卍 (新潮文庫)
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卍の感想・レビュー(480)
ただただ面白かった。関西弁の独白形式も飽きることなく、寧ろ、話に夢中になるくらい引き込まれてしまった。展開や心理描写に隙が無く、ラストまで一気に読んだ。想像以上に楽しめた。
ひとりの美女のためにひたすら泥沼化していく物語。展開もぽんぽん話が進んでいくし先が気になるので飽きにくい!会話が面白くてみんながみんな自分が都合の言いように嘘ついているようで、最後まで事実がわからない(((・・;)最後の怒涛の展開は本当に予想外。ラストもどういう意図なのか・・・?もしかしたら園子が、という可能性もある訳で。関西弁は関西出身の自分には読みやすい。最後の注解も楽しめた!光子さん、ちょいとヤンデレぎみ(´・ω・`)
怖い終わり方だなぁ。光子は夫を選んだのかな。もしかしたら園子を生かして幸福にさせるためにはあぁするしかなかったのかもしれない。俺が先生ならそう答える。
禁断の愛モノかと思いきや、どろどろの愛憎劇やないですか……特に光子さんや綿貫さんの執着というか「わがまま」で片付けられない視野の狭さというか、怖いね。京言葉と思っていたものが大阪言葉でけっこう意外。僕が関西在住なせいかリズムが馴染む。それにしても、愛も恋も理性というか節度というか視野を広く持たないと、坂道転がるように破滅に行くもんなんだなあ……(しみじみ)
大阪弁の「声」を通して読んでいるような気のする小説で、そこから直接体験を聞いているような生々しさを覚えた。その語りの中でも、大阪弁と東京弁の対比的役割としての「先生」のあり方など、様々に技巧を感じた。
関西弁で書かれているせいか変に生々しい。独占欲、虚栄心が強く自分の欲望に忠実でいかにも性格の悪そうな光子と菩薩を被らせているのが面白かった。最後はドロドロの展開に....最後に置いて行かれた主人公の怒りや恨みを通り越してなお心をを引きつけている光り輝く光子の存在感が菩薩と言うことか?面白い小説だった。 それにしても題名もヤバいよね。
芸術学校に通う女性同士の恋愛を扱っていて背徳的な作品、と聞くと、なんとなく儚げで耽美な恋愛を思い浮かべる。しかし実際のところは、かなりのドロドロ具合。谷崎のことを甘く見ていた。変態性欲を著した、と称されるが、特に女性同士の恋愛に於いての障害に苦しむ様子はない。勿論結婚も出来ないし、お互いに夫や恋人を持つべき、というのが物語の核をなしてはいるが、それについて悩むというより、人間関係をより複雑にするための道具に思える。女性同士の恋愛、を求めるのならば物足りない。とはいえ、存分に谷崎の描くマゾヒズムを楽しめる。
冒頭こそ無邪気な同性愛が語られてちょっと同情を誘うが、次第に嫉妬と虚栄心と猜疑心と独占欲とその他諸々の黒い感情があふれだし、4人の関係性は縺れに縺れていく。滔々と流れる関西弁を追ううち物語はふいに収束するが、真相はわからぬまま。このすっきりしない読後感が良い。恋愛小説ではなく心理サスペンスだと思う。
「痴人の愛」と同じように恋に溺れていく物語。ただしこちらは女性同士。関西弁に慣れない私は少し読みにくかった。しかし話し言葉(というか告白文)でだらだら書かれているのでこちらもだらだら読めてしまう。誰が嘘をついているのか誰を信じていいのかわからず読みながら混乱してしまったけれど面白かったと思う。
告白体+関西方言のダブル効果か、妙に現実味があって生々しい。幻想的な官能美を期待するとハズレだが(女性同士の話ということもあり変に期待をしてしまった)、登場人物たちの正直な情欲が絡み合うこのお話の中では、その生々しさこそが肝である気もしてくる。
読了後、ところで『卍』ってどんな意味なのだろうと思った。おぼろげながらニュアンスは想像してみたけれど、とりあえず辞書をひく。要領を得ないので今度はWikipedia。「かつては洋の東西を問わず幸運のシンボルとして・・・」。そうなん。
作中の「先生」の存在は何だろう。例えば地の文、会話文の関西弁の外側を支える標準語としてあるとか、語り手(園子)の主観性に対する客観性の担保のためとか、もっと単純に関西弁で語らせる理由付けとか言えなくはないけれど、それだけならいてもいなくてもという気もするし。もうちょっと考えてみよう。それにしても4人の関係がどう変容していくのかついつい気になって読み進めちゃうし、そして期待を裏切らずとんでもないことになっているし、妙な関西弁のリズムも新鮮で、筆跡や着物の描写、色彩感覚もゴージャスで普通に読んでて楽しい。
