の神様・城の崎にての
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感想・レビュー:79件














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