今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)
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今こそアーレントを読み直すの感想・レビュー(210)
分かりやすさを求める世間に、はっきりした解を示さない戦略的KYはかっこいい。ビジネス上は、きれいなプレゼンで賢くなった気分に浸ってもらうのが「顧客満足度向上」なんだけど、成人相手にそれはあんまりやりたくないなあ、と思ってしまう自分には、良い言い訳理論的根拠に使えないかな。
アーレントの入門書。分かりやすくも、少々シニカルに解説されており、個人的には好感が持てた。「全体主義の起源」の原書(英語版)を買ってしまった。頑張って読もう(?)
講義(倫理2)を通じてアーレントに関心を持っていたところ、本屋に平積みしてあったので衝動買いした。アーレント解釈としての真偽はともかく(著者もそれは承知している)、アーレントを読みたくなる1冊だった。
アーレントの著作は読んだことが無いので、純粋に著者の「アーレントを通した」主張として読んだ。わかりやすく、考えることも多かった。しかし、いかんせん国語力が足りないところが見受けられる。意味のとりづらい、さらに言うなら文章としておかしなところがある。著者の責任もあるが、こういうのは編集の責任だろう。
アーレントの考え方は日本の現状に鋭くメスを入れている。「建前」「本音」?「本音のしゃべり場」が公共性の創出につながらない。SNS、教育、あらゆる日本の今日にアーレントの言葉が突き刺さる。「人間の条件」を再読したくなった。ただ、どのように「公共空間」を創出するか?がポイントになっていきそう。次はハーバーマスを読んで、もう少し「公共の創出」について考えることにします。
全ての党派性や政治参加への熱狂が嫌いなボクにとって最高の政治哲学入門の一つだった。アーレントと言えば複数性を背景にした公共空間への参加なんだけど、この本ではそれを支える観想的生活の重要性も強調され、政治、公共について静かな立場から考える土台が得られる。アーレントの歴史、哲学的洞察が現代の問題ときちんとリンクされているけど、アクチュアリティを言い訳にしたプロパガンダになっていない、意地悪なところがあってそこがスッキリする。政治参加とかいう人に引き気味な、政治嫌いにこそ面白い本だ。つまりボクのような人間に
アーレントの考えを去年授業で習って興味を持ったのがきっかけで読みました。私はアーレントのもどかしさを好むような人が好きなのかもしれない…と思った。いつか自分なりにしっかり「人間の条件」を読めるようになりたい…
ハンナ・アーレントの議論を、仲正先生が勝手に読んで、仲正流に再解釈してまとめた本。有名な著作からエッセンスを抽出し、適宜解説をくわえていく。アーレントといえば、労働・仕事・活動だと勝手に思っていたのだが、他にも複数性など大事な概念はたくさんあるんですよね。日頃の不勉強を思い知らされました。はい。
本書に述べられているアーレントの思想のエッセンスの一つとして公共の場での言論活動を通じて思考の複数性を身につけ思考停止に陥らないこと、そして、世間に流布する解り易い議論に安易に流されることなく自ら客観的思考を重ねることの重要性を感じることができた。 これに関して、現在の日本における政治に関しても、無能・無責任な首相が入れ替わり立ち替わり現れては消える異常な状況に対する有権者としての責任を強く反省させられた。
大学で学んで挫折したアーレントについての入門書。『今こそ』というタイトルにいささか政治性が見える気がするが、素人向けに彼女の思想をかみくだいて可視性を高めてもらったおかげで、彼女がどういう考え方をしていたと思われているのかについてはとてもよくわかった。ここから先は本人の著作を読んで、それこそ自分で考えるしかないんだろうな
アーレントに関する本は初めて読んだが、彼女のメタレベルの思考=分かりやすさの拒絶という姿勢には共感する。易きに流れるのであれば、考えることは必要がない、というくらいの腹のくくり方でないと、哲学としての魅力も減じる。自由の定義そのものには納得しかねる部分もあるが、考えるフレームワークを提供してくれているというだけで価値があり、どんな結論を導くかは、読者である我々に委ねられているのだと思う。
