どろぼうの名人サイドストーリー いたいけな主人 (ガガガ文庫)
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どろぼうの名人サイドストーリー いたいけな主人の感想・レビュー(138)
ある国の美しい女王とその護衛官の女性との恋愛小説。日本の一部にある架空の国の帰属問題と二人の恋愛、作者の後書きをからめて、愛と正義と美しいものが勝利するお話として読み、心をうたれる。それにしても唯一無二の作者さんだなぁ。この方の小説はもっと読んでみたい。曲者食わせものな美潮さんがすきである。
中里十という人は本当にワンアンドオンリーな作品を書く人だと改めて実感。とりあえず百合モノではある、でもそれだけではとても言いあらわせない物がぐるぐると渦巻いている。きれいなものを組み合わせていったらいつの間にかすごい怪物が出来上がったようなというか。しかしその怪物はグロテスクなのにきれいで儚い。本作も美しくて恐ろしい、儚くてたくましい、鋭くてやさしい、そんな矛盾する感覚が湧いてくる。でもその矛盾は全体としてはまとまっていて、美しく巨大な構造物を作り上げている。そんなみごとな一冊。あとわりとエロいよ。
傑作でした。あえて難をいうなら、美園みたいな女性は多分現実にはいないんじゃないか、ということか。ともかくも傑作。
前作の良さがわからなかった(ということはこちらの魅力も数割しかわかってないんだろう)が、それでもしかし、物語と感情の奔流に心折られた。名作だ。
1.7h。本編よりも甘くて苦いお話だった。個人的にはこちらの方が読了時の満足感が桁違いに高い。もっと早く崩しておくべきだったと少し後悔。
すごいの一言。終止圧倒されまくり。一読だけじゃ消化しきれない。ストーリーは分かりやすいが、人物の心情がなかなか読み解けず、奥深い作品だと感じた。とにかく面白かった。
面白かった。周りで大きな出来事が起こって、どんどん物語が動いていくのでわかりやすいといえばわかりやすいけど、こう、心の動きを描くのがすごすぎてそこのところはちゃんと理解できた気はしない。どろぼうの名人のほうは淡いというかよくわからないというか、童話的な雰囲気の中で、って感じだったのだけれど、こっちはなんというか直接的変態的すぎて、それはそれでいいんだけど、淡い、ぼかしているようなもの方が僕は好きだなぁと思った。
あれ、初読のときに登録してなかった。再読。この人の作品は、毎回毎回あらすじが的を得ていなくて困る。まぁあらすじくらいの長さでは到底表現しきれない内容だからしょうがないが。登場人物それぞれに、いろんな「好き」の形がある。モノガミー的な恋愛観を期待しながら読むときっとわけが分からないと思う。かく言う私もいまだに全てを納得しきれてはいない。どこまで登場人物の心に入っていけるかが重要になるお話。
どろぼうの名人には物語っぽさがあったけど、こちらは「百合というマイナーなジャンルを好きだとお前は言うが本当だろうな!」と、お話よりも読み手に対する挑戦的なものが感じられた。なので読後感としては「こいつ(作者)すげぇ…」と、百合に対する思いの深さに驚嘆はしたけど、読み物としては前巻が良かった分ちょっと武骨に思えてしまった。いやでもこの人、ホント百合に対して本気だな…。
作者が本気すぎる。 たぶん半分も心の動きを読み解けていない。 百合は奥が深いんだな。 /「ひかるは、おもらしとか好きなの?」は名言。
酸いも甘いもがタップリつまった百合物語。女性のセクシャリティとめくるめく濃密な世界観に前作でも感じたのだけれど、ある種の魔薬めいた吸引力のある不思議な作品だなぁと思いました。
物語に最後まで圧倒された。刃物の切っ先をずっと突きつけられたままストーリーを追うような感覚がずっとつきまとった。好きでいること。それから従え、そして従うこと。そういった身近な思いが、分厚い世界観の中でキャラクタを息づかせる。この2作以外も是非に読みたい。
「どろぼうの名人」のサイドストーリーどころか、むしろこっちがメインだろっていうくらいの濃密な百合作品。耽美であり淫靡。「どろぼうの名人」ではあまり触れられることのなかった某王国が舞台。キャラも全く被ってない。なので、「どろぼうの名人」が未読でも本書は読める内容。百合好きの方には是が非にもお勧めしたい。
天然ジゴロ受け気質の主人公が総受けちゃったから事態に対して総攻めになった……とか思っていたらそんなこと関係ないところまで突き進んでいった。
前作「どろぼうの名人」にも増して凄まじい作品だった。ここまで「百合」を深く考えたことはなかったなぁ。百合の根源にある本質としてどろぼうの名人が「停滞」という要因から百合を形作っていたのに対し、本作では愛情への飢えから来る「孤独」から形作っていた。「孤独」の反証としての包括的な「家族愛」を通して百合を描いたわけですね。言わば王室とは家族であり、陸子にとっての緋沙子は子供の頃の自分自身。そこに二人を誑かす光が現れ――”子供の頃の陸子”、”母親になった陸子”、”光”の三者が織り成す濃密で淫らな百合が圧巻でした。
とにかく濃厚な百合成分。おなかいっぱい!最初から最後までフルスロットルで、それでいて読んでいて疲れるようなことはない。クオリティ高いなー。
これくらい厚く、かつ密度が濃い小説となると、途中でうっかり今読んでいる場所よりも先を開けて自己ネタバレになる、ということがよくあるのだけれど、この本にはそんなことはまったくなかった。先を開いても、書いてあることが分からないから慌てて元に戻って読み進める、といった具合。自分が百合好きでこの本を楽しめる立場にあることに感謝。緋沙子が本当にかわいくてお気に入り。
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感想・レビュー:45件














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