となり町戦争
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となり町戦争の感想・レビュー(1120)
ある日突然、となり町との戦争が始まった。だが銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報紙に発表される戦死者は増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けない僕に、町役場から任命書が届いた。現実感の無い戦争。遠い異国の国で行われる戦争には、私達はフィクションを見ているように感じる。それと全く同じだと思います。
世界各地の戦争・紛争を感じる機会は、TVを通してが大半だ。それ故、現実味を帯びない。映画のシーンを見ているかのようなものだ。そんな現代の「戦争」をなぞっているかのような物語。スカッとしたところが欠け、モヤモヤ感の残る読後。(もしかしたら)それこそが作者の狙いかも。
いずれにしても、生半可な反戦平和論を打ち砕いてしまう作品だ。読み手の脳ミソを刺激してくれる。
この戦争は私たちのイメージものとは違う。銃声もなく日常に溶け込んでいる戦争だ。もしかしたらこの主人公の戦争の加担の仕方と私達の加担の仕方は似ているのかも知れないね。自分のために誰かが死んでいて、自分はそれを一生知らずに誰かの屍の上で生きているのかも知れない。三章までは話の動きが少ないけれど四章からは戦争の輪郭が見えてきて面白くなる。でも最後まで読んでも本当に知りたい部分は解らなかった。そしてその私の知りたい部分はこの物語の主人公も一生知ることが出来なくて、解き明かされる事は無いのだろうなと思う。
そんなばかな、と通常なら思うようなことをいかに現実的な説得力をもってその世界に溶け込めさせストーリーを展開させられるか、というのが面白いフィクション小説の要素だと常々思っていたけれど、この小説はまさにそういった設定を上手に描けていたと思う。ただ、淡々と進み、後半は曖昧な部分も多いので、読み手を選ぶと思った。繊細さが織り込まれ、狂気はオブラートに包んでいるので、不快感や悲しみというよりはせつなさ・諦念が込み上げ、なんともいえない気持ちになった。ちなみに「闘争心育成樹」のことは正直よく分からなかった。
さらさらと、現実味がなく戦争がはじまり、ふとしたことから参加する主人公。最後の方まで、じんわりとしかリアリティーが感じられない。こんな世の中になったら嫌だな・・・
設定が斬新で、ありえるかもしれないというぼんやりした不安感とお話に対する期待感を抱きながら読み始めたんだけど、いかんせん、ぼやっとしたまま話が進み、もやもやしたまま読了してしまった。我々の日常と、死亡者が簡単に出るという非日常が遠いはずなのに近すぎて、リアルな感じに欠けてしまっていたからかなぁ?しかしまぁ、戦争ってのはこんな風に身近にやってくるものなのだろうか、私たちが知らないだけで。なかなかに怖い。この本は、娘が学校の図書館から借りてきたもの。彼女は「話が進まないから」と、数十ページで挫折したそうだw
意識しないままに始まり、意識しないままに終わる戦争。どんなに興味があって調べたとしても実際に見て、触れないとわからないリアリティ。表現の仕方はすごい好き。ただ最初から最後までふわふわしてた。
三崎さんのファンですが、この本だけは映画を見ていたのでいまひとつ読む気が起こらなかったのですが・・・読んでみるものですね、映画と後半違うんですね。映画より切ない話ですね。
ゆるやかにひっそりと始まった「戦争」。意識の外にある事象に対し人は無関心でいられる。テレビやネットで伝えられている真実ですら興味を抱かなければ、ただ垂れ流され続けるコマーシャルのよう右から左へ抜けていく。数字でしか伝えられない戦死者の数が不気味に日々増えていく事にすら当事者にならなければ気づかない。非日常を想像する事の難しさを感じる。
言葉を借りれば「平坦な戦場」を象徴化し浮き彫りにしている。そして「平坦な戦場」に参加しても手に血がついているどうかは曖昧なままで被害は数字で表されてしまう。掬い上げようとして零れ落ちてしまったのは「平坦な戦争」による被害なのか、否か。
ちょっと「出オチ」?何も変わらない日常、でも今まさに戦時中、っていうインパクトの強い設定でありながらあまりにも平坦というか……。それがこの本の狙いなのかもしれないですが。香西さんとの関係をあそこまで描写するなら、もっとほかのことについてもたくさん触れてほしかったなあという印象。ラストに行くにつれて象徴的なシーンが増えてなんだかふわ~っとしたまま読み終えてしまって不完全燃焼かも。
戦争のさ中でも平板で事務的な対応に終始する役場の人間、戦争に翻弄される主人公が、しっかりと演じ分けられている。歴史上の戦争とは違い、戦闘やその被害が目に見えにくい戦争が描かれていて、指示を元に主人公が逃避行する場面は迫力満点。女性職員との同居生活や、その間の定期的な性行為も戦時業務の一環だったのには笑えた。
戦争は「何」で、敵は「誰」なのか。特に前者が、内容的な意味で気になったのだけれど、たぶんそれを明かしてしまったら、この本は、この本の伝えたい部分を失ってしまうんだろうな。でも気になる(笑) もし私があの立場だったとして、果たして「自覚」を持つことができるだろうか。「確かにそこにあるはずなのに、なんとなく現実味を帯びない」…そんな感覚に、陥ってしまうのだろうな、と主人公を見ながら、感じました。
え?と思いつつ、非日常であるはずの戦争を見ている気がしたんだけど、そのうちに「なぜ戦争したの?」の疑問が消えなくて。そのために関係を持つことも私にはわからなくて。納得いかない世界でした。(この作品を好きな方、ごめんなさい)私はダメだったなぁ。
「となり町との戦争が始まる。僕が〜」と当時謳われたこの本。主人公は学生かと思っていたので読んでみて驚きました。静かなる戦争なら香西さんたちをもっと秘密行政隊みたいなものにしてほしかったです。ラブストーリーの部分は切なかったけど場面の間が開きすぎて香西さんのキャラ掴めなかったです。目隠しの部分は闇の描写がうまく、ドキドキしました。
最初は、あんまり内容に入りこめなかったけど、分室の部分から面白くなってきて、一気に終了。公務員のお仕事、という印象が強い。戦争も一体なんだったのか?モヤモヤするけど、嫌いじゃない。
★★★ 読み始めは村上春樹みたいだ、と読み進みましたが、読み終わった印象では社会に出て働くと言うのは戦争なんだ(子供のエピソードもあるから人生は?)、意識していなくともその中の戦いに参加しているんだ、と語っている様な気が。(でも当然そのことに否定的?)その後にもうひとつメッセ-ジが在るような。
最初から最後までとても穏やかな作品。ダイナミックな展開も派手な喜怒哀楽もなく淡々と物語が進んでいく。物語はハッピーエンドではないが悲壮感はなかった。公共事業としての「戦争」とそれに関わる人々。テーマもメッセージも明確なはずなのに、薄いベールようなものに包まれている、ふわふわもやもやした不思議な世界観だった。
一見のどかな雰囲気の表紙や「となり町」というのんびりした響きに、「戦争」ってのは大袈裟な表現なんだと思ってた。
戦争って、あの戦争?をやるの?ホントに?