耳障りの良い言葉を疑え。画一的な言論に呑み込まれるな。じゃあどうしたらいいのさ、という問いに簡単には答えてくれない政治哲学者アーレントの入門本。著者も自分で仰っていたが、わかりやすさを疑え、という割に本書はわかりやすく、自分のような初学者でもぐいぐい読める。お勧め。
【★★★☆☆】「活動(=コミュを通して他人格に働きかけ、説得する営み)」と「複数性(=人格的相互作用をする距離、「間」)」という核。それに基づく価値観の多様性と「共通善」志向。/耳にする機会は少なくない。しかしそれを「当たり前」のように実践できているかというと…。特に二項対立/二分論がそこら中に溢れている今、心に刻み付ける意味はある。/「分かりやすさ」を疑う、分かりやすい本だった。
ギリシャのポリスでの言論活動こそが、人間の思考停止を防ぎ、人々の多様性を維持する。面白いので一気に本日読んでしまいました。ハイデガーの後継者の言説が知りたくなり、彼の恋人でもあったアーレントに挑戦…といっても、難解らしいので、先ずは仲正さんの解説本をと。新書らしく、大変わかりやすく、一気に語られています。「イェルサレムのアイヒマン」に代表されるナチスの「全体主義」反省から「複数性」を維持する「活動」を推奨。このまま、日本の物語の消失から始める、大澤真幸の『「正義」を考える』を読むのは、いいんじゃないかな。
アーレントは色々なところで参照されるが、その思想に関してはやはり取っ付きにくいところがあった。しかし読んでみると、私が今心に持っている違和感にドンピシャな部分があって、ちょっと笑ってしまうぐらいだった。人によっては「そんなこと言わなくても知っているわい」と思われることのほうが多いかもしれない。しかし、やはりその当たり前を実現する難しさも感じ取って頂きたい。
政治哲学者アーレントの思想についての入門書。アーレントについては全然知らなかったけど、著者の語り口が好きなので読んだ。非常にわかりやすい。近代社会は進んだ社会ではなかったのか?
この社会は帝国主義やファシズムを生み出した。なぜこんなことになったのか?
アーレントは政治が本来の意味とはかけ離れて解釈されている近代を批判。アリストテレスの『共通善』などから政治を解釈する。
今フロムの『自由からの逃走』読んでるけど似たテーマだ。
アーレントは主要な著作が邦訳されている現代政治理論家の中では希有な存在だ。しかし、彼女の思想はメタレベルの思考をするし、独特な言い回しもあり、分かり難い。にもかかわらず、著者はかなり大胆に分かりやすくアーレントの思想像を描いてみせる。著者の提示するアーレント像は政治社会の「複数性」の重要性だ。そして個人的にはその解釈は妥当だと思う。もっと突っ込んだ解説書を読むなら川崎修の『アレント』(講談社)を読むとイイ。ともあれ、最初に「アレントってどんな思想家だ?」という取っ掛かりには重宝すると思う。
世界を単一にみる世界観への批判やなにが正しい社会と言えるのかという話が刺激になった また容易な結論とかを読み込めないアレントの素敵さについて知れた アメリカ憲法とかに興味を持った イェルサレムのアイヒマン 人間の条件 そしてとくに全体主義の起源をいつかかならず読もうと思った 全体主義の起源というのは自分を分析する上でかなり役に立つ本だろうと思った
政治哲学者ハンナ・アレントの入門書。思想背景は哲学者らしいものがあるが、政治への見方は一般人感覚で非常に共感しやすい。議論すべきところと、学問の限界をしっかりと区別できている優秀な哲学者であると思った。著作にもいずれ挑戦したい。
著者の本のなかではかなり読みやすいほうではないだろうか。読んでいてこれだけいろいろと腑に落ちる感じがするのは久しぶり。中身とは関係ないが前書きで「読者には、ここまでの私の書きっぷりからして既に十分想像がついていると思うが、私は、「分かりやすすぎるのは問題」だと言っているわりには、いろんな意味で”分かりやすい”書き方をするほうである」(P.21)とあって笑ってしまった。
政治哲学。思ってたよりずっと読みやすかった。思想内部の歴史背景の裏づけをちゃんと説明してくれてるのがありがたい。ハンナ・アーレントについて何も知らなかったけど、それでも読みごたえがあった。
