蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)
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蜘蛛の糸・杜子春の感想・レビュー(1513)
原典は宗教の教義を教えるものだけど、それを人間として豊かな生き方を求める視点でリライトしてある。宗教の非倫理側面を描き出す『蜘蛛の糸』が第一遍目に配置されているのが秀逸。人として捨てにくいものは無理に捨てない生き方を選んだ『杜子春』が一番好き。
この本で初めて「トロッコ」に出逢い主人公に深い共感を覚えました。「蜘蛛の糸」「杜子春」「白」はこの本を手にする前にも読む機会がありました。しかし、読む度に感じさせられる作品の深さに飽きることはありません。「白」は最後の部分に収録・配置されていますが、まさに相応しいと思いました。
残酷で、だからこそ美しい話なのだと思いました。子供の頃に読んだのでとても思い入れがあります。短い話ばかりで読みやすいので読んだことない方は是非。
ipadの「よみづくえ」というアプリに入っていて、改めて読んでみました。蜘蛛の糸も杜子春も非常に道徳的というか人として大切なことを描いた作品だなぁと感じた。杜子春は原作に芥川のアレンジが加わっていて、仙人の言う言葉が180度違うものになっていて、親を大切に思う心を教訓に込めた人間味あふれる作品になっている。物語っていうのはこうやって時代とともに形を変えていくんだなぁと改めて実感。「本当は怖いグリム童話」や「かちかち山」の変化とも相まって色々考えさせられました。
すごく好きです。羅生門、地獄変などのイメージが強かったので、こんなに綺麗な、あったかい話も書いてたんだなあと驚きました。でも子供向けと書かれているのを見て納得もしたり。
「蜘蛛の糸」はよく知っている話なのに、何度読んでもぐるぐるといろいろ考えてしまう。「杜子春」は原典とはラストが全然違うけれど、芥川版の杜子春はやはりいいなぁと思う。「アグニの神」で、妙子に神が乗り移る瞬間、得たいの知れない音楽の声が~という表現があまりにもそれらしく、作者は似たような経験をしたのではと勘繰ってしまった。個人的にとても好きなのは「蜜柑」。主人公と同じように、爽やかな気持ちになれた。どのお話も読みやすく、代表作が詰め込まれた手頃な一冊だと思います。
猿蟹合戦という作品が印象的だった。蟹の行為が実は刑法では殺意を持ったことで裁かれるものだという解釈だ。どれが正しいかなんていえない。蟹の立場に同意すれば、世界は成り立たない。でも、自分が蟹だったらと考えると立ち止まるしかない。そして、作品は猿が蟹の母を殺した行為は、殺意の証明が出来ないという。猿は同情されるべきか。それぞれの人がそれぞれの立場にたって考えられる作品だと思った。
言わずと知れた、名作。『蜘蛛の糸』。なんだかなぁ~と(^_^;)。何回読んでも、お釈迦様のきまぐれが気になります。。。『きまぐれ』だから意味はないんだろうけれど……ある意味、残酷なんじゃないかなぁ?と(苦笑)。
エゴイズムを克服できるのだろうか。僕には不可能に思える。だけども、自らのエゴイズムに気付いて、自覚的にそれを克服しようとする意識こそが有効なのではないだろうか。いや、むしろそれこそが克服かもしれない。平和も脱原発も、意識することから始まり希求することこそ本質なのではないか。と、今は思う。
「蜘蛛の糸」に出てくるお釈迦様は自分勝手に思える。悪人に慈悲を与えようとして糸をたらしたにもかかわらず、一人だけ助かろうとする悪人を浅ましく感じるとは何とも矛盾している。「杜子春」は読んでいて少し泣きそうになった。薄情な世間の人たちと違い、鞭に打たれながらも息子を思いやる母親の愛情に触れて、杜子春が考え方を変えたことに感動した。「蜜柑」は短いながらも美しい物語のように感じた。冒頭では主人公の気分は疲れきっていたが、娘の行動によって最終的には疲労と倦怠を忘れる。そのような感情の変化が非常にいい。
子供のころにたくさんの人が血の海でもがいているところに糸がおりてきて、人々が他人を押しのけて糸をつかもうとする夢をみました。それを母に話すとこの本を図書館で借りてきてくれて、内容が自分の夢とそっくりだったのに驚いたのを覚えています。今思えばそれが読書に興味をもったきっかけだったな。
蜘蛛の糸は短いながらよくまとまってる。猿蟹合戦は斬新。杜子春の仙人になるより普通の人間の方がいいというのがよい。裏表紙に書いてある通り、明るく、健康で、人情ぶかい物語が多いです。
お話1つ1つは短いのに心を動かされるものがあり、このような文章を書けるのはすばらしいなと素直に思えた作品である。題名にもなっている「蜘蛛の糸」「杜子春」は、解説があってさらに作品の良さが引き立っている気がする。お話を読んでいると人間の昔からの考え方が作品の中に入っているように感じられる。
そこいらの子供向けの物語よりも依り子供に影響を与え、そこいらの大人向けの物語よりも依り深く、依り味わい深い物語達。いつか誰かにベットの上で読み聞かせたい。。。現代人のバイブル
芥川龍之介と言われイメージしていたのがエゴイズムの追求、追求しすぎてて先がない・・・という先入観があった中でこの本に掲載されている作品は人情味が伺える温度のある作品があって驚かされました。『蜜柑』は引き合いに出される風景と色彩が素晴らしく綺麗な情景になっているし、他にも動物・神・魔神・仙人と引き合いに出すモノが独特で面白い。
