20世紀の幽霊たち (小学館文庫)
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20世紀の幽霊たちの感想・レビュー(229)
子供時代に、自分ひとりで留守番をしている時に鳴る電話。 道端の道化師に見入り、ふと気づいたら親の姿がない時。 そういう、懐かしい恐怖心を、思い出させる。
衝撃の短編集。別のアンソロジーに収録されていた『ポップ・アート』の奇妙な味の面白しさに惹かれ、この本にたどり着いた。おぞましくて、怖くて、鳥肌がたつけど、途中でどうしてもやめられない!! 『蝗の歌をきくがよい」
短篇集。ホラーというより、幻想小説みたいな趣の作品が多いかもしれません。「ポップ・アート」他、前半の数篇は、没入感が高く読後の味わいも深い、優れた作品だと思います。スタージョンなんかを想起しました。後半の作品は、中篇と言ってもよい長さが多いですが、ホラー(ゾンビやラブクラフト)へのオマージュって感じで、結構マニアックな内容だと思う。個人的にはあまり詳しくないので、やや疲れてしまいました。あと、巻末の「収録作品についてのノート」がやたらと面白かったので、この人は非常に「良い読み手」でもあるような気がします。
凄まじい短編集。何をおいても「ポップ・アート」を読むべき。こんなに心揺さぶられたのは近年無いくらいの話です。どんな感情からかは自分でも判らないけれど、眼が真っ赤になるまで泣きました。表題の作品も、乾いた空気の鄙びた田舎町、少しの哀愁と、そしてゾッと背筋を逆撫でされたような感覚の奥に、濡れるような光を感じる何ともいえない独特の読後感で、この2作を読むだけでも購入する価値がある。「震えるほど」感動したい、恐怖したい、怒りを感じたい、全ての感情に針が振りきれるくらいの質量でもって応えてくれる一冊
純文学的な要素が強いせいか、全体的に静かな雰囲気をたたえた作品集である。奇妙な話をひそやかに語り、不可思議な世界に連れて行ってくれる。そんな印象を個人的には受ける。一番のお気に入りは、『ポップ・アート』だ。設定はいかにも突飛だけど、中身はオーソドックスな友情ものという点がおもしろい。センチメンタルな味わいがあって、しんと胸に響いてくるのが好ましかった。
かのスティーヴン・キングの息子でジャンルも同じホラーという触れ込みだが、むしろ純文学系統の味わいが濃く、それが奇妙な魅力を持って世界を作り出している。類稀な着想から導かれる設定に郷愁と哀切を纏い、時に恐ろしさを漂わせるストーリィ・テリングが素晴らしい。純文学なら「ポップ・アート」、ホラーなら「蝗の歌をきくがよい」、その中間として「自発的入院」を推す。
久々に再読した所、好きなんだけど後一歩踏み込めていなかった「救われしもの」がすんなり理解できたように思えたので嬉しかった。今後も、何度でも読み返すと思う。
ボリュームたっぷりの短篇集。読む前はもっとホラーものを想像していたがそうではなかった。たしかに純文学にも通じる作品がたくさんある。読了後、甦るのは『ポップ・アート』の輝きと切なさ。飛び抜けてこの短篇がよかった。他には「寡婦の朝食」「おとうさんの仮面」「自発的入院」がお気に入りとなった。
いやー、素晴らしい。 非常に出来の良い「ジョー・ヒル」のデビュー短編集。 700 ページ弱のボリューム。 単純にホラーにカテゴライズ出来ない。 純文学的・ファンタジー的なテイスト、心にしみる作品群。 ひたすら丁寧で抒情的な文章。 上手い作家だ。 あの「スティーブン・キング」の息子であることを長年隠してきたらしいが、 そのようなことは関係なしに、優れた 1 人の作家である。 2006 年 ブラム・ストーカー賞最優秀短編集受賞。「年間ホラー傑作選」。 2006 年 世界幻想文学大賞
ジョー・ヒルこの短編集は、かなり質がいい。ある作品にはジョージ・ロメロが出て来て『ゾンビ』の撮影シーンが出て来たり、ほんとホラージャンルが好きなんだろうと思いました。とにかくアイデア自体は、新しい訳ではないけど、ラストに味をきかせていて印象が残る作品が多かった。他のも読んでみようと思った。問題は本の題名だけ。理由はわかるが、読み手を減らしていると思う。
後半のワリと長めの「ボビー・コンロイ…」「お父さんの…」「自発的入院」が良い。17編ってボリューム、少年物ばかりでスタイル固定、淡い印象の結末、ロックアルバムっぽいかも。あ、「蝗の歌を…」はカフカで言う不条理さを自分自身の情動の中に置き換えているよな。