「関西言葉で語られる妖艶な愛欲の日々」とか「禁断の同性愛小説」とか言われるが、そんなキャッキャwウフフwwなストーリーを想像すべからず。本質は情を用いた容赦無しの騙し合い。横行する死ぬ死ぬ詐欺。まさに「ライアーゲーム」。百合小説期待している人はどうか裏表紙の作品紹介文(煽り文)に騙されない様に。※なお、この作品は告白体で綴られており、独白者である園子の発言が全て事実である保証は一切ございません。
気がついたら谷崎的世界に片足を突っ込んでしまっている自分が居ます。いやもう両足入っているかも。あっちこっちではかりごとをしているような話で、リアルだし丁寧だし、何より関西の女の言葉のふつくしさ。もうあかんわ。
乱れっぷりがすごい。読んでるときは「こんなのあるかーい」と突っ込みまくってしまっていたが、読み終わった後にふと思うと、みんな「純粋な好き」という気持ちからこんな奇行をしているんだよね。一人ひとりの気持ちは本当に純粋なものなのだと思う。その表現の仕方がちょっと(かなり?)間違えてしまっただけで、人はみんな同じような気持ち持ってるのかも。谷崎作品、好きです。
園子と光子の同性愛に光子が引き込む謎・男性の影が交差し、それがどうしようもない繰り返しとして交差されなおした先のラストには、卍とは十字架なのではないかと思われるほどの鮮烈なものがあった。
映画とかのイメージでポルノチックな話かと思っていたが、そんなシーンは基本出て来ない。恐るべきリーダビリティで、改行少なく文字がびっしり詰まっている関西弁の会話体でも何が書いてあるのか明確に完璧にわかる。とりあえずまずそれがすごい。
端から端まで京大阪弁やさかいあての頭ァ知らんまァにこないなりましてん。中学修学旅行のお土産屋さんで初めて関西弁を聞きましてん。和服着た綺麗な売り子はんに「おおきに」云われ「ぽ〜っ」してしもうていまでも記憶にあるさかい、ドロドロの複数男女の愛憎劇かて引きこまれましてん。愛、羞恥、憎悪、疑惑、嫉妬、虚言、裏切りが卍の様に?絡みおうてほんま気ィ抜けられんのんです。一歩間違えば三流エロ小説っちゅう事になりますのんが谷崎はんの手ェにかかるとほんま誰しもある奥底の・・ぇぇ、この醜さ同じやなぁ云う気持ちになりますねん。
全篇が関西弁の発話体形式なので、関西人の私はすぐ物語に入りこめましたが、関東の方にとってはどうなのでしょうか。同性愛の物語の均衡を崩すその描き方と、突然訪れるクライマックスには圧巻。一人称に徹して描かれる作品(厳密には作者注が挿入されていますが)はかくも動的なのか。
★★★**
異性はもちろん同性までをも虜にしてしまう魔性の女(死語?)光子。この光子に見染められてしまった人々が光子の愛を我が物とするために、疑い、憎しみ、騙し合いながら複雑に絡み合っていく。それを女性の大阪弁独白という形式で語っていく。ここに書かれている関西弁が自然なものか判断つきませんが、関西弁を使うことによって妙に奥ゆかしく妖しく色っぽい世界観を生み出していると思う。きっと標準語だとストレートに響きすぎてこうはいかない。ただ同性愛を書いただけの小説に非ず。人間の偏執全般を暴いた小説だと思う。
最後の数十ページで起きた急展開にかなり気圧された。事件の渦中にいた園子の告白として書かれているため主観的であったが、その分この浮世離れした恋愛が身近なものに思われた。アブノーマルな恋に翻弄されていく過程がたまらない。
○全体が関西弁で構成されていて、東京住みの僕は大阪言葉に戸惑った。告白という形で出来事を書き連ねているので、いわゆる地の文も会話口調だった。本書の帯とか裏表紙のあらすじには、「恋愛小説」と書いてあるが、そうは思わなかった。いわゆる依存症というものにしか思えなかった。内容は題名の漢字の形のように、絡み合った昼ドラのようで、沢山の出来事があり飽きない。改行や段落落ちがないので、文章の切れ目がわかりにくい。『恋愛にしたかて子供生んだりするのん動物の愛で、精神的恋愛楽しむ人にはそないことやかい問題やあらへん。』
卍の
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