的なとまどいやリアリティのなさをそのまま小説にしたような。
読者に必死に何かを訴えかけてるオーラがあるのにそれをしらばっくれてるような、なんかおかしな雰囲気の作品だった。
物語のアイディア等はすばらしいが、ちょっと無理のある展開。北原君と香西さんとの関係も残念でなりません!感動は無いけど良くできた作品でした。
深い話のようで、結局最後までよく分からなかった。 僕の読み方が浅かったんだろう、多分。 「物を壊すのも人を殺すのも同じ」と感じる人がいたとしても、それが抵抗なく人を殺す理由にはならない気がする。そもそも物を壊すのって何らかの罪悪感を感じる行為じゃないだろうか。
第17回・小説すばる新人賞。となり町との戦争を広報で知り、実感のないまま偵察業務を与えられた主人公。それでもリアルに戦争を感じることもなく、普通に過ぎてゆく日常の中で、増えてゆく戦争による死亡者数。疑問を感じながらも、積極的に戦争に参加するわけでもなく、声高に戦争に反対するわけでもない主人公は、政治に無関心な今の日本国民にどこか似ているような気がする。
静かなお話しだった。本の内容通り、静かに始まり、静かに終わった。物語性はあまりなくて動きも少ない。はっきり言うとつまらない。だけど、戦争についてこれが主人公が感じている感情なのかと自分と重ねて合わせてみたらなんとなく納得出来ると思う。戦争にを感じ取れなかった主人公と物語の中の戦争を感じ取れなかった自分。こんな感じなのかなー、と。
初三崎亜記さん本。町の広報誌のお知らせで隣町との戦争を知った主人公が、何の実感もないまま当事者になり、「行政の施策としての戦争」を迎える。 遠くの戦争を「なかったもの」にすることに対しての問題提起なら、主人公が体験した部分はもっとリアル感があってほしかったかも。じゃないと、この人がただの「何でもリアルに感じられない人」になっちゃう気がする。
初の三崎亜記さん。私住む町の公報見た後なので、こうした使い方も有りなのだなぁ、と感心。しかしこの世界感に置いてきぼり。馴染もうと努めているのに、何かが掛け違って入り込めない。故意に無視されているようで募るイライラ感。巻末近く『僕たちは自覚の無いままに誰かの血の上に安住し、誰かの死の上に地歩を築いているのだ』に、遅蒔きながらぞっと。自覚していなければ、眼の前で起こっていなければ『なかったこと』戦争も、人の死も、見ぬもの清しになってしまう。なんてドライな怖さ。ところで三崎亜記さん、男性だったのですね(汗)
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(5)
- 06/30
文庫フリーク@灯れ松明の火
名前から受ける思い込みなんですけどね(苦笑)読んでいる最中は作家さんの性別意識しないのですが、他の方のレビューで自分の思い込みの間違いに気がつくとけっこうびっくりです(笑)しかし三崎さん手強そう。
ナイス!
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07/01 06:29
名前から受ける思い込みなんですけどね(苦笑)読んでいる最中は作家さんの性別意識しないのですが、他の方のレビューで自分の思い込みの間違いに気がつくとけっこうびっくりです(笑)しかし三崎さん手強そう。
ナイス!
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07/01 06:29
しろいるか@灯れ松明の火
三崎さん、性別だけでなくお名前の漢字もよく間違われてますね(私もそうでした(^_^;)亜紀さんではなく亜記さん。個人的には三崎作品は、長編より短編がお薦めです!ぜひぜひ♪
ナイス!
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08/04 09:49
三崎さん、性別だけでなくお名前の漢字もよく間違われてますね(私もそうでした(^_^;)亜紀さんではなく亜記さん。個人的には三崎作品は、長編より短編がお薦めです!ぜひぜひ♪
ナイス!
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08/04 09:49
戦争が身近に感じれない人々への問題提起。そういう意味でいい作品だと思う。なかなかこの作品の世界に入りきれなかったけど後半は読みやすかった。
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。だが変わらぬ日常に、僕は戦時下の実感が持てないまま。それでも“見えない”戦争は着実に進んでいた。第17回小説すばる新人賞受賞作。?と思っているうちに読み終えてしまった。何かあると期待しながら読んだけど、何もなかった。。。つまらなかった。
となり町戦争の
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感想・レビュー:290件
















































