風の影 (下) (集英社文庫)
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風の影の感想・レビュー(267)
フリアンとダニエルの人生が交錯し、やがて重なっていき、結末を予想させる濃厚なミステリ。内戦のバルセロナを舞台に、二人分の人生を描いた質感の重い作品。夢のあるファンタジーのような設定で始まるのに、終わってみれば文学作品だった。
人に勧められて読み出したら止まらず一気読み。(世界ベストセラーらしいがまったく知らなかった。うーん)ファンタジー、謎解き、ロマンス、成長、たくさんのアイテムがぎゅっと詰まった圧倒的な「物語」。久しぶりにこういう本に会ったなあ。そしてやっぱり本好きの自分としては、「忘れられた本の墓場」に行って自分だけの一冊に出会ってみたい。
16歳の時に読んだ本。21歳で再読。世界に連れ込まれたら時間を忘れてのめり込んでしまう。16歳の時に感じた思いが色あせることない。さらに様々な思いを抱くことが出来た。名作です。
上巻からずっと面白く読んだ。フリアンの過去とダニエルの現在が、もつれるように絡み合うところが良かった。登場人物もそれぞれの個性がユニークで愛おしい。時間をかけてじっくり味わって読みたい傑作。
上巻に続いて勢い良く読了。真実が次から次へと明かされていく解答編。こんなに明快でさっぱりとした結末の小説は久しぶりに読みました。それにしても不幸な女性達ばかり出てきましたね。その不幸の連鎖がようやくベアで止まったようで安心しました。
小説のジャンルは全くの別物だが、色相がスチームパンクと近似であるような気がする。ディケンズ何かもそうかも知れない。じっくりと読ませる多ジャンル(ノンジャンル)なストーリーの面白さと、「本と読書好き」の為の仕掛け、現在と追い求める過去の類似の平行感。終盤近くのヌリアの回想は読み応えがあった。その後の展開に、やや強引な感があったのが残念。世界中で翻訳多数、ベストセラーらしいが、日本では読むのは一部の人だけだろう、きっと。
上巻でちょっと読みづらいなと思ったのが、下巻では嘘だろってくらいすらすら読めました。いろんなタイプの父と子そして母と子の繋がりがあって、飽きが来ない作品でした。
フリアンの「風の影」だけでなく、サフォンの「風の影」もまたマトリョーシカのように謎の中から謎が生まれ、時間という隔たりを越えて広がっていく。フリアンとダニエルの人生が絡み合い、重なりあいながらラストに向かっていく様は見事でした。内線の傷痕が色濃く残るバルセロナを舞台にした読みごたえのある本。「忘れられた本の墓場」に行ってみたい。
「人生があたえてくれなかった平和と安心を、彼女は、もしかしたら、言葉のなかに見いだそうとしていたのかもしれない」には泣きそうになってしまいました。そして、「物語というのは、その書き手がなにかを語ろうとして、自分宛てに書く手紙のようなものだ」・・・これらの文章がとても強く印象に残ります。
面白かったです!一気読みしました。まさにエンタメという感じ。大人になる過程の少年を主人公に、恋愛、探偵のような冒険、そしてバルセロナの街を駆け抜ける感じがとても楽しかった。ただし明るい光のバルセロナだけではない部分、違法行為をする刑事、不気味な追跡男、それぞれの暗い過去、古く人の住んでいない屋敷、内戦と内戦後の暮らしなど暗い部分がかなり不気味であることが、最後の光を際立たせているように感じました。主役よりも脇役それぞれが非常にいい味でした。
図書館でまず上巻だけ借りてから読み始めたのですが、 なぜ下巻を一緒に借りなかったのか!と後悔しました。 ストーリーも登場人物も緻密に書き込まれ、読み終わった後はすごい充実感でした。
う〜ん、面白かったぁ〜!正直、上巻は読むのにかなり時間がかかったんですが、下巻はあっという間に読み終えてしまいました☆上巻で提示された様々な要素が一気に繋がって、新しい事実が判明して…本当に引き込まれました。 *これは単純なミステリーや恋愛小説ではなかったです。フリアンとダニエルと、彼らに連なる人達の人生を描いた物語でした。上下巻とは思えない、厚みのある本です。
メモ:…ふと最後の章で心地悪さをおぼえて、あらためて物語を回想すると、この作者は本質的に女性、あるいは女性に翻弄される自己の性質を実はにくんでいるのか?という疑いが芽生えた。芝居気たっぷりのストーリーテリングの中で、そこだけ「ドラマ」の窓枠から飛び出ているような気がして。これ一作しか読んでないので予断も予断なのですが、メモしておきたくなりました。
以前上巻の途中で挫折した作品。今回もその辺りでスペースが落ちたがそこを超えると一気に下巻へなだれ込み、下巻中ほどからは解決編に向けて怒涛のエンディング。これほど充実した作品は久しぶり!カタカナ苦手なので時々登場人物表を眺めながら、数十年の時を経てまるでなぞるかのような人生を送る主人公と、謎の小説家の行く末をドキドキしながら読み終えました。明るい印象のスペインの暗い歴史を垣間見る歴史小説であり少年の成長物語であり、ミステリであり、恋愛小説であり、本を愛する者に捧げられた作品。読めて良かった!!