怪奇幻想テイストの短編集。17編もの作品が収められており、その内容も多岐に渡る。ただ、作品の出来にばらつきがあり、著者自身が自分の方向性をまだ掴み切れず、模索している最中なのではないかと思われた。個人的には「ポップ・スター」「うちより…」「寡婦の朝食」などのように、著者が本来目指していたという、純文学に陰鬱な幻想性を加味した作品に秀作が多いと思う。その他お気に入りは「末期の吐息」「おとうさんの仮面」「自発的入院」。
結論から云えば、玉石混淆の短編集で、総体的な出来映えとしては佳作。実質的な収録作品数が17作品というのが多すぎて、逆に総体的な評価を下げているとも云える。「二十世紀の幽霊」、「ポップ・アート」、「蝗の歌をきくがよい」、「アブラハムの息子たち」、「末期の吐息」、「ボビー・コンロイ、死者の国より帰る」、「自発的入院」の7編が個人的良作。「アブラハムの息子たち」は国民的ホラー作家の息子という宿命を背負った作者自身を想起させ、内容的にも興味深かった。「ポップ・アート」は人生でそう読めることはない奇跡のような傑作。
最高。気に入った作品を挙げればきりがない。図書館で借りて読んだけども、そのうち購入して今後何度も読み返すことになる作品になると思う。是非読んでもらいたい。
傑作ホラー短編集との呼び声が高い本作だが、印象深いのはジャンル色の強いものよりも純文学寄りの作品。いわゆるスリップストリーム文学というやつか。特に風船人形の友人との交歓を描いた「ポップ・アート」と段ボールでこの世ならぬ世界への扉を開く迷路を作り上げる能力を持つ弟を主人公とした「自発的入院」の2作は恐怖や寂寥感の中にも、ほの暖かさを感じさせ、素晴らしい。
一押ししたいのが「ポップ・アート」。人間の男の子と空気人形。なんだかおかしなコンビなのですが、これがまた絶妙なお話で、これは2人の友情物語であり成長物語でもある。そして最後にくる切なさはまさしく「スタンド・バイ・ミー」!! 父の背中を追う息子、というのでしょうか。間違いなく父親の才能の片鱗を引き継いでますなぁ。。。。このままいけばもしやジョー・ヒルはスティーヴン・キングを越えるかもしれません。
友人に勧められて読んだ。佳作だと思う。この短編集でも繰り返される父子愛は、父であるキングに通じるものがあるが、もっと純文学に傾いている。道具立ては斬新というよりは寧ろ古典。落ち着いて読めた。
「年間ホラー傑作選」、「二十世紀の幽霊」、「黒電話」、「ボビー・コンロイ、死者の国より帰る」がなかなか良かった。ボリュームたっぷりで、ちょっとしんどかったw
短編集、一編もかなり短め。この分厚さと、ほぼ同じ境遇・背景の世界での話(鬱屈)なので、聞いたような観たような既視感で結構お腹いっぱい。ホラーって文化の違いで全然色合いが違うのですね。映像でみたらまた別の印象かも。『自発的入院』なんかは特に映像化すると面白そう。でもホラー色のない『ポップ・アート』が1番好きでした。S.キングの息子なのは知らなかった。
「ポップ・アート」よかったなぁ。短編小説を読むヨロコビを堪能しました。あと好きなのは「二十世紀の幽霊」「年間ホラー傑作選」「自発的入院」あたりか。他の作品もそれぞれ楽しんだけれど、結構なボリュームが一冊にまとまっているので小分けして読んだ方がよかったかも。
良い意味での裏切られ感を抱くことが多い作品集。解説で触れられることも乏しかった「マント」で主人公が一転シリアルキラーになってしまう急展開なんかが真骨頂に感じた。表題作は美しい。黒電話は枝葉や尻尾まで刈り込んで正解。自発的入院も同じくらい刈り込んで、もっともっと短く出来そうなもどかしさを感じた。現状でも面白く読めたのだけれど、途中でネタバレして「どこかで読んだかも」感を醸し出してしまったのが残念。もっと鮮やかに決められた気がする。キングの息子だと言うことを知らなくても売れそうだね。
17作全てギリギリ水準作以上だが、女性視点の物語が一つしかなくて、21世紀に書かれた話にしては、ジェンダー観が古すぎて笑う。いまだに父性愛をマンセーされてもなぁ。上手な無駄の無い話ばかりだが、もう、お腹いっぱい。作者の引き出しの限界も読み取れて、他の作品集は読みたいとは思えなくなる。これ一冊でも後半はまた少年の話かよ!と飽きてきた。描写巧いのでスラスラ読めますが、ヒルはもういいやw
20世紀の幽霊たちの
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感想・レビュー:103件














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