「蜘蛛の糸」は大人になって読むとお釈迦様ってイケズだなぁと思う。地獄に糸をたらせば誰もが争って登ってくるのはわかりきっているし、カンダタに限らず「このままでは糸が切れてしまう!」と恐慌するのは普通と思う。それを克服するには正に「杜子春」のように親が目の前で鬼に打たれても動じぬ心が必要だろう。杜子春はサラッと書いているが情景が目に浮かぶような、芥川の筆力がわかる作品。「白」は太宰の走れメロスを読んだ時のような気持ちになった。「芥川がこんな真っ当な話を書くなんて」と。実は「仙人」がかなりのお気に入り。
なんと日本語の美しきことかな(´ω`)のほほん♪〜短編集なこともあり、とても読みやすかったです。何かを仄めかすような終わり方の「何か」が分からなくて、ああっ…!(涙)ってなった所もありましたが、解説が「何か」を伝えてくれてました。自分で分かるようになりたいものです。読んでよかったです。
トロッコや蜘蛛の糸、蜜柑などは小学生のころに道徳や国語の授業でやったので少しは知っている話だったが、この年齢になってから読むとまた一風変わった印象を持ちました。短編にも関わらず、人間を風刺しているような、そんなところがやはりすごいと思いました。
蜘蛛は蓮の描写がたまらん。犬と笛は策士家土グモ恐るべし。蜜柑はうるるとくる。魔術は自分がかけられてたように思う。杜子春は白い孔雀欲しくなる。アグニの神は婆さん怖ぇーよ。もっとトロッコに乗って大冒険してほしかった。仙人挑戦してみようかな。猿蟹は現実世界に引き戻される。白はかっこええよ。 こんなに短編でなんと読者を物語に引きずりこませるのか、やっぱ芥川龍之介はすげぇー。絶対一度は読んだほうがいい本だろう。 うりうり度は95うり
「白」に不覚にも涙。なんて健気なワンコなんだ。友達を見殺しにした罰で真っ黒になった白犬が各地で人助けに大活躍。でもその本音は死にたいがために危険に飛び込んでいただけ。なぜか死ぬことも出来ず、最後にご主人の家に戻って、ひと目だけでも主人の顔を見せてほしい、と願いその翌朝…。もー、涙ちょちょぎれだよ。芥川は短くて読みやすいね。面白かった。杜子春のラストも好きだ。絶対このラストの方がいい。トロッコの余韻も良いなあ。
蜜柑、杜子春、トロッコが個人的にすき。「云いようのない疲労と倦怠とを、そうして又不可解な、下等な、退屈な人生を僅に忘れる事が出来たのである。」心に留めておきたい作品集です。
「杜子春」は地獄の描写が言葉は淡泊なくせに妙に生々しく、痛々しい。「猿蟹合戦」は童話に司法を持って来て、主犯蟹は死刑、その他共犯者は無期懲役……と、「空想科学読本」的な内容になっている。これは笑って良いのだろうか。「白」には、当時の主要新聞が並べられていて興味深かった。
おもしろかった。さすが文章に趣があるな~ ”給う”を日常で使いたくなりました。 三島由紀夫もそうですが、昔の人の言葉は気品がありますね~
蜘蛛の糸ってこんなに短い話だったとは。小学生の時、たぶん教科書で読んでもっと続きがあるのかと思ってた。この短い話に人の愚かさが、詰まってる。それとは対照的に杜子春は人の薄情さと優しさが詰まっていると思う。魔術が一番好きかな。魔術の不思議さと人な欲深さがこの短い話の一瞬で表されてる。猿蟹合戦の着眼点に目から鱗だ…。
小学生向けの教科書のような作品が集まっていた。ので最後の結末が見えてしまった。しかしそんな中にあるので「猿蟹合戦」の風刺は大人になった今読むからこそはっとさせられ、「蜜柑」の描写美しさが眩しいほどに光っていた。著名作家の作品はあらすじやタイトルは知っていてもなかなか読もうと手が出ていなかったので、これからもっと読んでみようと思う。とりあえず芥川はオリジナル作品から読むべきかなぁ。
地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけ助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落ちる「蜘蛛の糸」。大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然のなかで生きる幸福を見つけた。
それぞれの作品で「人間性」を感じる。再読して印象深いのはまず『蜜柑』。少女の弟達(かな?)への感謝の印の”蜜柑”。大人のぎすぎすした気持ちを解きほぐす。温かい。次に『トロッコ』。中学1年に友達と(トロッコじゃないけど)自転車で隣の県の海水浴場まで出かけて一夜をあかしたこと思い出すなぁ。何も意味はない遠出。主人公のように、今でも時に思い出す。『杜子春』はもれなく子供に読ませたいですね。これは大人も子供も楽しめる大切な一冊。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 10/07
「蜜柑」がどっかで紹介されているのをみて再読。短い話やけどラスト1ページですべての出来事が黄金色の輝きに反転する見事な構成やと思った。大好きな「杜子春」もあるし、神みたいな一冊やと改めて思う。
日本語の美しさとか自分にはよく分からないが、一つ一つのシーンが絵として頭のなかに思い浮かぶ。芥川ってこれまでいちどもちゃんと読んでこなかったが、これを機会に読んでみようかと思わせる短編集でした。
柳広司のジョーカーゲーム読んだ後に再読。これを捨てたら自分゛生きている意味がなくなる。杜子春はこれで仙人になれずに、命を得た。ダブルエックスのほうは、スパイをあきらめ、死地に赴く。「死ぬなよ」と、結城中佐。
小学生のときに読んで大好きになった芥川。久々に読んだけれど魅力は色褪せない。『蜜柑』はラストのシーンが目にありありと浮かぶよう。それまで語り手と同様に娘をいぶかしむ我々の視界がさあっと開けて――我々のもとにも蜜柑が届くのだ。
蜘蛛の糸・杜子春の
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