FUTON (講談社文庫)
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FUTONの感想・レビュー(130)
100年前の時雄先生、50年前のウメキチさん、そしてデイブ…いつの時代も中年男は若い女のしたたかさに振り回されていましたね。可愛いような、切ないような
田山花袋の『蒲団』では名前すらつけてもらえなかった時雄の妻を主人公に据えた『蒲団の打ち直し』という劇中小説(?)が面白い!更に『蒲団』における男女の関係と同じシチュエーションで繰り広げられる現代の三角関係を通して100年前と現代とでの考え方の違いが描かれているのも面白かったです
本家『蒲団』は読んだことないのですがしかしこれは面白かった! 解説にもありますが「蒲団の打ち直し」というタイトルを思いついた時点で勝ったも同然じゃないかと思うような、いやタイトル負けしないきっちりした内容にするのが逆にハードル高いんじゃないかとか。個人的には終盤のイズミさんの、芸術と東京に対する語りがすごく良くて、その章のラストにずしりとやられて、しばらくそこばかり何度も読み返してしまいました。序盤よりむしろ語り手たちが鶉町で交錯する辺りからが俄然面白くなると思います。全く中島京子の本は外れがないですね。
職場の方のお勧めで読んでみた。色々な角度から面白かった。今と昔、サスペンス、嫉妬、疑心などなど。田山花袋は名前しか知らず、次は「蒲団」読んでみようかな。
本家「蒲団」は読んでいないけど、この100年で社会通念がここまでひっくり返ったのかと、びっくり。時雄はデイブのように、熱の冷めた自分を見直してみたのかな。
初・中島京子小説! 読んでよかった。デイブの「蒲団の打ち直し」もいいし、デイブ達の現実の話も両方とも読みごたえがあった。イズミの「トウキョウは傷ついたけど癒されたのかな」という話に、うおっと思った。 いずれ、田山花袋の「蒲団」も読んでみる。
なかなか面白い作家だなあ。小説自体のフォームに意識的な作家って最近ではあまりいないから新鮮。田山花袋の「蒲団」を知らなくても、面白く読めると思います。個人的には若い学生を追いかけるマッコーリーが気持ち悪く感じて入り込めなかったのが残念。加えて「蒲団の打ち直し」のラストは、本家のラスト以外の不埒なものも想起させるので、もう少し工夫が必要かな?と思った。何度も読み返したい好きな作品ではないけれど、文学好きにはおすすめ。
中島作品制覇を目指し、9冊目。これがデビュー作というのには非常に驚くとともに、その渾身の力作ぶりに納得もする。8年前の春・・・私は一体その頃何をしてたんだろうか、と思い返したりした。デイブ・マッコーリーが好人物なのが読んでいて楽しい。
蒲団とデイブのコラボ。中島京子ってすごい。人間をかくのが上手い。構成も文章も上手い。今後も他の作品読まサシテモラウ。モリタ教授風。
実際に『蒲団』という本があったことさえ知らなかった私。文学はまったく分からないので普通の小説としての感想を書きます。前半は正直よく分かりませんでした。後半になりようやく歯車が回り始め、最終的には「後にならないと分からないことも多くある」ということだったのかな?、と思いました。次読む時は『蒲団』を読んでから読めたらいいなぁ、と思います。
中島京子2冊め。物語は田山花袋『蒲団』を「細君」視点で打ち直した論文を挟みつつ、アメリカと東京下町(そこも現代と終戦前後が入り乱れる)の出来事が語られていく。イズミさんは全てがまっさらになったニューヨークにむかったのか、彼女が絵を描けたのかが気になる。読後にこれがデビュー作と知って、びっくり。『ちいさいおうち』で知った作家さんだけど、戦争のことを書くのが妙にうまいなあと思った。
田山花袋「蒲団」を本歌取りした長編小説。本歌での主人公時雄役に日本近代文学の教授でアメリカ人デイブ。地のストーリーと「蒲団」が時雄の妻目線で書かれるデイブ作「蒲団の裏打ち」が交互書かれる構成が面白い。妻目線なるほど〜ってなります。現代と100年前の日本人の感覚の違いも。楽しく読めました♪
読友さんから田山花袋『蒲団』との関係を教えて頂いた事に感謝。『蒲団』に対して『蒲団の打ち直し』が見事に裏をとりハモッているのは見事!としか言えません。そこに絡み付く現代版の『蒲団』のストーリーが100年の時を越えてキチンと納得のいく収まり方をしてくれてホントに気持ちいい。『蒲団』の理解も深まり、自然主義文学や私小説についても色々勉強になりました。それにしても、これデビュー作らしい。天才って居るんですね〜♪個人的には田山花袋『蒲団』から読むのがオススメです!