カタカナのお名前に苦手意識があるため、途中挫折しかかりましたが、手元のメモをもとによみだしたら後は一気に。ちゃんとよみきったごほうびあり。いいご本でした。 「夢をもちつづけろ。夢はお前を助けてくれる」 「われわれはね、自分の愛する人間を宝くじみたいに思っていることがあるのですよ。わしら自身のばかげた夢を実現するために愛するものが存在していると勘違いしているんだな」 「誰かが私たちのことを覚えている限り、私たちは生きつづける」
最初は「退屈な本を手にしちゃった。どこで止めようか・・・」なんて思ってたけど、フェルミンが拾われたあたりからあれよあれよと面白くなってきて、終わってみれば「1年に1度あるかないかの大ヒット」だった。最近日本で売れてるライトノベルもいいんだけど、万人ウケする冷凍食品やカップ麺みたいで、手軽で美味しいけど深さはない。一方この『風の影』なんかは、本物の料理人に出してもらったフルコースみたいな感じで、味わい深く、余韻も長い。贅沢なこと言えば私のストライクゾーンとはちょっと違うタイプの構成だけど、質的には満足◎。
やっぱりそうだったのか!予想の方向はあっていたけど、種類は違ったな。あとはもう一人、もっとつっこんで過去を暴いて欲しい人がいたのだけれど。
とりわけ登場人物が異常に魅力的なため、より現実味のあるその他の描写とは浮いた感じのある「愛」への執着が面白い。人間味にあふれた仲間たちと人間味を感じさせない徹底的な下種としての敵役。本当によくできた良作だと思う。
これは情熱と怨恨と復讐の物語。やはりスペインの人は熱い!登場人物がすごく入り組んでいて、「え、あの人が?」と驚かされる。よく作りこまれた物語を堪能した、という感じ。
並行して語られる2つの時代の悲恋の物語に、革命が暗い影を落としてなかなか重い雰囲気でしたが、最後は明るい兆しが見えて救われました。大勢の登場人物が、パズルのように組み合わされ結びついていく様子が見事でした。
久々に読んだ洋物ミステリ。これは面白かった!大満足。「失われた本の墓場」という設定が初っぱなからロマンチックだなーとつかみはOK!!ダニエルの現在とフリアンの過去の物語が交錯したり平行したり、どんどん物語に引き込まれ、途中痛くて切なくて涙しそうになりながらも、フェルミンなどのナイスな登場人物に救われ、最後は落ち着くべきところに着陸。感銘を受けたのは文中の比喩表現。ハッとする言葉を何度も読み返した部分がたくさんありました。フェルミンとバルで一杯やりたい…
最後に近づくほどに、怒濤の展開が加速。スペインという国の情景が思い描ける文章でした。実際にスペインに行って読むとよりいいんでしょうね。
頁をめくる手が止められない、というか一息つく間もない。てな訳でほぼ徹夜。夏バテ。バルセロナって街がこんな魔性っぽい一面を持ってるなんて。底抜けに明るいのがスペインかと思ってたら、かくも重苦しい歴史を背負っていたなんて。グーグルアースで見たらまた雰囲気のある通りがあって(本の墓場の通りも実在してた!)…あーまた行きたい場所が増えた。
こちらは会社の男性先輩のオススメ本。洋書の翻訳だからでしょうか、固有名詞が多くて上巻はなかなかストーリーそのものに入り込めなかったのですが、馴れてきたこともあり下巻は楽しめました。全般的に悲劇チックで誰にも救いのない悲しいムードが漂っているのですが、最後はきれいに収まってすっきり読み終えることができました。スペインといったら陽気で悩みとは縁遠いようなイメージですが、ヨーロッパの影の部分を垣間見たような気がします。
おもしろかった~。ダニエルとベア・・・良かったです!途中、7日後に僕は○○なんてでてくるから、ドキドキしながら読んだ。謎の作家、フリアン・・・う~む。この展開は驚きました。ぺネロぺとフリアンがベアとダニエルに重なり、またユゴーの万年筆が二人を結び・・色々な要素が綾なしていてそれが面白い。フメロ、厭な奴で恐い。蜘蛛や昆虫社会に理想を求めているとことか、とても興味深かったです。忘れられた本の墓場の主人に新しく○○がなったとこも、良かったな~。最高!!
重めできめ細かい文体と、大河ドラマ風のスケールの大きなラブストーリーとミステリーです。は〜いい本読めてよかった!しかしヌリアの手紙はどんだけ長いんだ…。
面白い!「忘れられた本の墓場」で出会った1冊の本から始まる波乱万丈、怒涛の展開。サスペンスであり歴史モノであり、恋愛モノであり、二重三重のミステリーでもある・・・にも関わらず上巻までは眠気をそそられることしきりでした(爆)古めかしく整えられた文体のせいでしょうか?クラシックの名演奏と同じ理屈?(笑)下巻は一気読みだったのに
過去の作家フリアンと、その影を追うダニエル、その二人の物語と思いきや、ペネロペやハシンタ、ソフィーやヌリアなどの女たちの物語でした。社会的にまだ立場の弱い女性たちが、男たちのために逆境に負けじと立ち向かい、戦っていました。バルセロナという舞台に、残念ながら想像力が追いつかなかったのが残念。確かどこかに、読書は本人の想像力の賜だとか、想像力がものを言うとか記述があったと思うけれど、その物語の本質を理解するためには、未熟なだけではダメなのだと感じました。
風の影の
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