返却期限が来てしまい最後まで読破出来なかったので、余裕があるときに再読したい一冊。アーレントを読みこなすのは難しいと言われていたので敬遠していたのですが、政治哲学初心者の私にも理解しやすい解説で良かったです。著者自身、ひねくれ者と自称していますが、その雰囲気が文章に表れてるのも個人的に好きかもしれないw
アーレントの『人間の条件』から、複数性を前提とした「活動(action)」の余地をなくし、複数性を消滅させてしまうと、ナチスやスターリニズムの如く全体主義に陥ってしまう、ということであるが、現代の日本社会は複数性を排しているように思える。例に挙がった格差社会がまさに典型だと思う。
ハンナ・アーレント読解。アーレントは、帝国主義を生み、ファシズムに繋がってしまった基となる西洋・近代的な人間観の問題点を、古代西洋のポリスにおける人間定義を分析することによってブラッシュアップすることを試みていると。こうしてみるとアーレントの問題意識は、首尾一貫しているように見える。人文系の大学生には是非お勧めしたい(この程度の分量の新書くらい、素面で読んで欲しい)本。著者の特徴である、きっつい厭味も少ない真っ当な論文。仲正昌樹の仕事に外れなし。
帯のコピー、"「分かりやすさ」を疑う" に惹かれて購入。 ヒトが人間であるために一番大事なのは、言語的なコミュニケーションを介して、他者の精神に影響を与える「活動」だ、という主張が心に残った。 より人間らしくあるためにという理由で、ものの見方を多元化すること、互いの価値観が違うと認めること、教養としての勉強を続けること…などなどが推奨されるわけで、ステキな考え方だと思う。 …人生訓のような感想になってますが、全体主義発生の過程や、人間の自由と公共性といった政治哲学的話題も面白かったです。
ハイデガー、フッサール、ヤスパースに師事し、ハバーマスへと繋がる人物として興味深く読んだ。 難解なアーレントを著者なりの理解で小泉内閣や秋葉連続殺傷事件、2chなど現代日本の状態を交えながら“分かりやすく”解説する。 政治哲学、法哲学、道徳哲学となかなか馴染みのない分野に関して問題の所在を明らかにしながら論じてくれたのは有り難かった。 比較的新しい著作のはずだが著者もまさかこうも早くKYという言葉が廃れるとは思わなかったろう…。
アーレントは人間として成り立つためには、「労働」、「仕事」、「活動」が基本条件だと説く。ここでいう「労働」は生存に必要な行為であり、「仕事」は人工的な世界を構築する営みのことだ。そして「活動」は、自分と同じように思考している他の人格に対する営みだ。この「活動」は、「複数性」という多様な他者によるパースペクティブを前提にしている。こういう「複数性」を保てずに思考や対話を停止させると、全体主義におちいってしまうのだ。そのためには「観想的生活」をしつつも「活動」を通して、他者との関わりを保たなければならない。
「複数性」を排除することが、知のトレンドであると勘違いしている流れに対し警鐘を鳴らす本。また、政治家による偽善に見えた発言も、それが一貫しているなら評価されるのではないか。
全体主義は人間にとって不滅なものだとすれば、今こそも何もない。「分かりやすさ」を疑うと銘打った本がこれだけ分かりやすいという場合、読者はこの本を信じるべきか、否か。
確かにわかりやすかったけど、自由の深淵から判断力につながるあたりがよく理解できなかった。そこに深淵があるのをわかって放置して他の話題に移った感があるけどそんなもんなんだろうか。著者の解釈が混じっているのと、かなりわかりやすく書かれている(らしい)のが相まって、ほんとにアーレントはこんな風に言ってるんだろかと疑問に思ってしまう。もとを読めってことか・・・自信ないな。
生まれながらに立派なら、地上はとっくの昔に天国になってるだろうしね。複数性は大事だと思うけど、類は友を呼ぶから、自分と違う考えと出会うのは意外と難しそう。面白かった
人間の条件=複数性が大切。それを鍛えるために「活動」をせよ。でも偏りは禁物。一緒に「観想」もしよう。また、全体主義は思考を均質化させる、などの指摘もなるほどと得心させる説得力がある。おもしろい。
今こそアーレントを読み直すの
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