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(4)
- 12/23
予想以上に面白く、夢中に。私の本の読み方は、大きく分けて三通りで、1登場人物の誰かしらにどっぷり同調 2感情移入なし、自分は自分として、その世界に身を置く(置いている様な錯覚) 3感情移入なし、自分はこちら側(現実)に居て、あちら側(本)を虚構として楽しむ。で、本書は3。それは、鶉町にも登場人物にもリアリティがないから。なのに何故こんなに面白いかと言えば、作中作の「蒲団の打ち直し」の世界にむしろリアリティがあるからだろうか? そもそも、花袋へのオマージュである本書は、この方が良いのかも
四十も過ぎた男の多くは自分を見失う。器の底が見える。役目が終わって後は老いて行くだけみたいな不安や孤独に襲われるんです。それで自分を取り戻そうとしたときに思い出すのが恋心。うまくいくはずもないのにのめり込んで行く。そんな情けない男たちを100年の時を紡いで繊細かつ大胆な女性目線で描ききってます。そしてその下地が花袋の布団の打ち直しと言うから恐れ入った。おまけに時代の違う3つの物語をあらぬ方向に投げたお手玉を最後にすっと手の中に納めてしまうような技巧の見事さ。面白くって上手くって心にじわっとくるいい本です
田山花袋の布団は読んだことはない でもこれは面白い デイヴの布団の打ち直しとの二重構造がまたいいね 愉快な小説だよ
戦時中と現代、男と女、若さと老い、和と洋、夢と現実、いろんなものの極の間をゆらゆらとたゆたう物語。いままで読んだ中島作品のなかでいちばん面白かった!なんだか意気込みのようなものが感じられる。アトウッドの「ペネロピアド」なんかにインスパイアされたのかな。田山花袋の「蒲団」は読んでないけど、男の文学であることはなんとなく分かり、それについて、冷静な視線でこれを書いて見せた中島さんのウィットに畏れと尊敬を感じます。
タイトルが『FUTON』の時点でかますなぁと思っていたら、『蒲団の打ち直し』とはやられた。結局奥さんも嗅いじゃうんですね、かかせないですよね「かぐ」のは。時間処理や二重構成がなかなか巧妙だが、本篇の女性達は多く語るがゆえにどこか得体の知れない人物になっている。と感じるのは私が男だからか?
『蒲団』は、打ち直しをして新品同様が三つになった。実も蓋もない話も、ほどいてみれば、こんなにたくさんの物語がある。それらがみんな一緒になって、三つと思ったのがやっぱり一組の蒲団だったよ、と思ったのでした。さわやかな読後感です。好きな登場人物は、不機嫌なガラガラ声で「ハラペーニョはどういたしやす?」のタツゾウさんです。
皆さんのように面白いと感じられないのが口惜しい。何をどう感じ取るべきなのか掴めず。私には小難しい。ユーモア溢れるとの作品紹介にも惹かれたのだけど、私の思うソレとは種類が違うようで、どこがユーモラスなのかわからなかった。ただ、何がどうと上手く説明出来ないのだけど、魅力があるのはわかります。わからない〜と感じつつ、そのわからない部分が次にはわかるかもと期待させられツイツイっと読まされてしまったので。
すご〜く面白かった〜!。デイブとエミ、デイブの書く、時雄の妻の視線からの蒲団の物語「蒲団の打ち直し」、イズミとウメキチ。この三つのストーリーが絡んで進む。中島さんの作品はこれで三作目だけど、こんなに素晴らしい腕前を持った作家なのにもっと評価されるべきだとつくづく思いました。
花袋の『蒲団』をモチーフに、三つの物語が展開される多重構造。どの物語でも女性陣が現実的でしたたかで生き生きしているのに比べて、男性陣はなんと情けなく滑稽であることよ。でもそのヘタレ具合が、読んでいるうちになんだか愛おしくなってきたりするのだ。中でも『蒲団』を妻目線で翻案した『蒲団の打ち直し』が面白すぎる。本家は昔一度読んだきりで記憶も薄れているので、今後『蒲団』といえばこの『打ち直し』の方を思い出してしまいそうで怖い(笑)。
これ、面白ーい!花袋の『蒲団』をベースに3つの軸で物語は進むのだけど、この構成!どんどん引き込まれて一気に読んでしまった。登場人物は魅力的だし、会話は楽しいし、どのオヤジだちも哀れだけどかわいいんだよね。そして、たしかにどの軸の話も花袋の『蒲団』を下敷きにしているのだと納得。いや〜、ほんとに面白かった。
『蒲団』という作品を焼きなおしてこんなに面白いのっていうのはやっぱりすごい腕を持った作家さんだな。原作を知らないのがちょっともったいなかった。もちろん知らなくても十分に楽しめる作品であることは間違いない。作品の世界感がすごい立体感を伴っている感じがした。こういう小説は好きだ。『日本奥地紀行』に対する『イトウの恋』も気になる。ぜひ読んでみたい。
高校時代の恩師が、卒論に蒲団を選んでいたことを思い出しつつ・・・。女性視点の「蒲団の打ち直し」、面白かった。いろいろな理不尽さを飲み込みつつ、蒲団の打ち直しを経済的に考える美穂が素敵。
芳子が去った後、美穂のように。エミとの恋が終わった後、デイブが母国に帰るように。蒲団は打ち直されていく。すごく面白かった、けど、花袋の蒲団を読み返す気になれないのは、この美穂視点の「蒲団の打ち直し」がとても気に入っているから。脇役好きとしてはケンちゃんことハナエちゃんが好き。頑張ってほしいと手放しで思う。
大学付近の本屋で購入した。 基の「蒲団」が男性視点から書かれているのに対し、こちらは奥さんの視点から書かれていた。 面白さは、蒲団を現代に置き換えたらどうなるか? だろう。 故郷と上京先は、関西と関東から日本とアメリカに変わったり、手紙を盗み見るプロセスがメールを見るプロセスに変わったりと興味深い。 本家を読んでから読むのが順当だと考えられる。
まさに「蒲団」の「打ち直し」!うまいなぁ~。そして、面白い!本家「蒲団」は学生の頃に読んだきりで記憶も朧だし良い印象もないけれど、この作品を読んでかえって興味が沸いてしまった。また、この作品の多重構造は、実際の布団の打ち直しで行うあの綿を何層も重ねる実際の手順とも重なって、そこもうまいと思いました。
FUTONの
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感想・レビュー:43件




















































